学ランに包まれて

奈落

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学ランに包まれて

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「ポンポン振り回してるのに飽きちゃったの♪」
と、チアリーディングの女子に校舎裏に呼び出された俺は、気が付くと身体を入れ替えられていた。
「こんな事して明日の応援、どうするんだよ!!」
と声を荒げても、女の子の声では迫力に欠る。
「そうね。あたし⋯オレは問題ないけど、貴女は踊ったりできないわよね。太鼓でも叩いていれば良いんじゃない?」

勿論、応援団の一員である俺としては、ひらひらしたチアのコスチュームなど着れる筈もない。
団にある予備の学ランに身を包み球場に向かった。
「話しは聞いてるわ。」
チアリーダー達に囲まれると、髪の毛を結かれ、顔には化粧を施された。
「太鼓叩くだけだから学ランのままでも問題ないわね。」
そんなこんなしているうちに試合が始まっていた。
姿は変わっても、我が校を応援する意思には変わりはない。
俺は一生懸命太鼓を叩き続け、声援を送った。



キンッ!!
打球が高々と打ち上げられ⋯
スポリとピッチャーのグローブに納まる。

 ゲームセット

我が校の勝利だ!!
アタシはチアの仲間と抱き合って歓喜していた⋯
「次の試合も頼むよ♪」
不意に応援団の男子に声を掛けられた。
(彼⋯誰だったっけ?)


それが元の自分自身であった事は彼の卒業の時にその事を言い出されるまで思い出せなかった⋯



===========
甲子園のTV中継で、学ランを着て太鼓を叩いている女の子がいたのを見て⋯
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