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『ロックマン2』編
『ロックマン2』、どうやって遊ぶ?(4)
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さて、この負のジレンマをどう打開すべきか?
そんな時だ。
「あの、1機やらせてもらっても良いっスか?」
振り向くと、あのバイト店員だと思われる女性だった。
「あら、舞ちゃん。ロックマン2やりたくなったの?」
「遠くから見てたんスけどね、あんなヘタレプレイみせられたら自分もやりたくなりまして……」
"舞ちゃん"と呼ばれるバイト店員と会話する遊戯さん。
俺のプレイを"ヘタレプレイ"と言い切るとはなかなか失礼なバイトである。
「あぁ、大成さんにはまだ教えていなかったね。この子はこの前入ったバイトの子で矢鱈羽 舞(やたらう まい)さん」
「困っている人は見過ごせない☆勇者女子っス!よろしく~♪」
先ほどの店員モードとはうって変わってかなり軽いノリ。
いつもは「いらっしゃいませー」のあいさつに軽く会釈する程度だったのだが、まさかここまで痛い子だったとは。てか勇者女子ってなんだよ??
「大成 悟(たいせい さとる)です。よろしく……」
あまり関わらないほうが身のためだと思った俺は挨拶もそこそこに「どうぞ」と言わんばかりにコントローラーを渡す。
どうせ、大してうまくない。むしろ俺よりゲームの腕は下手なのであろう。そう思っていた。
目の前の勇者女子はコントローラーを握るなり、目の色を変えてテレビ画面を見つめる。
選んだステージはウッドマンステージ。
ステージ開始直後に勇者女子が操るロックマンはスムーズにステージギミックを乗り越えていく。
「(あれ?もしかして俺より上手いかも?)」
まあ、ここはウッドマンステージ。案ずることは無い。問題はウッドマンを倒せるか否かだ。
俺がそんなくだらないことを考えている隙にいつの間にかウッドマンと戦っていた。
武器はロックバスターのまま、スムーズにウッドマンのライフを減らしていき、無事撃破!
「ウッドマンは簡単っス。これでリーフシールド手に入れたんで次はエアーマン行きます」
そう言って、勇者女子こと矢鱈羽舞はエアーマンをステージを選択した。
「えっ!!」
まぐれだ。まぐれに違いない。
俺が倒せなかったウッドマンを1プレイでクリアだと!!
「驚いているようだね?」
俺の顔を見て察したのか遊戯さんがそっと話しかける。
「舞ちゃんさ、ゲームがやたらうまいのよ……私よりもね」
「マジっすかー」
映し出される画面にはエアーマンをステージをガンガン進めていく矢鱈羽舞。
ここ数日、ずっとエアーマンで手こずっていた俺の立場が無い。
そうこうしているうちにエアーマン直前のシャッターを開けてエアーマンに挑むロックマン。
ここで、矢鱈羽舞は武器をロックバスターからリーフシールドに切り替えて連射。
みるみるうちに減っていくエアーマンのライフ。
「(エアーマン頑張れ!!)」
心の中で思わずエアーマンを応援してしまう俺。
しかし、俺の応援も空しく、何回やってもエアーマンは倒せないはずのエアーマンはあっという間に散った。
しかも、彼女はE缶すら使わずに……。
「エアーマン倒したっスよー!」
「あ、ありがとう……」
「アイテム2号も手に入ったので、ついでにヒートマンステージもクリアしておきますね~」
「あ、ああ……」
俺がクリアできなかったステージが次々とクリアされていく。
心境は複雑である。
その後、俺の手元にコントローラーが帰ってくるはずもなく、たったのワンプレイでヒートマンステージも突き進んでいく。
ヒートマンステージもアイテム2号があればステージギミックの難易度も極端に下がる。
そこに俺の出番なんて無い。彼女がヒートマンを楽々倒していたのは言うまでもないだろう。
「確か、8大ボスを倒したタイミングで手に入るパスワードが最終だったはずなんで、このパスワード写しておいた方がいいっス!」
「そ、そうだね……」
テレビ画面に映し出されたパスワード画面をスマホで撮る俺の表情はさぞかし滑稽だったに違いない。
「大成さん、とりあえず舞ちゃんのおかげでワイリーステージまで進めたね……」
「確かにそうなんですけどね、何というか達成感が無いというか」
ワイリーステージまで進めたものの気分は微妙である。
なぜなら、自分の力で進めたわけではなかったからだ。
「(あぁ、俺自身の力で8大ボスを倒したかったなぁ……)」
そんな時だ。
「あの、1機やらせてもらっても良いっスか?」
振り向くと、あのバイト店員だと思われる女性だった。
「あら、舞ちゃん。ロックマン2やりたくなったの?」
「遠くから見てたんスけどね、あんなヘタレプレイみせられたら自分もやりたくなりまして……」
"舞ちゃん"と呼ばれるバイト店員と会話する遊戯さん。
俺のプレイを"ヘタレプレイ"と言い切るとはなかなか失礼なバイトである。
「あぁ、大成さんにはまだ教えていなかったね。この子はこの前入ったバイトの子で矢鱈羽 舞(やたらう まい)さん」
「困っている人は見過ごせない☆勇者女子っス!よろしく~♪」
先ほどの店員モードとはうって変わってかなり軽いノリ。
いつもは「いらっしゃいませー」のあいさつに軽く会釈する程度だったのだが、まさかここまで痛い子だったとは。てか勇者女子ってなんだよ??
「大成 悟(たいせい さとる)です。よろしく……」
あまり関わらないほうが身のためだと思った俺は挨拶もそこそこに「どうぞ」と言わんばかりにコントローラーを渡す。
どうせ、大してうまくない。むしろ俺よりゲームの腕は下手なのであろう。そう思っていた。
目の前の勇者女子はコントローラーを握るなり、目の色を変えてテレビ画面を見つめる。
選んだステージはウッドマンステージ。
ステージ開始直後に勇者女子が操るロックマンはスムーズにステージギミックを乗り越えていく。
「(あれ?もしかして俺より上手いかも?)」
まあ、ここはウッドマンステージ。案ずることは無い。問題はウッドマンを倒せるか否かだ。
俺がそんなくだらないことを考えている隙にいつの間にかウッドマンと戦っていた。
武器はロックバスターのまま、スムーズにウッドマンのライフを減らしていき、無事撃破!
「ウッドマンは簡単っス。これでリーフシールド手に入れたんで次はエアーマン行きます」
そう言って、勇者女子こと矢鱈羽舞はエアーマンをステージを選択した。
「えっ!!」
まぐれだ。まぐれに違いない。
俺が倒せなかったウッドマンを1プレイでクリアだと!!
「驚いているようだね?」
俺の顔を見て察したのか遊戯さんがそっと話しかける。
「舞ちゃんさ、ゲームがやたらうまいのよ……私よりもね」
「マジっすかー」
映し出される画面にはエアーマンをステージをガンガン進めていく矢鱈羽舞。
ここ数日、ずっとエアーマンで手こずっていた俺の立場が無い。
そうこうしているうちにエアーマン直前のシャッターを開けてエアーマンに挑むロックマン。
ここで、矢鱈羽舞は武器をロックバスターからリーフシールドに切り替えて連射。
みるみるうちに減っていくエアーマンのライフ。
「(エアーマン頑張れ!!)」
心の中で思わずエアーマンを応援してしまう俺。
しかし、俺の応援も空しく、何回やってもエアーマンは倒せないはずのエアーマンはあっという間に散った。
しかも、彼女はE缶すら使わずに……。
「エアーマン倒したっスよー!」
「あ、ありがとう……」
「アイテム2号も手に入ったので、ついでにヒートマンステージもクリアしておきますね~」
「あ、ああ……」
俺がクリアできなかったステージが次々とクリアされていく。
心境は複雑である。
その後、俺の手元にコントローラーが帰ってくるはずもなく、たったのワンプレイでヒートマンステージも突き進んでいく。
ヒートマンステージもアイテム2号があればステージギミックの難易度も極端に下がる。
そこに俺の出番なんて無い。彼女がヒートマンを楽々倒していたのは言うまでもないだろう。
「確か、8大ボスを倒したタイミングで手に入るパスワードが最終だったはずなんで、このパスワード写しておいた方がいいっス!」
「そ、そうだね……」
テレビ画面に映し出されたパスワード画面をスマホで撮る俺の表情はさぞかし滑稽だったに違いない。
「大成さん、とりあえず舞ちゃんのおかげでワイリーステージまで進めたね……」
「確かにそうなんですけどね、何というか達成感が無いというか」
ワイリーステージまで進めたものの気分は微妙である。
なぜなら、自分の力で進めたわけではなかったからだ。
「(あぁ、俺自身の力で8大ボスを倒したかったなぁ……)」
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