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第42話 気づかないのか?

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 「貴様らには消えてもらう」

 ソルメイスをぶっ飛ばした謎の生物はそう言った。

 「ソルメイス!大丈夫か!」
 「グッ……ううう…」

 よし…多分骨折ぐらいはしているだろうがとりあえず命に別状はなさそうだな。

 気を失って倒れているだけだ。

 「いいだろう…お前はまだやりがいがありそうだ」

 僕はカッコつけてそう言った。

 「フッ…そのやりがいで貴様は死ぬんだ!」

 その瞬間謎の生物は僕に特攻してきた。

 鋭く尖った爪が僕の喉元を狙う。

 僕はそれを剣で受け止める。

 が…衝撃が大きく僕は後ろへと後退した。

 「なかなか良いスピードどパワーだな」
 
 僕は褒めた。

 「その余裕…いつまで保ってられるかな?」

 また僕に特攻する。

 次は連撃だ。

 速い…

 僕は2本の爪の攻撃を受けるので精一杯だった。

 反撃する隙がなかった。

 「おっと…」

 僕は一旦距離をとる。

 「どうした?その程度だったのか人間?」
 「……フッ…今までは軽い読み合いじゃないか?私はまだ一度も攻撃をしていない」
 「……攻撃をしていないのではなくて、できなかっただけだろう?」
 「ならお望み通りにしてやる」

 僕は高速でその謎の生物の背後をとり剣を振るった。

 謎の生物は反応できていない。

 「とった」

 が…

 斬らなかった。

 謎の生物の皮膚で剣が静止した。

 剣で斬らないぐらい硬いのだ。

 「硬った……」
 
 また僕は距離をとった。

 「フン…貴様の剣ごときに我が皮膚を斬れると思ったか?」
 「………なるほど……」

 その後も僕は高速移動で謎の生物の爪の攻撃をかわしながら剣を振るったが…斬れることはなかった。

 「もう貴様は終わりだな…剣では我を斬ることもできないとなると戦うすべがなかろう」
 「………………そうだな…貴様を倒す術が思いつかない…残念だか私の負けのようだ」
 「……わかっただろう?貴様のような下等生物との違いがな?」
 「ああ…最期に貴様が何者かを教えてくれないか?」
 「冥土の土産か…いいだろう…我は人間でも魔人でもない…魔物の進化、人化した存在だ」
 「なに?ということは元は魔物だったのか?」
 「そうだ……だが進化をしたのだ…知能をつけ、力をつけ、魔力を扱い…生物の中の頂点に立つ存在となるのだ」
 「……なるほど貴様の存在はわかった」
 「まあ、わかったところで死ぬのだがな…それではそろそろ殺すとしよう」
 「待て…頼む…殺さないでくれ…死にたくない…お願いだ…」
 「ハッ!今更命乞いか!安心しろ大人しく首を差し出せば痛みなく楽に殺してやる!」
 
 「ハハ……」
 「アッ?」
 「ハハハハハハハハハハハ!!!」
 「な…何がおかしい!」
 「いや…私の嘘に気づかないのか?」
 「なっ…嘘だと?」
 「そう…今までの言葉は全て嘘だ」
 「嘘だと?」
 「貴様の情報を聞き出すには貴様に勝ちを確信させて調子に乗らせるのが最適と私は考えたのさ」
 「ハッ…嘘なら我を倒す術があるというのか?」
 「もちろん」
 「な……」
 「お前さ…私が一切魔力を出してないのを気づいていないのか?」
 「……なんだと?」
 「もちろん移動するときは魔力を出したが…剣に一切魔力を込めていない」
 「………魔力を込めたぐらいで何が変わる!」
 「変わるさ…」
 「なら試してみるがいい!斬れるかどうか……」

 「!?」

 (消えた?目の前から仮面の人間がいなくなった?)

 「こっちだ」

 「!?」

 「我の後ろへと移動したのだな…」
 「気づかないのか?移動しただけじゃない…」
 「何を…いって…」
 「これなーんだ?」

 僕はその生物の片腕を見せつけた。

 「!?まさか一瞬で我が腕を斬ったというのか…」
 「さて…ここから本番といこうか…」
 「ク……」
 「楽しませてくれよ…人間や魔人をも超越した存在なんだろ?」



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