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アルゴーの集落編 〜クーリエ 30歳?〜

X-51話 言葉の真意

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「鳥を見るときは見上げて。じゃあ、鳥が俺たちを見るときは、か。どうすればいいんだろうな、本当に」

 鳥が旅立ってからかれこれ5分ほどその場に座り込んでない頭をフル回転させていた。だが、一向にその解決の兆しすら見えてこない。もしかしたら、俺って馬鹿なんじゃないかと本気で不安になってくる。

「これって、簡単な話なんだよな、多分。俺より早く解けるやつもごまんといるんだろうな~。誰かその知恵を貸して欲しいよ」

 羽を持つ生き物が人間をみるとき、それすなわち見下ろすという行為を伴うことだっていうのはわかる。そして、人間が見下ろそうと思ったら取るべき行為っていうのも。だが、その入り口が分からないもだ。そこでこんなにつまづいて時間を取られている。

「人間が見下ろせる場所っていうのは、地下しかない・・・よな。それじゃあ、ここら一帯を天恵を使って吹き飛ばしたら一番手っ取り早いんだろうけど・・・」

天恵を使用するたびに寿命を縮める速度を早める、ユウシの言葉が何度も影を潜める。幾度も思いを改めて右手に力拳を作るのだが、やはり途中で力が抜けて思うように力を振るうことができなくなる。コルルにこの集落に来る前に話した言葉。天恵を無駄に使用してはいけない、という内容。

それが今になって自分にブーメランのように心に突き刺さる。ここより大事な、人の命がかかった場面で天恵を使用しなければいけない場面はこれから来ることもあるかもしれない。なかったらそれに越したことはないが、あった場合確実にその時使えなければならない。

「結局、このクイズを解かなきゃやっていけないのかよ」

俺は大体の見当はつけていた。鳥が放った些細な言葉。人間からしてみると、高いところにいる鳥は時として一方的に嫌悪感を抱かれることがある。だから、どうするべきなのか。これだ。この真意を理解すれば自ずと道が開けるはずだ。

「さぁて、考えますか」

 再び俺は長考に入っていくのであった。

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