2 / 167
異世界転移編
0001 女神クリス・サリーナ
しおりを挟む
「よくぞ参られた、選ばれし勇者よ!」
パタン・・・。ドアを閉める。
「ここ、俺の部屋だよな?」番号を確かめる。うん、合ってる。
もう一度、ドアを開ける。
「よくぞま・・・」
パタン・・・。やっぱりドアを閉める。
夢、じゃないよな?
もう一度、ドアを開ける。
「よ・・」
パタン!ドアを閉める。いやいやおかしいだろ!誰?あれ。
「こらー!人がカッコよく言ってるのに無視するな!」
内側からドンドンとドアを叩く音がする。なになに怖いんだけど?まさか俺の隠し子?いやいや、考えれば玲子と付き合うまで俺はモテなかった!悲しい現実だけど、つい最近まで俺は貞操を守っていたんだ!だから隠し子の線は消える。
近所迷惑になるのも嫌なので、しぶしぶドアを開けると「小学生の女の子」が立っていた。しかも仁王立ちで。
「わらわが、迎えに来てやったぞ、勇者よ!さぁ、行こう!」手を差し出してくる。
「あ~もしもし、警察ですか?知らない女の子が家に勝手に入ってまして・・・」
「通報しないでください!」目を潤ませた女の子は俺の手を掴む。
いかにも怪しい女の子に俺は首を傾げ「それで、お前誰よ?ここは俺の家なんだけど。」
「フッフッフ~。よくぞ聞いてくれた!我が名はクリス・サリーナ!女神である!お前を異世界に導かんとやって来たのだ!頭が高い!」ビシッ!と指を指してきた。
「あ~、救急車ですか?俺の家に勝手に入って来た女の子が頭がおかしい言動をするんですけど、え?まずは警察に・・・はぁ、解りました。」
「お願いですから、通報はしないでください!」今度は土下座をしている。なんだコイツ。強気なのか弱気なのか正常なのか異常なのかも解らない。
「まぁ、玄関で立ち話もなんですし、奥へどうぞ。」遜色ない態度の女の子は俺を部屋奥に案内する。
「ここは俺の家だ!全く調子狂うなぁ~。絶対に警察に突き出してやるからな!」
「まぁまぁ、ご冗談を。」と俺を窘めてくる。
リビングにあるソファに座る俺。向かいに女神と言って聞かない女の子がちょこんと座っている。小さな体にこのソファーは合わないのだろう、足が宙ぶらりんだ。
「それで、本当はお前何者だよ?」早くハンバーガーを食べたい俺はふつふつと湧き上がる怒りを堪え、もう一度確認してみる。
「お前ではない!わらわの名はクリス・サリーナ!女神じゃ!」
「そうか、頭打ったんだな?やっぱり救急車呼ぼうか。」
「だから、本物の女神なんだって言ってるじゃない!」泣き出した・・・。
昔、小さな妹が泣き出した頃を思い出した俺は、とっさに「腹減ってないか?美味しい物でも食べようか?」と声を掛けたのだが、それは失敗だった。その声を待っていたのかのように自称神様のサリーナは一瞬で泣きやみ「わぁ~い!食事、食事!」と小躍りをしてる。
「てめぇ~ウソ泣きだったか。絶対に警察に突き出してやる!」怒りが頂点に昇っているが暴行を加える訳にも行かない。ハンバーガーを食わせてさっさと帰ってもらおう。
宅配の注文の為にスマホの画面を見ていると、
「なんだそれは?何かの魔道具か?」
「はぁ?この世界に魔道具なんかあるかぁ~!」
「何やら見ておるではないか。」
「お前、今時の小学生なんだろ?スマホだよ、ス・マ・ホ!」
「スマホ?何をするための道具なんだ?」
「本当に知らんのか?遠くの人と会話をする為の物だよ!」
「なんだ、意思伝達の物であったのか!それなら、わらわも出来るぞ!」
「スマホなしでどうやって電話出来んだよ・・・うっ!」
頭の中で声が聞こえる・・・。
「わらわの声が聞こえるか?勇者よ。」
慌てて、サリーナの方を見るとニヤリと笑いながら「これで、わらわが神と分かっただろ?」
口が、動いてない・・・テレパシーか!
「解った、解ったから、頭に直接、話しかけるのは止めてくれ!」
「止めてくれ?そこは「ください」だろうが。」悪魔のように笑うサリーナはテレパシーをやめないどころか更に強く念を送ってくる。
「ウッ!」頭に響く感覚がVR酔いに近い感覚で気持ち悪い・・・。
「ほらほら、どーした!やめてくださいだろう~やめてくださいと言え。痛!」
思いっきり、自称神様の頭を殴ってやった。
パタン・・・。ドアを閉める。
「ここ、俺の部屋だよな?」番号を確かめる。うん、合ってる。
もう一度、ドアを開ける。
「よくぞま・・・」
パタン・・・。やっぱりドアを閉める。
夢、じゃないよな?
もう一度、ドアを開ける。
「よ・・」
パタン!ドアを閉める。いやいやおかしいだろ!誰?あれ。
「こらー!人がカッコよく言ってるのに無視するな!」
内側からドンドンとドアを叩く音がする。なになに怖いんだけど?まさか俺の隠し子?いやいや、考えれば玲子と付き合うまで俺はモテなかった!悲しい現実だけど、つい最近まで俺は貞操を守っていたんだ!だから隠し子の線は消える。
近所迷惑になるのも嫌なので、しぶしぶドアを開けると「小学生の女の子」が立っていた。しかも仁王立ちで。
「わらわが、迎えに来てやったぞ、勇者よ!さぁ、行こう!」手を差し出してくる。
「あ~もしもし、警察ですか?知らない女の子が家に勝手に入ってまして・・・」
「通報しないでください!」目を潤ませた女の子は俺の手を掴む。
いかにも怪しい女の子に俺は首を傾げ「それで、お前誰よ?ここは俺の家なんだけど。」
「フッフッフ~。よくぞ聞いてくれた!我が名はクリス・サリーナ!女神である!お前を異世界に導かんとやって来たのだ!頭が高い!」ビシッ!と指を指してきた。
「あ~、救急車ですか?俺の家に勝手に入って来た女の子が頭がおかしい言動をするんですけど、え?まずは警察に・・・はぁ、解りました。」
「お願いですから、通報はしないでください!」今度は土下座をしている。なんだコイツ。強気なのか弱気なのか正常なのか異常なのかも解らない。
「まぁ、玄関で立ち話もなんですし、奥へどうぞ。」遜色ない態度の女の子は俺を部屋奥に案内する。
「ここは俺の家だ!全く調子狂うなぁ~。絶対に警察に突き出してやるからな!」
「まぁまぁ、ご冗談を。」と俺を窘めてくる。
リビングにあるソファに座る俺。向かいに女神と言って聞かない女の子がちょこんと座っている。小さな体にこのソファーは合わないのだろう、足が宙ぶらりんだ。
「それで、本当はお前何者だよ?」早くハンバーガーを食べたい俺はふつふつと湧き上がる怒りを堪え、もう一度確認してみる。
「お前ではない!わらわの名はクリス・サリーナ!女神じゃ!」
「そうか、頭打ったんだな?やっぱり救急車呼ぼうか。」
「だから、本物の女神なんだって言ってるじゃない!」泣き出した・・・。
昔、小さな妹が泣き出した頃を思い出した俺は、とっさに「腹減ってないか?美味しい物でも食べようか?」と声を掛けたのだが、それは失敗だった。その声を待っていたのかのように自称神様のサリーナは一瞬で泣きやみ「わぁ~い!食事、食事!」と小躍りをしてる。
「てめぇ~ウソ泣きだったか。絶対に警察に突き出してやる!」怒りが頂点に昇っているが暴行を加える訳にも行かない。ハンバーガーを食わせてさっさと帰ってもらおう。
宅配の注文の為にスマホの画面を見ていると、
「なんだそれは?何かの魔道具か?」
「はぁ?この世界に魔道具なんかあるかぁ~!」
「何やら見ておるではないか。」
「お前、今時の小学生なんだろ?スマホだよ、ス・マ・ホ!」
「スマホ?何をするための道具なんだ?」
「本当に知らんのか?遠くの人と会話をする為の物だよ!」
「なんだ、意思伝達の物であったのか!それなら、わらわも出来るぞ!」
「スマホなしでどうやって電話出来んだよ・・・うっ!」
頭の中で声が聞こえる・・・。
「わらわの声が聞こえるか?勇者よ。」
慌てて、サリーナの方を見るとニヤリと笑いながら「これで、わらわが神と分かっただろ?」
口が、動いてない・・・テレパシーか!
「解った、解ったから、頭に直接、話しかけるのは止めてくれ!」
「止めてくれ?そこは「ください」だろうが。」悪魔のように笑うサリーナはテレパシーをやめないどころか更に強く念を送ってくる。
「ウッ!」頭に響く感覚がVR酔いに近い感覚で気持ち悪い・・・。
「ほらほら、どーした!やめてくださいだろう~やめてくださいと言え。痛!」
思いっきり、自称神様の頭を殴ってやった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
婚約破棄上等!私を愛さないあなたなんて要りません
音無砂月
ファンタジー
*幸せは婚約破棄の後にやってくるからタイトル変更
*ジャンルを変更しました。
公爵家長女エマ。15歳の時に母を亡くした。貴族は一年喪に服さないといけない。喪が明けた日、父が愛人と娘を連れてやって来た。新しい母親は平民。一緒に連れて来た子供は一歳違いの妹。名前はマリアナ。
マリアナは可愛く、素直でいい子。すぐに邸に溶け込み、誰もに愛されていた。エマの婚約者であるカールすらも。
誰からも愛され、素直ないい子であるマリアナがエマは気に入らなかった。
家族さえもマリアナを優先する。
マリアナの悪意のない言動がエマの心を深く抉る
スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。
最強魔導士となって国に尽くしたら、敵国王子様が離してくれなくなりました
Mee.
ファンタジー
薔薇(ローザ)は彼氏なし歴=年齢の、陰キャOL。
ある日いつものようにゲームをしていると、突如としてゲームの世界へと迷い込んでしまった。そこで偶然グルニア帝国軍に拾われ『伝説の魔導士』として崇められるも、捕虜同然の扱いを受ける。
そして、放り出された戦場で、敵国ロスノック帝国の第二王子レオンに助けられた。
ゲームの中では極悪非道だったレオンだが、この世界のレオンは優しくて紳士的だった。敵国魔導士だったローザを温かく迎え入れ、魔法の使いかたを教える。ローザの魔法はぐんぐん上達し、文字通り最強魔導士となっていく。
ローザはレオンに恩返ししようと奮闘する。様々な魔法を覚え、飢饉に苦しむ人々のために野菜を育てようとする。
レオンはそんなローザに、特別な感情を抱き始めていた。そして、レオンの溺愛はエスカレートしていくのだった……
私のことを嫌っている婚約者に別れを告げたら、何だか様子がおかしいのですが
雪丸
恋愛
エミリアの婚約者、クロードはいつも彼女に冷たい。
それでもクロードを慕って尽くしていたエミリアだが、クロードが男爵令嬢のミアと親しくなり始めたことで、気持ちが離れていく。
エミリアはクロードとの婚約を解消して、新しい人生を歩みたいと考える。しかし、クロードに別れを告げた途端、彼は今までと打って変わってエミリアに構うようになり……
◆エール、ブクマ等ありがとうございます!
◆小説家になろうにも投稿しております
伯爵夫人のお気に入り
つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。
数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。
喜ぶ伯爵夫人。
伯爵夫人を慕う少女。
静観する伯爵。
三者三様の想いが交差する。
歪な家族の形。
「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」
「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」
「家族?いいえ、貴方は他所の子です」
ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。
「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。
RISING 〜夜明けの唄〜
Takaya
ファンタジー
戦争・紛争の収まらぬ戦乱の世で
平和への夜明けを導く者は誰だ?
其々の正義が織り成す長編ファンタジー。
〜本編あらすじ〜
広く豊かな海に囲まれ、大陸に属さず
島国として永きに渡り歴史を紡いできた
独立国家《プレジア》
此の国が、世界に其の名を馳せる事となった
背景には、世界で只一国のみ、そう此の
プレジアのみが執り行った政策がある。
其れは《鎖国政策》
外界との繋がりを遮断し自国を守るべく
百年も昔に制定された国家政策である。
そんな国もかつて繋がりを育んで来た
近隣国《バルモア》との戦争は回避出来ず。
百年の間戦争によって生まれた傷跡は
近年の自国内紛争を呼ぶ事態へと発展。
その紛争の中心となったのは紛れも無く
新しく掲げられた双つの旗と王家守護の
象徴ともされる一つの旗であった。
鎖国政策を打ち破り外界との繋がりを
再度育み、此の国の衰退を止めるべく
立ち上がった《独立師団革命軍》
異国との戦争で生まれた傷跡を活力に
革命軍の考えを異と唱え、自国の文化や
歴史を護ると決めた《護国師団反乱軍》
三百年の歴史を誇るケーニッヒ王家に仕え
毅然と正義を掲げ、自国最高の防衛戦力と
評され此れを迎え討つ《国王直下帝国軍》
乱立した隊旗を起点に止まらぬ紛争。
今プレジアは変革の時を期せずして迎える。
此の歴史の中で起こる大きな戦いは後に
《日の出戦争》と呼ばれるが此の物語は
此のどれにも属さず、己の運命に翻弄され
巻き込まれて行く一人の流浪人の物語ーー。
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる