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第52話 美味しい話
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ありがたや、ありがたや…。こうして、温かいご飯を食べられるのもシーフさんのおかげだ。
お詫びもかねて、シーフは店にてご飯を奢ってくれた。丁度お腹が空いて死にかけていたからとてもありがたかった。
何かのステーキと、野菜、パンが出てきた。
「美味いか?」
シーフは僕を覗き込み言った。
「ああ、美味い!めちゃくちゃね」
僕は食べる手を止めずに返した。
口に食べ物が入ったまま喋ってしまった。
「しかし、あんた…なんで金ねぇんだ?まさか、ギャンブルでもして破綻したか?」
シーフは笑いながら言った。
「訳あって、お金が無かったんだよ…」
詳細は絶対に話せないので、誤魔化すことにした。あくまで僕は文無し、宿なしの、しがない男として演じなければ…
「…そうかい…にしても、あんた大分強いでしょ?」
シーフは自身が頼んだコーヒーを一口飲み言った。
「…さて、それはどうかな?」
「いやいや、ウチの目は誤魔化せないよ!」
シーフの言葉のとき、丁度食べ終わった。
満腹。ご馳走様でした。
「そういえば今回の討伐クエスト?とはどういうものなんだ?」
僕は人間のエリアに来て1時間しかたっていないし、知らないことばかりだ。
もちろん、討伐クエストというものも、わからない。
「はぁ?アンタ討伐クエストも知らないとか、別の世界からでも来たの?」
……正解です……
シーフは感が鋭いみたいだ。
「…別にいいだろ!知らないものは知らない」
そう、知らないものは知らない。
「しゃーねーな、お人好しのシーフちゃんが教えてあげるよ」
うざ。シーフはぶりっ子のような言い方をしてきた。
「討伐クエストとは、名前のとうり魔物を討伐することで、報酬を得ることができるだ。クエストレベルによって、報酬の規模も変わるだぜ!」
「なるほど…」
シーフの説明で一通り理解できた。つまり、魔物を倒すだけでお金が貰えると……え?…めちゃくちゃいいやん!
そこら辺の魔物を適当に倒すだけで金が稼げる…そんな、楽なことがあるのか?
いっそのこと、人間として生きるのもありかもな…。
「おーい、ユウエイ?なんか企んでそうな顔をしているぞ~」
シーフに言われてくだらない妄想から目が覚めた。大金持ちの姿の自分を思い描いてしまっていた。
「おお!大丈夫だ、で?今回の討伐クエストは何だ?」
「今回はドラゴン討伐だ」
「ドラゴン討伐?」
「そう、竜の洞窟といわれる場所に、竜守のドラゴンと呼ばれる、ドラゴンがいるんだ」
「…その、ドラゴンを討伐するだけ?」
「ユウエイ…ドラゴンを討伐するだけだが、簡単じゃねーぞ。今まで何組もがパーティを組んで討伐に挑んだ…だが、結果は散々だ。全てが返り討ちにあっている」
「…たかがドラゴンに?」
「…たかがって…余裕があるのも今のうちだ…たが、討伐に成功するれば、多額の報酬だぜ!それと、噂ではその洞窟の奥底に財宝も眠っているらしいぞ…」
多額の報酬?財宝?どうやら僕は運がいいらしい。
シーフに魔石を盗まれなかったらこんな良いことが起きなかったのだ。改めてソルメイス…ありがとう!
「だから、アンタみたいな強いメンバーが欲しかったわけだ」
「僕達以外もメンバーはいるの?」
「もちろんだ。ウチがコーヒーを飲み終わったら仲間達の元へ案内するな!」
なんだ、他にもいるのか…報酬は山分けだろうし、どうせなら僕1人でもドラゴンは倒せると思し…
なんて考えていると…
「ちょっといいかな」
唐突に話しかけてきたのは綺麗な白髪の背の小さい少女だった。
僕とシーフが座っているテーブルの横に立っている。
僕は内心驚いた。理由は全くの気配も感じとれなかったからだ。声をかけらるまで彼女の存在を認識できていなかった。気づいたらその場にいた。
「なんかウチらに用でも?」
シーフは鬱陶しそうに言った。
「その、ドラゴン討伐クエスト。私も参加していいかな」
その少女は感情が欠落しているトーンで言った。棒読みみたいな感じだった。
そして、言い出した言葉は討伐クエストに参加したいという。
何者なんだ?この少女は?
「はぁ?アンタ誰だよ?つーかアンタみたいな少女が行っても無駄死にして終わりよ」
シーフはキッパリと言った。
それはそうだ。シーフは見たところか弱そうな少女に見える彼女を討伐クエストに参加させても、無駄だと思ったのだろう。
シーフが求めているのは強い仲間だ。
「じゃあこれを見て」
少女は僕達に何かを見せてきた。
ライセンス…カードらしきものだった。
何やら文字が書いてあるが読めない。
この世界の字は読めないのだ。
「……クエストランクS…えぇ!」
シーフは大声で驚いた。
クエストランク?なんだそれは?
「これを見ても私が無駄死にすると言うの?」
「いや、悪かった!今までの言葉は忘れてくれ!まさかアンタがクエストランクSとは思わなかった!」
「クエストランクって?」
「クエストランクはその名の通り今までクリアしたクエストの成績によってランクが付けられるんだ。ランクはE、D、C、B、A、S、SSと分けられている」
じゃあ…この少女は…とんでもないやつかも。見た目は小さいガキなんだけどな…腰に剣を付けているから、違和感はあったんだけど…
見た目で判断してはいけないという言葉を思い出した。
「じゃあ、私もドラゴン討伐クエストに参加してもいいって事かな」
少女は棒読みで言う。愛想のかけらもない。
「ああ!大歓迎だせ!Sランクがパーティにいてくれれば心強い!」
シーフは嬉しそうに言った。
シーフとっては嬉しいことだろう。強い仲間が参加してくれと言うのだから。
なんか僕のときと反応が違うな…少しイラッときた。
「じゃあ、早速!仲間の元に案内するぜ!」
僕はシーフの仲間達の元へ向かうのだった。
お詫びもかねて、シーフは店にてご飯を奢ってくれた。丁度お腹が空いて死にかけていたからとてもありがたかった。
何かのステーキと、野菜、パンが出てきた。
「美味いか?」
シーフは僕を覗き込み言った。
「ああ、美味い!めちゃくちゃね」
僕は食べる手を止めずに返した。
口に食べ物が入ったまま喋ってしまった。
「しかし、あんた…なんで金ねぇんだ?まさか、ギャンブルでもして破綻したか?」
シーフは笑いながら言った。
「訳あって、お金が無かったんだよ…」
詳細は絶対に話せないので、誤魔化すことにした。あくまで僕は文無し、宿なしの、しがない男として演じなければ…
「…そうかい…にしても、あんた大分強いでしょ?」
シーフは自身が頼んだコーヒーを一口飲み言った。
「…さて、それはどうかな?」
「いやいや、ウチの目は誤魔化せないよ!」
シーフの言葉のとき、丁度食べ終わった。
満腹。ご馳走様でした。
「そういえば今回の討伐クエスト?とはどういうものなんだ?」
僕は人間のエリアに来て1時間しかたっていないし、知らないことばかりだ。
もちろん、討伐クエストというものも、わからない。
「はぁ?アンタ討伐クエストも知らないとか、別の世界からでも来たの?」
……正解です……
シーフは感が鋭いみたいだ。
「…別にいいだろ!知らないものは知らない」
そう、知らないものは知らない。
「しゃーねーな、お人好しのシーフちゃんが教えてあげるよ」
うざ。シーフはぶりっ子のような言い方をしてきた。
「討伐クエストとは、名前のとうり魔物を討伐することで、報酬を得ることができるだ。クエストレベルによって、報酬の規模も変わるだぜ!」
「なるほど…」
シーフの説明で一通り理解できた。つまり、魔物を倒すだけでお金が貰えると……え?…めちゃくちゃいいやん!
そこら辺の魔物を適当に倒すだけで金が稼げる…そんな、楽なことがあるのか?
いっそのこと、人間として生きるのもありかもな…。
「おーい、ユウエイ?なんか企んでそうな顔をしているぞ~」
シーフに言われてくだらない妄想から目が覚めた。大金持ちの姿の自分を思い描いてしまっていた。
「おお!大丈夫だ、で?今回の討伐クエストは何だ?」
「今回はドラゴン討伐だ」
「ドラゴン討伐?」
「そう、竜の洞窟といわれる場所に、竜守のドラゴンと呼ばれる、ドラゴンがいるんだ」
「…その、ドラゴンを討伐するだけ?」
「ユウエイ…ドラゴンを討伐するだけだが、簡単じゃねーぞ。今まで何組もがパーティを組んで討伐に挑んだ…だが、結果は散々だ。全てが返り討ちにあっている」
「…たかがドラゴンに?」
「…たかがって…余裕があるのも今のうちだ…たが、討伐に成功するれば、多額の報酬だぜ!それと、噂ではその洞窟の奥底に財宝も眠っているらしいぞ…」
多額の報酬?財宝?どうやら僕は運がいいらしい。
シーフに魔石を盗まれなかったらこんな良いことが起きなかったのだ。改めてソルメイス…ありがとう!
「だから、アンタみたいな強いメンバーが欲しかったわけだ」
「僕達以外もメンバーはいるの?」
「もちろんだ。ウチがコーヒーを飲み終わったら仲間達の元へ案内するな!」
なんだ、他にもいるのか…報酬は山分けだろうし、どうせなら僕1人でもドラゴンは倒せると思し…
なんて考えていると…
「ちょっといいかな」
唐突に話しかけてきたのは綺麗な白髪の背の小さい少女だった。
僕とシーフが座っているテーブルの横に立っている。
僕は内心驚いた。理由は全くの気配も感じとれなかったからだ。声をかけらるまで彼女の存在を認識できていなかった。気づいたらその場にいた。
「なんかウチらに用でも?」
シーフは鬱陶しそうに言った。
「その、ドラゴン討伐クエスト。私も参加していいかな」
その少女は感情が欠落しているトーンで言った。棒読みみたいな感じだった。
そして、言い出した言葉は討伐クエストに参加したいという。
何者なんだ?この少女は?
「はぁ?アンタ誰だよ?つーかアンタみたいな少女が行っても無駄死にして終わりよ」
シーフはキッパリと言った。
それはそうだ。シーフは見たところか弱そうな少女に見える彼女を討伐クエストに参加させても、無駄だと思ったのだろう。
シーフが求めているのは強い仲間だ。
「じゃあこれを見て」
少女は僕達に何かを見せてきた。
ライセンス…カードらしきものだった。
何やら文字が書いてあるが読めない。
この世界の字は読めないのだ。
「……クエストランクS…えぇ!」
シーフは大声で驚いた。
クエストランク?なんだそれは?
「これを見ても私が無駄死にすると言うの?」
「いや、悪かった!今までの言葉は忘れてくれ!まさかアンタがクエストランクSとは思わなかった!」
「クエストランクって?」
「クエストランクはその名の通り今までクリアしたクエストの成績によってランクが付けられるんだ。ランクはE、D、C、B、A、S、SSと分けられている」
じゃあ…この少女は…とんでもないやつかも。見た目は小さいガキなんだけどな…腰に剣を付けているから、違和感はあったんだけど…
見た目で判断してはいけないという言葉を思い出した。
「じゃあ、私もドラゴン討伐クエストに参加してもいいって事かな」
少女は棒読みで言う。愛想のかけらもない。
「ああ!大歓迎だせ!Sランクがパーティにいてくれれば心強い!」
シーフは嬉しそうに言った。
シーフとっては嬉しいことだろう。強い仲間が参加してくれと言うのだから。
なんか僕のときと反応が違うな…少しイラッときた。
「じゃあ、早速!仲間の元に案内するぜ!」
僕はシーフの仲間達の元へ向かうのだった。
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