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◎二年目、十一月の章

■学園祭について

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 学園祭とは?

 おそらくそれに答えられる人間は現在ほぼ存在しないと思っていい。

 里奈たちが最近知ったのがこの寮には名前があるということだ。

 千石荘せんごくそうと呼ぶらしい。というのも寮を利用するというクランも増えてきつつあり、もう東方旅団だけの知識ではなくなりつつあったからだ。

 ひょっとしたらクラン同士で寮の取り合いなんてのも起こるのかもしれない。

 さて、話を学園祭に戻そう。

「出店を出したり、体育館のステージで歌ったり踊ったり、あとは教室で出し物をやったりが主だったみたいだね」

 久遠は学園祭についてざっくりとした説明をする。

「中島先輩の要望に応えるのには出店が適当かと考えています」

 久遠は通っている学校のグラウンドを映して、ついでに当時の出店の雰囲気が出ている画像も映す。

「まずグラウンド内に出店の区画を分けます。与えられた区画内で各々が企画した内容の出店を出店してもらうということでどうでしょうか」

「質問いいかな?」

 有貴士団ゆうきしだんリーダーの羅貴水呉らきすいごが挙手をする。

「どうぞ」

「出店というが、何を売るのかな?」

「後ほどリストは渡しますが、食べ物が多いみたいですね。出店する場合は食品衛生法に遵守する必要があるので注意が必要です。あとはボールすくいとかくじ引きとかもあったようです」

「これだといろいろ資材が必要になりそうだけど、大丈夫なの?」

 中島が発言する。

「その点については二週間ほどあれば目処は立つと出ています。あと提供する食べ物はできあいのものを解凍するだけで大丈夫です」

 一同は顔を見合わせる。

「とりあえず決めることは往々にしてあるわけですが、やってみませんか。お祭りを」

「ここまで風呂敷広げたんだから窓口は東方旅団がやってくれるんだろうね?」

 緑葉士団りょくようしだんのリーダー川岸明里かわぎしあかりである。

「もちろん。時期的には十一月の終わりくらいを目指しましょう」

 話はこうしてまわりだすのだった。
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