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第八章
社交界の閉幕(二)
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テオバルドたちもこちらに向かっていたようで、二人とはすぐに合流できた。
「やあ、シルバキエ公爵、公爵夫人」
「王太子殿下、王太子妃殿下にご挨拶申し上げます」
テオバルドの頬が笑いを我慢するようにひくついているのも、ヘレナがいつも以上ににこやかなのも気のせいだろう、とルシアナはレオンハルトと共に頭を下げる。
「はは。楽にしてくれ、二人とも」
明るく言ったテオバルドは、頭を上げたレオンハルトの肩に素早く腕を回した。
「お前、もしかして一睡もしないでこっち来たのか?」
「いや、ゆっくり寝た」
何やら小声で話し合っている二人を横目で窺ったルシアナは、ヘレナへと視線を移し、ほっとしたように自然な笑みを漏らした。
「お元気そうでよかったです、ルシアナ様」
「ヘレナ様も。休息日はゆっくりお休みになれましたか?」
「はい」
朗らかな微笑んだヘレナに、ルシアナは安堵の息を漏らす。
(人工魔獣のことがトラウマになっていたらどうしようかと思っていたけれど……やっぱりヘレナ様はお強い方ね)
ふっと表情を緩めると、ヘレナは緩く腰を落とした。
「あの日伝えそびれてしまいましたが、あのときは悪しきものを退治していただきありがとうございました。私からも感謝を伝えさせてください、シルバキエ公爵夫人」
「わたくしは王太子妃殿下のご下命に従ったまでですわ。すべてはわたくしを信じて任せてくださった王太子妃殿下のご慧眼の賜物でございます」
ヘレナより深く腰を落として答えれば、ふっと小さく笑う声が聞こえた。
「ありがとう、ルシアナ殿。貴殿には感謝してもしきれない」
レオンハルトとの話を終えたのか、ヘレナの腰を抱いたテオバルドが、眩しそうに目を細める。その隣で、ヘレナも瞳を潤ませながら深く頷いた。
(少しやりすぎのような気もしたけれど、よかったわ)
ヘレナに向けられる視線が春に比べ好意的なものになっていることには、ルシアナも気付いていた。それはもちろん、ヘレナが社交を頑張った結果なのだが、ルシアナが徹底的にヘレナに侍ったことも理由の一つだった。
ヘレナに対し不満や不安を抱く者のほとんどは、自らの手を土で汚すほど貧乏な、それも子爵家という下位貴族出身ということを気にしていた。貴族子女としてまともな教育を受けていない者が、大国となったこのシュネーヴェ王国の次期王妃として立派に立ち回れるのか。それを見定めるように、多くの人々が厳しい目を向けていたのだ。
そんな人々の視線に耐えながら、ルシアナと多くの時間を共にする中で、ヘレナはルシアナの持つ生粋の王族としての言動や立ち居振る舞いを少しずつ吸収していった。
俯きがちだった顔は前を向き、背筋は伸び、その口元にはいつも温かな笑みが浮かぶようになった。
それだけで全面的な支持が得られるほど貴族たちは甘くないが、デビュタントを迎えたばかりのような若い令嬢たちは、驕らず優しいヘレナを慕っていき、夫人たちもまた、頑張るヘレナに温かい目を向けるようになった。
いまだヘレナを不安視する者もいるが、そういった者たちはルシアナが傍にいるのを見て静観の姿勢を取ることにしたようだ。
(王太子殿下がどこまで考えていらっしゃるのかわからないけれど、良い結果になったのではないかしら)
テオバルドがどのような思惑を持ってヘレナと引き合わせたのか、ルシアナにはわからない。紹介されたときに言っていたようにただ良き友になってほしかったのか、それとも後ろ盾のようになってほしかったのか、はたまた良き師になってほしかったのか。
今思えば、きっとそのどれもを求めていたのだろう、とルシアナは考えている。
(どのようなお考えがあったとしても、わたくしとヘレナ様が築いた絆と情に打算はないと思っているわ)
テオバルドとヘレナに満面の笑みを向ければ、二人も同じように笑い返した。
遠くで何かを囁き合う声が聞こえるが、きっと悪いことではないだろう、とルシアナが内心ほっと息をついていると、テオバルドが「そうだ」と声を上げた。
「北方の名産を揃えたと言ったが、ヘレナの出身地で造った酒も二種類用意したんだ。良ければ一緒にどうだ?」
「ありがとうございます。いただきます」
レオンハルトが頷いたのを見て、テオバルドが手を挙げる。するとすぐに、給仕人が二種類の酒が入ったグラスを運んで来た。
一つは、細く長いグラスに入った、気泡のある透明な薄桃色のもので、もう一つは、飲み口が広く、浅いグラスに入った、濃い赤色のものだ。
ヘレナは細く長いグラスの脚を持つと、ルシアナに笑いかけた。
「それぞれ桃といちごのお酒で、どちらも美味しいと思いますが、私のおすすめは桃を使ったものです。ルシアナ様もいかがですか?」
「あ――」
“ありがとうございます”と答えて、ヘレナからグラスを受け取ろうとしたルシアナだったが、それは後ろから回された手にやんわりと口を塞がれたことで叶わなかった。
「王太子妃殿下。大変申し訳ございませんが、妻は刺激物があまり得意ではないため、よろしければそちらのいちごのものをいただけないでしょうか」
(まあ……)
ルシアナも、ヘレナも、テオバルドも、目を瞬かせてレオンハルトを見つめる。
「桃のものは、私がいただいても?」
驚く三人に構わず続けたレオンハルトに、ヘレナは、はっと様子で、手元といちごの酒が入ったグラスとレオンハルトを見比べ、持っていたものを差し出した。
「も、もちろんです、シルバキエ公爵閣下」
「ありがとうございます」
淡々と答えるレオンハルトに対し、ヘレナはどこか恐縮した様子だ。
まだレオンハルトには慣れてないんだな、と頭の隅でぼんやり考えていると、テオバルドが「では」といちごの酒が入ったグラスの脚を持ってルシアナに差し出した。
「夫人には俺から」
(あ……)
そっと口元から手が外される。ルシアナは、グラスを見下ろすレオンハルトを一瞥してから、テオバルドに微笑を向けた。
「ありがとうございます、王太子殿下。ヘレナ様も、ありがとうございました」
ルシアナはグラスを受け取るとヘレナにも目を向け、先ほどは言いそびれた礼を口にする。すると、ヘレナは慌てたように軽く首を横に振った。
「いえっ、知らずに申し訳ありません。私の出身地はいちごが名産ですので、そちらのお酒もおすすめですよ」
「ありがとうございます、楽しみですわ」
テオバルドとヘレナもそれぞれグラスを持つと、テオバルドがそれを軽く掲げた。
「では、北方の恵みと、夫人の働きに感謝を込めて」
同じように軽くグラスを掲げ、テオバルドたちが口を付けてから、ルシアナもそっとグラスに口を付けた。
口の中に広がる濃厚ないちごの味と、アルコール独特の風味を堪能しながら、先ほどのレオンハルトの言葉を反芻する。
(わたくしが発泡性のものが苦手だとご存じだったのね)
レオンハルトが言った通り、発泡性の酒類や飲料だけでなく、香辛料がよく効いたものなど、喉や口腔内への刺激が強いものはあまり得意ではなかった。しかし、それをレオンハルトに伝えたことはなく、一体いつ知ったのだろう、と思う。
(もしかして、わたくしがいちごが好きなこともご存じなのかしら)
喉からじわじわと広がるアルコールの熱とは違う、別の熱が体中に広がるのを感じながら、ルシアナはもう一度レオンハルトへ目を向けた。
「やあ、シルバキエ公爵、公爵夫人」
「王太子殿下、王太子妃殿下にご挨拶申し上げます」
テオバルドの頬が笑いを我慢するようにひくついているのも、ヘレナがいつも以上ににこやかなのも気のせいだろう、とルシアナはレオンハルトと共に頭を下げる。
「はは。楽にしてくれ、二人とも」
明るく言ったテオバルドは、頭を上げたレオンハルトの肩に素早く腕を回した。
「お前、もしかして一睡もしないでこっち来たのか?」
「いや、ゆっくり寝た」
何やら小声で話し合っている二人を横目で窺ったルシアナは、ヘレナへと視線を移し、ほっとしたように自然な笑みを漏らした。
「お元気そうでよかったです、ルシアナ様」
「ヘレナ様も。休息日はゆっくりお休みになれましたか?」
「はい」
朗らかな微笑んだヘレナに、ルシアナは安堵の息を漏らす。
(人工魔獣のことがトラウマになっていたらどうしようかと思っていたけれど……やっぱりヘレナ様はお強い方ね)
ふっと表情を緩めると、ヘレナは緩く腰を落とした。
「あの日伝えそびれてしまいましたが、あのときは悪しきものを退治していただきありがとうございました。私からも感謝を伝えさせてください、シルバキエ公爵夫人」
「わたくしは王太子妃殿下のご下命に従ったまでですわ。すべてはわたくしを信じて任せてくださった王太子妃殿下のご慧眼の賜物でございます」
ヘレナより深く腰を落として答えれば、ふっと小さく笑う声が聞こえた。
「ありがとう、ルシアナ殿。貴殿には感謝してもしきれない」
レオンハルトとの話を終えたのか、ヘレナの腰を抱いたテオバルドが、眩しそうに目を細める。その隣で、ヘレナも瞳を潤ませながら深く頷いた。
(少しやりすぎのような気もしたけれど、よかったわ)
ヘレナに向けられる視線が春に比べ好意的なものになっていることには、ルシアナも気付いていた。それはもちろん、ヘレナが社交を頑張った結果なのだが、ルシアナが徹底的にヘレナに侍ったことも理由の一つだった。
ヘレナに対し不満や不安を抱く者のほとんどは、自らの手を土で汚すほど貧乏な、それも子爵家という下位貴族出身ということを気にしていた。貴族子女としてまともな教育を受けていない者が、大国となったこのシュネーヴェ王国の次期王妃として立派に立ち回れるのか。それを見定めるように、多くの人々が厳しい目を向けていたのだ。
そんな人々の視線に耐えながら、ルシアナと多くの時間を共にする中で、ヘレナはルシアナの持つ生粋の王族としての言動や立ち居振る舞いを少しずつ吸収していった。
俯きがちだった顔は前を向き、背筋は伸び、その口元にはいつも温かな笑みが浮かぶようになった。
それだけで全面的な支持が得られるほど貴族たちは甘くないが、デビュタントを迎えたばかりのような若い令嬢たちは、驕らず優しいヘレナを慕っていき、夫人たちもまた、頑張るヘレナに温かい目を向けるようになった。
いまだヘレナを不安視する者もいるが、そういった者たちはルシアナが傍にいるのを見て静観の姿勢を取ることにしたようだ。
(王太子殿下がどこまで考えていらっしゃるのかわからないけれど、良い結果になったのではないかしら)
テオバルドがどのような思惑を持ってヘレナと引き合わせたのか、ルシアナにはわからない。紹介されたときに言っていたようにただ良き友になってほしかったのか、それとも後ろ盾のようになってほしかったのか、はたまた良き師になってほしかったのか。
今思えば、きっとそのどれもを求めていたのだろう、とルシアナは考えている。
(どのようなお考えがあったとしても、わたくしとヘレナ様が築いた絆と情に打算はないと思っているわ)
テオバルドとヘレナに満面の笑みを向ければ、二人も同じように笑い返した。
遠くで何かを囁き合う声が聞こえるが、きっと悪いことではないだろう、とルシアナが内心ほっと息をついていると、テオバルドが「そうだ」と声を上げた。
「北方の名産を揃えたと言ったが、ヘレナの出身地で造った酒も二種類用意したんだ。良ければ一緒にどうだ?」
「ありがとうございます。いただきます」
レオンハルトが頷いたのを見て、テオバルドが手を挙げる。するとすぐに、給仕人が二種類の酒が入ったグラスを運んで来た。
一つは、細く長いグラスに入った、気泡のある透明な薄桃色のもので、もう一つは、飲み口が広く、浅いグラスに入った、濃い赤色のものだ。
ヘレナは細く長いグラスの脚を持つと、ルシアナに笑いかけた。
「それぞれ桃といちごのお酒で、どちらも美味しいと思いますが、私のおすすめは桃を使ったものです。ルシアナ様もいかがですか?」
「あ――」
“ありがとうございます”と答えて、ヘレナからグラスを受け取ろうとしたルシアナだったが、それは後ろから回された手にやんわりと口を塞がれたことで叶わなかった。
「王太子妃殿下。大変申し訳ございませんが、妻は刺激物があまり得意ではないため、よろしければそちらのいちごのものをいただけないでしょうか」
(まあ……)
ルシアナも、ヘレナも、テオバルドも、目を瞬かせてレオンハルトを見つめる。
「桃のものは、私がいただいても?」
驚く三人に構わず続けたレオンハルトに、ヘレナは、はっと様子で、手元といちごの酒が入ったグラスとレオンハルトを見比べ、持っていたものを差し出した。
「も、もちろんです、シルバキエ公爵閣下」
「ありがとうございます」
淡々と答えるレオンハルトに対し、ヘレナはどこか恐縮した様子だ。
まだレオンハルトには慣れてないんだな、と頭の隅でぼんやり考えていると、テオバルドが「では」といちごの酒が入ったグラスの脚を持ってルシアナに差し出した。
「夫人には俺から」
(あ……)
そっと口元から手が外される。ルシアナは、グラスを見下ろすレオンハルトを一瞥してから、テオバルドに微笑を向けた。
「ありがとうございます、王太子殿下。ヘレナ様も、ありがとうございました」
ルシアナはグラスを受け取るとヘレナにも目を向け、先ほどは言いそびれた礼を口にする。すると、ヘレナは慌てたように軽く首を横に振った。
「いえっ、知らずに申し訳ありません。私の出身地はいちごが名産ですので、そちらのお酒もおすすめですよ」
「ありがとうございます、楽しみですわ」
テオバルドとヘレナもそれぞれグラスを持つと、テオバルドがそれを軽く掲げた。
「では、北方の恵みと、夫人の働きに感謝を込めて」
同じように軽くグラスを掲げ、テオバルドたちが口を付けてから、ルシアナもそっとグラスに口を付けた。
口の中に広がる濃厚ないちごの味と、アルコール独特の風味を堪能しながら、先ほどのレオンハルトの言葉を反芻する。
(わたくしが発泡性のものが苦手だとご存じだったのね)
レオンハルトが言った通り、発泡性の酒類や飲料だけでなく、香辛料がよく効いたものなど、喉や口腔内への刺激が強いものはあまり得意ではなかった。しかし、それをレオンハルトに伝えたことはなく、一体いつ知ったのだろう、と思う。
(もしかして、わたくしがいちごが好きなこともご存じなのかしら)
喉からじわじわと広がるアルコールの熱とは違う、別の熱が体中に広がるのを感じながら、ルシアナはもう一度レオンハルトへ目を向けた。
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