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第1章 過去との再会
5.再来
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(もう10時か…さすがに疲れたな)
残業を終えた深月は最後の一人となったオフィスの電気を消した
PHENIXは12階建てのビルのワンフロアを借りており、ビル自体が無人になることはない
ロッカーで着替えを済ませ、ドアを施錠し、1階のビルの裏口へ向かう
「山ノ瀬さん、お疲れ様!」
小さな小窓から顔馴染みの守衛が声をかけてきた
「お疲れ様です」
ペコリと頭を下げ、前方のドアを開けると暗闇の中へと踏み出した
夏も終わり、冷たい風が深月の頬に触れる
人通りも少なくなった街では遠くに酔っ払ったサラリーマン達が陽気に歌っている姿が見えた
(楽しそうだな)
ところどころ街頭のある暗いオフィス街を黙々と歩く
こんなちょっとした時間が深月は好きだ
(終電までは時間があるし、明日は休み。何か食べるものを買って帰ろうかな)
近場で開いてる店はどこだろう?と思考を巡らせながら歩いていると暗闇の中から声がした
「今、帰り?遅いんだな」
右の街路樹にあるガードレールに浅く腰かけていた男が立ち上がり、一歩二歩と近づいてきた
深月の喉はヒュッと音を鳴らし、気道が狭くなったかのように息苦しく感じた
「深月、聞いてる?」
「…あ、き、聞いてます…」
少しの間があって男は続けた
声には明らかに不満の色が浮かんでいる
「なんで、敬語?」
「…すみません」
チッ...
男はイライラしたように舌打ちした
「まぁ、いいや。今日は金曜だし、飲みに行こう」
(飲みに?何で?そもそも、待ち伏せしてた?)
声は全然出ないものの、深月の頭は混乱しフル回転していた
「行かない」
やっとの思いで声を振り絞ると、自己主張出来た自分にホッとした
「じゃあ…」
深月の前に立ちはだかり見下ろすように話していた大河の横をすり抜けようとすると、強い力で右手を掴まれそのまま路地裏に引き摺りこまれた
大河は深月を壁に投げつけ覆うように両手を壁に置き立ちはだかった
「痛っ」
掴まれた腕と壁に打ち付けられた背中が痛む
「なに?俺を避けてるわけ」
「…」
「ハッキリ言えよ」
「もう終わった事だし、今更…」
深月が最後まで言う前に大河の唇が深月の口を塞いだ
必死に抵抗するものの、大河の力は強く全く体を動かせない
そうこうしている内に大河の舌が深月の口をこじ開け中に入ってこようとしていることに気付いた
必死に口を真一文字に結び侵入を阻止するが、大河の舌もまた強い力で入ってこようとしている
次の瞬間、深月は下半身に異常を感じ「ひゃっ」と口を開けてしまった
大河は深月の足の間に自分の右足を入れ、グイグイと股間を押してくる
それにあわせるように、すっかり無防備になった深月の口の中に舌を入れ、絡ませ、上歯の裏を舐め、舌の裏をなぞる行為を繰り返す
「ん…や、やめ……アッ」
ビクンッと体を震わせると深月の体は脱力した
それに気付いた大河が力を緩めると深月はその場にペタリと座り込んだ
(最悪だ…)
大河の責めに堪えきれず射精してしまったのだ
これでは電車で帰ることなんて出来そうにもない
へたり込む深月を見ていた大河は横に座り込み
微笑んだ
「気持ち良くて出ちゃったんだね。俺の家ここから徒歩で行けるよ?着替えたいでしょ」
何も答えない深月の両脇を抱え上げて立たせ、右手を繋ぎ路地裏から出た
そのまま街頭のある、しかし暗いオフィス街を繋いだ手をひきながら無言で歩いた
深月にはもう抵抗する気力も体力も残っておらず、手を引かれるままに大河についていくしかなかった
残業を終えた深月は最後の一人となったオフィスの電気を消した
PHENIXは12階建てのビルのワンフロアを借りており、ビル自体が無人になることはない
ロッカーで着替えを済ませ、ドアを施錠し、1階のビルの裏口へ向かう
「山ノ瀬さん、お疲れ様!」
小さな小窓から顔馴染みの守衛が声をかけてきた
「お疲れ様です」
ペコリと頭を下げ、前方のドアを開けると暗闇の中へと踏み出した
夏も終わり、冷たい風が深月の頬に触れる
人通りも少なくなった街では遠くに酔っ払ったサラリーマン達が陽気に歌っている姿が見えた
(楽しそうだな)
ところどころ街頭のある暗いオフィス街を黙々と歩く
こんなちょっとした時間が深月は好きだ
(終電までは時間があるし、明日は休み。何か食べるものを買って帰ろうかな)
近場で開いてる店はどこだろう?と思考を巡らせながら歩いていると暗闇の中から声がした
「今、帰り?遅いんだな」
右の街路樹にあるガードレールに浅く腰かけていた男が立ち上がり、一歩二歩と近づいてきた
深月の喉はヒュッと音を鳴らし、気道が狭くなったかのように息苦しく感じた
「深月、聞いてる?」
「…あ、き、聞いてます…」
少しの間があって男は続けた
声には明らかに不満の色が浮かんでいる
「なんで、敬語?」
「…すみません」
チッ...
男はイライラしたように舌打ちした
「まぁ、いいや。今日は金曜だし、飲みに行こう」
(飲みに?何で?そもそも、待ち伏せしてた?)
声は全然出ないものの、深月の頭は混乱しフル回転していた
「行かない」
やっとの思いで声を振り絞ると、自己主張出来た自分にホッとした
「じゃあ…」
深月の前に立ちはだかり見下ろすように話していた大河の横をすり抜けようとすると、強い力で右手を掴まれそのまま路地裏に引き摺りこまれた
大河は深月を壁に投げつけ覆うように両手を壁に置き立ちはだかった
「痛っ」
掴まれた腕と壁に打ち付けられた背中が痛む
「なに?俺を避けてるわけ」
「…」
「ハッキリ言えよ」
「もう終わった事だし、今更…」
深月が最後まで言う前に大河の唇が深月の口を塞いだ
必死に抵抗するものの、大河の力は強く全く体を動かせない
そうこうしている内に大河の舌が深月の口をこじ開け中に入ってこようとしていることに気付いた
必死に口を真一文字に結び侵入を阻止するが、大河の舌もまた強い力で入ってこようとしている
次の瞬間、深月は下半身に異常を感じ「ひゃっ」と口を開けてしまった
大河は深月の足の間に自分の右足を入れ、グイグイと股間を押してくる
それにあわせるように、すっかり無防備になった深月の口の中に舌を入れ、絡ませ、上歯の裏を舐め、舌の裏をなぞる行為を繰り返す
「ん…や、やめ……アッ」
ビクンッと体を震わせると深月の体は脱力した
それに気付いた大河が力を緩めると深月はその場にペタリと座り込んだ
(最悪だ…)
大河の責めに堪えきれず射精してしまったのだ
これでは電車で帰ることなんて出来そうにもない
へたり込む深月を見ていた大河は横に座り込み
微笑んだ
「気持ち良くて出ちゃったんだね。俺の家ここから徒歩で行けるよ?着替えたいでしょ」
何も答えない深月の両脇を抱え上げて立たせ、右手を繋ぎ路地裏から出た
そのまま街頭のある、しかし暗いオフィス街を繋いだ手をひきながら無言で歩いた
深月にはもう抵抗する気力も体力も残っておらず、手を引かれるままに大河についていくしかなかった
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