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第八章
確かめ合う想い(二)※
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ルシアナの手を解放したレオンハルトは、その手で脇腹を撫でると、ナイトガウンの腰紐を解く。ガウンと背中の間に腕を差し込んで体を浮かせるとガウンを脱がせ、丸みを帯びた肘掛けに頭が載るようにルシアナを寝かせた。
「……以前、夜に会ったときも、これだけしか着てなかったのか?」
「あ、いえ……夜、部屋の外に出るときは、シュミーズの上に簡易のコルセットとナイトドレスを着ています。今日は寝起きで出てきたので……」
「……そうか」
小さく息を吐いたレオンハルトは、身を屈めるとルシアナの首元に舌を這わせる。
「……ん」
鼻から抜けるような甘い声が漏れる。レオンハルトのもたらす甘やかな刺激に身を委ねながら、ルシアナはレオンハルトの髪に指を通す。
(わたくしを、求めてくださっている……)
どういう意味で求めてくれているのか理解すると、自然と体が火照った。
(これが性欲というものかし――)
「っぁ」
鎖骨に歯をひっかけられ、ぴくりと体が震える。
「集中して」
「は、い」
端的に告げられた言葉に従順に頷くと、ルシアナはレオンハルトから与えられるものに意識を集中する。
レオンハルトは舌で胸元まで辿ると、シュミーズから覗く膨らみに軽く歯を立てた。
「……噛んでも構いませんわ、レオンハルト様」
前のときもよく歯を当てていたことを思い出し、自然とそんな言葉が口から出た。
レオンハルトはぴたりと動きを止めると、身を起こす。目を眇めながら見下ろす彼の表情はどこか怒りを孕んでおり、ぞくりと身が震えた。恐怖ではなく、それは快感にも似たものだった。
「あまり恐ろしいことを容易に口にしないでくれと言わなかったか? 頼むのではなく、口にするな、と命じたほうがよかったか?」
「あ……」
自分でも信じられないくらい甘く熱っぽい声が漏れた。
レオンハルトはぴくりと眉を動かすと、シュミーズの上から膨らみを鷲掴む。大きな手のひらに揉まれ、さすれると、たったそれだけで官能が呼び覚まされる。
(何故かしら……自分で触れても何ともないのに……)
胸を揉む手をじっと見下ろしていると、レオンハルトが耳元に顔を寄せた。
「余計なことは何も考えずに集中しろ、ルシアナ」
「――ぁ」
いつもより低い声で囁かれたからか、いつもとは違う命令口調だからか、先ほど感じたぞくりとした感覚が、先ほどより強く背筋を下っていく。
「ッン」
布越しに乳首を摘ままれ、小さく体が揺れる。
「俺は貴女を大切にしたいと思ってる。この世の何よりも優しく慈しみ、大事にしたいと。だが、貴女は……少し手酷くされるほうが好みか?」
「ッァ――」
乳首を摘まむ力が強まる。ともすれば痛みを感じるほどの力ではあったが、口から漏れた声は艶やかだった。
(ひど……くはされたくないわ。痛いのもいや……けれど……)
「……レオンハルト様」
横を向いて彼の頬に手を添えると、口の端に軽く口付ける。
「もっとしてください……」
「――ッ」
レオンハルトは息を吞むと噛みつくように口を塞ぐ。実際、彼はルシアナの下唇に噛みついた。噛むといっても、軽く歯が食い込む程度で、痛みはない。噛んだ唇をべろりと舐め、薄く開いた口の中に舌を捻じ込む。
「っ、は」
互いの境界を失くすように舌を擦られる。このまま舌を丸ごと食べられるのではないかと思うほど、レオンハルトは深く深く舌を侵入させ舌先を食んだ。
「んっ……っ」
ずり下ろされたシュミーズから乳房が飛び出る。レオンハルトはそれを下から掬うように揉むと指を滑らせ、ぴんと立った乳首を指先で押し込んだ。ぐりぐりと押されると、じわじわとした疼きが溜まっていき、自ら胸を押し付けるように背が反った。
溜まる唾液を一生懸命飲み下していると、舌を巻きつけたまま、レオンハルトがゆっくりを口を離していく。誘われるように舌を伸ばし、もうそれ以上はいけないというところまでいくと、レオンハルトが強めに舌を吸って、ルシアナの舌を解放した。
「は、ぁ」
舌先がじんじんと痺れ、それが脳へと伝わって頭がぼうっとする。
滲む視界の先で、レオンハルトが濡れた唇を舐める。その仕草があまりにも色っぽくて、下腹部が甘く疼いた。
「ルシアナ……」
レオンハルトは愛おしそうに名前を呼ぶと、首に軽く噛みつく。痕はつかないであろう程度の、けれど確かに噛まれていることがわかるような感触に、涙が滲む。
痛くはない。嫌なわけでもない。涙が出る理由はわからない。わかるのは、噛まれたことに充足感を得ているということだけだ。
レオンハルトは舌を這わせながら、手で弄っていないほうの乳首を口に含む。
「っふ、ぅ」
まだ硬さのないそこは、ねっとりと舐められていくうちに次第に凝っていき、ちゅう、ちゅう、と丁寧に吸われることで、その存在を主張するかのように立ち上がった。
一度口を離したレオンハルトは、窓から差す日に照らされた、己の唾液でいやらしく光る胸の頂を見下ろすと、目を細める。そして、誘われるようにまた口を近付けると、すっかり硬くなったそこを奥歯で挟んだ。徐々に噛む力を強めていき、一呼吸おいて、ぐっと一層強い力でルシアナの乳首を潰す。
「っぁあッ」
わずかな痛みと広がっていく痺れに、ルシアナは喉を震わせる。
(いた……痛い……? わからない……だって、じんじんして…………きもちいい……)
レオンハルトが歯を離すと同時に、目尻から涙がこぼれた。
(もしかして、本当は酷くされたいのかしら……)
今度は労わるように優しく乳首を舐められるものの、それがどうにも物足りない感じがして、ルシアナは無意識のうちにレオンハルトに胸を押し付けていた。
視線を上げたレオンハルトは、目が合うと、ふっと目尻を下げる。乳首から口を離し、乳房を柔らかく揉みながら、ルシアナの唇に軽く口付けた。
「少し強くされるほうが好みか?」
「わか、らな……」
「……そうか。なら、確かめてみよう」
え、と思ったのも束の間、体を起こしたレオンハルトは、下におろしていたルシアナの両足を抱えると、シュミーズの中に手を入れ手早くドロワーズを脱がせた。前回のことを踏まえてか、レオンハルトは今度は折りたたむことなく、自分の後ろにある肘掛けにそれを置いた。
一連の流れをぼんやりと眺めていたルシアナだったが、左足は下に、右足はソファの背もたれに、とレオンハルトに対し大きく足を開く形を取らされ、はっと我に返る。すぐに足を閉じようとしたものの、レオンハルトに両膝を押さえられ、それは叶わなかった。
「あ、の」
「確かめると言っただろう」
レオンハルトは緩く口角を上げると、ルシアナの左膝から手を放し、半端に捲れたシュミーズを腹までたくし上げる。そしてそのまま、足のあわいに指を滑らせた。
「ああ、濡れている。……どうやら気持ちよかったみたいだな? ルシアナ」
「……以前、夜に会ったときも、これだけしか着てなかったのか?」
「あ、いえ……夜、部屋の外に出るときは、シュミーズの上に簡易のコルセットとナイトドレスを着ています。今日は寝起きで出てきたので……」
「……そうか」
小さく息を吐いたレオンハルトは、身を屈めるとルシアナの首元に舌を這わせる。
「……ん」
鼻から抜けるような甘い声が漏れる。レオンハルトのもたらす甘やかな刺激に身を委ねながら、ルシアナはレオンハルトの髪に指を通す。
(わたくしを、求めてくださっている……)
どういう意味で求めてくれているのか理解すると、自然と体が火照った。
(これが性欲というものかし――)
「っぁ」
鎖骨に歯をひっかけられ、ぴくりと体が震える。
「集中して」
「は、い」
端的に告げられた言葉に従順に頷くと、ルシアナはレオンハルトから与えられるものに意識を集中する。
レオンハルトは舌で胸元まで辿ると、シュミーズから覗く膨らみに軽く歯を立てた。
「……噛んでも構いませんわ、レオンハルト様」
前のときもよく歯を当てていたことを思い出し、自然とそんな言葉が口から出た。
レオンハルトはぴたりと動きを止めると、身を起こす。目を眇めながら見下ろす彼の表情はどこか怒りを孕んでおり、ぞくりと身が震えた。恐怖ではなく、それは快感にも似たものだった。
「あまり恐ろしいことを容易に口にしないでくれと言わなかったか? 頼むのではなく、口にするな、と命じたほうがよかったか?」
「あ……」
自分でも信じられないくらい甘く熱っぽい声が漏れた。
レオンハルトはぴくりと眉を動かすと、シュミーズの上から膨らみを鷲掴む。大きな手のひらに揉まれ、さすれると、たったそれだけで官能が呼び覚まされる。
(何故かしら……自分で触れても何ともないのに……)
胸を揉む手をじっと見下ろしていると、レオンハルトが耳元に顔を寄せた。
「余計なことは何も考えずに集中しろ、ルシアナ」
「――ぁ」
いつもより低い声で囁かれたからか、いつもとは違う命令口調だからか、先ほど感じたぞくりとした感覚が、先ほどより強く背筋を下っていく。
「ッン」
布越しに乳首を摘ままれ、小さく体が揺れる。
「俺は貴女を大切にしたいと思ってる。この世の何よりも優しく慈しみ、大事にしたいと。だが、貴女は……少し手酷くされるほうが好みか?」
「ッァ――」
乳首を摘まむ力が強まる。ともすれば痛みを感じるほどの力ではあったが、口から漏れた声は艶やかだった。
(ひど……くはされたくないわ。痛いのもいや……けれど……)
「……レオンハルト様」
横を向いて彼の頬に手を添えると、口の端に軽く口付ける。
「もっとしてください……」
「――ッ」
レオンハルトは息を吞むと噛みつくように口を塞ぐ。実際、彼はルシアナの下唇に噛みついた。噛むといっても、軽く歯が食い込む程度で、痛みはない。噛んだ唇をべろりと舐め、薄く開いた口の中に舌を捻じ込む。
「っ、は」
互いの境界を失くすように舌を擦られる。このまま舌を丸ごと食べられるのではないかと思うほど、レオンハルトは深く深く舌を侵入させ舌先を食んだ。
「んっ……っ」
ずり下ろされたシュミーズから乳房が飛び出る。レオンハルトはそれを下から掬うように揉むと指を滑らせ、ぴんと立った乳首を指先で押し込んだ。ぐりぐりと押されると、じわじわとした疼きが溜まっていき、自ら胸を押し付けるように背が反った。
溜まる唾液を一生懸命飲み下していると、舌を巻きつけたまま、レオンハルトがゆっくりを口を離していく。誘われるように舌を伸ばし、もうそれ以上はいけないというところまでいくと、レオンハルトが強めに舌を吸って、ルシアナの舌を解放した。
「は、ぁ」
舌先がじんじんと痺れ、それが脳へと伝わって頭がぼうっとする。
滲む視界の先で、レオンハルトが濡れた唇を舐める。その仕草があまりにも色っぽくて、下腹部が甘く疼いた。
「ルシアナ……」
レオンハルトは愛おしそうに名前を呼ぶと、首に軽く噛みつく。痕はつかないであろう程度の、けれど確かに噛まれていることがわかるような感触に、涙が滲む。
痛くはない。嫌なわけでもない。涙が出る理由はわからない。わかるのは、噛まれたことに充足感を得ているということだけだ。
レオンハルトは舌を這わせながら、手で弄っていないほうの乳首を口に含む。
「っふ、ぅ」
まだ硬さのないそこは、ねっとりと舐められていくうちに次第に凝っていき、ちゅう、ちゅう、と丁寧に吸われることで、その存在を主張するかのように立ち上がった。
一度口を離したレオンハルトは、窓から差す日に照らされた、己の唾液でいやらしく光る胸の頂を見下ろすと、目を細める。そして、誘われるようにまた口を近付けると、すっかり硬くなったそこを奥歯で挟んだ。徐々に噛む力を強めていき、一呼吸おいて、ぐっと一層強い力でルシアナの乳首を潰す。
「っぁあッ」
わずかな痛みと広がっていく痺れに、ルシアナは喉を震わせる。
(いた……痛い……? わからない……だって、じんじんして…………きもちいい……)
レオンハルトが歯を離すと同時に、目尻から涙がこぼれた。
(もしかして、本当は酷くされたいのかしら……)
今度は労わるように優しく乳首を舐められるものの、それがどうにも物足りない感じがして、ルシアナは無意識のうちにレオンハルトに胸を押し付けていた。
視線を上げたレオンハルトは、目が合うと、ふっと目尻を下げる。乳首から口を離し、乳房を柔らかく揉みながら、ルシアナの唇に軽く口付けた。
「少し強くされるほうが好みか?」
「わか、らな……」
「……そうか。なら、確かめてみよう」
え、と思ったのも束の間、体を起こしたレオンハルトは、下におろしていたルシアナの両足を抱えると、シュミーズの中に手を入れ手早くドロワーズを脱がせた。前回のことを踏まえてか、レオンハルトは今度は折りたたむことなく、自分の後ろにある肘掛けにそれを置いた。
一連の流れをぼんやりと眺めていたルシアナだったが、左足は下に、右足はソファの背もたれに、とレオンハルトに対し大きく足を開く形を取らされ、はっと我に返る。すぐに足を閉じようとしたものの、レオンハルトに両膝を押さえられ、それは叶わなかった。
「あ、の」
「確かめると言っただろう」
レオンハルトは緩く口角を上げると、ルシアナの左膝から手を放し、半端に捲れたシュミーズを腹までたくし上げる。そしてそのまま、足のあわいに指を滑らせた。
「ああ、濡れている。……どうやら気持ちよかったみたいだな? ルシアナ」
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