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降臨
11話
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エレベーターが遅い……! やっぱりエレベーターの上昇下降の速度を上げるタイプを作ろう、あとでSOPHIAに……待て。そういえばSOPHIAはパスワード入力システムを向こう側のPCに設定していたはず、でもSOPHIAからは一向に連絡が来ないのは何故だ?
『Sir. The trap that was set in PC was activated. With expectation, I should be able to withstand 30 more minutes.』
「SOPHIA……perfect.」
『Thank you so much sir.』
2人に気付かれないようにこっそりとSOPHIAへの敬意を払う。良いところで難解なパスワード入力を出したんだから凄いとしか言い様がない。ここまでやれるAIって物凄く便利で助かった。
となると時間的余裕は増えた訳だ。しかし何にせよ油断は禁物だし安心しきってもいけない。まだ警戒態勢を続けさせてもらう、そんでもって今ちょうど15階に着いた。今度は女性社員が1人乗ってきて……って、この密室空間男女比率が極端過ぎない?あっと、他の女性技術者2人に阻まれて自分の姿は見えてなさそうだ。
っと、そんなことは置いといて。こんな時間に社員? 技術者として居残るのなら分かるけれど、何故社員がここに居るんだ?忘れ物……なら分かるが、ボタンを押した様子は無かったところを伺うと同じ25階に向かうみたいだ。
しかし嬉しいことに、他に乗ろうとする輩も居ないみたいだ。このままなら後2分ほどで到着出来るし、何より先に行けばウェルズを捕らえることが出来るように権能が使える。誰にもバレないようにする唯一の方法だ。
23 24 ……25!よし、エレベーターが止まった! そのまま開いていくドアに向かってダッシュ! 女性技術者2人を掻き分けて一直線に向かう!
「W-What?!」
「Thomas, wait!」
悪いけど、待ってたら遅れる!子どもの身体能力で出せる限りの速度で補助スーツ制作部の部屋へと向かっていく。あ、ヤバい疲れた。くっそ、こうなるんだったら体鍛えておけば良かった!
途中で先程の女性技術者2人に追い付かれた。そんなことがあっても、漸くその部屋の近くまで辿り着くと抱っこされていた自分はすぐさま降りて06の監視カメラが映している部屋に向かった。
そして出入口に差し掛かった所に、自分は何かにぶつかって微妙に吹っ飛ばされた。子どもの体重なら大人にぶつかってしまえば嫌でもこうなってしまう。尻もちを着いたせいで痛い。
「Thomas, are you all right!? It's dangerous! Do not run away!」
不味い不味い不味い!このままだとデータが流出してしまう! しかもパスワードに諦めて中途半端なデータしかコピー出来なかったけど、そうだとしても不味い! でも身体能力は歴然の差…………いや、この部屋は自分の担当している部屋だ。だったら、一か八かだ!
自分が言ったとしても聞いてくれそうにない。だったら自分でやるしか方法は無い! そうと分かれば、痛みが走っている体を起き上がらせて今出せる限界の速さであれを!
「Are you okay, Thomas? And…… what on earth was the man just before?」
「I'm okay. Thank you.」
取り敢えず受け答えをしながら試験稼働部屋に。パスワードを入力して……よし開いた。あとはあれがあれば、良かった盗まれてない。まぁ見つかる方が先になるけどねそうなった場合。それに自分に合わせた補助スーツなんて盗もうともしないだろう。
とにかく早く着なくちゃ。しかし現段階の補助スーツが“着脱の簡易性”を重視して良かった。これなら自分でも少しだけ手間取るが難なく着ることが出来るからね。そんでもって全部の指に取り付けた筋電信号読み取り装置を通して、足も靴を履いた状態で取り付ければ準備完了!あとは……あった、使ってないコード!
「SOPHIA. Hacking to the center of auxiliary suit. Activate the power supply installed in each part.」
『Yes sir.』
SOPHIAの声と同時に補助スーツの電源が勝手に起動される。この補助スーツは人工筋肉の強度を高めさせるためにカーボンナノチューブを使用している。故に強度的に見れば問題点は無いものの、露出している状態でのクッション性を考えて両腕脚内側にはエアークッションが存在しているのだ。
以前自分と同じ位の身長の人形を使って落下実験させたことがあるが、5mの高さから落ちても目立った損傷は無かった。だが関節部位の脆さが目立ったため、ジュラルミンを関節に使用している。強度点は一応改善されたが、それでも超ジュラルミンにすれば強度は跳ね上がる。それに合わせて金額も跳ね上がるが。
さてっと、考え事もストップだ。先ずは自分の腰に使ってないコードを巻き付けて縛る。次にそのコードの反対側の端を持って廊下窓側の手すりにコードを括り付ける。特にここはキツめに縛っておかなきゃ自分が死ぬことになるからね、注意しておこう。
「What are you doing, Thomas?」
「Ah……I'm thinking of getting back my stuff.」
「What?」
括り終えたところでSOPHIAと連絡。この補助スーツの出力を決めておかなきゃね。
「SOPHIA. Increase the output of auxiliary suits by 48%.」
『……You do think strange things, right?』
「It is good. Do it.」
『……I Increased the output to the specified numerical value.』
「Well then, let's do it.」
確か元が5%程の電力消費でシミュレーションでは良かった結果が出ていたんだっけ。それを48%、約50%まで上昇させるってことは単純に考えてシミュレーションの約10倍。当然障がい者もアスリート並みの動きが出来るのだが、それを健常者に使用すればどうなると思う?
答えは……人外めいた速度を出せる!この速度なら後1.3秒後に手すりに足を置けば!
「「No. No, no, no, no!」」
残念聞かないよ! そのまま窓ガラスに突撃して自由落下の法則に任せて落ちる!危ないからコードをしっかりと握って……って、コードの長さが足りない!このままだと地面に着地できないしし……こうなったらヤケだ!
左手でコードを掴みつつ、右手で自分のコードを解きて自由落下する。先に爪先から着地して、そこで右膝と地面を近付かせる。右腕のエアークッションで衝撃を受け流して、今度は体を横転させて回って衝撃を促せた! 衝撃を促せたなら無問題だ。あとはこのコードを外して……ちょうど到着したか!
「I will not let you escape!」
「!? How did you get down?!」
そのままの出力でその男に向けてタックルを仕掛けると、男は飛ばされて倒れる。そのまま馬乗りになって男のポケットを漁っていく。これでデータも取り返せるし警察にも突き出せるし一石二鳥……あれ? 無い。
何処にも、あれ無い? 嘘だろ何処に行ったんだ!?白衣の全ポケットにも無いし着ている服の全ポケットにも無い! というよりも何処に隠しているんだ!?それが無いと会社の存続に…………。
おい待て、そういえばもう1人社員が居たよな。あの社員は何処に? それに、もしもそいつがこの男の仲間だとしたら……そしてルート的に言えば近道は、地下駐車場に続く道!
「SOPHIA! Reduce the output to 20%! I go to underground garage! Please also prepare to start the car tracker immediately!」
『Yes sir.』
20%まで低下させたのは旋回行動をしやすくするため。しかも20%でも単純に考えて通常使用時の4倍の出力になるわけだ、先程の人外染みた速度は出ないけど速さなら15歳の平均的な速度を出せる。充分間に合う!
そのまま地下駐車場に直行していく。エレベーターは遅いから論外、階段を数段飛ばして降りて出入口のドアのパスワードを入力して……よし開いた!あとは車、でも出ていく先は1つしかないからそこまで走る!
……あぁもう疲れた! この6歳児の体だと体力が持たない! 長距離走での呼吸法で長時間走行できるようにしてるのに、歳には誰にも勝てないってのは本当だわ。
なるべく最短距離を走って出入口に到着した。車は……近いな。ちょっと無理矢理だけど前に待ち構えて車を停止させるか、自分の身が危ないのは重々承知だけどね!
そして1台の車が現れた。運転席を見るとさっき見た社員が運転している、これであの社員がスパイである可能性が高まってきている。そしてデータを取り返すために、自分の身を差し出す覚悟……ってちょちょちょ待って待って!前に居るのにスピード出しすぎなんだけど!?
あっぶねぇ! 車と衝突する前にジャンプして車の上に乗っかって耐えてるけど……!Gがエグいことになってるんだよなぁ!
「SOPHIA! Number of U36-27 operation car tracking device! And keep track of that signal!」
『Roger. Also increase the output of auxiliary suits to 30%.』
「Thank you so much!」
というか自分を振り落とそうと必死になってやるしコイツ! 幾ら出力的にも20代の一般男性と顕色ないとはいえ、基礎体力の問題が残ってるのになぁ!
あっ……もう無理。手が離れてそのまま地面に投げ出されてしまった、何とか受身を取って重症には至らなかったけど一体この先どうすれば……。
『Sir. The trap that was set in PC was activated. With expectation, I should be able to withstand 30 more minutes.』
「SOPHIA……perfect.」
『Thank you so much sir.』
2人に気付かれないようにこっそりとSOPHIAへの敬意を払う。良いところで難解なパスワード入力を出したんだから凄いとしか言い様がない。ここまでやれるAIって物凄く便利で助かった。
となると時間的余裕は増えた訳だ。しかし何にせよ油断は禁物だし安心しきってもいけない。まだ警戒態勢を続けさせてもらう、そんでもって今ちょうど15階に着いた。今度は女性社員が1人乗ってきて……って、この密室空間男女比率が極端過ぎない?あっと、他の女性技術者2人に阻まれて自分の姿は見えてなさそうだ。
っと、そんなことは置いといて。こんな時間に社員? 技術者として居残るのなら分かるけれど、何故社員がここに居るんだ?忘れ物……なら分かるが、ボタンを押した様子は無かったところを伺うと同じ25階に向かうみたいだ。
しかし嬉しいことに、他に乗ろうとする輩も居ないみたいだ。このままなら後2分ほどで到着出来るし、何より先に行けばウェルズを捕らえることが出来るように権能が使える。誰にもバレないようにする唯一の方法だ。
23 24 ……25!よし、エレベーターが止まった! そのまま開いていくドアに向かってダッシュ! 女性技術者2人を掻き分けて一直線に向かう!
「W-What?!」
「Thomas, wait!」
悪いけど、待ってたら遅れる!子どもの身体能力で出せる限りの速度で補助スーツ制作部の部屋へと向かっていく。あ、ヤバい疲れた。くっそ、こうなるんだったら体鍛えておけば良かった!
途中で先程の女性技術者2人に追い付かれた。そんなことがあっても、漸くその部屋の近くまで辿り着くと抱っこされていた自分はすぐさま降りて06の監視カメラが映している部屋に向かった。
そして出入口に差し掛かった所に、自分は何かにぶつかって微妙に吹っ飛ばされた。子どもの体重なら大人にぶつかってしまえば嫌でもこうなってしまう。尻もちを着いたせいで痛い。
「Thomas, are you all right!? It's dangerous! Do not run away!」
不味い不味い不味い!このままだとデータが流出してしまう! しかもパスワードに諦めて中途半端なデータしかコピー出来なかったけど、そうだとしても不味い! でも身体能力は歴然の差…………いや、この部屋は自分の担当している部屋だ。だったら、一か八かだ!
自分が言ったとしても聞いてくれそうにない。だったら自分でやるしか方法は無い! そうと分かれば、痛みが走っている体を起き上がらせて今出せる限界の速さであれを!
「Are you okay, Thomas? And…… what on earth was the man just before?」
「I'm okay. Thank you.」
取り敢えず受け答えをしながら試験稼働部屋に。パスワードを入力して……よし開いた。あとはあれがあれば、良かった盗まれてない。まぁ見つかる方が先になるけどねそうなった場合。それに自分に合わせた補助スーツなんて盗もうともしないだろう。
とにかく早く着なくちゃ。しかし現段階の補助スーツが“着脱の簡易性”を重視して良かった。これなら自分でも少しだけ手間取るが難なく着ることが出来るからね。そんでもって全部の指に取り付けた筋電信号読み取り装置を通して、足も靴を履いた状態で取り付ければ準備完了!あとは……あった、使ってないコード!
「SOPHIA. Hacking to the center of auxiliary suit. Activate the power supply installed in each part.」
『Yes sir.』
SOPHIAの声と同時に補助スーツの電源が勝手に起動される。この補助スーツは人工筋肉の強度を高めさせるためにカーボンナノチューブを使用している。故に強度的に見れば問題点は無いものの、露出している状態でのクッション性を考えて両腕脚内側にはエアークッションが存在しているのだ。
以前自分と同じ位の身長の人形を使って落下実験させたことがあるが、5mの高さから落ちても目立った損傷は無かった。だが関節部位の脆さが目立ったため、ジュラルミンを関節に使用している。強度点は一応改善されたが、それでも超ジュラルミンにすれば強度は跳ね上がる。それに合わせて金額も跳ね上がるが。
さてっと、考え事もストップだ。先ずは自分の腰に使ってないコードを巻き付けて縛る。次にそのコードの反対側の端を持って廊下窓側の手すりにコードを括り付ける。特にここはキツめに縛っておかなきゃ自分が死ぬことになるからね、注意しておこう。
「What are you doing, Thomas?」
「Ah……I'm thinking of getting back my stuff.」
「What?」
括り終えたところでSOPHIAと連絡。この補助スーツの出力を決めておかなきゃね。
「SOPHIA. Increase the output of auxiliary suits by 48%.」
『……You do think strange things, right?』
「It is good. Do it.」
『……I Increased the output to the specified numerical value.』
「Well then, let's do it.」
確か元が5%程の電力消費でシミュレーションでは良かった結果が出ていたんだっけ。それを48%、約50%まで上昇させるってことは単純に考えてシミュレーションの約10倍。当然障がい者もアスリート並みの動きが出来るのだが、それを健常者に使用すればどうなると思う?
答えは……人外めいた速度を出せる!この速度なら後1.3秒後に手すりに足を置けば!
「「No. No, no, no, no!」」
残念聞かないよ! そのまま窓ガラスに突撃して自由落下の法則に任せて落ちる!危ないからコードをしっかりと握って……って、コードの長さが足りない!このままだと地面に着地できないしし……こうなったらヤケだ!
左手でコードを掴みつつ、右手で自分のコードを解きて自由落下する。先に爪先から着地して、そこで右膝と地面を近付かせる。右腕のエアークッションで衝撃を受け流して、今度は体を横転させて回って衝撃を促せた! 衝撃を促せたなら無問題だ。あとはこのコードを外して……ちょうど到着したか!
「I will not let you escape!」
「!? How did you get down?!」
そのままの出力でその男に向けてタックルを仕掛けると、男は飛ばされて倒れる。そのまま馬乗りになって男のポケットを漁っていく。これでデータも取り返せるし警察にも突き出せるし一石二鳥……あれ? 無い。
何処にも、あれ無い? 嘘だろ何処に行ったんだ!?白衣の全ポケットにも無いし着ている服の全ポケットにも無い! というよりも何処に隠しているんだ!?それが無いと会社の存続に…………。
おい待て、そういえばもう1人社員が居たよな。あの社員は何処に? それに、もしもそいつがこの男の仲間だとしたら……そしてルート的に言えば近道は、地下駐車場に続く道!
「SOPHIA! Reduce the output to 20%! I go to underground garage! Please also prepare to start the car tracker immediately!」
『Yes sir.』
20%まで低下させたのは旋回行動をしやすくするため。しかも20%でも単純に考えて通常使用時の4倍の出力になるわけだ、先程の人外染みた速度は出ないけど速さなら15歳の平均的な速度を出せる。充分間に合う!
そのまま地下駐車場に直行していく。エレベーターは遅いから論外、階段を数段飛ばして降りて出入口のドアのパスワードを入力して……よし開いた!あとは車、でも出ていく先は1つしかないからそこまで走る!
……あぁもう疲れた! この6歳児の体だと体力が持たない! 長距離走での呼吸法で長時間走行できるようにしてるのに、歳には誰にも勝てないってのは本当だわ。
なるべく最短距離を走って出入口に到着した。車は……近いな。ちょっと無理矢理だけど前に待ち構えて車を停止させるか、自分の身が危ないのは重々承知だけどね!
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あっぶねぇ! 車と衝突する前にジャンプして車の上に乗っかって耐えてるけど……!Gがエグいことになってるんだよなぁ!
「SOPHIA! Number of U36-27 operation car tracking device! And keep track of that signal!」
『Roger. Also increase the output of auxiliary suits to 30%.』
「Thank you so much!」
というか自分を振り落とそうと必死になってやるしコイツ! 幾ら出力的にも20代の一般男性と顕色ないとはいえ、基礎体力の問題が残ってるのになぁ!
あっ……もう無理。手が離れてそのまま地面に投げ出されてしまった、何とか受身を取って重症には至らなかったけど一体この先どうすれば……。
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