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第55話ランガの森ダンジョン編㊱
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マリアがミラーの攻撃をかいくぐり、額に埋め込まれている魔石めがけて大剣を振り下ろす。
猛スピードで伸びてきた巨大なツルがマリアの体を殴打する。ツルの攻撃は魔法陣が完全に防ぎ、衝撃で飛ばされたマリアが床を滑るようにして体勢を立て直す。
(戦闘用ブラの防御機能が低下してきてる。攻撃力増加バフもあと少しで切れそうだし。ベネディのスキル発動まで私が踏ん張らないと……)
マリアが再びミラーに向かって突進する。
「バカの一つ覚えがっ! これでも喰らえ!」
巨大なツルが多方向から同時にマリアを襲う。
全角度から魔法陣が出現し、ツルの攻撃をはじき返した。
「はぁぁぁぁぁ!」
間合いを一気に詰めたマリアが、ミラーの腹部を真横に切り裂いた。
ミラーの腹部から緑色の血しぶきが飛び散る。大きく開いた傷口はあっという間にふさがり完治した。
(再生速度が速すぎる……。再生する隙を与えず攻撃し続けないと)
襲い掛かる巨大なツルの上を走り抜け、マリアがミラーの懐へ斬りこむ。素早く後方へ回り込み、ミラーの背中に大剣を叩きこむ。
「うおぉぉぉぉ!」
連続で斬撃を繰り出し、ミラーの体をそぎ落としていく。
何本もの巨大なツルの攻撃がマリアの魔法陣に打ち込まれ、大きな衝撃音がダンジョン内に鳴り響く。
(くっ……胸が痛い。そろそろ魔法陣も限界かも。でも、ここで引くわけにいかない!)
マリアは一切ためらわず、大剣を振り続けた。
「ハハハハッ。ずいぶんと苦しそうじゃないか? その表情、たまらんなぁ」
ミラーの首が回転し、後方のマリアを見ながら舌なめずりをする。
「黙れバケモノ! お前の体、ミンチにしてやるわ」
「いいだろう。お前の魔法陣と我が肉体、どちらが上が試してみるがいい!」
マリアはひるまず攻撃を続けるが、ミラーの自己再生速度を上回るダメージを与えることが出来ない。一方、ミラーの攻撃は確実に魔法陣の盾にダメージを蓄積させていた。
マリアの魔法陣に小さな亀裂が生じる。
「おいっ、もうマリアが限界だ! バフが切れる前に魔法陣が壊れちまう!」
オリバーがベネディクタに向かって叫んだ。
ベネディクタが大きく深呼吸して目を開ける。全身から魔力が溢れだし、オーラとなってユラユラと立ち上る。
「ファースト・ブレイクッ!」
ベネディクタの声と同時に彼女の体から衝撃波が発生し、ダンジョン内の空気が振動した。
「な、なんだこのプレッシャーは?」
ベネディクタのオーラを感じ取ったミラーが攻撃の手を止める。その隙にマリアが飛びのいて間合いを取る。
「はぁはぁ……もうバフも切れちゃった。ベネディ、あとはお願い」
「マリアがいてくれて本当に良かった。感謝するわ。行ってきます」
息を切らしてしゃがみこむマリアの肩に、ベネディクタがそっと手を置いた。
猛スピードで伸びてきた巨大なツルがマリアの体を殴打する。ツルの攻撃は魔法陣が完全に防ぎ、衝撃で飛ばされたマリアが床を滑るようにして体勢を立て直す。
(戦闘用ブラの防御機能が低下してきてる。攻撃力増加バフもあと少しで切れそうだし。ベネディのスキル発動まで私が踏ん張らないと……)
マリアが再びミラーに向かって突進する。
「バカの一つ覚えがっ! これでも喰らえ!」
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全角度から魔法陣が出現し、ツルの攻撃をはじき返した。
「はぁぁぁぁぁ!」
間合いを一気に詰めたマリアが、ミラーの腹部を真横に切り裂いた。
ミラーの腹部から緑色の血しぶきが飛び散る。大きく開いた傷口はあっという間にふさがり完治した。
(再生速度が速すぎる……。再生する隙を与えず攻撃し続けないと)
襲い掛かる巨大なツルの上を走り抜け、マリアがミラーの懐へ斬りこむ。素早く後方へ回り込み、ミラーの背中に大剣を叩きこむ。
「うおぉぉぉぉ!」
連続で斬撃を繰り出し、ミラーの体をそぎ落としていく。
何本もの巨大なツルの攻撃がマリアの魔法陣に打ち込まれ、大きな衝撃音がダンジョン内に鳴り響く。
(くっ……胸が痛い。そろそろ魔法陣も限界かも。でも、ここで引くわけにいかない!)
マリアは一切ためらわず、大剣を振り続けた。
「ハハハハッ。ずいぶんと苦しそうじゃないか? その表情、たまらんなぁ」
ミラーの首が回転し、後方のマリアを見ながら舌なめずりをする。
「黙れバケモノ! お前の体、ミンチにしてやるわ」
「いいだろう。お前の魔法陣と我が肉体、どちらが上が試してみるがいい!」
マリアはひるまず攻撃を続けるが、ミラーの自己再生速度を上回るダメージを与えることが出来ない。一方、ミラーの攻撃は確実に魔法陣の盾にダメージを蓄積させていた。
マリアの魔法陣に小さな亀裂が生じる。
「おいっ、もうマリアが限界だ! バフが切れる前に魔法陣が壊れちまう!」
オリバーがベネディクタに向かって叫んだ。
ベネディクタが大きく深呼吸して目を開ける。全身から魔力が溢れだし、オーラとなってユラユラと立ち上る。
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「な、なんだこのプレッシャーは?」
ベネディクタのオーラを感じ取ったミラーが攻撃の手を止める。その隙にマリアが飛びのいて間合いを取る。
「はぁはぁ……もうバフも切れちゃった。ベネディ、あとはお願い」
「マリアがいてくれて本当に良かった。感謝するわ。行ってきます」
息を切らしてしゃがみこむマリアの肩に、ベネディクタがそっと手を置いた。
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