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Bizarre Youth
5話
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「─────Oh……?」
ゆっくりとクロードの意識が目覚め、目が開かれる。視界には自分の部屋の天井が映っている。そして何故かベッドで横になっていることに疑問を感じつつ、体を起こし部屋全体を見回す。
『Woke up?』
「!!!!???」
またあの声が聞こえると、クロードは自分の右手を直ぐに見た。そこには気絶する前に見たこの何か分からない存在であった。自分の存在が気付いたことに安堵しているのだろうか、目を閉じて中指であった部分を首のように俯かせた。
『Hu, was good. As it was lying on the floor you could have caught a cold.』
クロードはゆっくりと落ち着いて呼吸を整えようとしているが、正直まだ現状を飲み込めていないので自分の右手だったものに話しかけた。
「Ha…… ha…… ha…… w-who the hell are you? And, what are you going to do to take over my body?」
『I’ll not do anything! Rather than doing that, I guess! I was just being told that over there for a long time!』
「Hiding? In the basement of such an old Western-style building?」
『Yes!』
ますます頭がこんがらがって回らなくなるが、この何かはそのことに気付いているのか一時的に右手が元に戻っていった。動かしてみると、普段通り右手としての機能はあった。手の開閉や指を曲げてみたりと色々動かして少し落ち着きを見せ、息を1つ吐いた。
『Have you calmed down a little?』
と、またクロードの右手が変化していき先程のようになる。しかし落ち着いたクロードは先程より冷静になっていた。
「For the time being it was okay.」
『That was good. I’ll explain myself immediately though.』
『I’m 【MAKINA】. You understand…… my name's initials. M. A. K. I. N. A.』
「I know that.」
『OK, continue talking. I’m an artificially created parasitic life form. Simply put, it looks like a parasite.』
「P-parasite!? But can parasites be made artificially?」
『I’m in you right now. Also I told you it’s like a parasite, but it’s not a parasite. I’m a parasitic creature. 』
「Is it only an insect?」
『Even human beings.』
「Normally we say it’s NEET.」
頭の中で聞こえるマキナの声との会話を続けているクロードだが、傍から見れば変になった右手と話している変な奴としか認識されてない。
『Anyway, I’m an artificially created life form. Did you understand so far?』
「Yeah yeah.」
『OK. Next, I’ll teach about the change of human being infested. First of all, you improved your physical ability, you experienced this earlier.』
「That is about no comparison with doping.」
『The parasitic human has five times more physical ability and metabolism. And you can make your body soft.』
「………… What do you mean?」
『You can extend your arms to a distance and change the shape like you do now. If not, I’m not in this state right now.』
「That means……」
この時、クロードの思考。いや妄想内では、自分の腕が伸びて遠くのビルに届きそこを支店としながらスイングしている情景を思い浮かべていた。しかしそのような体験が出来るとなれば、これほど爽快感のあるものは中々無いだろう。
そうして夢想していく内にだが、徐々にマキナが形を崩していく。それを見たクロードが慌てた様子となった。
「W-What's wrong?」
『I'm getting sleepy. The story will be tomorrow again. Good night.』
そう言い残し、右手の形が元に戻った。普通に握ることも出来るし物を持つことが出来る普通の手に戻ったのだ。その事を理解したクロードは手元の照明操作のリモコンのボタンを押して眠りに着くのであった。
だが寝ようとしても、あの時の感覚が思い出されていき寝付きが悪くなっていく。興奮して、現実離れした現実へと自分か変わって楽しさにも似た感情がクロードの心の中を駆け巡っていたのだ。
そうして眠りについたのは、ベッドで横になり目を瞑ってから3時間後のことになったのであった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「Fa──── It’s already such a time!」
翌日、またしてもクロードはグースカと寝すぎて学校に遅れそうになりかけていた。しかし今回は違う点、マキナに寄生された状態であるためか余裕そうな笑みを浮かべてリビングへと降りてきた。
「Good morning. Do you have breakfast?」
「Yes.」
「…… Today seems to be affordable. Is something happy too?」
「Am…… do you see that?」
「Yeah.」
「But nothing else.」
眉を上げてまた新聞を読み始めるアデル。流石に昨日の会話はクロードとマキナ両名だけの秘密にしておかなければならないと何処か悟っていたのだ。
朝ごはんを食べ終えたクロードは、学校へ行く準備を済ませてそのまま外へと出ていく。学校までの道のりは覚えているので、あとはその道順通りに走った。
「────Go!」
パルクールで培った身体能力の技能が、さらにマキナによって増長された結果。今のクロードの時速は約45kmとなっていた。しかもスピードを上手く落とさずに人混みを掻い潜り、赤信号でのブレーキも難なくクリアできた。
そうして行くうちに学校へと向かうバスを追い抜いて先に到着したのであった。
「Yes!」
『You have a tremendous enjoyment.』
「Oh, you got up already.」
『Your adrenaline is more secreted than normal. I’ll get up at all.』
「Hey, Claude!」
後ろから聞こえてきたマークの声に一瞬驚き、慌てて後ろに振り向き右手を隠すようにした。しかし左手はまるで自分の手に触れている感触であったため、右手を目の前に持ってくる。
どうやら先程のは変形せずに受け答えをしたのだろうと容易に想像はついた。
「What's wrong?」
「Nothing.」
不思議そうな表情でクロードを覗き込むマークであったが、本題を思い出した様子で話が切り替わる。
「What was the time ago?! You ran easily faster than the bus!」
「Wait! wa-wa-wa-wait! I'll explain it properly!」
「Is it true? I'll be waiting at the lunch break restaurant.」
そんな約束をして、マークや他の生徒達はスタスタと校内に入っていく。その後ろ姿を見て一つ息を吐いた。
「It was truly amazing.」
『It’s your fault.』
そんなことをマキナと話しつつ、内心あーだこーだと反省しながら校内へと赴いていくのであった。
『By the way, because I’m also in the brain, I can generally figure out what you think.』
「…… You surely heard about a while ago?」
『Yeah.』
「I didn’t have to talk about it then.」
ゆっくりとクロードの意識が目覚め、目が開かれる。視界には自分の部屋の天井が映っている。そして何故かベッドで横になっていることに疑問を感じつつ、体を起こし部屋全体を見回す。
『Woke up?』
「!!!!???」
またあの声が聞こえると、クロードは自分の右手を直ぐに見た。そこには気絶する前に見たこの何か分からない存在であった。自分の存在が気付いたことに安堵しているのだろうか、目を閉じて中指であった部分を首のように俯かせた。
『Hu, was good. As it was lying on the floor you could have caught a cold.』
クロードはゆっくりと落ち着いて呼吸を整えようとしているが、正直まだ現状を飲み込めていないので自分の右手だったものに話しかけた。
「Ha…… ha…… ha…… w-who the hell are you? And, what are you going to do to take over my body?」
『I’ll not do anything! Rather than doing that, I guess! I was just being told that over there for a long time!』
「Hiding? In the basement of such an old Western-style building?」
『Yes!』
ますます頭がこんがらがって回らなくなるが、この何かはそのことに気付いているのか一時的に右手が元に戻っていった。動かしてみると、普段通り右手としての機能はあった。手の開閉や指を曲げてみたりと色々動かして少し落ち着きを見せ、息を1つ吐いた。
『Have you calmed down a little?』
と、またクロードの右手が変化していき先程のようになる。しかし落ち着いたクロードは先程より冷静になっていた。
「For the time being it was okay.」
『That was good. I’ll explain myself immediately though.』
『I’m 【MAKINA】. You understand…… my name's initials. M. A. K. I. N. A.』
「I know that.」
『OK, continue talking. I’m an artificially created parasitic life form. Simply put, it looks like a parasite.』
「P-parasite!? But can parasites be made artificially?」
『I’m in you right now. Also I told you it’s like a parasite, but it’s not a parasite. I’m a parasitic creature. 』
「Is it only an insect?」
『Even human beings.』
「Normally we say it’s NEET.」
頭の中で聞こえるマキナの声との会話を続けているクロードだが、傍から見れば変になった右手と話している変な奴としか認識されてない。
『Anyway, I’m an artificially created life form. Did you understand so far?』
「Yeah yeah.」
『OK. Next, I’ll teach about the change of human being infested. First of all, you improved your physical ability, you experienced this earlier.』
「That is about no comparison with doping.」
『The parasitic human has five times more physical ability and metabolism. And you can make your body soft.』
「………… What do you mean?」
『You can extend your arms to a distance and change the shape like you do now. If not, I’m not in this state right now.』
「That means……」
この時、クロードの思考。いや妄想内では、自分の腕が伸びて遠くのビルに届きそこを支店としながらスイングしている情景を思い浮かべていた。しかしそのような体験が出来るとなれば、これほど爽快感のあるものは中々無いだろう。
そうして夢想していく内にだが、徐々にマキナが形を崩していく。それを見たクロードが慌てた様子となった。
「W-What's wrong?」
『I'm getting sleepy. The story will be tomorrow again. Good night.』
そう言い残し、右手の形が元に戻った。普通に握ることも出来るし物を持つことが出来る普通の手に戻ったのだ。その事を理解したクロードは手元の照明操作のリモコンのボタンを押して眠りに着くのであった。
だが寝ようとしても、あの時の感覚が思い出されていき寝付きが悪くなっていく。興奮して、現実離れした現実へと自分か変わって楽しさにも似た感情がクロードの心の中を駆け巡っていたのだ。
そうして眠りについたのは、ベッドで横になり目を瞑ってから3時間後のことになったのであった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「Fa──── It’s already such a time!」
翌日、またしてもクロードはグースカと寝すぎて学校に遅れそうになりかけていた。しかし今回は違う点、マキナに寄生された状態であるためか余裕そうな笑みを浮かべてリビングへと降りてきた。
「Good morning. Do you have breakfast?」
「Yes.」
「…… Today seems to be affordable. Is something happy too?」
「Am…… do you see that?」
「Yeah.」
「But nothing else.」
眉を上げてまた新聞を読み始めるアデル。流石に昨日の会話はクロードとマキナ両名だけの秘密にしておかなければならないと何処か悟っていたのだ。
朝ごはんを食べ終えたクロードは、学校へ行く準備を済ませてそのまま外へと出ていく。学校までの道のりは覚えているので、あとはその道順通りに走った。
「────Go!」
パルクールで培った身体能力の技能が、さらにマキナによって増長された結果。今のクロードの時速は約45kmとなっていた。しかもスピードを上手く落とさずに人混みを掻い潜り、赤信号でのブレーキも難なくクリアできた。
そうして行くうちに学校へと向かうバスを追い抜いて先に到着したのであった。
「Yes!」
『You have a tremendous enjoyment.』
「Oh, you got up already.」
『Your adrenaline is more secreted than normal. I’ll get up at all.』
「Hey, Claude!」
後ろから聞こえてきたマークの声に一瞬驚き、慌てて後ろに振り向き右手を隠すようにした。しかし左手はまるで自分の手に触れている感触であったため、右手を目の前に持ってくる。
どうやら先程のは変形せずに受け答えをしたのだろうと容易に想像はついた。
「What's wrong?」
「Nothing.」
不思議そうな表情でクロードを覗き込むマークであったが、本題を思い出した様子で話が切り替わる。
「What was the time ago?! You ran easily faster than the bus!」
「Wait! wa-wa-wa-wait! I'll explain it properly!」
「Is it true? I'll be waiting at the lunch break restaurant.」
そんな約束をして、マークや他の生徒達はスタスタと校内に入っていく。その後ろ姿を見て一つ息を吐いた。
「It was truly amazing.」
『It’s your fault.』
そんなことをマキナと話しつつ、内心あーだこーだと反省しながら校内へと赴いていくのであった。
『By the way, because I’m also in the brain, I can generally figure out what you think.』
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