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第24話 苦労
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なんとかアルネネから逃げ切れた。
そんなことを思いながら僕は人間のエリアに向けて走った。
そういや人間エリアまでどのくらいかかるんだろう?
僕は人間エリアの方向。人間エリアと魔人のエリアの境目には魔の森と呼ばれる森があること。それぐらいしか聞いてない。
まあ、走り続ければ着くか。
この姿はなんといっても走りやすい。
体力的にも問題ない。
しかも速い。
アルネネよりも速いのだ。
僕は走ること自体、苦ではない。
僕はランニングを朝の日課にするぐらい走るのは好きだ。
結局足をくじいて朝のランニングの日課は一週間で終わったのは別の話ね。
「とりあえず走るか」
僕はひたすら走るのだった。
「あっ……お帰りなさい。ネイン…アルネネ…エネメシア…」
城の前にてコロンがネイン達を出迎えた。
「ただいま。コロン…私がいない間任せちゃって申し訳なかったわ…」
「…大丈夫…それよりデーモン様は…」
「私達に挨拶されて、行ってしまわれたわ」
ネインは寂しそう言った。
「クソ!デーモン様ってあんな足速かったか?それともあの姿だから足が速いのか?逃げらちゃった!帰ってきたらもう一回捕まえてやる!」
アルネネは少し苛立ちながら言った。
「それで?後のみんなは?ちゃんと大人しくしてた?」
「それが…」
「?」
「ラヴァ!いい加減に出てきなさい!」
ネインはラヴァの部屋のドア前で叫んだ。
「………うぅう」
聞こえるなはすすり泣きの音だけだった。
コロンの情報だとラヴァはデーモンが出かけたショックで部屋に引きこもっているらしい。
「呆れた、デーモン様がいなくて悲しいのはわかるけどいつまでもいじけてちゃどうしよもないわよ!」
ネインは再びラヴァに声をかける。
「ギィー」
ゆっくりとラヴァの部屋のドアが開かれた。
「ううう…私、最近わからないよ。デーモン様のことものすごく好きなのに…デーモン様は私のことなんて好きじゃない。それどころか鬱陶しい迷惑女だと思われているんじゃないかって考えちゃって…」
ラヴァはすすり泣きながら言った。
「まあ、あんたはデーモン様から好かれているわけではないけど、嫌われてもないとは思うわよ」
「そうかな…」
「デーモン様が信じられないの?」
「そういうわけじゃないけど…」
ネインの僅かながらのフォローによってラヴァは少し心が晴れた。
「あなたとりあえず身支度しなさい。髪もボサボサだし、顔も…その、酷いわよ?整えたら広場に来てちょうだい」
ネインはそう言って次なる問題へと立ち向かうのであった。
「わかった」
ラヴァは涙を拭きながら言った。
ネインが次に向かったのはレーンの部屋だ。
「コラ!レーン!いい加減起きなさい!」
ネインはレーンの部屋のドア前でまた叫ぶ。
レーンはネインが修行に行った日から今までずっと寝ているのだ。
「………………………………………………」
応答はない。
多分まだ寝ているだろうとネインは思った。
「仕方ない……」
レーンが一度深く寝てしまうと簡単には起こせないことをネインは知っていた。
だが、同時に起こす方法も知っていた。
ネインはある魔物の肉を焼いたステーキのようなものを作ってきた。
ネインはそれを持ちドア前へ立つ。
肉の香ばしい匂いが部屋へと充満する。
「ドン!」
勢いよくドアが開いた。
「肉?肉!肉!食べたい!」
レーンが寝ぼけながら出てきた。
「これが食べたいの?」
「食べたい!」
「じゃあお座り」
「ワン!」
レーンは犬のようにお座りした。
「お手」
「ワン!」
レーンは素直に指示に従いお手をした。
「いい子ね、ちゃんと起きるって約束するなら食べていいわよ?」
「起きます!だから肉食べたい!」
「ほら、どうぞ」
ネインがレーンに肉を渡すと美味しそうにその肉を頬張って食べた。
「食べ終わったら広場に来なさいよ」
ネインはそう言って広場へと向かった。
広場には、アルネネ、エネメシア、キララ、コロン、フカシギ、クロ、シロ、コメコ、ヤマトがちゃんと集まっていた。
「アイツらちゃんと来るのかよ」
アルネネは言った。
「ちゃんと来るようにしたわよ」
ネインはそう答えた。
少し待つとラヴァが現れた。
「ごめんなさい…皆んな」
ラヴァが皆んなに謝った。
「気にするな、誰にでも悩む時だってある」
ヤマトはラヴァをフォローした。
「ふぁ~おはよ~」
レーンが大きな欠伸をしながら現れた。
「ったく、お前はいつまで寝てんだよ!」
アルネネがレーンに言う。
「僕はよく寝る子なのさ」
「ハッ、そんだけ寝てんのに、発育はよろしくないんだな…可哀想に」
アルネネが挑発するように言う。
「う…うるさい!僕は成長を貯めているんだ!お前こそ、無駄に胸がでかいからって調子にのるなよ!」
レーンはアルネネに言い返す。
「胸が無いのが羨ましいぜ、俺はこれのせいで肩が凝っちゃって大変なんだよ」
アルネネが自身の肩を揉みながら言った。
「フン。所詮は胸がデカいだけの馬鹿がほざいてるだけだね」
レーンは逆にアルネネを挑発し返した。
「んだとテメー!貧乳チビガキが調子こいてんじゃねーぞ!」
「はぁ?馬鹿ゴリラ女が何言ってんの?」
「そこまでしなさい」
ネインがアルネネとレーンのバチバチな言い合いに終止符を打った。
全く…喧嘩しかしないのかこの2人は…
そんなことをネインは思った。
「皆んな…ここに集まってもらった理由はもうわかるわね?」
ネインが空気を変えるように言った。
「ん?わからんな」
アルネネが頭を掻きながら言った。
「強大な魔力がこちらに近づいている…」
メネメシアが言った。
「そうよ…皆んな戦闘の準備をしないさい。何としても城を守るのよ」
そんなことを思いながら僕は人間のエリアに向けて走った。
そういや人間エリアまでどのくらいかかるんだろう?
僕は人間エリアの方向。人間エリアと魔人のエリアの境目には魔の森と呼ばれる森があること。それぐらいしか聞いてない。
まあ、走り続ければ着くか。
この姿はなんといっても走りやすい。
体力的にも問題ない。
しかも速い。
アルネネよりも速いのだ。
僕は走ること自体、苦ではない。
僕はランニングを朝の日課にするぐらい走るのは好きだ。
結局足をくじいて朝のランニングの日課は一週間で終わったのは別の話ね。
「とりあえず走るか」
僕はひたすら走るのだった。
「あっ……お帰りなさい。ネイン…アルネネ…エネメシア…」
城の前にてコロンがネイン達を出迎えた。
「ただいま。コロン…私がいない間任せちゃって申し訳なかったわ…」
「…大丈夫…それよりデーモン様は…」
「私達に挨拶されて、行ってしまわれたわ」
ネインは寂しそう言った。
「クソ!デーモン様ってあんな足速かったか?それともあの姿だから足が速いのか?逃げらちゃった!帰ってきたらもう一回捕まえてやる!」
アルネネは少し苛立ちながら言った。
「それで?後のみんなは?ちゃんと大人しくしてた?」
「それが…」
「?」
「ラヴァ!いい加減に出てきなさい!」
ネインはラヴァの部屋のドア前で叫んだ。
「………うぅう」
聞こえるなはすすり泣きの音だけだった。
コロンの情報だとラヴァはデーモンが出かけたショックで部屋に引きこもっているらしい。
「呆れた、デーモン様がいなくて悲しいのはわかるけどいつまでもいじけてちゃどうしよもないわよ!」
ネインは再びラヴァに声をかける。
「ギィー」
ゆっくりとラヴァの部屋のドアが開かれた。
「ううう…私、最近わからないよ。デーモン様のことものすごく好きなのに…デーモン様は私のことなんて好きじゃない。それどころか鬱陶しい迷惑女だと思われているんじゃないかって考えちゃって…」
ラヴァはすすり泣きながら言った。
「まあ、あんたはデーモン様から好かれているわけではないけど、嫌われてもないとは思うわよ」
「そうかな…」
「デーモン様が信じられないの?」
「そういうわけじゃないけど…」
ネインの僅かながらのフォローによってラヴァは少し心が晴れた。
「あなたとりあえず身支度しなさい。髪もボサボサだし、顔も…その、酷いわよ?整えたら広場に来てちょうだい」
ネインはそう言って次なる問題へと立ち向かうのであった。
「わかった」
ラヴァは涙を拭きながら言った。
ネインが次に向かったのはレーンの部屋だ。
「コラ!レーン!いい加減起きなさい!」
ネインはレーンの部屋のドア前でまた叫ぶ。
レーンはネインが修行に行った日から今までずっと寝ているのだ。
「………………………………………………」
応答はない。
多分まだ寝ているだろうとネインは思った。
「仕方ない……」
レーンが一度深く寝てしまうと簡単には起こせないことをネインは知っていた。
だが、同時に起こす方法も知っていた。
ネインはある魔物の肉を焼いたステーキのようなものを作ってきた。
ネインはそれを持ちドア前へ立つ。
肉の香ばしい匂いが部屋へと充満する。
「ドン!」
勢いよくドアが開いた。
「肉?肉!肉!食べたい!」
レーンが寝ぼけながら出てきた。
「これが食べたいの?」
「食べたい!」
「じゃあお座り」
「ワン!」
レーンは犬のようにお座りした。
「お手」
「ワン!」
レーンは素直に指示に従いお手をした。
「いい子ね、ちゃんと起きるって約束するなら食べていいわよ?」
「起きます!だから肉食べたい!」
「ほら、どうぞ」
ネインがレーンに肉を渡すと美味しそうにその肉を頬張って食べた。
「食べ終わったら広場に来なさいよ」
ネインはそう言って広場へと向かった。
広場には、アルネネ、エネメシア、キララ、コロン、フカシギ、クロ、シロ、コメコ、ヤマトがちゃんと集まっていた。
「アイツらちゃんと来るのかよ」
アルネネは言った。
「ちゃんと来るようにしたわよ」
ネインはそう答えた。
少し待つとラヴァが現れた。
「ごめんなさい…皆んな」
ラヴァが皆んなに謝った。
「気にするな、誰にでも悩む時だってある」
ヤマトはラヴァをフォローした。
「ふぁ~おはよ~」
レーンが大きな欠伸をしながら現れた。
「ったく、お前はいつまで寝てんだよ!」
アルネネがレーンに言う。
「僕はよく寝る子なのさ」
「ハッ、そんだけ寝てんのに、発育はよろしくないんだな…可哀想に」
アルネネが挑発するように言う。
「う…うるさい!僕は成長を貯めているんだ!お前こそ、無駄に胸がでかいからって調子にのるなよ!」
レーンはアルネネに言い返す。
「胸が無いのが羨ましいぜ、俺はこれのせいで肩が凝っちゃって大変なんだよ」
アルネネが自身の肩を揉みながら言った。
「フン。所詮は胸がデカいだけの馬鹿がほざいてるだけだね」
レーンは逆にアルネネを挑発し返した。
「んだとテメー!貧乳チビガキが調子こいてんじゃねーぞ!」
「はぁ?馬鹿ゴリラ女が何言ってんの?」
「そこまでしなさい」
ネインがアルネネとレーンのバチバチな言い合いに終止符を打った。
全く…喧嘩しかしないのかこの2人は…
そんなことをネインは思った。
「皆んな…ここに集まってもらった理由はもうわかるわね?」
ネインが空気を変えるように言った。
「ん?わからんな」
アルネネが頭を掻きながら言った。
「強大な魔力がこちらに近づいている…」
メネメシアが言った。
「そうよ…皆んな戦闘の準備をしないさい。何としても城を守るのよ」
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