113 / 209
第七章
約束の夜(五)
しおりを挟む
しばらく黙ったままルシアナを見下ろしていたレオンハルトは、そっとルシアナの頭に触れた。
「すまない、先に髪を解くべきだったな。俺でも解けるか?」
「あ、紐を解けばすぐに……わたくしが――」
上体を起こそうとしたルシアナをやんわりと制し横向きに寝かせると、レオンハルトは、しゅるり、と紐を引く。三つ編みにされた髪がベッドに落ち、三つ編みを留める紐も解くと、普段よりうねりの強い髪がシーツの上に広がった。
ついで、というようにケープの留め具も外し、それを引き抜くとヘッドボードにかける。
露わになったうなじから梳くように髪に触れると、そのままうなじに鼻先を寄せた。かかる吐息のくすぐったさに身を捩ろうとしたものの、小さく名前を呼ばれ、ルシアナは動きを止める。
「ルシアナ、誤解せずに……聞いてほしいんだが……。……俺は、しばらく子はいいと思ってる」
(え……)
思いがけない言葉に目を瞬かせる。仰向けになり、レオンハルトの顔を見ようとしたものの、彼はそのまま首筋に顔を埋め、軽く口付けた。薄い皮膚の上を滑る熱い息に、体が小さく震える。
首元への口付けを繰り返し、顔を上げる様子のないレオンハルトに、ルシアナは短く息を吐くと、レオンハルトの後頭部に手を回し、その頭を撫でた。
「……理由をお伺いしてもよろしいですか?」
少しの間を置いて頭を上げたレオンハルトは、ルシアナの頬や額に口付けを繰り返しながら続けた。
「貴女がこれまでできなかったことをたくさん経験してほしい。子がいてもできること、子がいなければできないことも多くあるだろうが、身軽のほうが自由にやりたいことができるだろう」
慈しむような優しい口付けが繰り返され、胸に温かいものが広がっていくのを感じる。
(わたくしのことを気遣ってくださったのね)
塔の中にいたときはもちろんだが、シュネーヴェ王国に来てからも、ルシアナが自由に過ごしたことはなかった。何かあればレオンハルトの責任になり、最悪、国際問題になりかねないという己の立場を理解し、必要最低限の場所以外は極力出歩かないよう気を付けていた。
しかし、せっかく外へと出たのだから、街を歩いたり、外で食事をしたり、買い物というものもしてみたかった。
(レオンハルト様は、本当に……“わたくし自身”のことを見て、考えてくださっているのね)
「……しばらくというのは、どのくらいの期間を考えていらっしゃるのですか?」
後頭部から頬へ手を滑らせれば、レオンハルトが顔を離す。
目が合ったレオンハルトは、少々悩ましげに眉を寄せた。
「五……六、七……いや、十年……」
(十年!?)
ぎょっと目を見張ったルシアナは、慌ててレオンハルトの名を呼ぶ。
「二年! 二年にいたしましょう! それだけお時間をいただければ十分ですわ!」
ルシアナが慣例通り塔に入っていれば、十五の誕生日に塔から出ていたはずだ。レオンハルトとの縁談が決まる十八まで、本来は三年の自由な時間があるはずだった。本来あったはずの年数をそのまま要求してもよかったが、三年は少々長く、一年では短いような気がして、二年という期間を提示した。
「……短くはないか? 二年などあっという間に過ぎ去る」
あまり納得がいっていない様子のレオンハルトに、ルシアナはくすりと笑うと、垂れるレオンハルトの髪を耳にかける。
「トゥルエノが多産の家系というのもありますが、わたくし自身、子はたくさんほしいのです。ですから、二年で十分ですわ」
レオンハルトは小さく息を吞み、少し気まずそうに視線を逸らす。しかしすぐにルシアナを見ると、気遣わしげに眉を下げた。
「出産は命懸けだ。貴女が望むなら何でも叶えたいが……」
言い淀み、そこで口を閉じる。それ以上続く言葉はなかったが、レオンハルトが何を言いたいのか、理解できた。
「小さく産まれ、以前はよく寝込んでいたことを考えれば、レオンハルト様が心配されるのも理解できます。出産は心身ともに負担の大きいことですから。けれど、だからこそ、早めに子を作りたいのです。若く体力のあるうちに、様子を見ながら……」
レオンハルトの頬を両手で包み、さらりとしたその肌を撫でる。
「お願いいたします。愛する方と、子どもたちと、賑やかに暮らすことが昔からの夢なのです」
ね、と笑いかければ、レオンハルトはしばしの沈黙ののち深く息を吐き出し、ルシアナの首元に顔を沈めた。
「……わかった」
「ありがとうございます」
了承を得たことに嬉しそうな笑みを漏らすと、レオンハルトを抱き締め頭を撫でる。撫でながら、ルシアナは、ほっと息を吐き出し静かに続けた。
「……実は、わたくし初夜のことをすっかり忘れていたのです。ベルに指摘されて気付いて……レオンハルト様が大会の準備に出立される朝、忘れていたことの謝罪をしようと思っていたのですが、しばらく子の予定がないのなら杞憂だったようですね」
(よかったわ。初夜を忘れてしまったことをどう謝罪しようかと思っていたけれど、そもそもその予定はなかったのね)
一つ肩の荷が下り胸を撫で下ろしたルシアナだったが、ゆっくり上体を起こしたレオンハルトの表情には困惑が滲んでいた。
「貴女を抱くつもりがないとは……言ってないんだが……」
言葉の意味がわからず、しばらくレオンハルトの双眸を見つめていたルシアナは、少しして「えっ」と声を上げた。
「えっと、ですが……それは子のできる行為なのでは……?」
戸惑うルシアナに、レオンハルトは少しだけ困ったように眉尻を下げた。
「知り合いに避妊の魔法薬を作ってもらった。貴女にとってはあまり気分のいい話ではないが……貴女に対するそういう欲は、結構前から自覚していたからな。もちろん、飲むのは貴女ではなく俺だが」
呆然とするルシアナの頬を、レオンハルトは指の背で優しく撫でる。
「俺は貴女を愛しているから、貴女に触れたいと思う。貴女を抱くのは子どものためではなく、貴女を愛したいからだということを、どうか覚えていてほしい」
(子どものためではなく、わたくしを愛したいから、わたくしを求めてくださる……)
考えたこともないことに、ルシアナの思考は停止する。閨事は跡継ぎを残すため、子を授かるためにすることだ、と思っていたルシアナにとって、レオンハルトの言葉は理解しがたいものだった。
言葉の意味を十分に理解できず、何も言えずにいると、目の前のシアンの瞳が少しだけ悲しみに揺れた気がした。それに気付いたルシアナは、はっとして、レオンハルトの服を掴む。
「そのっ、閨事は子を授かるための行為だと思っていたので驚いてしまって……! よ、よくわからなくて……あの……」
思考がまとまらず、うまく言葉が出てこない。焦り混乱するルシアナを落ち着かせるように、レオンハルトは頬に口付けた。
「俺に触れられるのは嫌か?」
「いいえっ、決してそのようなことはありませんわ……!」
レオンハルトにされて嫌なことなどない。誤解されたくなくて、うまく言葉にできない代わりに、必死に目で訴える。
訴えが通じたのか、レオンハルトは、ふっと小さく笑い、ルシアナの首筋を撫でた。
「……嫌でないのなら、少しだけ、貴女に触れてもいいか?」
(少しだけ……?)
もうすでに触れているが、少しとかたくさんがあるのだろうか、と思いつつ、ルシアナは小さく首肯した。
「すまない、先に髪を解くべきだったな。俺でも解けるか?」
「あ、紐を解けばすぐに……わたくしが――」
上体を起こそうとしたルシアナをやんわりと制し横向きに寝かせると、レオンハルトは、しゅるり、と紐を引く。三つ編みにされた髪がベッドに落ち、三つ編みを留める紐も解くと、普段よりうねりの強い髪がシーツの上に広がった。
ついで、というようにケープの留め具も外し、それを引き抜くとヘッドボードにかける。
露わになったうなじから梳くように髪に触れると、そのままうなじに鼻先を寄せた。かかる吐息のくすぐったさに身を捩ろうとしたものの、小さく名前を呼ばれ、ルシアナは動きを止める。
「ルシアナ、誤解せずに……聞いてほしいんだが……。……俺は、しばらく子はいいと思ってる」
(え……)
思いがけない言葉に目を瞬かせる。仰向けになり、レオンハルトの顔を見ようとしたものの、彼はそのまま首筋に顔を埋め、軽く口付けた。薄い皮膚の上を滑る熱い息に、体が小さく震える。
首元への口付けを繰り返し、顔を上げる様子のないレオンハルトに、ルシアナは短く息を吐くと、レオンハルトの後頭部に手を回し、その頭を撫でた。
「……理由をお伺いしてもよろしいですか?」
少しの間を置いて頭を上げたレオンハルトは、ルシアナの頬や額に口付けを繰り返しながら続けた。
「貴女がこれまでできなかったことをたくさん経験してほしい。子がいてもできること、子がいなければできないことも多くあるだろうが、身軽のほうが自由にやりたいことができるだろう」
慈しむような優しい口付けが繰り返され、胸に温かいものが広がっていくのを感じる。
(わたくしのことを気遣ってくださったのね)
塔の中にいたときはもちろんだが、シュネーヴェ王国に来てからも、ルシアナが自由に過ごしたことはなかった。何かあればレオンハルトの責任になり、最悪、国際問題になりかねないという己の立場を理解し、必要最低限の場所以外は極力出歩かないよう気を付けていた。
しかし、せっかく外へと出たのだから、街を歩いたり、外で食事をしたり、買い物というものもしてみたかった。
(レオンハルト様は、本当に……“わたくし自身”のことを見て、考えてくださっているのね)
「……しばらくというのは、どのくらいの期間を考えていらっしゃるのですか?」
後頭部から頬へ手を滑らせれば、レオンハルトが顔を離す。
目が合ったレオンハルトは、少々悩ましげに眉を寄せた。
「五……六、七……いや、十年……」
(十年!?)
ぎょっと目を見張ったルシアナは、慌ててレオンハルトの名を呼ぶ。
「二年! 二年にいたしましょう! それだけお時間をいただければ十分ですわ!」
ルシアナが慣例通り塔に入っていれば、十五の誕生日に塔から出ていたはずだ。レオンハルトとの縁談が決まる十八まで、本来は三年の自由な時間があるはずだった。本来あったはずの年数をそのまま要求してもよかったが、三年は少々長く、一年では短いような気がして、二年という期間を提示した。
「……短くはないか? 二年などあっという間に過ぎ去る」
あまり納得がいっていない様子のレオンハルトに、ルシアナはくすりと笑うと、垂れるレオンハルトの髪を耳にかける。
「トゥルエノが多産の家系というのもありますが、わたくし自身、子はたくさんほしいのです。ですから、二年で十分ですわ」
レオンハルトは小さく息を吞み、少し気まずそうに視線を逸らす。しかしすぐにルシアナを見ると、気遣わしげに眉を下げた。
「出産は命懸けだ。貴女が望むなら何でも叶えたいが……」
言い淀み、そこで口を閉じる。それ以上続く言葉はなかったが、レオンハルトが何を言いたいのか、理解できた。
「小さく産まれ、以前はよく寝込んでいたことを考えれば、レオンハルト様が心配されるのも理解できます。出産は心身ともに負担の大きいことですから。けれど、だからこそ、早めに子を作りたいのです。若く体力のあるうちに、様子を見ながら……」
レオンハルトの頬を両手で包み、さらりとしたその肌を撫でる。
「お願いいたします。愛する方と、子どもたちと、賑やかに暮らすことが昔からの夢なのです」
ね、と笑いかければ、レオンハルトはしばしの沈黙ののち深く息を吐き出し、ルシアナの首元に顔を沈めた。
「……わかった」
「ありがとうございます」
了承を得たことに嬉しそうな笑みを漏らすと、レオンハルトを抱き締め頭を撫でる。撫でながら、ルシアナは、ほっと息を吐き出し静かに続けた。
「……実は、わたくし初夜のことをすっかり忘れていたのです。ベルに指摘されて気付いて……レオンハルト様が大会の準備に出立される朝、忘れていたことの謝罪をしようと思っていたのですが、しばらく子の予定がないのなら杞憂だったようですね」
(よかったわ。初夜を忘れてしまったことをどう謝罪しようかと思っていたけれど、そもそもその予定はなかったのね)
一つ肩の荷が下り胸を撫で下ろしたルシアナだったが、ゆっくり上体を起こしたレオンハルトの表情には困惑が滲んでいた。
「貴女を抱くつもりがないとは……言ってないんだが……」
言葉の意味がわからず、しばらくレオンハルトの双眸を見つめていたルシアナは、少しして「えっ」と声を上げた。
「えっと、ですが……それは子のできる行為なのでは……?」
戸惑うルシアナに、レオンハルトは少しだけ困ったように眉尻を下げた。
「知り合いに避妊の魔法薬を作ってもらった。貴女にとってはあまり気分のいい話ではないが……貴女に対するそういう欲は、結構前から自覚していたからな。もちろん、飲むのは貴女ではなく俺だが」
呆然とするルシアナの頬を、レオンハルトは指の背で優しく撫でる。
「俺は貴女を愛しているから、貴女に触れたいと思う。貴女を抱くのは子どものためではなく、貴女を愛したいからだということを、どうか覚えていてほしい」
(子どものためではなく、わたくしを愛したいから、わたくしを求めてくださる……)
考えたこともないことに、ルシアナの思考は停止する。閨事は跡継ぎを残すため、子を授かるためにすることだ、と思っていたルシアナにとって、レオンハルトの言葉は理解しがたいものだった。
言葉の意味を十分に理解できず、何も言えずにいると、目の前のシアンの瞳が少しだけ悲しみに揺れた気がした。それに気付いたルシアナは、はっとして、レオンハルトの服を掴む。
「そのっ、閨事は子を授かるための行為だと思っていたので驚いてしまって……! よ、よくわからなくて……あの……」
思考がまとまらず、うまく言葉が出てこない。焦り混乱するルシアナを落ち着かせるように、レオンハルトは頬に口付けた。
「俺に触れられるのは嫌か?」
「いいえっ、決してそのようなことはありませんわ……!」
レオンハルトにされて嫌なことなどない。誤解されたくなくて、うまく言葉にできない代わりに、必死に目で訴える。
訴えが通じたのか、レオンハルトは、ふっと小さく笑い、ルシアナの首筋を撫でた。
「……嫌でないのなら、少しだけ、貴女に触れてもいいか?」
(少しだけ……?)
もうすでに触れているが、少しとかたくさんがあるのだろうか、と思いつつ、ルシアナは小さく首肯した。
0
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉。節約令嬢、書籍化進行中
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!
三園 七詩
ファンタジー
美月は気がついたら森の中にいた。
どうも交通事故にあい、転生してしまったらしい。
現世に愛犬の銀を残してきたことが心残りの美月の前に傷ついたフェンリルが現れる。
傷を癒してやり従魔となるフェンリルに銀の面影をみる美月。
フェンリルや町の人達に溺愛されながら色々やらかしていく。
みんなに愛されるミヅキだが本人にその自覚は無し、まわりの人達もそれに振り回されるがミヅキの愛らしさに落ちていく。
途中いくつか閑話を挟んだり、相手視点の話が入ります。そんな作者の好きが詰まったご都合物語。
2020.8.5
書籍化、イラストはあめや様に描いて頂いてております。
書籍化に伴い第一章を取り下げ中です。
詳しくは近況報告をご覧下さい。
第一章レンタルになってます。
2020.11.13
二巻の書籍化のお話を頂いております。
それにともない第二章を引き上げ予定です
詳しくは近況報告をご覧下さい。
第二章レンタルになってます。
番外編投稿しました!
一章の下、二章の上の間に番外編の枠がありますのでそこからどうぞ(*^^*)
2021.2.23
3月2日よりコミカライズが連載開始します。
鳴希りお先生によりミヅキやシルバ達を可愛らしく描いて頂きました。
2021.3.2
コミカライズのコメントで「銀」のその後がどうなったのかとの意見が多かったので…前に投稿してカットになった部分を公開します。人物紹介の下に投稿されていると思うので気になる方は見てください。
【完結】そんなに怖いなら近付かないで下さいませ! と口にした後、隣国の王子様に執着されまして
Rohdea
恋愛
────この自慢の髪が凶器のようで怖いですって!? それなら、近付かないで下さいませ!!
幼い頃から自分は王太子妃になるとばかり信じて生きてきた
凶器のような縦ロールが特徴の侯爵令嬢のミュゼット。
(別名ドリル令嬢)
しかし、婚約者に選ばれたのは昔からライバル視していた別の令嬢!
悔しさにその令嬢に絡んでみるも空振りばかり……
何故か自分と同じ様に王太子妃の座を狙うピンク頭の男爵令嬢といがみ合う毎日を経て分かった事は、
王太子殿下は婚約者を溺愛していて、自分の入る余地はどこにも無いという事だけだった。
そして、ピンク頭が何やら処分を受けて目の前から去った後、
自分に残ったのは、凶器と称されるこの縦ロール頭だけ。
そんな傷心のドリル令嬢、ミュゼットの前に現れたのはなんと……
留学生の隣国の王子様!?
でも、何故か構ってくるこの王子、どうも自国に“ゆるふわ頭”の婚約者がいる様子……?
今度はドリル令嬢 VS ゆるふわ令嬢の戦いが勃発──!?
※そんなに~シリーズ(勝手に命名)の3作目になります。
リクエストがありました、
『そんなに好きならもっと早く言って下さい! 今更、遅いです! と口にした後、婚約者から逃げてみまして』
に出てきて縦ロールを振り回していたドリル令嬢、ミュゼットの話です。
2022.3.3 タグ追加
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
騎士団長様からのラブレター ーそのままの君が好きー
agapē【アガペー】
恋愛
辺境伯当主である父に無理矢理参加させられたある夜会。辺境伯家の次女レティシアは、ダンスの誘いの多さに、断るのにも疲れ、辟易して王城の中を進んでいた。人気のない暗がりの中、うめくような声がする。一人の騎士が座り込んでいた。レティシアは彼を介抱する。
応急処置!わかった?
この出会いの行方は・・・?
R18指定の表現が含まれる話につきましては、タイトルに★マークがついております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる