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◎二年目、一〇月の章
■要石を台座に設置せよ
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「どうする?」
圭都が二人に投げかける。
「いずれにしろ倒すなら里奈と合流しないとね」
久遠は封印石をいったんしまって、要石のほうを取りだした。
「二人ともサポートを頼めるかな?」
久遠は二人に投げかける。
「具体的にはどうするつもり?」
頼果はお社を方へ視線を向ける。
「封印石は要石の上位にあたるもののようなんだ」
置くのは要石でも問題ないということになる。
「要石をお社にセットすれば瘴気は消せる。そうすればログアウトができるようになって議場から出てこられる。それから里奈たちにはここまで来てもらう」
「ここを決戦の場にするのね」
久遠は首を縦に振る。
「圭都、里奈に先ほどの内容をメッセージで送ってほしい」
「わかった」
「要石では十分でない可能性もある。いずれにしろ警戒する必要がある」
怨霊は片目を見開いて宣言する。
「死の宣告」
怨霊が唯一の攻撃スキルが発動する。受けた者は二四時間以内に死ぬ。
解く方法は一つ。
それは怨霊を倒すことだ。
「作戦は?」
「僕はまっすぐお社に向かうだけさ」
久遠は疾走をはじめる。そういえばあらゆるパラメーターが恐ろしく高いのだということを改めて思い出させる。
――ああ、そうか。
頼果は納得する。怨霊の金縛りは頼果の持つ瘴気浄化によって効かない。
しかも金縛りにしないとどうもこちらに触れられないようなのだ。
久遠はそのことに気がついたのだ。
「里奈にはメッセージで送ったよ。『わかった』って返ってきた」
「そう」
これで里奈も無事であることがわかった。あとはスピード勝負だ。
そして、それは間もなくカタがつく。
久遠がお社の台座に要石をセットすることによってである。
それと同時に怨霊は目にわかりやすく苦しみもがきはじめた。
それとともに強制ログインゾーンは解除される。だが、これがいつまで続けられるのかはわからなかった。
圭都が二人に投げかける。
「いずれにしろ倒すなら里奈と合流しないとね」
久遠は封印石をいったんしまって、要石のほうを取りだした。
「二人ともサポートを頼めるかな?」
久遠は二人に投げかける。
「具体的にはどうするつもり?」
頼果はお社を方へ視線を向ける。
「封印石は要石の上位にあたるもののようなんだ」
置くのは要石でも問題ないということになる。
「要石をお社にセットすれば瘴気は消せる。そうすればログアウトができるようになって議場から出てこられる。それから里奈たちにはここまで来てもらう」
「ここを決戦の場にするのね」
久遠は首を縦に振る。
「圭都、里奈に先ほどの内容をメッセージで送ってほしい」
「わかった」
「要石では十分でない可能性もある。いずれにしろ警戒する必要がある」
怨霊は片目を見開いて宣言する。
「死の宣告」
怨霊が唯一の攻撃スキルが発動する。受けた者は二四時間以内に死ぬ。
解く方法は一つ。
それは怨霊を倒すことだ。
「作戦は?」
「僕はまっすぐお社に向かうだけさ」
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――ああ、そうか。
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しかも金縛りにしないとどうもこちらに触れられないようなのだ。
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「そう」
これで里奈も無事であることがわかった。あとはスピード勝負だ。
そして、それは間もなくカタがつく。
久遠がお社の台座に要石をセットすることによってである。
それと同時に怨霊は目にわかりやすく苦しみもがきはじめた。
それとともに強制ログインゾーンは解除される。だが、これがいつまで続けられるのかはわからなかった。
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