この防具職人の作る下着が凄すぎる!

パイ吉

文字の大きさ
上 下
52 / 76

第52話ランガの森ダンジョン編㉝

しおりを挟む
「あなたたちも逃げて!」
 ベネディクタがダンテスの部下たちに向かって叫ぶ。
「うあぁぁぁぁ!」
「助けてくれっ」
 ミラーの体から伸びる巨大なツルが、ダンテスの部下たちを次々捕食していく。ダンジョン内に悲痛な叫び声が響く。
 植物性モンスターと化したミラーの体が元通りに修復され、額の魔石に漆黒の光が灯る。
「コイツやばいわ……魔力が桁違いに跳ね上がってる」
 シルフの小さな体が震える。
「さっきのとは別物ってことね。シルフみたいに魔力は分からないけど、ものすごい圧力を感じる。アイツの強さを肌で感じるわ」
 マリアの腕に鳥肌が立つ。
「なぁ、逃げるって選択肢はもちろんあるよな?」
「ランガの森のそばにはルドルフの町がある。私たちが逃げれば真っ先に住民が襲われるわ」
「だよな……」
 マリアの答えを聞いたベックがうなだれる。
「マリア、戦える?」
「戦えるけど、もうスキルは使えない。さっきので魔力を使い果たしちゃったから……」
 ベネディクタの問いにマリアが答える。
「私に作戦があるの。みんな聞いて。オルトリンガム中隊長にもお願いがあります」
「俺なんかで役に立てることがあれば何でも言ってくれ」
 ベネディクタの作戦に全員が耳を傾ける。

「ハハハハ! 力が溢れてくるぞ。さっきとは比べ物にならん。さあ、次は貴様らの番だ。私の力の糧となれっ!」
 何本もの巨大なツルがマリアたちめがけて一直線に伸びていく。
 マリアとベネディクタの胸の前に魔法陣が出現し、ツルの攻撃をすべて跳ね返した。
「なんだその魔法陣は? こしゃくなっ! ひねり潰してくれるわ!」
 ミラーがむきになり、巨大なツルを鞭のようにしならせ叩きつける。
 マリアとベネディクタの戦闘用ブラから発動した魔法陣が、瞬時に攻撃方向を感知してすべての攻撃を防御する。
「す、すごい衝撃ね。体は痛くないんだけど、ここら辺にちょっと響く感じ」
 マリアがIカップの谷間に手を乗せる。
「そうね。私も胸に振動を感じる。でも、ハルトが作ってくれたブラのおかげで、ミラーの攻撃を完全に防ぐことができるわ」
 Jカップの巨乳を包み込んでいるブラを、ベネディクタがそっと撫でる。

 マリアとベネディクタが左右二手に分かれて走り出す。ベネディクタの後ろにベックとシルフ、マリアの後ろにオリバーがピッタリついていく。2組のチームが巨大なツルの攻撃を防ぎながらミラーの周囲を走り回る。
「クソッ。ちょこまか逃げ回りおって! 死ねっ」
 ミラーがベマリアに狙いを定める。
「能力強化スキル発動! バーサク!」
「やぁぁぁぁぁ!」
 頭上に打ち下ろされる巨大なツルを、マリアが大剣で斬り飛ばした。
「ば、バカなっ。スキルも使わずどこにそんな力がっ」
 ミラーが動揺する。

「オルトリンガム中隊長のスキルは能力強化。バフを付与されたマリアの通常攻撃はスキル攻撃力にも匹敵するわ」
「さあベック、行くわよ! 次は私たちの番なんだから」
「ああ、調子乗ってるあの野郎に一泡吹かせてやろうぜ!」
 ベネディクタのチームがミラーへ向かって一直線に駆け出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...