プラーナ

カイロ

文字の大きさ
上 下
13 / 33
第1章 叶わぬ夢

友の亀裂

しおりを挟む
4月8日⋯休日が終わり、学校へと向かっている途中で竜時と出会った。

「よお、心也おはよう」

「おはよう。」

「お前さ休日なにやってたんだ?一緒に遊ぼうと思ったのに」

「すみません。色々と用事があって⋯」

「へぇーまあいいや、今週の土曜遊ぼうぜ」

「はい分かりました。」

そして、教室に着くと竜時は他の子達と仲良く会話している。竜時はいつの間にかクラスの人気者になっていた。

授業が終わり、僕がアジトに向かおうとしている最中

「おーーい 心也ー!」

僕を呼ぶ声が聞こえ、振り返ると竜時だった。

「おーい心也、何処に行くんだ?そっちは帰り道じゃないだろ。」

「えっーと…ちょっと気分転換に寄り道しようかと思いまして…」

「そうか…俺もついて行っていいか?」

「えぇいいですよ。」

(まあしょうがない⋯今日はアジトに行くのをやめておこう⋯)

「おっ?心也じゃねぇーかアジトに来るのか?」なんと曲がり角からリューイが現れた。

(まじですか⋯)

「? 心也お前の友達か?意外だな~お前がいかちいやつと仲良くなれるなんて」

「誰だよそいつお前のダチか?」

「えぇ⋯僕の友達の竜時です。」

「へぇーお前異能種か?」

「あぁそうだぜ、よく分かったな」

「まあなんとなくこいつと仲良くできそうなのは異能種だけだと思ったからな!アハハ!」

(そう思われていたのか⋯)

「じゃあお前の能力見せてもらおうか!!」リューイはいきなり竜時に襲い掛かった。

竜時は対応できず、もろ顔面にパンチをくらった。

「おい!リューイ何やってるんですか!」

「あっ?何って今から見せてもらうんだよ能力を」

「いってぇな何しやがる⋯」竜時は流血していた。

「さぁ能力つかえ!お返ししたいだろ?」

「あぁ⋯そういうことか⋯」竜時は少し笑った。

「俺の能力はたくさんプラーナを生成できる能力だ…すごいだろ!」竜時は誇らしげに言った。

「プラーナをたくさん生成できる?ハァ?なんだその能力使えねぇー」

「おい!」

「いいんだよ…もう慣れてるし…3人の姉からも無能扱いされているんだ…嫌でも慣れる。」

竜時はうつむいた。

「3人の姉って…もしかして荒川三姉妹か?」

「あぁそうだよ⋯よく知ってるなお前」

「知ってるも何も俺の稼業では相当有名人だぜ。」

「稼業?お前もしかして異能種の動物駆除をやっているのか?」

「あぁそうだぜ心也もやっているんだぜ」

(⋯なんで言っちゃうかな⋯)僕は空を見上げた。

「嘘だろ⋯心也⋯自分が何してるのか分かっているのか!? 死ぬかもしれないんだぞ!」

「…分かっています。」

「これから幸せだと思える人生にするんじゃないのかよ!」

「でも、楽しかったんです⋯自分でも分からないんですが⋯だからこのままやめてしまうと一生何が幸せで、楽しい人生なのかわからなくなりそうなんです。」

「狂ってるぞお前、生きてこそだろ!何自分で死に近づいているんだ!生きてればきっと見つかるはずだ!」

「⋯ごめん⋯竜時⋯」

「⋯クッ!」竜時はうつむき無言で去っていった。

「リューイ⋯アジトに向かいましょう。」

「おう」

アジトに着くと野村さんが居た。

「よぉーお前達やっときたかー新しい仕事がきてるぞ。」

「先に言っておくが、今回の討伐対象はかなりの曲者だ。」

「情報だと死者は全員、人間の足跡の形になって死ぬ。場所は愛ヶ淵区を中心に起きており、人通りが多い場所で起きていれば、あまりない場所でも起きていてまばら。能力者の目撃情報も依然としてなし。」

「確かにこれは曲者だね⋯もしかして人間かな?」

「なぜそう思う?」

「いや~とても話を聞いている限り野生の動物ができる芸当ではないと思ったんだよ。」

「でもそれだと、どうやって日本に来たかって話になるんだけどね。」

「あぁラースが言った通り、政府もその線で今調査にあたっているらしい。」

「ふーん⋯で、今回の討伐対象の名前は?」

「あぁそうだな…死の足跡デスフットだ。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?

水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。 日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。 そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。 一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。 ◇小説家になろうにも掲載中です! ◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

処理中です...