上 下
31 / 67

第31話 愛で受け止めてあげる

しおりを挟む
 「ウフ♡やっぱ見れば見るほど可愛いわね♡」

 マカオはクロとシロをまじまじと見て微笑みながら言った。

 「キモい」
 「不快に感じる」
 「ちゃっちゃとやろう」
 「早く終わらせよう」

 クロとシロはそう言って魔力を解放する。

 「あら♡やる気満々ね。いいわあなた達♡殺して標本にして飾ってあげるわ♡」

 マカオも魔力を解放する。

 「どっからでもかかってらっしゃい♡」

 「魔法詠唱、漆黒の闇よ死を恵め…ブラックバース」

 クロはマカオに魔力波を放った。

 かなり広範囲の魔力波だった。

 「ウフ♡マジックウォール」

 マカオは防御力法でクロの魔法を防いだ。

 「魔法詠唱、白光の雫よこの世を照らせホワイトジェネリション」

 シロの上部から光の矢がマカオを襲う。

 マカオは走りながら矢をかわす。

 「ウフ♡なかなかだわね」

 「だけど♡」

 マカオはクロとシロに高速移動で距離を詰める。

 「魔法詠唱!……」

 クロが防御魔法を唱えようとするが間に合わない。

 「遅いわ♡エンジェルパンチ」

 クロは殴り飛ばされる。

 「魔法詠唱…白……!」

 シロも魔法を唱えようとするが間に合わない。

 「エンジェルキック♡」

 シロはクロと逆方向に蹴り飛ばされた。

 「はぁーあなた達♡本当に可愛いわねぇ♡」

 マカオは尊さに震えていた。

 「クッ!」

 「魔法詠唱…私を迎えに来て…サン・シュヴァルソード」

 「魔法詠唱…死との契約…デビルソード」

 クロとシロは魔法により作り出された剣を出現させた。

 クロとシロはマカオに接近するため走る。

 が…僅かだがシロが出遅れる。

 「ウフ♡愛との狭間で震えて…ラブブレイド♡」

 マカオは魔剣を出現させる。

 そしてそれを両手に構える。

 クロとシロが斬りかかるが余裕でマカオは魔剣で受け止める。

 「ウフ♡接近戦なら勝てると思った?」

 「魔法詠唱…愛こそ平和よ…ラブアンドピース」

 マカオからとてつもない魔力波が放たれた。

 周りを吹き飛ばした。

 「あら♡間一髪防御したのね♡えらいわ」

 クロは防御魔法で自信とシロを守った。

 「ハァ…ハァ…シロ…遅いわよ」
 「ハァ…ハァ…クロこそ速いよ」

 シロとクロは嫌味を吐くように言った。

 「あなた達!全然息が合っていないわ!攻撃も防御もバラバラよ!そんなんで私に勝てると思ってるの?」

 マカオは指を指して言った。

 クロとシロが息が合わない理由は単純だった。

 喧嘩しているのだ。

 理由としてはシロが勝手にクロの食べ物を食べてしまったのが原因だった。

 クロは激怒したがシロは前にクロに食べ物を食べられたことがあるので仕返しだと言って反省しない。

 そして喧嘩中のまま今に至る。

 「クロ…」
 「なによ、シロ…」
 「このまま死ぬのと、仲直りするのどっちがいい?」
 「そりゃ死にたくないわよ、まだやりたいことがたくさんある」
 「だよね。私も同じ」
 「で?」
 「仲直りしよう」
 「…なんか先にあるのじゃなくて?」
 「ごめん勝手に食べちゃって…お腹…めっちゃ空いててつい」
 「…私こそ食べちゃったことあるからおあいこよ…ぐだらないことで怒ってごめん」 
 「許してあげる」
 「私もシロを許すわ」
 「じゃあ…いこうかクロ」
 「さて…やるわよシロ」
 
 シロとクロは隣り合わせで構える。

 「いいわね♡!いいいわよ♡!最高よ!姉妹の愛が感じられたわ!でも…そろそろ殺すわ…ごめんね」

 マカオはシロとクロに迫り魔剣で斬りかかる。

 だが、マカオの斬りかかりは空振りで終わった。

 「今のは…移動魔法!」

 一瞬にして別の場所へクロとシロは移動魔法で移動した。

 「詠唱破棄で移動魔法が使えるのね…まさかあなた達、コンストレイトによる能力覚醒ね…」

 コンストレイトとは、ある一定の条件を決める、制約することによって能力やスキルが上昇することである。

 例えばこの場合シロとクロのコンストレイトは、一緒に戦う…つまり共闘する意思を合わせる、それがコンストレイトの条件となり、魔力と魔法スキルが上昇した。

 「ふふ♡本当にあなた達は愛おしいわね♡」

 「クロ…いける?」
 「シロ…あたりまえよ」
 「じゃあやろっか」 
 「いいでしょう」
 
『究極魔法詠唱…神の怒りよ大地を滅ぼせ…罪人よ、その身をもって償え…エリトリスマーストランジェ…』

 クロとシロは声を合わせて究極魔法を唱える。

 クロとシロの上部には強力な魔力が圧縮されていく…。

 「素晴らしいわ♡究極魔法を使えるなんて…いいわ私があなた達の愛を受け止めてあげる!」

 マカオは構えた。

 「私もコンストレイトがあるのよ…」

 ボソッとマカオは呟いた。

 「さあ来なさい!私を愛してちょうだい!」

 マカオは両手を広げる。

 『イグニッション』

 クロとシロは究極魔法をカマセに放った。

 「カマーラブ」

 カマセは心の中でそう唱えた。

 結果はカマセを吹き飛ばすことになった。

 カマセのコンストレイトは愛ある攻撃、魔法のダメージを大幅に軽減するものだった。

 しかしシロとクロは愛など一ミリも無かったためコンストレイトの条件を満たしていないため発動しなかった。

 「終わったねクロ」
 「そうだねシロ」

 カマセ対シロ・クロはシロ・クロの勝利に終わった。

 キャラクター紹介
 マカオ
 外見は男だが、心は乙女。可愛いものに目が無い。高い戦闘力と高度な魔法が使える。愛ある攻撃はダメ出しを受けない。

 話終歌
 愛してあげるから
 愛してちょうだい?
 マカオ


 
 
 

 

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

転生弁護士のクエスト同行記 ~冒険者用の契約書を作ることにしたらクエストの成功率が爆上がりしました~

昼から山猫
ファンタジー
異世界に降り立った元日本の弁護士が、冒険者ギルドの依頼で「クエスト契約書」を作成することに。出発前に役割分担を明文化し、報酬の配分や責任範囲を細かく決めると、パーティ同士の内輪揉めは激減し、クエスト成功率が劇的に上がる。そんな噂が広がり、冒険者は誰もが法律事務所に相談してから旅立つように。魔王討伐の最強パーティにも声をかけられ、彼の“契約書”は世界の運命を左右する重要要素となっていく。

毒素擬人化小説『ウミヘビのスープ』 〜十の賢者と百の猛毒が、寄生菌バイオハザード鎮圧を目指すSFファンタジー活劇〜 

天海二色
SF
 西暦2320年、世界は寄生菌『珊瑚』がもたらす不治の病、『珊瑚症』に蝕まれていた。  珊瑚症に罹患した者はステージの進行と共に異形となり凶暴化し、生物災害【バイオハザード】を各地で引き起こす。  その珊瑚症の感染者が引き起こす生物災害を鎮める切り札は、毒素を宿す有毒人種《ウミヘビ》。  彼らは一人につき一つの毒素を持つ。  医師モーズは、その《ウミヘビ》を管理する研究所に奇縁によって入所する事となった。  彼はそこで《ウミヘビ》の手を借り、生物災害鎮圧及び珊瑚症の治療薬を探究することになる。  これはモーズが、治療薬『テリアカ』を作るまでの物語である。  ……そして個性豊か過ぎるウミヘビと、同僚となる癖の強いクスシに振り回される物語でもある。 ※《ウミヘビ》は毒劇や危険物、元素を擬人化した男子になります ※研究所に所属している職員《クスシヘビ》は全員モデルとなる化学者がいます ※この小説は国家資格である『毒物劇物取扱責任者』を覚える為に考えた話なので、日本の法律や規約を世界観に採用していたりします。 参考文献 松井奈美子 一発合格! 毒物劇物取扱者試験テキスト&問題集 船山信次  史上最強カラー図解 毒の科学 毒と人間のかかわり 齋藤勝裕  毒の科学 身近にある毒から人間がつくりだした化学物質まで 鈴木勉   毒と薬 (大人のための図鑑) 特別展「毒」 公式図録 くられ、姫川たけお 毒物ずかん: キュートであぶない毒キャラの世界へ ジェームス・M・ラッセル著 森 寛敏監修 118元素全百科 その他広辞苑、Wikipediaなど

この争いの絶えない世界で ~魔王になって平和の為に戦いますR

ばたっちゅ
ファンタジー
相和義輝(あいわよしき)は新たな魔王として現代から召喚される。 だがその世界は、世界の殆どを支配した人類が、僅かに残る魔族を滅ぼす戦いを始めていた。 無為に死に逝く人間達、荒廃する自然……こんな無駄な争いは止めなければいけない。だが人類にもまた、戦うべき理由と、戦いを止められない事情があった。 人類を会話のテーブルまで引っ張り出すには、結局戦争に勝利するしかない。 だが魔王として用意された力は、死を予感する力と全ての文字と言葉を理解する力のみ。 自分一人の力で戦う事は出来ないが、強力な魔人や個性豊かな魔族たちの力を借りて戦う事を決意する。 殺戮の果てに、互いが共存する未来があると信じて。

好色一代勇者 〜ナンパ師勇者は、ハッタリと機転で窮地を切り抜ける!〜(アルファポリス版)

朽縄咲良
ファンタジー
【HJ小説大賞2020後期1次選考通過作品(ノベルアッププラスにて)】 バルサ王国首都チュプリの夜の街を闊歩する、自称「天下無敵の色事師」ジャスミンが、自分の下半身の不始末から招いたピンチ。その危地を救ってくれたラバッテリア教の大教主に誘われ、神殿の下働きとして身を隠す。 それと同じ頃、バルサ王国東端のダリア山では、最近メキメキと発展し、王国の平和を脅かすダリア傭兵団と、王国最強のワイマーレ騎士団が激突する。 ワイマーレ騎士団の圧勝かと思われたその時、ダリア傭兵団団長シュダと、謎の老女が戦場に現れ――。 ジャスミンは、口先とハッタリと機転で、一筋縄ではいかない状況を飄々と渡り歩いていく――! 天下無敵の色事師ジャスミン。 新米神官パーム。 傭兵ヒース。 ダリア傭兵団団長シュダ。 銀の死神ゼラ。 復讐者アザレア。 ………… 様々な人物が、徐々に絡まり、収束する…… 壮大(?)なハイファンタジー! *表紙イラストは、澄石アラン様から頂きました! ありがとうございます! ・小説家になろう、ノベルアッププラスにも掲載しております(一部加筆・補筆あり)。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

スライムから人間への転生〜前世の力を受け継いで最強です

モモンガ
ファンタジー
5/14HOT(13)人気ランキング84位に載りました(=´∀`) かつて勇者と共に魔王を討伐したスライムが世界から消えた…。  それから300年の月日が経ち、人間へと転生する。 スライムだった頃の力【勇者】【暴食】を受け継ぎいろんな場所を巡る旅をする そんな彼の旅への目的はただ1つ!世界中の美味しいご飯を食べる事! そんな食いしん坊の主人公が何事もないように強敵を倒し周りを巻き込んで行く! そんな主人公の周りにはいつのまにか仲間ができ一緒に色々なご飯を食べて行く!  *去年の9月まで小説家になろう。で連載を辞めた作品です。  続きを書こうと気持ちになりまして、こちらで再開しようもおもった次第です。  修正を加えてます。  大きいのは主人公の名前を変えました。(ヒロインと最初の一文字が被っている為)  レアル→リューク  ラノベ専用アカウント作りましたー( ̄∀ ̄)  Twitter→@5XvH1GPFqn1ZEDH

処理中です...