51 / 235
第四章
始まる準備
しおりを挟む
「ようこそいらっしゃいました、ルシアナ様」
「本日は場所をご提供いただきありがとうございます、ヘレナ様」
出迎えてくれたヘレナに柔和な笑みを向ければ、彼女も嬉しそうに顔を綻ばせた。
(以前お会いしたときより顔色がいいわ。決まったときは戸惑ったけれど、こちらに来てよかった)
王室専属裁縫師に結婚式のドレスを頼むため、ルシアナは王城の敷地内にある王太子妃宮を訪れていた。
当初はシルバキエ公爵邸に裁縫師を招くつもりだったが、話を聞いたディートリヒが「王城の一室を貸してもらえばいい」と言って王城に手紙を送り、ライムンドがそれを快諾。その後、ヘレナから申し出があり、王太子妃宮の一室を貸してもらえることになった。
ヘレナに案内された王太子妃宮は、純白の床とアイボリーの壁、随所に飾られた色とりどりの花が温かい雰囲気を醸し出している、ヘレナらしい宮だ。
「飾られているのはチューリップですか? こんなにたくさんの色があるのですね」
(本物は初めて見たわ。綺麗)
オレンジや白、紫などの単色のものから、黄色にピンクのグラデーション、オレンジに赤い筋が入ったものなど、その種類は無限にも見える。
「はい。今がちょうど見頃なんです」
愛おしそうにチューリップへ視線を送るヘレナに、ルシアナはくすりと小さく笑う。
「王太子殿下からの贈り物のようですね」
「……か、顔に出てましたか?」
「はい」
真っ赤な頬を両手で押さえるヘレナににこやかな笑みを向ければ、彼女は恥ずかしそうに眉尻を下げた。
素直に感情を表すヘレナに自然と顔が綻ぶのを感じながら、ルシアナはちらりと後ろを窺う。後ろからついて来ている王太子妃宮の侍女たちは、そんな彼女の様子を微笑ましそうに見つめていた。
(彼女たちはヘレナ様を大切にしているのね。……よかったわ)
ふと、公爵邸から共に来た、エステルと護衛のミゲラと目が合う。彼女たちは揃って嬉しそうな微笑をルシアナに向けた。
(わたくしも、考えていることが漏れてしまったみたいね)
「と、ところで、ルシアナ様は公爵邸ではどのようにお過ごしなのですか?」
「わたくしは――」
エステルたちに笑みを返したルシアナは前へ向き直ると、ただ楽しく、ヘレナとの話に花を咲かせた。
「お会いできて光栄に存じます。シュネーヴェ王国にて王室専属裁縫師を務めております、クラーラ・ゴルツと申します。どうぞクラーラとお呼びください」
「ルシアナ・ベリト・トゥルエノと申します。本日はよろしくお願いいたします、クラーラさん」
クラーラは、くるくるとした栗色の毛を揺らしながら頭を上げた。
「王女殿下の婚礼衣装を手掛ける栄誉を賜れたこと、この上ない幸甚でございます。是非! なんなりと! お申し付けください!」
「ありがとうございます。お世話になりますわ」
大きな丸眼鏡の奥で爛々と目を輝かせるクラーラに押され気味になっていると、後ろからそっと肩に手を置かれた。
「お茶をご用意していますので、続きは座ってからにしましょう。ね? ルシアナ様」
柔らかなヘレナの声に、ほっと息を吐き出すと、ルシアナは「はい」と頷く。
「大変失礼いたしました! つい興奮してしまい……」
「構いませんわ。それだけ楽しみにしてくださっていたのでしょうか」
「それはもう! 王太子妃殿下のみならず、シルバキエ公爵夫人となられる方の衣装も担当できるなど、裁縫師としてこれ以上の誉れはございません!」
昂ぶり心躍る様子のクラーラに、くすりと笑みを漏らしながら、ヘレナに促されるようにソファに腰を落とす。
出されたカップを手に取ったルシアナとヘレナに対し、クラーラは手帖を取り出し万年筆を走らせる。
(クラーラさんが作業をしているときの話し相手として、ヘレナ様にはご同席いただいたけれど、クラーラさんにはもうあんなに書き記すことがあるのね)
何を書いているのか不思議に思っていると、ヘレナに声を掛けられる。
「ルシアナ様、シルバキエ公爵はどのような服をお召しになるのですか?」
「ラズルド騎士団の正装を着られるそうですわ」
「黒ですか! いいですね! それであれば王女殿下は何色をお召しになってもよろしいかと!」
鼻息の荒いクラーラに続いて、ヘレナも瞳を輝かせる。
「ルシアナ様なら濃いお色でも淡いお色でも、赤や緑、黄色や青、どのようなお色でもお似合いになりますわ」
「ありがとうございます、クラークさん、ヘレナ様。実は、ドレスの色はもう決めてきていて……」
「まあ。何色になさるのですか?」
期待するような視線を受けながら、ルシアナはにっこりと笑う。
「白ですわ」
「……白ですか!?」
一拍置いて、クラーラが驚いたように身を乗り出し、声を上げた。ヘレナも、隣で大きく目を瞬かせている。
(ふふ、そうよね。婚礼のドレスに白を選ぶ方はいないもの)
ルシアナは小さく笑みを漏らしながら、背筋を伸ばしてクラーラを見つめる。
「はい。白です。他の色はいりません。ドレスも、ベールも、グローブも、シューズも……すべて純白でお願いいたします」
にこりと笑うルシアナに、クラーラは呆然と口を開けていたが、次第にその口の端を上げていき、最後は大きく口を開けると勢いよく立ち上がった。
「っお任せください、王女殿下! 白! 純白! 何色にも染められない黒と、何色にも染められる白! なんと素晴らしい組み合わせでしょう! 白一色にする代わりに、レースをふんだんに使いましょう! ダイヤの小石を散りばめて華やかに! 宝石はパール、ムーンストーン……ホワイトサファイアも素敵ですね!」
クラーラは、はっとしたように椅子の横に置いてあった鞄を手に取ると、中からドレスや小物のデザインが載った目録を取り出した。
「ドレスにも様々な型がございますが、何かご希望はございますか?」
差し出された目録に目を通していると、とあるデザインで手が止まる。
「ああ、ロングトレーン! 王太子妃殿下もお召しになりましたよね。白のロングトレーン……きっと美しいでしょうね」
ドレスの裾が長く後ろに広がるロングトレーン。母であるベアトリスも、このタイプのドレスを着たと聞いている。
(華やかでとても綺麗だわ。レースとの相性もよさそう。けれど……)
「おっしゃる通り、美しいドレスになると思いますわ。けれど、わたくしはあまり背が高くありませんから」
(お母様はもちろん、ヘレナ様よりも)
眉尻を下げ、次のページへと進めようとしたところで、ヘレナがルシアナの両手を取る。驚き彼女へ顔を向ければ、ヘレナは真剣な表情でルシアナを見つめていた。
「ルシアナ様。式は一生に一度のものです。ルシアナ様がお召しになりたいものを、自由に選んでよろしいんですよ」
それに続くように、クラーラも声を上げた。
「王太子妃殿下のおっしゃる通りです! どのようなデザインでも、必ずルシアナ様にお似合いになる最高の一着に仕立ててみせます。どうか私の腕を信じて、なんなりとご要望をお聞かせください」
決意と熱意に満ちたクラーラの視線を受け、閉じる口にわずかに力が入る。しかし、すぐに力を緩めると、ルシアナはどこか照れたようにはにかんだ。
「……ありがとうございます。ヘレナ様、クラーラさん」
「本日は場所をご提供いただきありがとうございます、ヘレナ様」
出迎えてくれたヘレナに柔和な笑みを向ければ、彼女も嬉しそうに顔を綻ばせた。
(以前お会いしたときより顔色がいいわ。決まったときは戸惑ったけれど、こちらに来てよかった)
王室専属裁縫師に結婚式のドレスを頼むため、ルシアナは王城の敷地内にある王太子妃宮を訪れていた。
当初はシルバキエ公爵邸に裁縫師を招くつもりだったが、話を聞いたディートリヒが「王城の一室を貸してもらえばいい」と言って王城に手紙を送り、ライムンドがそれを快諾。その後、ヘレナから申し出があり、王太子妃宮の一室を貸してもらえることになった。
ヘレナに案内された王太子妃宮は、純白の床とアイボリーの壁、随所に飾られた色とりどりの花が温かい雰囲気を醸し出している、ヘレナらしい宮だ。
「飾られているのはチューリップですか? こんなにたくさんの色があるのですね」
(本物は初めて見たわ。綺麗)
オレンジや白、紫などの単色のものから、黄色にピンクのグラデーション、オレンジに赤い筋が入ったものなど、その種類は無限にも見える。
「はい。今がちょうど見頃なんです」
愛おしそうにチューリップへ視線を送るヘレナに、ルシアナはくすりと小さく笑う。
「王太子殿下からの贈り物のようですね」
「……か、顔に出てましたか?」
「はい」
真っ赤な頬を両手で押さえるヘレナににこやかな笑みを向ければ、彼女は恥ずかしそうに眉尻を下げた。
素直に感情を表すヘレナに自然と顔が綻ぶのを感じながら、ルシアナはちらりと後ろを窺う。後ろからついて来ている王太子妃宮の侍女たちは、そんな彼女の様子を微笑ましそうに見つめていた。
(彼女たちはヘレナ様を大切にしているのね。……よかったわ)
ふと、公爵邸から共に来た、エステルと護衛のミゲラと目が合う。彼女たちは揃って嬉しそうな微笑をルシアナに向けた。
(わたくしも、考えていることが漏れてしまったみたいね)
「と、ところで、ルシアナ様は公爵邸ではどのようにお過ごしなのですか?」
「わたくしは――」
エステルたちに笑みを返したルシアナは前へ向き直ると、ただ楽しく、ヘレナとの話に花を咲かせた。
「お会いできて光栄に存じます。シュネーヴェ王国にて王室専属裁縫師を務めております、クラーラ・ゴルツと申します。どうぞクラーラとお呼びください」
「ルシアナ・ベリト・トゥルエノと申します。本日はよろしくお願いいたします、クラーラさん」
クラーラは、くるくるとした栗色の毛を揺らしながら頭を上げた。
「王女殿下の婚礼衣装を手掛ける栄誉を賜れたこと、この上ない幸甚でございます。是非! なんなりと! お申し付けください!」
「ありがとうございます。お世話になりますわ」
大きな丸眼鏡の奥で爛々と目を輝かせるクラーラに押され気味になっていると、後ろからそっと肩に手を置かれた。
「お茶をご用意していますので、続きは座ってからにしましょう。ね? ルシアナ様」
柔らかなヘレナの声に、ほっと息を吐き出すと、ルシアナは「はい」と頷く。
「大変失礼いたしました! つい興奮してしまい……」
「構いませんわ。それだけ楽しみにしてくださっていたのでしょうか」
「それはもう! 王太子妃殿下のみならず、シルバキエ公爵夫人となられる方の衣装も担当できるなど、裁縫師としてこれ以上の誉れはございません!」
昂ぶり心躍る様子のクラーラに、くすりと笑みを漏らしながら、ヘレナに促されるようにソファに腰を落とす。
出されたカップを手に取ったルシアナとヘレナに対し、クラーラは手帖を取り出し万年筆を走らせる。
(クラーラさんが作業をしているときの話し相手として、ヘレナ様にはご同席いただいたけれど、クラーラさんにはもうあんなに書き記すことがあるのね)
何を書いているのか不思議に思っていると、ヘレナに声を掛けられる。
「ルシアナ様、シルバキエ公爵はどのような服をお召しになるのですか?」
「ラズルド騎士団の正装を着られるそうですわ」
「黒ですか! いいですね! それであれば王女殿下は何色をお召しになってもよろしいかと!」
鼻息の荒いクラーラに続いて、ヘレナも瞳を輝かせる。
「ルシアナ様なら濃いお色でも淡いお色でも、赤や緑、黄色や青、どのようなお色でもお似合いになりますわ」
「ありがとうございます、クラークさん、ヘレナ様。実は、ドレスの色はもう決めてきていて……」
「まあ。何色になさるのですか?」
期待するような視線を受けながら、ルシアナはにっこりと笑う。
「白ですわ」
「……白ですか!?」
一拍置いて、クラーラが驚いたように身を乗り出し、声を上げた。ヘレナも、隣で大きく目を瞬かせている。
(ふふ、そうよね。婚礼のドレスに白を選ぶ方はいないもの)
ルシアナは小さく笑みを漏らしながら、背筋を伸ばしてクラーラを見つめる。
「はい。白です。他の色はいりません。ドレスも、ベールも、グローブも、シューズも……すべて純白でお願いいたします」
にこりと笑うルシアナに、クラーラは呆然と口を開けていたが、次第にその口の端を上げていき、最後は大きく口を開けると勢いよく立ち上がった。
「っお任せください、王女殿下! 白! 純白! 何色にも染められない黒と、何色にも染められる白! なんと素晴らしい組み合わせでしょう! 白一色にする代わりに、レースをふんだんに使いましょう! ダイヤの小石を散りばめて華やかに! 宝石はパール、ムーンストーン……ホワイトサファイアも素敵ですね!」
クラーラは、はっとしたように椅子の横に置いてあった鞄を手に取ると、中からドレスや小物のデザインが載った目録を取り出した。
「ドレスにも様々な型がございますが、何かご希望はございますか?」
差し出された目録に目を通していると、とあるデザインで手が止まる。
「ああ、ロングトレーン! 王太子妃殿下もお召しになりましたよね。白のロングトレーン……きっと美しいでしょうね」
ドレスの裾が長く後ろに広がるロングトレーン。母であるベアトリスも、このタイプのドレスを着たと聞いている。
(華やかでとても綺麗だわ。レースとの相性もよさそう。けれど……)
「おっしゃる通り、美しいドレスになると思いますわ。けれど、わたくしはあまり背が高くありませんから」
(お母様はもちろん、ヘレナ様よりも)
眉尻を下げ、次のページへと進めようとしたところで、ヘレナがルシアナの両手を取る。驚き彼女へ顔を向ければ、ヘレナは真剣な表情でルシアナを見つめていた。
「ルシアナ様。式は一生に一度のものです。ルシアナ様がお召しになりたいものを、自由に選んでよろしいんですよ」
それに続くように、クラーラも声を上げた。
「王太子妃殿下のおっしゃる通りです! どのようなデザインでも、必ずルシアナ様にお似合いになる最高の一着に仕立ててみせます。どうか私の腕を信じて、なんなりとご要望をお聞かせください」
決意と熱意に満ちたクラーラの視線を受け、閉じる口にわずかに力が入る。しかし、すぐに力を緩めると、ルシアナはどこか照れたようにはにかんだ。
「……ありがとうございます。ヘレナ様、クラーラさん」
10
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説

誰でもイイけど、お前は無いわw
猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。
同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。
見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、
「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」
と言われてしまう。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

【R18】愛され総受け女王は、20歳の誕生日に夫である美麗な年下国王に甘く淫らにお祝いされる
奏音 美都
恋愛
シャルール公国のプリンセス、アンジェリーナの公務の際に出会い、恋に落ちたソノワール公爵であったルノー。
両親を船の沈没事故で失い、突如女王として戴冠することになった間も、彼女を支え続けた。
それから幾つもの困難を乗り越え、ルノーはアンジェリーナと婚姻を結び、単なる女王の夫、王配ではなく、自らも執政に取り組む国王として戴冠した。
夫婦となって初めて迎えるアンジェリーナの誕生日。ルノーは彼女を喜ばせようと、画策する。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる