148 / 266
◎二年目、七月の章
■三人は学校へ
しおりを挟む
久遠の予想通り学校は無人だった。
三人は体育館で魔物退治をしていた。室内で先ほどのショッピングモールほどではないが、空調もそれなりに効いている。
環境としては悪くなかった。いるのは比較的戦いやすい子鬼である。
久遠は二人とはパーティーを組まずに棍装備で戦っている。
久遠とパーティーを組むと久遠がレベル差で経験値をほとんど吸ってしまうためだ。
棍が黄色く光る。武器種スキルが発動するときの発光である。
棍の武器種スキルとは手加減と呼ばれるもの。相手にトドメを刺さずにHPを一だけ残すというものだ。
それを圭都が鎚で攻撃すると魔物は霧散する。
トドメを刺したプレイヤーには経験値ボーナスが入るようになっていた。
パーティープレイでは誰にトドメを刺させるかも重要なのだ。
「今日はこの辺にしておこうか」
久遠の提案に誰も反対しなかった。三人はいっせいにログアウトする。
由芽は体を動かしたおかげで全身汗だくであった。それは他の二人も同じである。
「手加減スキルは使用上限があるんだ。回復手段は時間経過」
つまり、それまでは休憩ということだ。
「これからどうしよっか?」
もう昼時と言っていい時間帯である。
「シャワー浴びたい」
それについて由芽は同意であった。
「シャワー室ならあったはずだよ」
三人は早速向かう。
その途中に由芽は屋内プールの存在に気がつく。
「ここって入れるの?」
「大丈夫のはずだよ。入るなら指定の水着を着用する必要があるはずけど」
「泳ぐの?」
圭都が由芽に訊ねる。
「とりあえずシャワー浴びて、お昼してから考えない?」
急ぐことはない。
「学校って穴場なんだね」
義務教育を受けていたら馬鹿にされるということは学校に近づくことそのものがいけないことになっているのだろう。
結果的に狩場としては穴場になっている。それはありがたい話であると由芽は思う。
しかし、まずはシャワーである。由芽たちはシャワー室へ急いだ。
三人は体育館で魔物退治をしていた。室内で先ほどのショッピングモールほどではないが、空調もそれなりに効いている。
環境としては悪くなかった。いるのは比較的戦いやすい子鬼である。
久遠は二人とはパーティーを組まずに棍装備で戦っている。
久遠とパーティーを組むと久遠がレベル差で経験値をほとんど吸ってしまうためだ。
棍が黄色く光る。武器種スキルが発動するときの発光である。
棍の武器種スキルとは手加減と呼ばれるもの。相手にトドメを刺さずにHPを一だけ残すというものだ。
それを圭都が鎚で攻撃すると魔物は霧散する。
トドメを刺したプレイヤーには経験値ボーナスが入るようになっていた。
パーティープレイでは誰にトドメを刺させるかも重要なのだ。
「今日はこの辺にしておこうか」
久遠の提案に誰も反対しなかった。三人はいっせいにログアウトする。
由芽は体を動かしたおかげで全身汗だくであった。それは他の二人も同じである。
「手加減スキルは使用上限があるんだ。回復手段は時間経過」
つまり、それまでは休憩ということだ。
「これからどうしよっか?」
もう昼時と言っていい時間帯である。
「シャワー浴びたい」
それについて由芽は同意であった。
「シャワー室ならあったはずだよ」
三人は早速向かう。
その途中に由芽は屋内プールの存在に気がつく。
「ここって入れるの?」
「大丈夫のはずだよ。入るなら指定の水着を着用する必要があるはずけど」
「泳ぐの?」
圭都が由芽に訊ねる。
「とりあえずシャワー浴びて、お昼してから考えない?」
急ぐことはない。
「学校って穴場なんだね」
義務教育を受けていたら馬鹿にされるということは学校に近づくことそのものがいけないことになっているのだろう。
結果的に狩場としては穴場になっている。それはありがたい話であると由芽は思う。
しかし、まずはシャワーである。由芽たちはシャワー室へ急いだ。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
夫の書斎から渡されなかった恋文を見つけた話
束原ミヤコ
恋愛
フリージアはある日、夫であるエルバ公爵クライヴの書斎の机から、渡されなかった恋文を見つけた。
クライヴには想い人がいるという噂があった。
それは、隣国に嫁いだ姫サフィアである。
晩餐会で親し気に話す二人の様子を見たフリージアは、妻でいることが耐えられなくなり離縁してもらうことを決めるが――。
超越者となったおっさんはマイペースに異世界を散策する
神尾優
ファンタジー
山田博(やまだひろし)42歳、独身は年齢制限十代の筈の勇者召喚に何故か選出され、そこで神様曰く大当たりのチートスキル【超越者】を引き当てる。他の勇者を大きく上回る力を手に入れた山田博は勇者の使命そっちのけで異世界の散策を始める。
他の作品の合間にノープランで書いている作品なのでストックが無くなった後は不規則投稿となります。1話の文字数はプロローグを除いて1000文字程です。
女神の代わりに異世界漫遊 ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~
大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。
麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。
使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。
厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒!
忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪
13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
※小説家になろう様にも投稿しています
親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが当たり前になった世界。風間は平凡な会社員として日々を暮らしていたが、ある日見に覚えのないミスを犯し会社をクビになってしまう。その上親友だった男も彼女を奪われ婚約破棄までされてしまった。世の中が嫌になった風間は自暴自棄になり山に向かうがそこで誰からも見捨てられた放置ダンジョンを見つけてしまう。どことなく親近感を覚えた風間はダンジョンで暮らしてみることにするが、そこにはとても可愛らしいモンスターが隠れ住んでいた。ひょんなことでモンスターに懐かれた風間は様々なモンスターと暮らしダンジョン内でのスローライフを満喫していくことになるのだった。
アルビオン王国宙軍士官物語(クリフエッジシリーズ合本版)
愛山雄町
SF
ハヤカワ文庫さんのSF好きにお勧め!
■■■
人類が宇宙に進出して約五千年後、地球より数千光年離れた銀河系ペルセウス腕を舞台に、後に“クリフエッジ(崖っぷち)”と呼ばれることになるアルビオン王国軍士官クリフォード・カスバート・コリングウッドの物語。
■■■
宇宙暦4500年代、銀河系ペルセウス腕には四つの政治勢力、「アルビオン王国」、「ゾンファ共和国」、「スヴァローグ帝国」、「自由星系国家連合」が割拠していた。
アルビオン王国は領土的野心の強いゾンファ共和国とスヴァローグ帝国と戦い続けている。
4512年、アルビオン王国に一人の英雄が登場した。
その名はクリフォード・カスバート・コリングウッド。
彼は柔軟な思考と確固たる信念の持ち主で、敵国の野望を打ち砕いていく。
■■■
小説家になろうで「クリフエッジシリーズ」として投稿している作品を合本版として、こちらでも投稿することにしました。
■■■
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも投稿しております。
悪役令嬢? 何それ美味しいの? 溺愛公爵令嬢は我が道を行く
ひよこ1号
ファンタジー
過労で倒れて公爵令嬢に転生したものの…
乙女ゲーの悪役令嬢が活躍する原作小説に転生していた。
乙女ゲーの知識?小説の中にある位しか無い!
原作小説?1巻しか読んでない!
暮らしてみたら全然違うし、前世の知識はあてにならない。
だったら我が道を行くしかないじゃない?
両親と5人のイケメン兄達に溺愛される幼女のほのぼの~殺伐ストーリーです。
本人無自覚人誑しですが、至って平凡に真面目に生きていく…予定。
※アルファポリス様で書籍化進行中(第16回ファンタジー小説大賞で、癒し系ほっこり賞受賞しました)
※残虐シーンは控えめの描写です
※カクヨム、小説家になろうでも公開中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる