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7「抵抗する気、失せちゃった?」
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「はぁ……はぁ……あ……」
いかされた。
人の手で。
それも、御門くんの手。
「……気持ちよかった?」
「……ん」
智哉に申し訳ない。
こんなことして、気持ちよくなるなんて。
もう後戻りできないくらい、御門くんのこと意識してしまう。
「続き、しようか」
「え……」
「え、じゃないよ。まだ全然、メスらしいことしてないよね。ちなみに、フェラでも飲めばクイーンになれるだろうし、どうしても下の口が嫌なら、こっちでオスを受け入れてもいいけど」
御門くんは、俺が出したもので濡れてる指先を、容赦なく俺の口に突っ込む。
「んっ……んうっ……ぅあっ」
気持ち悪くて、俺は思わず顔を背けた。
「自分のでそんなになるくらいなら、人のなんて、なおさらキツいかな」
「こんなの、無理に決まってる」
「僕は、平気だよ。自分のより人の方が、案外いいかもしれないね」
そう言うと、御門くんは俺の目の前で、白濁の液を舐め取った。
「や……やめろって」
「どっちも嫌なら、血液を奪う方法もあるけど……それも簡単なことじゃないからね」
「そもそも俺は完全体になりたいなんて、思ってないんだけど」
「それはダメ。1人はメスの仲間を作り出すことが、吸血生物の使命だと思ってくれないと。僕も、主人からそう教わった」
「主人って、ときどき帰ってくるって言ってた人?」
最初聞いたときは、誰のことなんだろうって思ったけど。
「そう、僕を吸血生物のメスにした人。ちなみに、結城くんにとっての主人は僕だよ。主人の言うことは、絶対だから」
「勝手に決めないでよ……」
体を起こしながら、思わず睨みつける。
御門くんはそんな俺を見て笑うと、サイドテーブルの引き出しを引いた。
そこから、小さな瓶を取り出す。
「僕は主人にしっかり指導されたけど、きみにまでそうしようとは思わない。ただそういう関係だってことさえ理解してくれたら、それ以上は気にしなくていいから」
御門くんは瓶の中の液体を右手に取ると、左手だけでまた俺の体を押し倒した。
「あ……」
ぬるついた御門くんの右手が、足の間に這わされる。
「ここ……ちゃんと締まってる。この中にオスの精液が入れば、クイーンになれるよ」
さっきの液体は、潤滑剤だろうか。
御門くんの指先が奥の窄まりを撫で回す。
「や……」
「ちなみに相手は男の方が都合がいい。男がオスなら、そのオスの精液を体内にしばらく留めておくだけで感染出来るからね。女の愛液を大量に注がれたり飲むのは難しいでしょ」
「……あんまり下品な話しないで」
「下品な話じゃないんだけどなぁ。こんなことで恥ずかしがっちゃうなんて……」
「恥ずかしいんじゃなくて、引いてんだよ」
引いてるはずなのに、顔が熱くてたまらない。
「メスは初めてだから、僕も説明は慣れてないんだ。ごめんね? でもこっちは慣れてるから」
御門くんがいったいなにに慣れているのか。
その答えはすぐにわかった。
指先が、ゆっくりと入り込んでくる。
「んっ! んぅ……んー……!」
「大丈夫……落ち着いて?」
御門くんは指を押し込みながら、もう片方の手で、俺の頭を優しく撫でる。
髪を梳かれる感触は、間違いなく心地いい。
頭がぼんやりして、体から力が抜けていく。
「ん……御門く……」
「なに……?」
「力、はいんない……」
「いいよ」
「御門くんが……主人だから?」
「ああ……そういう効果はないけど。抵抗する気、失せちゃった?」
主人にされて動けないだとか、そういうことではないらしい。
「ん……やめ……」
「あ……もしかして、童貞も処女も、好きな人にとっておきたい? これはただクイーンになるための練習で、深い意味なんてないと思えばいい。最後まではしないから」
最後までじゃないなら、いいってわけでもない。
「はぁ……ん……智哉が……」
「智哉? ああ……結城くん、智哉のこと好きなんだ?」
御門くんの指がぴたりと止まる。
「そうじゃなくて……」
智哉が、御門くんを好きだから。
「……智哉とセックスしたんでしょ」
「したね」
「その後は? なにもしてない?」
「してないよ」
だから、嫌なんだ。
セックスしといて、好きにさせて、期待させておいて、それで放置するなんて。
……放置されている智哉を差し置いて、俺がキスしたり、こんなことするなんて。
「智哉は……」
俺が言うことじゃないかもしれないけど、伝えないと、俺の気持ちも伝わらない。
「智哉は……御門くんが好きなんだ。御門くんとセックスしてから、あきらかに意識してる」
そう告げると、御門くんはひとつため息を漏らした。
「僕が友達の好きな相手だから、遠慮してるってわけね」
「ん……」
なんとか伝わった。
そう思ったのに、御門くんはさらに奥へと指を押し込んできた。
「ああっ……ん、んーっ!」
「結城くんが智哉のこと好きって話なら、彼もオスだし、そっちとやったらいいけど。そうじゃないなら、やっぱり僕が慣らしてあげる」
「そんな……あっ……んん」
「安心して。智哉は僕のこと好きじゃないから」
「え……」
なんでそんなこと言い切れるんだろう。
「言ったでしょ。オスはメスの発情に惹かれるって。感染してオスになった智哉は、メスでクイーンの僕に、ただ欲情させられているだけ。欲情してるから、好きだと思いかけてる。それだけだよ」
「でも……」
「ああ、きみもこれから勘違いしないようにね。オスにモテるだろうけど、一時的なものだから」
御門くんの言うように、智哉はただオスとして、メスの御門くんに惹かれているだけかもしれないけど。
本当に御門くんのことを好きな可能性もある。
どっちかわからない状態じゃ、俺の心も整理がつけられない。
「うーん……もうひとつ教えてあげる。智哉には感染前後の記憶がない。つまり僕とやったことなんて、覚えていないよ」
「え……そうなの……?」
「仲のいいきみにだって、やったことは話してないんでしょ」
「うん……」
話してくれてもいいのにって、思ったこともある。
でも、智哉は隠していたわけじゃなく、本当に、していないと思ってるってこと?
「記憶に残ってないのに、やってから意識し出したってことは、完全にオスとしての本能が働いてるだけ。わかったでしょ。遠慮しなくていいから、指、動かすよ」
説明を終えると、御門くんは奥まで入っていた指を、今度はゆっくり引き抜いていく。
「ああっ……ん、んっ!」
「ここらへんかな」
抜け切る前に、また少しだけ入り込んだかと思うと、内側から押さえつけられる。
「ああうっ! あっ、んんっ、んっ!」
「ははっ。わかりやすいなぁ。ホント、かわいいね」
きっと御門くんは誰にだって同じことを言う。
誰だって甘やかす。
オスとかメスとか関係なく、御門くんに惹かれる人はたくさんいるだろう。
現に、俺はメスなのに、メスの御門くんに惹かれてる。
智哉が好きな人だから、好きにならないようにしてたのに。
諦める理由を、なくさないで欲しい。
俺は智哉みたいに社交的じゃないし、こんな派手でモテる男と友達になんてなれっこないし、友達以上の関係なんて、なおさら、なるつもりもなかったのに。
「ううっ……」
「ああ……なんで泣いちゃうの? まだ気持ちよくないかな。痛い?」
「んんっ……んっ……」
「教えて? 気持ちいいよね……?」
「う、んんっ……あっ……あん、ん……きもち、い……」
素直に言う必要なんてないのに、嘘をつく気にもなれなくて、つい答えてしまう。
「あっ……あっ……んんぅっ……ん、きもちい……」
これ以上、気持ちよくされたら、好きになる。
いや、もうとっくに好きなんだけど。
だから、こんなに苦しいんだろう。
「うん、よかった。それじゃあ、もっと感じてもらわないとね。もう1本入れようか」
入り込んでいる指に沿うようにして、もう1本、御門くんの指が足されていく。
「ああっ……あっ、あっ、きつ……い」
「広げて……ちゃんと感じられるようにしてあげるから、近いうちに、オスとセックスしようね」
御門くんはオスじゃない。
俺が誰か別の人とするための準備を、御門くんに……好きな人にされるなんて。
「んん…う……く……」
御門くんは俺のこと、仲間を生み出すメスとしか思っていないんだろう。
「ん……あっ、あっ……やだ……やぁっ」
「大丈夫。結城くんが好きな相手を、僕がオスにしてあげるから……安心して?」
そんな心配をしているわけじゃない。
平然と、こんなことができてしまう御門くんは、俺のことなんか好きじゃないんだって、痛感させられる。
初めから、わかっていたことなのに。
だから好きになりたくなかったのに。
「いい感じにほぐれてるよ……考えごとしてないで、僕にゆだねて」
なにも考えず御門くんにゆだねられたら、どれだけラクだろう。
ゆだねてしまいたい。
ゆだねてしまおうか。
そう思った瞬間、これまで堪えていたなにかが壊れてしまったみたいに、体が快感を受け入れた。
「はぁっ、んっ……あぁ……御門くん……あっ、あっ、んんっ!」
「うん……声も、だいぶエッチになってきたね。ここ、好き?」
御門くんは俺を気遣いながら、優しく、強く、何度も何度も感じるところをノックしてくれる。
そのたびに、体が小さく震えて、痺れて、どんどん自分が制御できなくなっていく。
「ぁあ……あっ……すき……あっ、ああっ、ん、んんぅっ……御門く……あっ、あんんっ」
気づくと、俺は御門くんの背に手を回していた。
「ん……どうしたの? しがみつきたくなっちゃった?」
苦しくて、切なくて、しがみついていないと、どうにかなってしまいそう。
「ん……ああっ、あっ……んん、やぁ……あっ、なんか、くるっ……ああっ、だめぇっ」
「いいよ。大丈夫……そのまま、きちゃっていいからね」
わけもわからないまま頷いて、御門くんに強くしがみついた瞬間、これまで味わったことのない快感が押し寄せてきた。
「ひぁっ、あっ、あっ……あぁあああっ!」
信じられないほど、大きく体がびくつく。
……イッたんだと思う。
でも、いつもとは全然違う。
お尻の中が、ドクドク脈打っていた。
「はぁ……はぁ……あ……はぁ……っ」
「上手にメスイキ出来たね、結城くん」
「んん……ん……」
ゆっくり、御門くんの指が引き抜かれていく。
しがみついたままでいる俺を、御門くんは抱きかかえてくれた。
「うう……」
「泣かないで」
やっぱり御門くんは、好きになっちゃいけない相手なんだろうか。
「変なオスには、絶対やらせないから」
「……ん」
いかされた。
人の手で。
それも、御門くんの手。
「……気持ちよかった?」
「……ん」
智哉に申し訳ない。
こんなことして、気持ちよくなるなんて。
もう後戻りできないくらい、御門くんのこと意識してしまう。
「続き、しようか」
「え……」
「え、じゃないよ。まだ全然、メスらしいことしてないよね。ちなみに、フェラでも飲めばクイーンになれるだろうし、どうしても下の口が嫌なら、こっちでオスを受け入れてもいいけど」
御門くんは、俺が出したもので濡れてる指先を、容赦なく俺の口に突っ込む。
「んっ……んうっ……ぅあっ」
気持ち悪くて、俺は思わず顔を背けた。
「自分のでそんなになるくらいなら、人のなんて、なおさらキツいかな」
「こんなの、無理に決まってる」
「僕は、平気だよ。自分のより人の方が、案外いいかもしれないね」
そう言うと、御門くんは俺の目の前で、白濁の液を舐め取った。
「や……やめろって」
「どっちも嫌なら、血液を奪う方法もあるけど……それも簡単なことじゃないからね」
「そもそも俺は完全体になりたいなんて、思ってないんだけど」
「それはダメ。1人はメスの仲間を作り出すことが、吸血生物の使命だと思ってくれないと。僕も、主人からそう教わった」
「主人って、ときどき帰ってくるって言ってた人?」
最初聞いたときは、誰のことなんだろうって思ったけど。
「そう、僕を吸血生物のメスにした人。ちなみに、結城くんにとっての主人は僕だよ。主人の言うことは、絶対だから」
「勝手に決めないでよ……」
体を起こしながら、思わず睨みつける。
御門くんはそんな俺を見て笑うと、サイドテーブルの引き出しを引いた。
そこから、小さな瓶を取り出す。
「僕は主人にしっかり指導されたけど、きみにまでそうしようとは思わない。ただそういう関係だってことさえ理解してくれたら、それ以上は気にしなくていいから」
御門くんは瓶の中の液体を右手に取ると、左手だけでまた俺の体を押し倒した。
「あ……」
ぬるついた御門くんの右手が、足の間に這わされる。
「ここ……ちゃんと締まってる。この中にオスの精液が入れば、クイーンになれるよ」
さっきの液体は、潤滑剤だろうか。
御門くんの指先が奥の窄まりを撫で回す。
「や……」
「ちなみに相手は男の方が都合がいい。男がオスなら、そのオスの精液を体内にしばらく留めておくだけで感染出来るからね。女の愛液を大量に注がれたり飲むのは難しいでしょ」
「……あんまり下品な話しないで」
「下品な話じゃないんだけどなぁ。こんなことで恥ずかしがっちゃうなんて……」
「恥ずかしいんじゃなくて、引いてんだよ」
引いてるはずなのに、顔が熱くてたまらない。
「メスは初めてだから、僕も説明は慣れてないんだ。ごめんね? でもこっちは慣れてるから」
御門くんがいったいなにに慣れているのか。
その答えはすぐにわかった。
指先が、ゆっくりと入り込んでくる。
「んっ! んぅ……んー……!」
「大丈夫……落ち着いて?」
御門くんは指を押し込みながら、もう片方の手で、俺の頭を優しく撫でる。
髪を梳かれる感触は、間違いなく心地いい。
頭がぼんやりして、体から力が抜けていく。
「ん……御門く……」
「なに……?」
「力、はいんない……」
「いいよ」
「御門くんが……主人だから?」
「ああ……そういう効果はないけど。抵抗する気、失せちゃった?」
主人にされて動けないだとか、そういうことではないらしい。
「ん……やめ……」
「あ……もしかして、童貞も処女も、好きな人にとっておきたい? これはただクイーンになるための練習で、深い意味なんてないと思えばいい。最後まではしないから」
最後までじゃないなら、いいってわけでもない。
「はぁ……ん……智哉が……」
「智哉? ああ……結城くん、智哉のこと好きなんだ?」
御門くんの指がぴたりと止まる。
「そうじゃなくて……」
智哉が、御門くんを好きだから。
「……智哉とセックスしたんでしょ」
「したね」
「その後は? なにもしてない?」
「してないよ」
だから、嫌なんだ。
セックスしといて、好きにさせて、期待させておいて、それで放置するなんて。
……放置されている智哉を差し置いて、俺がキスしたり、こんなことするなんて。
「智哉は……」
俺が言うことじゃないかもしれないけど、伝えないと、俺の気持ちも伝わらない。
「智哉は……御門くんが好きなんだ。御門くんとセックスしてから、あきらかに意識してる」
そう告げると、御門くんはひとつため息を漏らした。
「僕が友達の好きな相手だから、遠慮してるってわけね」
「ん……」
なんとか伝わった。
そう思ったのに、御門くんはさらに奥へと指を押し込んできた。
「ああっ……ん、んーっ!」
「結城くんが智哉のこと好きって話なら、彼もオスだし、そっちとやったらいいけど。そうじゃないなら、やっぱり僕が慣らしてあげる」
「そんな……あっ……んん」
「安心して。智哉は僕のこと好きじゃないから」
「え……」
なんでそんなこと言い切れるんだろう。
「言ったでしょ。オスはメスの発情に惹かれるって。感染してオスになった智哉は、メスでクイーンの僕に、ただ欲情させられているだけ。欲情してるから、好きだと思いかけてる。それだけだよ」
「でも……」
「ああ、きみもこれから勘違いしないようにね。オスにモテるだろうけど、一時的なものだから」
御門くんの言うように、智哉はただオスとして、メスの御門くんに惹かれているだけかもしれないけど。
本当に御門くんのことを好きな可能性もある。
どっちかわからない状態じゃ、俺の心も整理がつけられない。
「うーん……もうひとつ教えてあげる。智哉には感染前後の記憶がない。つまり僕とやったことなんて、覚えていないよ」
「え……そうなの……?」
「仲のいいきみにだって、やったことは話してないんでしょ」
「うん……」
話してくれてもいいのにって、思ったこともある。
でも、智哉は隠していたわけじゃなく、本当に、していないと思ってるってこと?
「記憶に残ってないのに、やってから意識し出したってことは、完全にオスとしての本能が働いてるだけ。わかったでしょ。遠慮しなくていいから、指、動かすよ」
説明を終えると、御門くんは奥まで入っていた指を、今度はゆっくり引き抜いていく。
「ああっ……ん、んっ!」
「ここらへんかな」
抜け切る前に、また少しだけ入り込んだかと思うと、内側から押さえつけられる。
「ああうっ! あっ、んんっ、んっ!」
「ははっ。わかりやすいなぁ。ホント、かわいいね」
きっと御門くんは誰にだって同じことを言う。
誰だって甘やかす。
オスとかメスとか関係なく、御門くんに惹かれる人はたくさんいるだろう。
現に、俺はメスなのに、メスの御門くんに惹かれてる。
智哉が好きな人だから、好きにならないようにしてたのに。
諦める理由を、なくさないで欲しい。
俺は智哉みたいに社交的じゃないし、こんな派手でモテる男と友達になんてなれっこないし、友達以上の関係なんて、なおさら、なるつもりもなかったのに。
「ううっ……」
「ああ……なんで泣いちゃうの? まだ気持ちよくないかな。痛い?」
「んんっ……んっ……」
「教えて? 気持ちいいよね……?」
「う、んんっ……あっ……あん、ん……きもち、い……」
素直に言う必要なんてないのに、嘘をつく気にもなれなくて、つい答えてしまう。
「あっ……あっ……んんぅっ……ん、きもちい……」
これ以上、気持ちよくされたら、好きになる。
いや、もうとっくに好きなんだけど。
だから、こんなに苦しいんだろう。
「うん、よかった。それじゃあ、もっと感じてもらわないとね。もう1本入れようか」
入り込んでいる指に沿うようにして、もう1本、御門くんの指が足されていく。
「ああっ……あっ、あっ、きつ……い」
「広げて……ちゃんと感じられるようにしてあげるから、近いうちに、オスとセックスしようね」
御門くんはオスじゃない。
俺が誰か別の人とするための準備を、御門くんに……好きな人にされるなんて。
「んん…う……く……」
御門くんは俺のこと、仲間を生み出すメスとしか思っていないんだろう。
「ん……あっ、あっ……やだ……やぁっ」
「大丈夫。結城くんが好きな相手を、僕がオスにしてあげるから……安心して?」
そんな心配をしているわけじゃない。
平然と、こんなことができてしまう御門くんは、俺のことなんか好きじゃないんだって、痛感させられる。
初めから、わかっていたことなのに。
だから好きになりたくなかったのに。
「いい感じにほぐれてるよ……考えごとしてないで、僕にゆだねて」
なにも考えず御門くんにゆだねられたら、どれだけラクだろう。
ゆだねてしまいたい。
ゆだねてしまおうか。
そう思った瞬間、これまで堪えていたなにかが壊れてしまったみたいに、体が快感を受け入れた。
「はぁっ、んっ……あぁ……御門くん……あっ、あっ、んんっ!」
「うん……声も、だいぶエッチになってきたね。ここ、好き?」
御門くんは俺を気遣いながら、優しく、強く、何度も何度も感じるところをノックしてくれる。
そのたびに、体が小さく震えて、痺れて、どんどん自分が制御できなくなっていく。
「ぁあ……あっ……すき……あっ、ああっ、ん、んんぅっ……御門く……あっ、あんんっ」
気づくと、俺は御門くんの背に手を回していた。
「ん……どうしたの? しがみつきたくなっちゃった?」
苦しくて、切なくて、しがみついていないと、どうにかなってしまいそう。
「ん……ああっ、あっ……んん、やぁ……あっ、なんか、くるっ……ああっ、だめぇっ」
「いいよ。大丈夫……そのまま、きちゃっていいからね」
わけもわからないまま頷いて、御門くんに強くしがみついた瞬間、これまで味わったことのない快感が押し寄せてきた。
「ひぁっ、あっ、あっ……あぁあああっ!」
信じられないほど、大きく体がびくつく。
……イッたんだと思う。
でも、いつもとは全然違う。
お尻の中が、ドクドク脈打っていた。
「はぁ……はぁ……あ……はぁ……っ」
「上手にメスイキ出来たね、結城くん」
「んん……ん……」
ゆっくり、御門くんの指が引き抜かれていく。
しがみついたままでいる俺を、御門くんは抱きかかえてくれた。
「うう……」
「泣かないで」
やっぱり御門くんは、好きになっちゃいけない相手なんだろうか。
「変なオスには、絶対やらせないから」
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