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0.2話 衝撃!
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「痛てててててて…クソ、まだ痛てーよ…」
涼介が自宅でゴロゴロと横たわっている。
「アメリカンドッグでも買いに行くか…」
とタンスの方へ寝返りをうつと、隙間に何かが挟まっている。
「なんだ、ありゃ?」
とりあえず、セイコーマートへと歩いていく。
アメリカンドッグを2本買い、ケチャップを多めにもらって、家に帰る途中。
「涼介!またやられたんか?」
近所のおっちゃんである。
「はい。もう、全身が痛くって…」
「じゃあ、身体が治ったらうちのエアコンの掃除、頼めないかな~?」
「いいっすよ!今度、お邪魔させてもらいます」
ペコリと頭を下げた。
家で大好きなアメリカンドッグを平らげ、
ふと、タンスに挟まっていた物の事を思い出す。
「お金だったりしたら、小遣い増えるぞ!」
アメリカンドッグの棒を差し込んで取ろうとするが、
届きそうで、届かない…
ムキになった涼介は、台所に行ってさいばしを持ってくる。
「後、もう少し…やけに重いな」
引っ張り出すとそれは「レコード」だった。
それも「LPレコード」。
「レコードって初めて見たな~意外と大きいな」
レーベルを見てみると
「れ、れっど、うーん、なんて読むんだ?」
「ツエッペリン、レッド・ツエッペリンだよ!」
長距離運転手が仕事の親父が久しぶりに帰って来た。
「お帰り、親父!」
「おお!ただいま!それにしても、なくしたと思っていたが、あったか!よかった!懐かしいな!」
「親父、レッド・ツエッペリンって、何?」
「ああ、お前らの世代だと知らないか?」
「うん。」
「昔、ハードロックってジャンルの音楽が一世風靡していた時代があってな、レッド・ツエッペリンはその筆頭格の伝説のバンドだったんだ。」
親父は帰ってきて疲れているはずなのに、レコードを見たおかげで、元気になっている。
「俺はな、そんなツエッペリンに憧れて、バンド活動してた時代があったんだ。」
「それって、いつ頃の話なの?」
「母さんとの出会いもこの頃だったな~」
「あの頃は、髪も長くして真似したもんだ。」
「今はないのに?」
「若い時は、あったの!」
「このレコード、聞けないの?」
「プレーヤーがないからな~」
「親父、このレコード借りていい?明日、古道具屋の明石のおっちゃんに聞けるかどうか聞いてみるよ!」
「おお、わかった。けど、注意しろよ。レコードってのは、割れやすいんだ。」
涼介は慌てて、そっと持ち直した。
次の日。
「よう!今日、学校終わったら明石のおっちゃん所に行こーぜ!」
雅也が「何か面白いものでもあんのか?」
「ジャーン!」
LPレコードを取出すと、自慢げに見せつけた。
透が「おっ、レコードじゃん、持ってたの?」
「親父のなんだ。」
「何か、すっげー音楽らしいから、聞きに行こーぜ!」
「早く学校、終わんねーかなぁ」
やっと今日の授業も終わり急いで校門を出ようとすると、
「お前ら、もう帰んのか?」
新井先生の声が響いた。
反射的に直立不動になる4人組。
新井が面白半分に竹刀を振りかざした瞬間に
「せ、先生、レコード、レコード!」
「レコード?嘘つけ!」
「本当です!ホラ!」
「何でそんなもん、もってんだ?まさか、お前ら…」
「ち、違います!親父のなんです!これから明石のおっちゃんの所に行って聞けるかどうか確かめに行くんです!」
「そうか、そうか、すまんかったな!気をつけろよ!」
新井先生に見送られながら、すすきのめがけて歩いていると、
「だめだったら、俺に声をかけろよ!俺はプレーヤー持ってんだ!」と声が聞こえた。
すすきのの古道具屋に着き
「こんちわ!明石のおっちゃんいる?」
「おっ、どうした?金ならねーぞ!」
手のひらをぶんぶん振りながら
「ちがう、ちがう!」
「これ見てよ!」
レコードを取出すと、明石のおっちゃんが喜びながら、
「れ、レッド・ツエッペリン!懐かしいな!」
「これ、聞ける?」
「おう、任せとけ!」
「ツエッペリンとなりゃ、最高のコンポで最大ボリュームで聞かせてやらねーとな!」
レコードに針を落とした…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「レッド・ツエッペリン!僕、YouTubeで見た事あります!」
「僕らの時代はネット環境がない時代だからね」
「今では何でもネット、ネット!ネットがなくなりゃみんな、死ぬな!」
「確かに!」と大声で笑う。
「マスター、ビールもう一本!」
「あいよ!餃子もつけちゃおう!」
涼介が自宅でゴロゴロと横たわっている。
「アメリカンドッグでも買いに行くか…」
とタンスの方へ寝返りをうつと、隙間に何かが挟まっている。
「なんだ、ありゃ?」
とりあえず、セイコーマートへと歩いていく。
アメリカンドッグを2本買い、ケチャップを多めにもらって、家に帰る途中。
「涼介!またやられたんか?」
近所のおっちゃんである。
「はい。もう、全身が痛くって…」
「じゃあ、身体が治ったらうちのエアコンの掃除、頼めないかな~?」
「いいっすよ!今度、お邪魔させてもらいます」
ペコリと頭を下げた。
家で大好きなアメリカンドッグを平らげ、
ふと、タンスに挟まっていた物の事を思い出す。
「お金だったりしたら、小遣い増えるぞ!」
アメリカンドッグの棒を差し込んで取ろうとするが、
届きそうで、届かない…
ムキになった涼介は、台所に行ってさいばしを持ってくる。
「後、もう少し…やけに重いな」
引っ張り出すとそれは「レコード」だった。
それも「LPレコード」。
「レコードって初めて見たな~意外と大きいな」
レーベルを見てみると
「れ、れっど、うーん、なんて読むんだ?」
「ツエッペリン、レッド・ツエッペリンだよ!」
長距離運転手が仕事の親父が久しぶりに帰って来た。
「お帰り、親父!」
「おお!ただいま!それにしても、なくしたと思っていたが、あったか!よかった!懐かしいな!」
「親父、レッド・ツエッペリンって、何?」
「ああ、お前らの世代だと知らないか?」
「うん。」
「昔、ハードロックってジャンルの音楽が一世風靡していた時代があってな、レッド・ツエッペリンはその筆頭格の伝説のバンドだったんだ。」
親父は帰ってきて疲れているはずなのに、レコードを見たおかげで、元気になっている。
「俺はな、そんなツエッペリンに憧れて、バンド活動してた時代があったんだ。」
「それって、いつ頃の話なの?」
「母さんとの出会いもこの頃だったな~」
「あの頃は、髪も長くして真似したもんだ。」
「今はないのに?」
「若い時は、あったの!」
「このレコード、聞けないの?」
「プレーヤーがないからな~」
「親父、このレコード借りていい?明日、古道具屋の明石のおっちゃんに聞けるかどうか聞いてみるよ!」
「おお、わかった。けど、注意しろよ。レコードってのは、割れやすいんだ。」
涼介は慌てて、そっと持ち直した。
次の日。
「よう!今日、学校終わったら明石のおっちゃん所に行こーぜ!」
雅也が「何か面白いものでもあんのか?」
「ジャーン!」
LPレコードを取出すと、自慢げに見せつけた。
透が「おっ、レコードじゃん、持ってたの?」
「親父のなんだ。」
「何か、すっげー音楽らしいから、聞きに行こーぜ!」
「早く学校、終わんねーかなぁ」
やっと今日の授業も終わり急いで校門を出ようとすると、
「お前ら、もう帰んのか?」
新井先生の声が響いた。
反射的に直立不動になる4人組。
新井が面白半分に竹刀を振りかざした瞬間に
「せ、先生、レコード、レコード!」
「レコード?嘘つけ!」
「本当です!ホラ!」
「何でそんなもん、もってんだ?まさか、お前ら…」
「ち、違います!親父のなんです!これから明石のおっちゃんの所に行って聞けるかどうか確かめに行くんです!」
「そうか、そうか、すまんかったな!気をつけろよ!」
新井先生に見送られながら、すすきのめがけて歩いていると、
「だめだったら、俺に声をかけろよ!俺はプレーヤー持ってんだ!」と声が聞こえた。
すすきのの古道具屋に着き
「こんちわ!明石のおっちゃんいる?」
「おっ、どうした?金ならねーぞ!」
手のひらをぶんぶん振りながら
「ちがう、ちがう!」
「これ見てよ!」
レコードを取出すと、明石のおっちゃんが喜びながら、
「れ、レッド・ツエッペリン!懐かしいな!」
「これ、聞ける?」
「おう、任せとけ!」
「ツエッペリンとなりゃ、最高のコンポで最大ボリュームで聞かせてやらねーとな!」
レコードに針を落とした…
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「レッド・ツエッペリン!僕、YouTubeで見た事あります!」
「僕らの時代はネット環境がない時代だからね」
「今では何でもネット、ネット!ネットがなくなりゃみんな、死ぬな!」
「確かに!」と大声で笑う。
「マスター、ビールもう一本!」
「あいよ!餃子もつけちゃおう!」
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