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新規任務準備編
幕間:深窓の姫君と子熊<ディーター視点>
しおりを挟む寮の壁はひんやりしてた。壁に寄り掛かりながら頬を擦り付け、ずきずきと下腹部を押さえる。尖ったとげの塊を押し込まれてるようで、冷や汗が噴き出た。まあ実際、僕の腹にはそれに似たようなものが突っ込まれてる。
そのままずるずると床に落ち、腹を押さえて蹲る。廊下の絨毯は、定期的に洗浄魔法がかかるおかげで、それほど不愉快ではないのが救いだった。もう一歩も歩けそうにない。
少し腹の調子が良くなったから訓練でもしようと、外に出たのが間違いだったな。奴隷どもはいまは夕食の時間だ。あのイェオリも、僕が部屋にいないから、きっとダイニングに行ってるに違いない。……人の助けが必要になるのを待つときほど、惨めなものはない。
「っう……」
どうしても痛いものは痛い。治癒魔法も、白藍魔道団の薬も効かなかった。
魔肛持ちの群青騎士で、この症状を起こす騎士は少ないらしい。前例があまりなく、その前例にあった騎士のことを尋ねたら、主治医のエーゴンは言葉を濁してた。きっと長くは持たずに死んだに違いない。
僕も、早く死ねればいいのに。そう考えるけど実行には移さない。しようとすると、途端に意識をなくす。自殺は出来ないよう、ストッパーが脳に刻まれてる。僕は自我崩壊も起こってないのに、忌々しいものばかり埋め込まれてる。ああでも、中身だけじゃなく外見すら僕にとっては忌々しかった。
母似のこの外見を純粋に喜んだのは、母だけだった。父は三男の僕が成長していくにつれて、母に似た綺麗な外見だと気づくと、好色な目を僕に向けた。実際に性交に至ったことがないのは、年老いても綺麗な母がそばにいたからだろう。
男の身体に、女と見間違うような美麗な顔など、百害あって一利なしだ。家にいた間は良かったけど、学園に入れば他にもいやらしい目つきで見られたし、実際に襲われもしたしね。ぎりぎりで男としての矜持を守っていたのに、悪魔の実に取り込まれてからはすべて失った。
気持ち悪い男どもに身体中を嬲られ、痛みを感じる腹を犯される恐怖は計り知れない。
イェオリにしたって、そいつらと何も変わらない。嫌がる僕を押さえつけて挿入を繰り返す。あいつの一番むかつくところは、申し訳なさそうに謝りながらも、躊躇なく腹を犯すところだ。おかげで僕は、泣きわめいて許しを乞いながら、意識がなくなるまで嬲られる。
その後は点滴を打たれたりしてるらしいけど、意識を取り戻すまでのことはあまり知らない。僕の部屋にだけ、特注で防音魔法がかかってるのは、妥当だよね。毎晩毎晩叫び声を聞かされる方も、絶対精神を病むし。
こんな身体では、出撃できるのも年に一度がいい方だ。騎士団も、僕なんて役立たず退団させればいいのに。放っておいてくれればすぐに死ねる。
……深く考えると吐き気がするから、それ以上は考えるのはやめた。
幸か不幸か、廊下には誰も通りかからない。時間帯的に、みんなそれぞれ部屋でくつろいでるのだろう。それでよかった。倒れていて、誰かにイェオリを呼ばれるのも癪だし、本当に放っておいてほしかった。
そのまま目を閉じて腹の痛みに耐えてると、わずかに地面が揺れた。等間隔に感じる揺れは、誰かが歩いてるのを感じさせる。絨毯は足音を吸収して、ほとんど聞こえない。けど、その振動は別だった。僕がぺったり床に倒れてるせいで、より顕著に感じる。憂鬱な気分のまま、うっすらと目を開くと、そこに、つい最近、群青騎士団に正式加入した新人の姿が見て取れた。
のっそりとした大柄の男だった。研修生になった当初は、金茶髪にぴんぴんと好き勝手に寝癖をつけていたが、専属奴隷がユストゥスになってからだいぶ手入れをされてる。奥二重で眠たげな茶色の瞳がこちらを見てる。数回しか顔を合わせていない男だった。
熊、というのは合ってると思う。気合が入っていればぴんと背筋が伸びるけど、それ以外はやや猫背だ。動きが熊っぽい。小熊、という呼び方には、少し疑念が残る。確かにまだ18歳と若くはあるけど、成人してるし、僕より大きいぞあの男。
新人は、僕を見て、それからそっと周辺を見回した。……どうせイェオリが呼ばれる。部屋に寝かされるのはいいけど、この腹を犯されるのはもう嫌だ。今からでもいいから、だれか僕の意識を刈り取ってほしい。物言わぬ人形でいた方がよほどましだ。
そう思いながら男を眺めてると、急に男はその場に四つん這いになった。そしてのしのしとこちらに近づいてくる。……な、なんだ?
間近に貴族にしては、控えめな顔立ちの男が迫る。だけど、そこまでくると、新人は私と同じように床に転がった。少し、嬉しそうに口元を緩めてる。
「なに、してるんだ……?」
「実家では、規律が厳しくてな。廊下に寝転ぶなどしたことがなかった。これは……楽しいような、楽しくないような、不思議な気分になるな」
いやお前、十分楽しんでるでしょ……。
どこからどう見ても、楽しそうにしてる。僕の咎めるような視線に気付いたのか、新人はハッとした表情になると、もたもたと何かを取り出した。紙包みを開くと、中にはころんとした小さな飴玉が二つ転がっていた。
「こちらはオレンジ味で、こっちはイチゴ味らしい。はい、ディー先輩」
一つ、赤い方を摘まむと、私の口に押し込んできた。その手でもう一つの飴を口に運び、うっとりと目を細める。上機嫌になった変わった男を見やり、僕は口の中でころ、と飴を転がした。……甘味なんて、食べたのはいつ振りだろうか。
美味しい。少し、心がほっとする。無意識に強張ってた身体から、力が抜けた。
「ふふ。ディー先輩、これはわいろだ。わいろを受け取ったからには、私が廊下で寝転がったことは、内緒にしてもらうぞ。……そちらの飴も、美味しいだろうか?」
「ああ、まあ……」
飴が嫌い、という人間はそこまでいないんじゃないだろうか。というか賄賂って……。あと先輩とか呼ばれると、ちょっとむずがゆくなるんだけど。なんだこいつ。
誰も通りかからない廊下で、2人で転がって飴を舐める。……意味がわかんない。なんだろ、これ。
この新人に感化されたのか、ちょっとだけ、可笑しくなってきた。そして少し楽しい気持ちになりながら転がってると、おずおずと、新人が口を開いた。
「……ディー先輩、飴はわいろだ。わいろなのだが……、……そっちも食べてみたい」
「はあ?」
「味が違うのだとおじさ……ベッカーが言っていた。…………そうだ、交換しよう!こちらも甘くておいしいぞ」
いいことを思いついたと言わんばかりに目を輝かせてる。
「交換、って、どうやるつもりなの」
「口移しではないのか?指で触るよりよほどマシだと思う」
「おまえ……」
あっけに取られて男を見つめる。新人は、僕を、訴えるような切ない眼差しで見つめてきた。群青騎士は、貞操観念や倫理観が全く消えると聞くし、周囲で性行為を楽しんでる騎士もたくさんいるのは、重々承知なんだけど、なんだろ、これは。
これは少し、それとは違う。と思う。……よくわかんないけど。
「ディー先輩、一度渡したわいろを返せというのは、図々しいのもわかる。でも、そちらも味わってみたいのだ。考えてもみてほしい。飴が2つも、おじさまからもらえたのだ。こんなことは普段はないのだぞ?そのことに私がどれほど喜んだか。しかも、両方とも、私が食べたことがない味なのだ。ぜひ食べて、おじさまに感想が言いたい。それだけで、他意はない。別に本当は、両方とも私のものだったから返してほしいとか、美味しいものは独り占めしたいとか、そういうことでは断じてないのだ」
拳を握って、寝転びながら切々と訴えてくる男に、思わず笑っちゃった。笑うと、腹に響くから笑わせないでほしい。ひー腹が痛い。
「ディー先輩?」
「ふ、っくっく……いーよ、ほら」
何もかもに、疲れてたんだと思う。この時の僕は。
そうでなければ、ろくに知らない男に、唇を許すようなことはしなかった。イェオリにでさえ、キスを許したことはない。他の奴隷どもにもだ。研修時代に、無理やり身体を開かれたときに散々嬲られたから、初めてとは言わない。でもこうして自分の意思で、何事もないかのように触れ合いを許すのは、初めてに等しかった。
「やった!ありがとうディー先輩」
喜んだ新人にちゅっと口を吸われる。奪われていく甘いイチゴ味の飴の代わりに、少し酸味のあるオレンジ飴が転がってきた。すぐに唇が離れていく。本当に、交換するためだけに重ねた、意味のない口づけ。
ころころと口の中で丸い飴を転がしながら、笑っちゃった。熊が……ああ本当に、こいつは熊っていうより、小熊だな。小熊が、嬉しそうに飴を味わってる。やめてくれ面白すぎる。
僕が声なく震えながら笑ってると、男はそっと僕の目元を指で拭った。面白さのあまり涙が浮かんでいたらしい。苦痛以外で泣くなんて、久しぶりじゃないかこんなの。それから、汗の浮いた額も指で触れられた。
「ディー先輩、そろそろ皆が出てくる。このままだとわいろを渡した意味がなくなるので、そろそろ起きよう」
「っくくく……っそ、そうだな。あー……悪いけど、立てないんだ。部屋に運んでくれる?」
絶対誰にも助けを呼ぶつもりはない。そう思ってたのに、言葉がするっと飛び出た。そして言ったとたん、眠たげだった新人の眼が、丸く見開いた。
「そうだったのか。それならそうと早く言ってくれ。てっきりディー先輩が1人で楽しい遊びをしてるのかと」
「くっくっく。ひーもう、笑わせんな。床にころがるのが、楽しい遊びなんて、なんなんだよ」
けらけら笑うと、少し小熊はむすっとしたようだった。それでも僕を丁寧に優しく抱き上げてくれる。
その手の感触に、下心は一切感じられない。だからこそ、身を預けていられる。抱き上げられて僕の部屋まで運ばれた。……こいつ、僕の部屋知ってるんだな。
「私は楽しかったぞ。こう、なんというか、罪悪感が刺激されてだな」
僕を横抱きに運びながら、それでも上機嫌で小熊がそんなことを口にする。新人の手は、僕を抱き上げてることで塞がっていて、ドアは僕が開けた。イェオリより大きくてがっしりしていて、安定感がある。部屋に入ると、思いのほか繊細な手つきで、ベッドに降ろされた。
「床に寝転がるのが、罪悪感を刺激されて、楽しい遊び?」
「………ディー先輩。その、心に刺さるから、改めて口にするのはやめてくれ」
ひー面白い。なんだこいつ。よっぽど普段してるセックスの方が羞恥を誘うものだろうに、こうやって僕にからかわれるだけで顔を赤くしてる。もっとからかってもよかったけど、さすがに大人げないかと思ってやめておいた。
「飴、美味しかった」
「そうだろう。おじさまがくれるものは、いつも美味しい。……それに人に分けると、幸せが増えた気がして、より美味しいな」
小熊はそう満足そうに破顔した。人生が楽しそうで羨ましい。僕が感じてるコンプレックスなんて、一つも感じてないような笑顔だ。少しだけ、ほの暗い気持ちが頭をもたげる。でも、それを口に出すのはプライドが許せなくて、僕は口を噤んだ。
「では、失礼する」
新人は、ほどなくして部屋を出ていった。残されたのは僕一人だ。分けられた飴はもうとっくになくなっていて、名残を口の中に探す。
<……珍しいね。ディー、機嫌が良さそうじゃないか>
しばらくしてイェオリが戻ってきた。穏やかな見た目とは裏腹に、今日も僕を縛る縄を手にしてる。
「ふん、お前には教えるかよ」
せっかく気分のいい状態なのに、水を差されたくなくて、顔を逸らす。だから僕は、イェオリがぎらりと、その温厚な眼差しに似つかわしくない光を灯したことに気づかなかった。
いつもの強姦だけじゃなく、今日は言葉攻めまでされて、せっかくいい気分だったのに、僕は汚されたような気に陥りながら、小熊とあった出会いを、イェオリに吐き出していた。
小熊は、小熊じゃなくて、子熊らしい。確かに成人してる割には、少し幼い気はしていた。そして、その子熊は、クンツ・リンデンベルガーという名前だということを、イェオリに教えられた。自己紹介はされたけど、接点がないから忘れてた。
あの、量産騎士の1人。国防に一役買ってる騎士の一族というのは、僕も知ってる。
学園でも別のリンデンベルガーと会ったことはあった。考えてみれば、彼も僕の外見に興味を示さなかった。彼は真面目で、少しずれてた。そんな印象を、同級生のリンデンベルガーに持った記憶がある。……彼も、立派に卒業していったけど、今は何をしてるだろう。
今度、調べてみるか。フルネームは覚えてる。探せばすぐに、どこにいるかわかるはずだ。イェオリに調査を頼んだら、なぜかひどく喜んだ。僕が他人に興味を示すのが、イェオリは嬉しいらしい。なんだそれ。強姦魔のくせに。思わず、酷く罵ってしまった。
……頭では、わかってる。わかってるんだ。この男は、僕みたいな面倒な騎士の専属奴隷になって、毎晩僕を犯して、傷を治して、点滴を打って、世話をする。僕は、この男がいなければ生きていけない。
他の奴隷は僕を遠ざけてる。だれも、こんな面倒な群青騎士には手を出さない。たまに会話をするユストゥスですら、僕を抱かない。それはそうだ。こんな、痛がるだけの群青騎士なんて、喜んで抱くような変態はいない。イェオリだけだ。……でも、僕はイェオリにも、素直になれない。
「ディー先輩、こんにちは。今日は、だな……なんと、ラムネだ!」
「ラムネ……」
不思議なことに、子熊……ええと、クンツが、時々僕の部屋に遊びに来るようになった。訪問というより、完全に遊びに来てる。もらった菓子を、僕に食べさせに……いや、本当に分けに来てる。クンツが来ると、イェオリは迎え入れるだけで、すぐに内部屋に入ってしまった。まるで僕がクンツと2人きりになりたいのを、知ってたみたいに動く。それはちょっとだけ気に食わなかった。
クンツは鼻息も荒く、僕のベッドに座ると、まるで宝物でも見せるかのように、紙の包みを開いた。
「これが少しすっぱくて、口の中で蕩けて、美味しいのだ」
「……ラムネだな」
なんて言ったらいいか、わかんない。単なるラムネだ。普通の白い錠剤のような塊だ。それをクンツは嬉しそうに僕に見せてくる。
「今日は数が多くてな。なんと7個もある!ディー先輩にはわいろを……2……いや3……うう、4個進呈しよう」
「いや僕、そんなにラムネ好きじゃないんだけど」
嫌そうにクンツが差し出してくるから、そう本音を漏らすと、愕然とした顔をされた。
「なん……え?ラムネが……すきじゃない?そん……ラムネだぞ?こんなおいしいものを、好きじゃない……?」
世の中に、これが嫌いだという人間がいるとは思わなかった、という表情をされて、こんなの、笑わないわけがない。ひー腹が痛くなるからやめてほしい。
「ぷっ。うそだうそ。もらうよ。でも僕はそんなに数はいらないから……そうだな、5個もらおうか」
「5個……!お嫌いなのに、5個もお食べになる……!!」
悲痛な表情を浮かべながら、僕に小さなお菓子を差し出してくるから、本当に笑っちゃう。腹が痛いのに、でも不思議と気分が浮上する。
「冗談だって。いいよ僕は……そうだな、2つもらおっか」
「でも、これはわいろなのだから、献上しなくては……」
と、よくわからないことを言い張るから、とりあえず3個ずつで分け合った。本当に幸せそうに食べるから、見てて飽きない。あんまり話をしたことないけど、クンツにお菓子を渡すベッカーの気持ちが、よくわかった。
「そういえば、賄賂ってなんなの?僕、誰にもクンツが廊下で寝転がったこと、言ってないけど」
「おいしいわいろは、継続して渡さないとだめなのだ。それでないと、バラされてしまう」
「なにそれ。だれかにそう言われたの?」
ラムネを食べながら問いかけると、クンツは不思議そうに首を傾げた。
「だれ……だれだったろうか。忘れてしまったな。ところでディー先輩。最後の一つは、どうするのだ」
一粒だけ残ったラムネに、クンツは興味津々だった。どうぞといっても遠慮しそうだし、僕が食べる、と言っても、絶望した表情するのが想像できて、意外に扱いが難しい。
「そうだ、2人で食べよっか」
「2人で?」
「そう。2人で、舌で転がして食べるの。どう?」
僕が誰かにこんなこと言われたら、絶対拒絶するし、なんなら、めちゃくちゃ罵倒する自覚がある。それなのに、クンツは、かわいい子熊は、まるで誰も今までに思いつかなかったことを口にした、というように喜色満面の笑みを浮かべた。
「すごい。ディー先輩は、頭いいのだな」
……これ、絶対エリーアスを筆頭に、ライマーやジギーあたりに、場合によってはアンドレにも、いいようにからかわれてるんじゃないかな。ちょっと不安になる。でもだからといって、冗談だ、とは言わない。そんな僕ももう、他の騎士たちを非難できないな。
「じゃあ、はい」
「ん」
僕がラムネを摘んで差し出すと、身を屈めたクンツはぱくんとラムネを口にした。そしてその状態で、僕に身を寄せてくる。体格がいいし、こう伸し掛かられると、少し身が竦むけど、相手はクンツ、子熊だ。
僕が口を開くと、ラムネを伴なって舌を差し入れてきた。ちゅくちゅくと、音を立てながら、2人でラムネを唾液で溶かしていく。僕はクンツの首に腕を回して、クンツは、僕を押しつぶさないように、両手をベッドに付いて、2人でラムネを堪能した。
「っぷは。やっぱり、ラムネも美味しいな」
「うん……そうだね」
にこにこ満足げなクンツと、それから少し話して、見送る。今日はとても気分がいい。腹が痛いのに、こんなに爽快な気分になるのは、いつ振りだろうか。
その気持ちのまま、腹が痛むのを堪えて、僕は廊下に出る扉じゃなく、もう一方の奥に続くドアを開いた。
「イェオリ」
<あの、その……これはだね>
床にしゃがみ込んだ男が、ペニスから手を離して、慌てて手を動かした。ここからじゃ、見えても僕が、クンツに伸し掛かられたのしか見えなかったはずだ。それなのに、それを見て自慰するなんて、僕はこいつの性癖を、何もわかってなかったんじゃないだろか。
「なにそれ。どこに興奮したの?」
<はは……まいったな。ディーが可愛く笑うから、つい、ね>
吐露された言葉に、少し面食らう。綺麗とは言われても、可愛いは言われたことがなかった。イェオリも、僕の事、面倒な魔肛持ちだと思ってるんだと思ってた。こんな、僕でオナニーするなんて、少しも思わなかった。僕のどこがいいんだろ?やっぱ顔かな?
「ふん。……そんな、無駄打ちしてないで、ベッドに来い」
誘うと、イェオリが目を剥いて、なんなら口も開いて、あっけに取られた。そうだろう、僕が男を誘うのなんて初めてだ。
だって、ほかで気を逸らさないと、そのうちあのかわいい子熊を、いいように転がしたくなる。少しは自制して、べつのとこで発散しないと。また遊びに来たときに、優しくできるように。
「イェオリ、早く」
<……ああ>
びんびんに勃起したイェオリが近づいてくる。ちょっとだけ面白くなっちゃう。……もしかして、僕は世界を狭めてたんだろうか。たまには、廊下で寝てみるのも悪くない。
ちょっと普段とは違う気分で、イェオリとセックスしたが、やっぱりアソコが痛くて、僕は我慢しきれずに、僕の奴隷の腹を蹴り上げちゃった。
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