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第1弾 I am ■■■■■
8話
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7時間後────漸くスーツの着用が出来る。完成まで時間がかかってしまったのはSOPHIAが御機嫌斜めのままだったから……そうさせたのは自分なんだけどな。まぁ出来たから良しとしよう。
「SOPHIA, prepare to wear a suit.」
『I already have arrangements.』
「OK. Let's go.」
特殊スーツを全身に着た後、ラボからパワードスーツの一部を用意したアームが自分の周りに位置し、自分の全身を包み込んでいく。
外枠が紫で染められたパーツに足をはめ込み、その後両脚のパーツが取り付けられていく。足の装甲は脚のパーツと一緒になっており、スネ辺りにあった物が足の装甲へと早変わりする。関節部位などはネジによってキツく閉められていき、次いで股関節部分のパーツを取り付けられる。
上半身へと移行すると、先に機能を内蔵した金属フレームを取り付けられ、そして胴回りが装甲に包まれる。前と後ろの装甲はキッチリと止められ外すことも外されることも容易ではなくなる。
次に両腕を伸ばし、装甲が取り付けられキツく閉められると、両手の装甲が現れる。どちらも手の甲に取り付けられる場所が開いており、手のひらの部分に自分の手を置くことで簡単に取り付けられる。あとはネジを止めて装着は完了される。
最後に顔面以外が包み込まれるほどのヘルメットを取り付けられ、次いでフェイス部分が取り付けられる。この時点ではまだ何も見えないが、そうであったとしてもネジ止めによって接合される。
そして見えないが、EXコアを額の窪みに取り付けると圧力がチューブ内のアンノウンガスに掛かり起動した。視界が全てクリアになり、前回のフライト時のように空間ディスプレイが現れた。
━━吶喊、開始。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
突然だが、サウジアラビアは今午後23時である。“彼”が住む場所とは約8時間の時差があって、こちら側が早い。既に深夜に回りつつある中、ジャベルジャーから5マイル離れた場所にある洞窟内で様々な言語が飛び交いながらも30以上の人間が忙しなく動き回っていたりしている。
洞窟内では様々な部品を使用し何かを作っている者達も居れば、銃を持って徘徊している者も居る。殺伐としたそんな状況下で、何やらけたたましく轟音が近付いているのが分かってきていた。
その轟音を聴いて、何かと思い一斉に銃を持って外へと出ていく。が、既に時は遅く……その轟音を発生させた正体は洞窟の入口から100mの地点に金属音を鳴り響かせて降り立った。
しかしそこには赤く光る目だけがあった。全体像は何も分かりはしない。その見つめる視線はまるで死を見ているかのようで……眼前に映っているであろう銃を持った者達に向けて手のひらを向けた。
ただ何もしている風には見えないので、彼らは失笑するしかなかった。そう、ただそれだけならば、どれほど良かっただろうか。
何かしら起動音が辺りに聞こえたかと思いきや、洞窟内に居る5名が先程とは違うけたたましい轟音と共に吹き飛ばされた。そしてあろうことか、銃が破損してしまう。そしてその者達は気付いた。
本気で殺らなければ、殺されると。
そこからは早かった。3人が他の仲間を呼びに向かい、あとの残った者はその正体不明へと発砲した。連射される銃弾が当たるも鉄と鉄が当たった程度の音だけが鳴り、何処かに傷を作ることは出来なかった。
再度、あの音が聞こえる。そして吹き飛ばされる。今ので入口付近は片付けられ、正体不明の存在は洞窟内へと足を運ぶ。中に入って歩みを止めたそれは、辺りを見渡し一本道を突き進む。
洞窟内の人工灯に照らされて、全体像が見えてきた。全身を赤紫色に彩られ、所々に黒の装甲。そして一部に赤いラインが走り、胸と額のコアと思わしき部分は黄色かった。
その正体不明ら、銃を連射しながら撃ってくる者に対して砲身を掴んで発勁を与える。後ろを巻き込みながらその者は吹き飛ばされ気絶し、それは一本道を抜けて未だに動けない者達が居る少し開けた場所に辿り着いた。
「《Use of micro missile type hypnotic gas generator》.」
『OK.』
それの右肩から何かがせり上がってくる。確かに出されてきたそれはマイクロミサイルのような物、しかしそれは無慈悲にもこの空間に発射された。地面に刺さると同時に、先端が傘のように開きそこから煙が噴出する。
その煙を吸い込んだ者は、次々と眠っていった。そしてその先の道にも煙を行き届かせる為に、再度手のひらから轟音と共に暴風を発射し、煙の一部が別の道へと向かっていく。
「Thermography, starting up.」
空間ディスプレイ上に熱源反応の確認が可能となった。今のところテロリストどもは……分かる範囲で言えば寝てる奴も居れば、数名ほど煙から逃れた輩も居るみたいだ。
まだ起きている奴等は、AK-47の銃口をこちらに向けて発砲する。けれど金属装甲に加えて衝撃吸収スーツによってダメージなどは殆ど感じられない。だからこうして歩いて洞窟内を徘徊していられるのだ。
にしても……やけに広いし、入り組んでる。マッピングはSOPHIAがやってくれてるから行った場所は分かるけれど、こうも先に続いてると何かしら不安しか感じなくなってしまう。うーむ、テロリストにとってこれは流石に過剰戦力なんだろうけど、権能の方がもっとタチ悪いからこっちがマシだな。
ここは……監視カメラ室か。あ、悪いが寝てくれ。約束だから一時の間だけな。相手の顔を掴んでそのまま別のところに放り投げると、出してはいけない音を出して動かなくなった……血は出てないよね? 内出血は?
『What are you thinking? I connected it with the image of the surveillance camera, so please watch it quickly. Also, those who threw away the sir last time are alive so don’t worry.』
あ、そうなの。良かった……復讐したいって思ってたら人殺しになってたかも。何から何まで紗季に助けられてばっかりだなホント。
っえーと、監視カメラの映像には……5つ分の部屋の様子が映ってるな。一番気になるのが、このブリーフィングルームみたいな場所。他のと比べて何も無さすぎるというのが気になる。単に映ってないだけかもしれないし、そもそもその部屋には無いのかもしれない。
ただどうにも引っかかる、だから調べに行く。というわけで行くか。6%の出力で浮遊しながらその部屋に向かう訳だが、何処にあるのかは……おっ、SOPHIAナイスだ。既にやってくれてた。まぁ行き方が不鮮明だからマッピングするしかないんだけど。
SOPHIAが赤い印を付けた部屋には到着したものの、あるのは引き出し棚にテーブルと何やらコルクボードのような物。コルクボードから調べてみるか……っと、ここ隙間があるな。裏返してみるか。
────ッ!? これは、世界地図に……印だ。しかもこの位置は、ウチの支部と本社がある場所!それに海に位置しているこの場所って、メガフロートじゃないか!まさか、コイツら本気で破壊するつもりだったのか!?
何か、他にも何かある筈だ……! 計画書が……引き出し棚にあった! 閲覧してみるとこれは……ッ!おいおいおいおい!こればっかりは不味いことになるぞ!何でビニガンの武器があるんだ!?
……まさか、全てビニガンの仕業なのか? こんな騒動を起こしたのも、あの飛行機爆破をやらせたのも。全部そうなのか!?
そんな考えの中、突然洞窟内が揺れた。何か爆発によって揺れたかのような、そんな感じがしていて嫌な予感しかしない……!
『Sir, the doorway was closed. It seems that it was RPG-7 that was used as seen.』
よりにもよってここでか……!あの威力に耐えられるかどうかの実験をしていないけど、今の強度じゃ耐えられる可能性なんて無い。どうする……何か脱出できて反撃出来る方法は……レールガンを使うかッ。
でも入口から堂々とは行かない。なら何処をやれば良いか? 簡単だ、先ずはこの部屋から出て様子を……む、あの天井。他のより抉られてる、だとするとあそこは厚みは他より無いはず。
だったら話しは早い! レールガンを展開してチャージ!
「SOPHIA, get it up to maximum power!」
『There is a danger of falling fall!』
「I have an idea! Do it!」
レールガンの砲身から電気が迸る。最大威力とあって相当なエネルギーを消費するが、アンノウンガスによって燃料もエネルギー効率の無駄も心配しなくていい。だから思いっきりやるぞ!
『────Output maximum!』
「Shoot!」
最大威力で放たれた金属製の弾が小さな雷を迸らせ、天井を撃ち破る。その威力によって自分の方に崩落してくるが、左手の甲から腐食毒入りの合成樹脂ボールを5発射出させる。というよりこれで片方は撃ち尽くしたんだけどね!
腐食毒に直撃した岩盤が自分を避けるように横真っ二つに割れて地面に落ちる。そうしたら先程レールガンで開けた穴から外へと出ていく!入口の方へ向かうと、レーダーが不審な車を捉えた。そこかッ!
時速380kmで飛行しその車に近付いていく。む、またかッ! 奴さんが撃ってきたRPG-7をバレルロールして避け、その間に速度を500kmまで上げて距離を縮める。車を追い越すと、そいつらと対面するように向き合い車に向かって飛ぶ!
『Collisions will occur in about 5 seconds!』
「Count!」
『5!』
片方の手のひらに風を蓄積させているその間、足の方だけで500kmの速度を出し続ける。車が避けようとするが、それに合わせて自分も動くだけだ!
『4!』
相手もRPG-7を構えた。どうやらどっちが先に落ちるか決めたいみたいだな……やってやる!
『3!』
こっちだって本気になってやる! 両手に風を蓄積させ、射出させるためのエネルギーを溜める。
『2!』
まだだ! あと残り……1秒まで!
『1!』
今だッ! 両手を車に向けて風を放つ! 溜め込まれた風は車のフロントを粉々にし車体を凹ませ、自分の上ギリギリを通り過ぎ縦回転していった。だがさっきの威力がとてつもなかったのか、2回転したあと横転した。
その車の方まで行くと、さっきの輩とは一風違った奴が頭から血を流して呻き声をあげていた。他に運転手と助手席の奴も居て、全員を引き摺り出す。
1人、一風違う男が自分に気付いて怯えた表情を見せた。……まぁ、ここまでした奴が目の前に居るんだ。恐怖の度合いが違うだろう。
「SOPHIA, put out the hologram.」
自分は少なくともアラビア語は話せない。仕事柄支部などに向かう時は英語よりその国の言葉に合わせるが、こんな時の為に習うのもどうかと思っている。必ず答えてくれるので、SOPHIAには翻訳も頼んでいる。
……答える素振りが無いな。だったらレールガンを向けて脅迫すると、やはりこうなる。誰しも死の危機というのは恐ろしいのなんて、当たり前だからな。
━━Who is involved in the bombing plan?!━━
「Oil King and Vinigan Company! They asked our to do it!」
━━Where are the bombs now?!━━
「──! V-Vinigan Company!」
━━Where is Vinigan going to launch a bomb?!━━
「It's a mega float in the middle of development! If he crushed that over, Cole Corporation said it definitely would end!」
「SOPHIA, prepare to wear a suit.」
『I already have arrangements.』
「OK. Let's go.」
特殊スーツを全身に着た後、ラボからパワードスーツの一部を用意したアームが自分の周りに位置し、自分の全身を包み込んでいく。
外枠が紫で染められたパーツに足をはめ込み、その後両脚のパーツが取り付けられていく。足の装甲は脚のパーツと一緒になっており、スネ辺りにあった物が足の装甲へと早変わりする。関節部位などはネジによってキツく閉められていき、次いで股関節部分のパーツを取り付けられる。
上半身へと移行すると、先に機能を内蔵した金属フレームを取り付けられ、そして胴回りが装甲に包まれる。前と後ろの装甲はキッチリと止められ外すことも外されることも容易ではなくなる。
次に両腕を伸ばし、装甲が取り付けられキツく閉められると、両手の装甲が現れる。どちらも手の甲に取り付けられる場所が開いており、手のひらの部分に自分の手を置くことで簡単に取り付けられる。あとはネジを止めて装着は完了される。
最後に顔面以外が包み込まれるほどのヘルメットを取り付けられ、次いでフェイス部分が取り付けられる。この時点ではまだ何も見えないが、そうであったとしてもネジ止めによって接合される。
そして見えないが、EXコアを額の窪みに取り付けると圧力がチューブ内のアンノウンガスに掛かり起動した。視界が全てクリアになり、前回のフライト時のように空間ディスプレイが現れた。
━━吶喊、開始。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
突然だが、サウジアラビアは今午後23時である。“彼”が住む場所とは約8時間の時差があって、こちら側が早い。既に深夜に回りつつある中、ジャベルジャーから5マイル離れた場所にある洞窟内で様々な言語が飛び交いながらも30以上の人間が忙しなく動き回っていたりしている。
洞窟内では様々な部品を使用し何かを作っている者達も居れば、銃を持って徘徊している者も居る。殺伐としたそんな状況下で、何やらけたたましく轟音が近付いているのが分かってきていた。
その轟音を聴いて、何かと思い一斉に銃を持って外へと出ていく。が、既に時は遅く……その轟音を発生させた正体は洞窟の入口から100mの地点に金属音を鳴り響かせて降り立った。
しかしそこには赤く光る目だけがあった。全体像は何も分かりはしない。その見つめる視線はまるで死を見ているかのようで……眼前に映っているであろう銃を持った者達に向けて手のひらを向けた。
ただ何もしている風には見えないので、彼らは失笑するしかなかった。そう、ただそれだけならば、どれほど良かっただろうか。
何かしら起動音が辺りに聞こえたかと思いきや、洞窟内に居る5名が先程とは違うけたたましい轟音と共に吹き飛ばされた。そしてあろうことか、銃が破損してしまう。そしてその者達は気付いた。
本気で殺らなければ、殺されると。
そこからは早かった。3人が他の仲間を呼びに向かい、あとの残った者はその正体不明へと発砲した。連射される銃弾が当たるも鉄と鉄が当たった程度の音だけが鳴り、何処かに傷を作ることは出来なかった。
再度、あの音が聞こえる。そして吹き飛ばされる。今ので入口付近は片付けられ、正体不明の存在は洞窟内へと足を運ぶ。中に入って歩みを止めたそれは、辺りを見渡し一本道を突き進む。
洞窟内の人工灯に照らされて、全体像が見えてきた。全身を赤紫色に彩られ、所々に黒の装甲。そして一部に赤いラインが走り、胸と額のコアと思わしき部分は黄色かった。
その正体不明ら、銃を連射しながら撃ってくる者に対して砲身を掴んで発勁を与える。後ろを巻き込みながらその者は吹き飛ばされ気絶し、それは一本道を抜けて未だに動けない者達が居る少し開けた場所に辿り着いた。
「《Use of micro missile type hypnotic gas generator》.」
『OK.』
それの右肩から何かがせり上がってくる。確かに出されてきたそれはマイクロミサイルのような物、しかしそれは無慈悲にもこの空間に発射された。地面に刺さると同時に、先端が傘のように開きそこから煙が噴出する。
その煙を吸い込んだ者は、次々と眠っていった。そしてその先の道にも煙を行き届かせる為に、再度手のひらから轟音と共に暴風を発射し、煙の一部が別の道へと向かっていく。
「Thermography, starting up.」
空間ディスプレイ上に熱源反応の確認が可能となった。今のところテロリストどもは……分かる範囲で言えば寝てる奴も居れば、数名ほど煙から逃れた輩も居るみたいだ。
まだ起きている奴等は、AK-47の銃口をこちらに向けて発砲する。けれど金属装甲に加えて衝撃吸収スーツによってダメージなどは殆ど感じられない。だからこうして歩いて洞窟内を徘徊していられるのだ。
にしても……やけに広いし、入り組んでる。マッピングはSOPHIAがやってくれてるから行った場所は分かるけれど、こうも先に続いてると何かしら不安しか感じなくなってしまう。うーむ、テロリストにとってこれは流石に過剰戦力なんだろうけど、権能の方がもっとタチ悪いからこっちがマシだな。
ここは……監視カメラ室か。あ、悪いが寝てくれ。約束だから一時の間だけな。相手の顔を掴んでそのまま別のところに放り投げると、出してはいけない音を出して動かなくなった……血は出てないよね? 内出血は?
『What are you thinking? I connected it with the image of the surveillance camera, so please watch it quickly. Also, those who threw away the sir last time are alive so don’t worry.』
あ、そうなの。良かった……復讐したいって思ってたら人殺しになってたかも。何から何まで紗季に助けられてばっかりだなホント。
っえーと、監視カメラの映像には……5つ分の部屋の様子が映ってるな。一番気になるのが、このブリーフィングルームみたいな場所。他のと比べて何も無さすぎるというのが気になる。単に映ってないだけかもしれないし、そもそもその部屋には無いのかもしれない。
ただどうにも引っかかる、だから調べに行く。というわけで行くか。6%の出力で浮遊しながらその部屋に向かう訳だが、何処にあるのかは……おっ、SOPHIAナイスだ。既にやってくれてた。まぁ行き方が不鮮明だからマッピングするしかないんだけど。
SOPHIAが赤い印を付けた部屋には到着したものの、あるのは引き出し棚にテーブルと何やらコルクボードのような物。コルクボードから調べてみるか……っと、ここ隙間があるな。裏返してみるか。
────ッ!? これは、世界地図に……印だ。しかもこの位置は、ウチの支部と本社がある場所!それに海に位置しているこの場所って、メガフロートじゃないか!まさか、コイツら本気で破壊するつもりだったのか!?
何か、他にも何かある筈だ……! 計画書が……引き出し棚にあった! 閲覧してみるとこれは……ッ!おいおいおいおい!こればっかりは不味いことになるぞ!何でビニガンの武器があるんだ!?
……まさか、全てビニガンの仕業なのか? こんな騒動を起こしたのも、あの飛行機爆破をやらせたのも。全部そうなのか!?
そんな考えの中、突然洞窟内が揺れた。何か爆発によって揺れたかのような、そんな感じがしていて嫌な予感しかしない……!
『Sir, the doorway was closed. It seems that it was RPG-7 that was used as seen.』
よりにもよってここでか……!あの威力に耐えられるかどうかの実験をしていないけど、今の強度じゃ耐えられる可能性なんて無い。どうする……何か脱出できて反撃出来る方法は……レールガンを使うかッ。
でも入口から堂々とは行かない。なら何処をやれば良いか? 簡単だ、先ずはこの部屋から出て様子を……む、あの天井。他のより抉られてる、だとするとあそこは厚みは他より無いはず。
だったら話しは早い! レールガンを展開してチャージ!
「SOPHIA, get it up to maximum power!」
『There is a danger of falling fall!』
「I have an idea! Do it!」
レールガンの砲身から電気が迸る。最大威力とあって相当なエネルギーを消費するが、アンノウンガスによって燃料もエネルギー効率の無駄も心配しなくていい。だから思いっきりやるぞ!
『────Output maximum!』
「Shoot!」
最大威力で放たれた金属製の弾が小さな雷を迸らせ、天井を撃ち破る。その威力によって自分の方に崩落してくるが、左手の甲から腐食毒入りの合成樹脂ボールを5発射出させる。というよりこれで片方は撃ち尽くしたんだけどね!
腐食毒に直撃した岩盤が自分を避けるように横真っ二つに割れて地面に落ちる。そうしたら先程レールガンで開けた穴から外へと出ていく!入口の方へ向かうと、レーダーが不審な車を捉えた。そこかッ!
時速380kmで飛行しその車に近付いていく。む、またかッ! 奴さんが撃ってきたRPG-7をバレルロールして避け、その間に速度を500kmまで上げて距離を縮める。車を追い越すと、そいつらと対面するように向き合い車に向かって飛ぶ!
『Collisions will occur in about 5 seconds!』
「Count!」
『5!』
片方の手のひらに風を蓄積させているその間、足の方だけで500kmの速度を出し続ける。車が避けようとするが、それに合わせて自分も動くだけだ!
『4!』
相手もRPG-7を構えた。どうやらどっちが先に落ちるか決めたいみたいだな……やってやる!
『3!』
こっちだって本気になってやる! 両手に風を蓄積させ、射出させるためのエネルギーを溜める。
『2!』
まだだ! あと残り……1秒まで!
『1!』
今だッ! 両手を車に向けて風を放つ! 溜め込まれた風は車のフロントを粉々にし車体を凹ませ、自分の上ギリギリを通り過ぎ縦回転していった。だがさっきの威力がとてつもなかったのか、2回転したあと横転した。
その車の方まで行くと、さっきの輩とは一風違った奴が頭から血を流して呻き声をあげていた。他に運転手と助手席の奴も居て、全員を引き摺り出す。
1人、一風違う男が自分に気付いて怯えた表情を見せた。……まぁ、ここまでした奴が目の前に居るんだ。恐怖の度合いが違うだろう。
「SOPHIA, put out the hologram.」
自分は少なくともアラビア語は話せない。仕事柄支部などに向かう時は英語よりその国の言葉に合わせるが、こんな時の為に習うのもどうかと思っている。必ず答えてくれるので、SOPHIAには翻訳も頼んでいる。
……答える素振りが無いな。だったらレールガンを向けて脅迫すると、やはりこうなる。誰しも死の危機というのは恐ろしいのなんて、当たり前だからな。
━━Who is involved in the bombing plan?!━━
「Oil King and Vinigan Company! They asked our to do it!」
━━Where are the bombs now?!━━
「──! V-Vinigan Company!」
━━Where is Vinigan going to launch a bomb?!━━
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