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2)ペットが転生?!
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忙しい勤務時間を終え、信夫はコンビニで夕食を買って、秋空に月が染み込んでいる柔らかい夜空の下にある道を歩きながら、自宅へ帰る。
今日も忙しがったが、誰にも頼られずに肩身の狭い思いをしながら過ごすよりは、今のような慌ただしい日々の方がマシだと思える。
だが、この忙しさもあって、ペットを飼える環境ではない。
かといえ、充実した仕事量と日々の時間の流れの中でも、癒されたい気持ちはある。
帰って、あの丸い小さな生き物が出迎えてくれたら、どんなに幸せな気持ちになるだろう。
信夫は、薄暗くなった夜道を歩きながら、今まで飼っていた小動物たちを思い出す。
ハムスターやリスの寿命は短い。
幼稚園から小学校の時にハムスターを飼っていたが、一匹目は二年、二匹目は三年、そして次も迎えた三匹目は二年という短い生涯を終えた。
あまりにも短い寿命に、今度はシマリスを飼うも七年という短めの平均寿命で別れが訪れた。
シマリスが死んだのは、十七歳の時だった。
大学受験も重なり、しばらく次のペットを飼う事を控えていた。
定職について何度かペットショップに足を向けたものの、運命的な出会いがないまま仕事が忙しくなって今に至る。
「あー、ふわふわでまんまるの子に癒されたい……」
マシュマロでも触ってろ、ぬいぐるみでも置いておけと、氏川が前に言っていたが、そういうものではない。
運命的な出会いを得て、一緒に暮らしたい。
餌を食べる姿は癒しどころではない、腰が砕けるほどの可愛さがある。
そして後ろから見たもっちりとした姿は、可愛さのあまりに動悸がするほどだ。
最後に飼ったシマリスは、甘やかしすぎてリス本来の運動神経はあるものの、まんまると太っていた。
丸い姿が可愛くて、ついつい食事量を増やしてしまう。
それが、原因で皆は長生きできなかったのかという後悔がある。
だから次ペットを飼うときは、長生きさせたいと強く心に決めている。
別れが早いのはとても辛い。
別れは辛いが、信夫は次もリスかハムスターと決めている。
環境を整え、完璧な万全の状態で今度は迎えるんだと誓い、最近は仕事が落ち着くまでペットショップに足を向けていない。
だが、どうしてだろうか、ここ最近癒されたいとは思うものの、ペットを飼うという意気込みが湧いてこない。
動画や写真を見て、満足している事が多くなった。
忙しさに負けているのか?
そんな事を、頭の中でぐちゃぐちゃと考えているうちに、自宅の玄関前に着く。
「あの!」
玄関の鍵を開けようとした時、隣人から声がかかる。
宮登の母だ。隣には宮登の姿もある。
「はい?どうしました?」
「帰られて早々すみません!お願いがあるんですが……」
普段は綺麗に纏められた髪と女性らしい柔らかい服装をしているのを目にするのだが、乱れた髪とクシャクシャによれた皴のついた服。今彼女は、とても切羽詰まっている事が窺える。
「うちの下の子が熱を出して、軽い脱水で入院することになったんです。命に別状はないんですが、付き添わないといけなくて……急いで着替えとかを取りに来たんです」
それは大変ですね。と、いう言葉しか浮かばないが、信夫は切なそうな彼女の言葉に耳を貸す。
「旦那は今出張で、急いで明日の朝一番で帰宅するんですが、病院が付き添いは一人までって決まっていて宮登を見る人がいないんです!」
ここまでこれば、状況と何を言いたいかは理解ができた。
「清水さんに申し訳ないんですが、今晩だけ……今晩だけ宮登を泊めてくれませんか?!宮登は清水さんにとても懐いているようですし、清水さんみたいな方なら任せられると思ってお願いに来ました!」
深々と頭を下げられ、ここで断るというのは人としてどうなのかと思える行動だろう。
かと言え両親はどうしたのかと聞きたい気持ちにもなったが、信用され、頼られるのは嬉しいことだ。
信夫は少し考えはしたものの、一晩だけならとその頼みを受け入れた。
「明日の朝、旦那が清水さんの出勤前には間に合うように来ると思いますので、それまでよろしくお願いします!」
安心した面持ちで、彼女は何度も何度も感謝の言葉を言い、子供用の布団と宮登の着替えを信夫に渡す。
そして、宮登に「ごめんね」と優しく言い、病院まで急いで向かった。
母親の後ろ姿を見ながら、宮登の寂しいであろう感情を読み取って、今日は相手をしてやろうと自室へと迎えた。
夕食は済ませていないと聞き、自分が買ったコンビニ弁当を宮登に渡し、ストックしておいたカップラーメンを食べる。
「信夫!セックスをしよう!」
先ほどまでの大人しさは、どこへ行ったのか。
食事中にいきなり向けられた言葉に、信夫は口に含んだ麺を上手く飲み込むことが出来ずにむせ込んだ。
急性誤嚥性肺炎にでもなったのかと思えるほどに、咳が止まらず胸元の内部がヒリヒリと痛む。
「ばっか!おま……なん、ちゅー……事をっ……!」
うまく言葉が出ずに、言いたいことを言いきれないまま咳が再び出始める。
「何をそんなに驚いているんだ?」
きょとんとした表情を見せる宮登は、言葉の意味を深く考えずに発したものだと理解する。
小学四年生の知能では、深く考えるというのは難しい。仕方ない事だが、こういった言葉は言わない方がいいと、大人として注意しなければならないだろう。
信夫は、呼吸を整え、咳によって掠れた声で、宮登に諭すように言う。
「いいか、そういう言葉はとても恥ずかしい言葉だ。大人になっても無闇に発言できるような事じゃない」
どう説明したら良いものか。
信夫は頭の中で整理仕切れないまま、宮登を見つめながら真剣に言葉を述べる。
「なんでだ?生き物が必要とする大事な欲求の一つで、自然な事じゃないか」
本当にこいつは小学生なのか?と疑問に思う問いかけに、信夫は言葉を詰まらせた。
「そうなんだけどな、これは異性同士の大人がする事なんだ。子供が気軽に言える言葉じゃない」
小学生相手に、何を真剣に言っているのか。
今の現状に疑問を抱きつつも、宮登に分かってもらえるようにと納得する言葉を探す。
「俺は子供じゃない!四回生まれ変わって合計すると十四年も生きてきた!」
「いや何の漫画かアニメか知らないが、宮登くんは四年生だよ。まだ子供なんだよ」
「一回目は二年生きたから、その時には人間で言えば八十だ。三年生きた時は百を超えたし、最後の転生では七年だから六十は生きたんだぞ。逆に俺の方が年上なんだ」
頭が痛くなるほどに、話が噛み合わない。
生まれ変わりだなんだと、誰がどう信じるというのか。
信夫は頭を悩ませた。
「あーはいはい。でも今の君は四年生。十歳なんだよ?どんなに頑張っても君は子供なの」
「信じてないな?!」
「信じる信じる!信じてやるから、まず飯を食って変なことは言わない事」
話を聞く気にもなれず、水分をたっぷりと含んで食べごろの太さの倍になり始めた麺を、また口へと運ぶ。
両親の前でもこういう口調なのかと思うと、個性とはいえど、マセすぎている。
そして、子育ての大変さを実感する。
「……お前が三歳の頃は可愛かったよなー」
じっとりとした目つきで、宮登が何やら思い出話を始めようとする。
かといえ、信夫との出会いは最近で、三歳の頃からの話なんて作り話。
耳を傾ける気にもならない。
「五歳の頃に俺が死にそうになって、わぁんわんと大声出して泣いてくれたっけ。だいふくー!だいふくー!って」
確かに、三歳の時に初めて飼い、五歳の時に別れたハムスターの名前は大福だ。
偶然であろう。大福という名前をハムスターにつけるのは、よくあることだ。
「八歳の時は泣くのを堪えながら、弱っていた俺の頭を撫でてくれたよな。きなこ頑張れって言ってくれて、最期まで見てくれてたよなぁ」
これも偶然であろう。八歳の時に二匹目のハムスター、きなこが亡くなっている。
「十歳の時はさー、俺が弱っているの見たくなくて母親の後ろで泣いてたよなー。くろって名前覚えてる?」
これも偶然と言いたいが、段々に自身の中の気持ちの雲行きが怪しくなってゆく。
三匹目の名前も、亡くなった時期も一緒なのだ。
しかし、どれもよくある名前。
偶然も三回まではあるだろうと、背筋が少し寒いなと感じながら思い込むようにする。
「俺さー。スマートなリスだったはずなのに、お前太ってるの好きだからって、たくさんヒマワリのたね食べさせてくれたよな。お陰で太ったんだよね。まあ、おいしかったからいいけどさ。そういえば、先輩の紬ちゃんとは別れたの?初めてお前が交尾した相手。一回しか家に来なかったよね」
気持ち悪いと思うよりも先に、信じるしかない状況にお手上げだという感情が勝つ。
ここまで一致していて認めなければ、恐怖に似た嫌悪感に襲われてしまうだろう。
知識や口調からして、子供にしては大人びている。
それも”生まれ変わり”という言葉を信じなければ、納得できない事だろう。
信夫は、冷めて不味くなった麺を一気に口に含み、胃へと流し、箸を置く。
「……話聞いてやる」
腹をくくりました。と言わんばかりの態度で、宮登を見る。
「俺たちはね、運命だと思うんだ」
やっと信じてくれたのかと、宮登は喜びが溢れだした表情で、嬉しそうに話し始める。
その笑顔に、信夫はドキリと胸が鳴ったような気がした。
ペットショップで、この子がいい!と、親に駄々をこねて迎えたペットたちを思い出す。
その時の高鳴りに似ているような気がして、どこか懐かしい感情を思い出しながら、信夫は宮登の言葉を受け入れるのだった。
今日も忙しがったが、誰にも頼られずに肩身の狭い思いをしながら過ごすよりは、今のような慌ただしい日々の方がマシだと思える。
だが、この忙しさもあって、ペットを飼える環境ではない。
かといえ、充実した仕事量と日々の時間の流れの中でも、癒されたい気持ちはある。
帰って、あの丸い小さな生き物が出迎えてくれたら、どんなに幸せな気持ちになるだろう。
信夫は、薄暗くなった夜道を歩きながら、今まで飼っていた小動物たちを思い出す。
ハムスターやリスの寿命は短い。
幼稚園から小学校の時にハムスターを飼っていたが、一匹目は二年、二匹目は三年、そして次も迎えた三匹目は二年という短い生涯を終えた。
あまりにも短い寿命に、今度はシマリスを飼うも七年という短めの平均寿命で別れが訪れた。
シマリスが死んだのは、十七歳の時だった。
大学受験も重なり、しばらく次のペットを飼う事を控えていた。
定職について何度かペットショップに足を向けたものの、運命的な出会いがないまま仕事が忙しくなって今に至る。
「あー、ふわふわでまんまるの子に癒されたい……」
マシュマロでも触ってろ、ぬいぐるみでも置いておけと、氏川が前に言っていたが、そういうものではない。
運命的な出会いを得て、一緒に暮らしたい。
餌を食べる姿は癒しどころではない、腰が砕けるほどの可愛さがある。
そして後ろから見たもっちりとした姿は、可愛さのあまりに動悸がするほどだ。
最後に飼ったシマリスは、甘やかしすぎてリス本来の運動神経はあるものの、まんまると太っていた。
丸い姿が可愛くて、ついつい食事量を増やしてしまう。
それが、原因で皆は長生きできなかったのかという後悔がある。
だから次ペットを飼うときは、長生きさせたいと強く心に決めている。
別れが早いのはとても辛い。
別れは辛いが、信夫は次もリスかハムスターと決めている。
環境を整え、完璧な万全の状態で今度は迎えるんだと誓い、最近は仕事が落ち着くまでペットショップに足を向けていない。
だが、どうしてだろうか、ここ最近癒されたいとは思うものの、ペットを飼うという意気込みが湧いてこない。
動画や写真を見て、満足している事が多くなった。
忙しさに負けているのか?
そんな事を、頭の中でぐちゃぐちゃと考えているうちに、自宅の玄関前に着く。
「あの!」
玄関の鍵を開けようとした時、隣人から声がかかる。
宮登の母だ。隣には宮登の姿もある。
「はい?どうしました?」
「帰られて早々すみません!お願いがあるんですが……」
普段は綺麗に纏められた髪と女性らしい柔らかい服装をしているのを目にするのだが、乱れた髪とクシャクシャによれた皴のついた服。今彼女は、とても切羽詰まっている事が窺える。
「うちの下の子が熱を出して、軽い脱水で入院することになったんです。命に別状はないんですが、付き添わないといけなくて……急いで着替えとかを取りに来たんです」
それは大変ですね。と、いう言葉しか浮かばないが、信夫は切なそうな彼女の言葉に耳を貸す。
「旦那は今出張で、急いで明日の朝一番で帰宅するんですが、病院が付き添いは一人までって決まっていて宮登を見る人がいないんです!」
ここまでこれば、状況と何を言いたいかは理解ができた。
「清水さんに申し訳ないんですが、今晩だけ……今晩だけ宮登を泊めてくれませんか?!宮登は清水さんにとても懐いているようですし、清水さんみたいな方なら任せられると思ってお願いに来ました!」
深々と頭を下げられ、ここで断るというのは人としてどうなのかと思える行動だろう。
かと言え両親はどうしたのかと聞きたい気持ちにもなったが、信用され、頼られるのは嬉しいことだ。
信夫は少し考えはしたものの、一晩だけならとその頼みを受け入れた。
「明日の朝、旦那が清水さんの出勤前には間に合うように来ると思いますので、それまでよろしくお願いします!」
安心した面持ちで、彼女は何度も何度も感謝の言葉を言い、子供用の布団と宮登の着替えを信夫に渡す。
そして、宮登に「ごめんね」と優しく言い、病院まで急いで向かった。
母親の後ろ姿を見ながら、宮登の寂しいであろう感情を読み取って、今日は相手をしてやろうと自室へと迎えた。
夕食は済ませていないと聞き、自分が買ったコンビニ弁当を宮登に渡し、ストックしておいたカップラーメンを食べる。
「信夫!セックスをしよう!」
先ほどまでの大人しさは、どこへ行ったのか。
食事中にいきなり向けられた言葉に、信夫は口に含んだ麺を上手く飲み込むことが出来ずにむせ込んだ。
急性誤嚥性肺炎にでもなったのかと思えるほどに、咳が止まらず胸元の内部がヒリヒリと痛む。
「ばっか!おま……なん、ちゅー……事をっ……!」
うまく言葉が出ずに、言いたいことを言いきれないまま咳が再び出始める。
「何をそんなに驚いているんだ?」
きょとんとした表情を見せる宮登は、言葉の意味を深く考えずに発したものだと理解する。
小学四年生の知能では、深く考えるというのは難しい。仕方ない事だが、こういった言葉は言わない方がいいと、大人として注意しなければならないだろう。
信夫は、呼吸を整え、咳によって掠れた声で、宮登に諭すように言う。
「いいか、そういう言葉はとても恥ずかしい言葉だ。大人になっても無闇に発言できるような事じゃない」
どう説明したら良いものか。
信夫は頭の中で整理仕切れないまま、宮登を見つめながら真剣に言葉を述べる。
「なんでだ?生き物が必要とする大事な欲求の一つで、自然な事じゃないか」
本当にこいつは小学生なのか?と疑問に思う問いかけに、信夫は言葉を詰まらせた。
「そうなんだけどな、これは異性同士の大人がする事なんだ。子供が気軽に言える言葉じゃない」
小学生相手に、何を真剣に言っているのか。
今の現状に疑問を抱きつつも、宮登に分かってもらえるようにと納得する言葉を探す。
「俺は子供じゃない!四回生まれ変わって合計すると十四年も生きてきた!」
「いや何の漫画かアニメか知らないが、宮登くんは四年生だよ。まだ子供なんだよ」
「一回目は二年生きたから、その時には人間で言えば八十だ。三年生きた時は百を超えたし、最後の転生では七年だから六十は生きたんだぞ。逆に俺の方が年上なんだ」
頭が痛くなるほどに、話が噛み合わない。
生まれ変わりだなんだと、誰がどう信じるというのか。
信夫は頭を悩ませた。
「あーはいはい。でも今の君は四年生。十歳なんだよ?どんなに頑張っても君は子供なの」
「信じてないな?!」
「信じる信じる!信じてやるから、まず飯を食って変なことは言わない事」
話を聞く気にもなれず、水分をたっぷりと含んで食べごろの太さの倍になり始めた麺を、また口へと運ぶ。
両親の前でもこういう口調なのかと思うと、個性とはいえど、マセすぎている。
そして、子育ての大変さを実感する。
「……お前が三歳の頃は可愛かったよなー」
じっとりとした目つきで、宮登が何やら思い出話を始めようとする。
かといえ、信夫との出会いは最近で、三歳の頃からの話なんて作り話。
耳を傾ける気にもならない。
「五歳の頃に俺が死にそうになって、わぁんわんと大声出して泣いてくれたっけ。だいふくー!だいふくー!って」
確かに、三歳の時に初めて飼い、五歳の時に別れたハムスターの名前は大福だ。
偶然であろう。大福という名前をハムスターにつけるのは、よくあることだ。
「八歳の時は泣くのを堪えながら、弱っていた俺の頭を撫でてくれたよな。きなこ頑張れって言ってくれて、最期まで見てくれてたよなぁ」
これも偶然であろう。八歳の時に二匹目のハムスター、きなこが亡くなっている。
「十歳の時はさー、俺が弱っているの見たくなくて母親の後ろで泣いてたよなー。くろって名前覚えてる?」
これも偶然と言いたいが、段々に自身の中の気持ちの雲行きが怪しくなってゆく。
三匹目の名前も、亡くなった時期も一緒なのだ。
しかし、どれもよくある名前。
偶然も三回まではあるだろうと、背筋が少し寒いなと感じながら思い込むようにする。
「俺さー。スマートなリスだったはずなのに、お前太ってるの好きだからって、たくさんヒマワリのたね食べさせてくれたよな。お陰で太ったんだよね。まあ、おいしかったからいいけどさ。そういえば、先輩の紬ちゃんとは別れたの?初めてお前が交尾した相手。一回しか家に来なかったよね」
気持ち悪いと思うよりも先に、信じるしかない状況にお手上げだという感情が勝つ。
ここまで一致していて認めなければ、恐怖に似た嫌悪感に襲われてしまうだろう。
知識や口調からして、子供にしては大人びている。
それも”生まれ変わり”という言葉を信じなければ、納得できない事だろう。
信夫は、冷めて不味くなった麺を一気に口に含み、胃へと流し、箸を置く。
「……話聞いてやる」
腹をくくりました。と言わんばかりの態度で、宮登を見る。
「俺たちはね、運命だと思うんだ」
やっと信じてくれたのかと、宮登は喜びが溢れだした表情で、嬉しそうに話し始める。
その笑顔に、信夫はドキリと胸が鳴ったような気がした。
ペットショップで、この子がいい!と、親に駄々をこねて迎えたペットたちを思い出す。
その時の高鳴りに似ているような気がして、どこか懐かしい感情を思い出しながら、信夫は宮登の言葉を受け入れるのだった。
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