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第2章 取り込まれる者
4,王との面会
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大きく開放的な窓にかかる厚地のカーテン、どっしりとした布張りソファーに、猫足のテーブル。王妃が選んだのであろう小花や小鳥の絵柄が散りばめられた調度品。
部屋の中にはいくつかドアがあり、寝室は続き部屋にあるのだろう。
メイドは三人分の紅茶を入れ終わると引き上げていった。
ユウトは挨拶を終えると、王と王妃に向かい合って座った。
王は自慢の髭を撫で、口を開いた。
「ユウト久しぶりだな、よく来てくれた。怪我も大分良くなったようで安心している」
王と会うのは一ヶ月振りになるが、王妃から色々と聞いているようで、最近ユウトの身に起こった事を把握しているようだ。
「有り難うございます。ご心配おかけしました」
「いや、、元々そうなったのも、リオルドのせいだろう。別邸に閉じ込めていたと聞いた。息苦しかっただろうに、申し訳なかった」
一国の王が謝罪をするというのは極めて稀な事である。現カナーディル王は自分に非がある時は相手が誰であろうと謝罪する。
普段は穏やかな人柄で民の為に尽力し、筋を通すところはきちんと通す。
カナーディル王は民に愛され人徳もあり、女性であるサニーとの再婚が祝福されたのも人柄によるところが大きい。
「どうだ、リオルドは…その…ユウトを困らせたりしていないか?」
威厳に溢れた王は急に言葉を詰まらせしどろもどろになった。
横に寄り添って微笑んでいた王妃がバトンを受けて続けて話す。
「その、私達がマグドー公爵家へユウトに妃として来て欲しいと話しにいった時と色々事情が変わってしまって、ちょっとユウトの状態をね、確認したいと思ったの」
「そうなんだ。やはりな、あの…そういうのは妃の意思が大切だ」
「はい…?」
事情が変わった?なんのことだろう?
僕は相変わらず身代わり妃としてリオルドの側にいるし、毎日が三食昼寝付き、特に変わった事は無い。
ーーーあ!もしかして、リオルドの事を好きなことがばれてるのか?
「あの、いつお気づきに...?」
ユウトがその言葉を発すると二人は顔面蒼白になって狼狽えた。
「あいつめ…!なんてことだ。あれだけ注意したのに!」
「だから、別邸なんて危険だったのよ!狼の群れに羊を放り込むようなものだわ!」
「そ、それでユウトどうする。毎日か?辛かろう」
「そりゃそうよ、毎日好きでも無い男に組み敷かれるなんて!苦痛以外の何者でもないわ!怪我もしていたのに!」
ーーーあ、違ったみたい。ばれてない。
ユウトは二人と話が噛み合っていないことに気がついた。
どうやら、王達はリオルドは別邸にいる時にユウトの体を頻繁に求めていると勘違いしているようだ。
「あの…体の関係なら無いですよ?確かに婚約パーティーの後に一回ありましたが、別邸に行ってからは全く無いです」
ないよな?キスは毎日しているけど…たまに冗談みたいに口説いてくるけど…うん、無い!
「な、ない!?あの俗物が!?」
「えー。あの子の頭に我慢って文字があるの?」
「なんだ、意外と奥手だな。それじゃあ駄目なんだよ男はここぞって時にだな…」
一体二人はどちらの結果を望んでいたんだ?
そもそもリオルドはクリスの事を好きなんだから、僕じゃ貧相で代わりにもならないだろう。
ん?そうなると溜まった性欲はどう開放しているんだ?
僕が教えてあげた唱館かな……あーモヤモヤする。
「あの、僕としてはリオルド様がクリスをまだ愛しているのはわかりますし、特に不満は無いです。ただ、もう少し…その二人のやり取りを僕とアーノルド様の前だけでも控えて貰えれば有り難いです」
これはユウトの本音でもある。
「そうだな、ユウトの言う通りだ。リオルドはやりすぎな部分がある。わしからも注意する」
「ユウト、本当にごめんなさいね。大きな心で受け止めてくれて有り難う」
ーーー聞くなら…今かな?
「あの、お聞きしたいことがあるんです」
「うん、どうした。言ってみろ」
王と王妃は微笑みながらユウトを見ている。
「失礼な話しになると思います。すみません」
「ユウト、気にすることはない。先に身代わり妃なんて失礼な事をお願いしたのはこちらなんだ」
「あの、…レティ様亡き後、王様はサニー王妃と結婚されましたよね?それってリオルド様にも適用されますか?」
「というと…?」
二人はユウトの話が今一飲み込めていないようだ。
「ユウト、体がどこか悪いの?」王妃が心配そうに聞いた。
「いえ、僕は健康体です。例えばの話で聞きたいだけなんです。実行しようとか…思ってはいません」
「うむ」
「リオルド様はずっとクリスを愛しています。報われないのに思い続けている姿を見ていると、可哀想にも…思えます。後継者問題が解決して…もし、クリスもリオルド様を求めたら許されるのでしょうか?アーノルド様の気持ちもありますが…」
部屋は静まり返り、王は髭を撫で目を瞑った。
王妃は哀しそうな瞳でユウトを見ていた。
「精霊に聞く必要がある」
王は瞼を持ち上げると話を始めた。
「王族の結婚は精霊の許しが必要だ。私とサニーの再婚も精霊の許可を取っている」
「精霊の…」
「そう、アーノルドとクリスも。リオルドとユウトもだ。全て婚姻の前に精霊にお伺いを立てて許可されている。だから、許可があれば出来る」
「そうなんですね」
「極論はそうだ」
カナーディル王は身を乗りだし、ユウトに懇願するように続けた。
「でもな、それは自分の心に収めてくれんか?アーノルド達は結婚して三年経つが、まだ子供がいない。昨年くらいからは…夫婦というより親友のようになってしまって、この先も難しいかも知れないと感じている。対してリオルドは…最近はユウトと子供を作ると言い出していてな」
「え!!」
それは初耳だった。いつの間にそんな話になったんだ?
「やっぱりユウトには伝えてないか。それもあって、今日話を聞きたかったんだ。」
「それは、ちょっと…全く知らなくて」
「これは王族としての我が儘なんだが、レイルには王位継承権がない。アーノルドも難しい。そうなると、リオルドに期待してしまってな、本人もとても前向きだし。」
「あ、え?えぇ?前向き…?」
「でも、ユウトの気持ちも大事だと我々は考えている。リオルドもあれで、ちゃんと領民達の事を考えて動いてる愛国心のあるやつなんだが、無理か?」
いや、ちょっと待って。頭が大混乱してる
僕はただ、将来的に何か別の方法があるのか確認したかっただけだ。
子作りに前向き??ナンノコトダ???
「ユウト、びっくりしてるのね。ごめんなさい、でも1つだけ聞かせて?どうかしら…すぐじゃなくても、リオルドとそういう関係になるのは…絶対に無理な話かしら?」
絶対に無理かと聞かれればそんなことは無い。
だってユウトはリオルドのことを好きなのだから。
ユウトは混乱する頭で必死に答えた。二人に上手く伝わったかはわからないが。
「絶対に無理…では無いと思いますけど…。その急に言われて混乱しています」
「まぁ、無理では無いのね?」
「はい…最初にお話を受けた時はそのあたりも覚悟してましたし…」
「おぉ!そうなのか?ユウトはそこまで考えて承諾してくれていたのか!」
「まぁまぁまぁ、ユウト!そうだったの?」
「まぁ、はい、初めは。でも、パーティーので、ちょっと怖くなったというか…やっぱり無理かなって」
「あんなことは二度とさせん!何、カナーディルの王のわしが言うんだ。安心してくれ!」
「あれは私もまだ許してないの!でも、本人も大分反省してたし、二度とあんなことは...ねぇ、あなた?」
「あぁ、させない。またしたらアイツは国外追放だ!」
なんだかどんどん二人のテンションが上がり、勝手に話が進んでないか?
「あ、あの。でも、すぐとかは無理かなって…」
「おぉ、それは勿論だ。まだ二人で旅行も行ってないだろう?その時とかな…。城での業務が多くて延び延びになって悪いな」
「旅行の時?いいわねぇ~運河の見える部屋とか…素敵。あっ私、メイドからお菓子を貰ってくるわ。色々話しましょうよ」
「え、あの…」
王妃はいそいそとお菓子を頼む為に部屋を出ていってしまった。
呆然として見ていると“ニャ~”と鳴き声が聞こえて、王妃の開けた扉の隙間から、金の鈴をつけた黒猫が部屋に入り込んで来るのが見えた。
入ってきた黒猫は真っ直ぐにこちらに来てユウトの足元に纏わりつく。
「毛並みがいいですね。王室で飼っているのですか?」
「そんなもんだな。見かけたら可愛がってやってくれ」
王は黒猫を見ながら呆れたように答えた。
ーーー王様は動物が苦手なのかな?
「あの、今僕が言ったこと、どうかリオルド様には秘密にしてくれませんか?」
黒猫から目線をあげた王はユウトを見ると微笑んだ。
「勿論だ。伝えたらすぐ襲われてしまうからな」
「お、襲われ…!?」
「いや、本当に。そこはユウトのタイミングでいかんとならん」
「有り難うございます…??」
「まぁ、王族なんて言っても蓋を開ければこの通り、普通の家族とそう変わらん。何かあれば我々に相談してくれ」
おかしな話になったと困惑していると、黒猫がユウトの膝に飛び乗った。
チリンと鈴の音がして、ユウトの胸に両足を置き、顔を近づけザラザラの舌で頬を舐めた。
「わ、くすぐったい!」
黒猫は満足そうに“ニャー”と鳴くと体を丸めてゴロゴロと喉を鳴らした。
部屋の中にはいくつかドアがあり、寝室は続き部屋にあるのだろう。
メイドは三人分の紅茶を入れ終わると引き上げていった。
ユウトは挨拶を終えると、王と王妃に向かい合って座った。
王は自慢の髭を撫で、口を開いた。
「ユウト久しぶりだな、よく来てくれた。怪我も大分良くなったようで安心している」
王と会うのは一ヶ月振りになるが、王妃から色々と聞いているようで、最近ユウトの身に起こった事を把握しているようだ。
「有り難うございます。ご心配おかけしました」
「いや、、元々そうなったのも、リオルドのせいだろう。別邸に閉じ込めていたと聞いた。息苦しかっただろうに、申し訳なかった」
一国の王が謝罪をするというのは極めて稀な事である。現カナーディル王は自分に非がある時は相手が誰であろうと謝罪する。
普段は穏やかな人柄で民の為に尽力し、筋を通すところはきちんと通す。
カナーディル王は民に愛され人徳もあり、女性であるサニーとの再婚が祝福されたのも人柄によるところが大きい。
「どうだ、リオルドは…その…ユウトを困らせたりしていないか?」
威厳に溢れた王は急に言葉を詰まらせしどろもどろになった。
横に寄り添って微笑んでいた王妃がバトンを受けて続けて話す。
「その、私達がマグドー公爵家へユウトに妃として来て欲しいと話しにいった時と色々事情が変わってしまって、ちょっとユウトの状態をね、確認したいと思ったの」
「そうなんだ。やはりな、あの…そういうのは妃の意思が大切だ」
「はい…?」
事情が変わった?なんのことだろう?
僕は相変わらず身代わり妃としてリオルドの側にいるし、毎日が三食昼寝付き、特に変わった事は無い。
ーーーあ!もしかして、リオルドの事を好きなことがばれてるのか?
「あの、いつお気づきに...?」
ユウトがその言葉を発すると二人は顔面蒼白になって狼狽えた。
「あいつめ…!なんてことだ。あれだけ注意したのに!」
「だから、別邸なんて危険だったのよ!狼の群れに羊を放り込むようなものだわ!」
「そ、それでユウトどうする。毎日か?辛かろう」
「そりゃそうよ、毎日好きでも無い男に組み敷かれるなんて!苦痛以外の何者でもないわ!怪我もしていたのに!」
ーーーあ、違ったみたい。ばれてない。
ユウトは二人と話が噛み合っていないことに気がついた。
どうやら、王達はリオルドは別邸にいる時にユウトの体を頻繁に求めていると勘違いしているようだ。
「あの…体の関係なら無いですよ?確かに婚約パーティーの後に一回ありましたが、別邸に行ってからは全く無いです」
ないよな?キスは毎日しているけど…たまに冗談みたいに口説いてくるけど…うん、無い!
「な、ない!?あの俗物が!?」
「えー。あの子の頭に我慢って文字があるの?」
「なんだ、意外と奥手だな。それじゃあ駄目なんだよ男はここぞって時にだな…」
一体二人はどちらの結果を望んでいたんだ?
そもそもリオルドはクリスの事を好きなんだから、僕じゃ貧相で代わりにもならないだろう。
ん?そうなると溜まった性欲はどう開放しているんだ?
僕が教えてあげた唱館かな……あーモヤモヤする。
「あの、僕としてはリオルド様がクリスをまだ愛しているのはわかりますし、特に不満は無いです。ただ、もう少し…その二人のやり取りを僕とアーノルド様の前だけでも控えて貰えれば有り難いです」
これはユウトの本音でもある。
「そうだな、ユウトの言う通りだ。リオルドはやりすぎな部分がある。わしからも注意する」
「ユウト、本当にごめんなさいね。大きな心で受け止めてくれて有り難う」
ーーー聞くなら…今かな?
「あの、お聞きしたいことがあるんです」
「うん、どうした。言ってみろ」
王と王妃は微笑みながらユウトを見ている。
「失礼な話しになると思います。すみません」
「ユウト、気にすることはない。先に身代わり妃なんて失礼な事をお願いしたのはこちらなんだ」
「あの、…レティ様亡き後、王様はサニー王妃と結婚されましたよね?それってリオルド様にも適用されますか?」
「というと…?」
二人はユウトの話が今一飲み込めていないようだ。
「ユウト、体がどこか悪いの?」王妃が心配そうに聞いた。
「いえ、僕は健康体です。例えばの話で聞きたいだけなんです。実行しようとか…思ってはいません」
「うむ」
「リオルド様はずっとクリスを愛しています。報われないのに思い続けている姿を見ていると、可哀想にも…思えます。後継者問題が解決して…もし、クリスもリオルド様を求めたら許されるのでしょうか?アーノルド様の気持ちもありますが…」
部屋は静まり返り、王は髭を撫で目を瞑った。
王妃は哀しそうな瞳でユウトを見ていた。
「精霊に聞く必要がある」
王は瞼を持ち上げると話を始めた。
「王族の結婚は精霊の許しが必要だ。私とサニーの再婚も精霊の許可を取っている」
「精霊の…」
「そう、アーノルドとクリスも。リオルドとユウトもだ。全て婚姻の前に精霊にお伺いを立てて許可されている。だから、許可があれば出来る」
「そうなんですね」
「極論はそうだ」
カナーディル王は身を乗りだし、ユウトに懇願するように続けた。
「でもな、それは自分の心に収めてくれんか?アーノルド達は結婚して三年経つが、まだ子供がいない。昨年くらいからは…夫婦というより親友のようになってしまって、この先も難しいかも知れないと感じている。対してリオルドは…最近はユウトと子供を作ると言い出していてな」
「え!!」
それは初耳だった。いつの間にそんな話になったんだ?
「やっぱりユウトには伝えてないか。それもあって、今日話を聞きたかったんだ。」
「それは、ちょっと…全く知らなくて」
「これは王族としての我が儘なんだが、レイルには王位継承権がない。アーノルドも難しい。そうなると、リオルドに期待してしまってな、本人もとても前向きだし。」
「あ、え?えぇ?前向き…?」
「でも、ユウトの気持ちも大事だと我々は考えている。リオルドもあれで、ちゃんと領民達の事を考えて動いてる愛国心のあるやつなんだが、無理か?」
いや、ちょっと待って。頭が大混乱してる
僕はただ、将来的に何か別の方法があるのか確認したかっただけだ。
子作りに前向き??ナンノコトダ???
「ユウト、びっくりしてるのね。ごめんなさい、でも1つだけ聞かせて?どうかしら…すぐじゃなくても、リオルドとそういう関係になるのは…絶対に無理な話かしら?」
絶対に無理かと聞かれればそんなことは無い。
だってユウトはリオルドのことを好きなのだから。
ユウトは混乱する頭で必死に答えた。二人に上手く伝わったかはわからないが。
「絶対に無理…では無いと思いますけど…。その急に言われて混乱しています」
「まぁ、無理では無いのね?」
「はい…最初にお話を受けた時はそのあたりも覚悟してましたし…」
「おぉ!そうなのか?ユウトはそこまで考えて承諾してくれていたのか!」
「まぁまぁまぁ、ユウト!そうだったの?」
「まぁ、はい、初めは。でも、パーティーので、ちょっと怖くなったというか…やっぱり無理かなって」
「あんなことは二度とさせん!何、カナーディルの王のわしが言うんだ。安心してくれ!」
「あれは私もまだ許してないの!でも、本人も大分反省してたし、二度とあんなことは...ねぇ、あなた?」
「あぁ、させない。またしたらアイツは国外追放だ!」
なんだかどんどん二人のテンションが上がり、勝手に話が進んでないか?
「あ、あの。でも、すぐとかは無理かなって…」
「おぉ、それは勿論だ。まだ二人で旅行も行ってないだろう?その時とかな…。城での業務が多くて延び延びになって悪いな」
「旅行の時?いいわねぇ~運河の見える部屋とか…素敵。あっ私、メイドからお菓子を貰ってくるわ。色々話しましょうよ」
「え、あの…」
王妃はいそいそとお菓子を頼む為に部屋を出ていってしまった。
呆然として見ていると“ニャ~”と鳴き声が聞こえて、王妃の開けた扉の隙間から、金の鈴をつけた黒猫が部屋に入り込んで来るのが見えた。
入ってきた黒猫は真っ直ぐにこちらに来てユウトの足元に纏わりつく。
「毛並みがいいですね。王室で飼っているのですか?」
「そんなもんだな。見かけたら可愛がってやってくれ」
王は黒猫を見ながら呆れたように答えた。
ーーー王様は動物が苦手なのかな?
「あの、今僕が言ったこと、どうかリオルド様には秘密にしてくれませんか?」
黒猫から目線をあげた王はユウトを見ると微笑んだ。
「勿論だ。伝えたらすぐ襲われてしまうからな」
「お、襲われ…!?」
「いや、本当に。そこはユウトのタイミングでいかんとならん」
「有り難うございます…??」
「まぁ、王族なんて言っても蓋を開ければこの通り、普通の家族とそう変わらん。何かあれば我々に相談してくれ」
おかしな話になったと困惑していると、黒猫がユウトの膝に飛び乗った。
チリンと鈴の音がして、ユウトの胸に両足を置き、顔を近づけザラザラの舌で頬を舐めた。
「わ、くすぐったい!」
黒猫は満足そうに“ニャー”と鳴くと体を丸めてゴロゴロと喉を鳴らした。
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