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第26話ランガの森ダンジョン編⑦
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「これは余計なお世話かも知れないが、アンタは本来の自分の力を出していない。いや、出せないと言った方が正確か」
「それはどういう意味かしら?」
精霊たちとたわむれていたベネディクタの目つきが変わった。
「ベックから聞いた話だと、アンタは騎士学校で無敗の生徒だった。得意な戦闘スタイルは魔法と魔法剣による中距離と遠距離攻撃だ。それなのに、マリアに対して接近戦をしかけてきた」
「それは、魔法を使わない剣士のマリアとフェアに試合がしたかったからよ」
「ベネディ、そんな風に思ってくれてたの? ありがとう」
マリアが嬉しそうにベネディクタの両手を握る。
「騎士道ってやつか。それも本当の理由の一つなんだろう。でもアンタは、マリアの胸の大きさを見て疑心暗鬼だったはずさ。本当にネームドと戦えるほどの剣士なのか? ってね」
「……ええ。君の言う通りよ。私はマリアに期待を寄せた。胸が大きくても努力と鍛錬を積み重ねれば強い剣士になれるのではと。マリアは私の勝手な期待に応えてくれた。強い剣士に自分の剣がどこまで通用するか試したかったのよ」
ベネディクタが寂しげな表情で視線を地面に落とした。
「えっ? どういうこと?」
マリアが2人の顔を交互に見比べる。
ベネディクタが騎士団の制服のボタンをはずし始めた。大きくはだけた上着の胸元は、真っ白い布が幾重にも巻かれていた。ベネディクタがさらし布をほどいていく。やがて、隠されていた胸元があらわとなる。
ベネディクタの胸は、両腕で隠し切れないほどの大きさだった。二本の腕で乳房の正面を隠しても、見事なY字の谷間と下乳がはみ出ている。
ハルト以外の全員が口を開けて言葉を失った。
「騎士学校の高等部に入ってから急に大きくなり始めたの。それまで普通だったのに。接近戦をメインとしたオールラウンダーから、魔法主体の中距離遠距離スタイルに変更せざるを得なかった。私が本当に得意なのは物理攻撃主体の接近戦よ。剣が好きなのよ」
「あのぉ……ベネディ、ごめんね」
「どうしてマリアが謝るの?」
マリアの謝罪にベネディが不思議な顔をする。
「私も胸が障害になってて、すごく悩んでた。鍛錬もしたし、死ぬほど努力した。それでも実戦でまともに戦えなくて、ベックや他の同期たちに先を越されてたの。私が今戦えてるのは戦闘用ブラのおかげ、ハルトのお陰なんだよ」
「えっ! そうだったの? 下着一つでそこまで変わるなんて……」
ベネディクタが上着のボタンを留めながら、マリアのIカップを見つめる。
「ねえ、ハルト。ベネディにも戦闘用ブラを作ってあげたらいいんじゃない? そうすれば、ベネディが本当に得意なスタイルで戦えるでしょ?」
「お客が望むのなら、職人は仕事をするだけだ」
ハルトがぶっきらぼうに答える。
「私にも、戦闘用ブラを作ってくれないかしら?」
制服のパンパンに張った胸元に手を当て、ベネディクタは気恥ずかしそうに依頼した。
「それはどういう意味かしら?」
精霊たちとたわむれていたベネディクタの目つきが変わった。
「ベックから聞いた話だと、アンタは騎士学校で無敗の生徒だった。得意な戦闘スタイルは魔法と魔法剣による中距離と遠距離攻撃だ。それなのに、マリアに対して接近戦をしかけてきた」
「それは、魔法を使わない剣士のマリアとフェアに試合がしたかったからよ」
「ベネディ、そんな風に思ってくれてたの? ありがとう」
マリアが嬉しそうにベネディクタの両手を握る。
「騎士道ってやつか。それも本当の理由の一つなんだろう。でもアンタは、マリアの胸の大きさを見て疑心暗鬼だったはずさ。本当にネームドと戦えるほどの剣士なのか? ってね」
「……ええ。君の言う通りよ。私はマリアに期待を寄せた。胸が大きくても努力と鍛錬を積み重ねれば強い剣士になれるのではと。マリアは私の勝手な期待に応えてくれた。強い剣士に自分の剣がどこまで通用するか試したかったのよ」
ベネディクタが寂しげな表情で視線を地面に落とした。
「えっ? どういうこと?」
マリアが2人の顔を交互に見比べる。
ベネディクタが騎士団の制服のボタンをはずし始めた。大きくはだけた上着の胸元は、真っ白い布が幾重にも巻かれていた。ベネディクタがさらし布をほどいていく。やがて、隠されていた胸元があらわとなる。
ベネディクタの胸は、両腕で隠し切れないほどの大きさだった。二本の腕で乳房の正面を隠しても、見事なY字の谷間と下乳がはみ出ている。
ハルト以外の全員が口を開けて言葉を失った。
「騎士学校の高等部に入ってから急に大きくなり始めたの。それまで普通だったのに。接近戦をメインとしたオールラウンダーから、魔法主体の中距離遠距離スタイルに変更せざるを得なかった。私が本当に得意なのは物理攻撃主体の接近戦よ。剣が好きなのよ」
「あのぉ……ベネディ、ごめんね」
「どうしてマリアが謝るの?」
マリアの謝罪にベネディが不思議な顔をする。
「私も胸が障害になってて、すごく悩んでた。鍛錬もしたし、死ぬほど努力した。それでも実戦でまともに戦えなくて、ベックや他の同期たちに先を越されてたの。私が今戦えてるのは戦闘用ブラのおかげ、ハルトのお陰なんだよ」
「えっ! そうだったの? 下着一つでそこまで変わるなんて……」
ベネディクタが上着のボタンを留めながら、マリアのIカップを見つめる。
「ねえ、ハルト。ベネディにも戦闘用ブラを作ってあげたらいいんじゃない? そうすれば、ベネディが本当に得意なスタイルで戦えるでしょ?」
「お客が望むのなら、職人は仕事をするだけだ」
ハルトがぶっきらぼうに答える。
「私にも、戦闘用ブラを作ってくれないかしら?」
制服のパンパンに張った胸元に手を当て、ベネディクタは気恥ずかしそうに依頼した。
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