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翌朝 本当の気持ち
しおりを挟むふーっと拓馬がため息をついた。
まだ何もかもが混沌としているけれど、瑠璃の無事を確かめる権利が貰えたことは心底嬉しかった。
ふとみたらぶちまけたカバンの中身が目について、それを取敢えずで拾った。
そして堅三郎が置いて行った茶封筒も拾う。
ぶちまけた荷物の中の小さな箱。
(未練がましいよな…)
その箱を手に取って眺める。
会社が成功し、大きな金が入ってきた時に一番先に買った指輪。
勿論渡す当てなんかなくて。
(好きな女が出来たときに記念に渡すと、自分にすら言い訳してた…)
今思えば、瑠璃に似合うものを無意識に誂えてた。
ただお守りのようにバッグの中に入れていた。
それを元通りに仕舞った。
そして茶封筒をもう一度取り出して中から書類を出した。
その文字を眺める。
土地建物の名義人は自分の愛する人の名前にしておいた。
だからもういいと。
此処を安心して去って行けると。
(久我の男達がせっかくお膳立てしてくれたのだから、その好意に乗ろう)
瑠璃が目を覚まし、この封筒を渡して。
嫌われていると感じたなら、ここを去ろう。
ガラガラ、と処置室のドアが開いて、ベッドが看護師たちによって運ばれる。
「瑠璃」
と、思わず立ち上がる。
瑠璃はまだ目覚めていなくて、眠ったまま運ばれていくのに、拓馬も付き従った。
瑠璃はicuではなく一般病棟に運ばれるようで、その事だけでも拓馬にはホッとする出来事だった。
それだけ緊急性が薄く、命が安全だと言われた気がした。
「あの…付き添いは……」
ベッドを力強く運んでいる看護師に聞いた。
「ええ。かめしまへん。個室にお運びする言う事になってますよって、どうぞご一緒に」
言われて搬送用の大きなエレベーターに一緒に乗った。
そして上層階の特別室らしき部屋へと移動する。
瑠璃のベッドが部屋に入れられ、看護師たちがバタバタとセッティングを終えて出ていくと、とたんにシーンと静まり返る。
青ざめて目を閉じた瑠璃にズキンと心は痛んだ。
久我の息子たちは、ああいってくれたが、やはり自分が呼び寄せたり現れなければ、この出来事は無かったのだと思うと居たたまれなかった。
事に土方は瑠璃と接することも無かった筈だ。
「瑠璃…すまない…」
拓馬が呟く。
結局その日は瑠璃は目覚めることはなく、拓馬は瑠璃の枕元でジッと座ったまま夜をあかした。
朝が来て、看護師たちが点滴を変えたり、瑠璃のチェックなどをしてから部屋を出ていくときに、そっと拓馬の前にお茶の湯呑を置いていってくれた。
プラスチックの湯呑からほんのりと立ち昇る湯気を拓馬がじっと見つめた。
自分の目で確かめろ、そう言われて、その通りだとここに居るけれど、どんな試験の前より緊張していた。
目をあけた瑠璃が嫌悪の表情を浮かべたらと思うだけで足元が竦む気がした。
(意外にもヘタレだったんだな…俺。)
気の強い方だと自分では思っていたのに。
静かな室内で時計の音だけが微かに聞こえていた。
「んん…」
と、瑠璃が少し寝動く。
そうしてからふわりとその瞼を開けた。
そのままボーっと天井を見つめる。
「ここ…どこ?」
と、瑠璃が呟く。
「瑠璃…」
拓馬が声をかけると瑠璃が拓馬を見つめた。
ほんの少し驚く表情をしてから、ホッとしたように微笑む。
「拓馬…ここどこ?」
瑠璃が聞いた。
「ああ、病院だ。お前、はねられたんだよ、車に…」
拓馬が辛そうに言った。
「あ、ほならウチ、約束ほかしたん?ゴメン…堪忍」
瑠璃が言った。
「約束なんて…どうでもいいんだ。それよりどこか痛くないか?」
拓馬が心配そうに聞いた。
「ううん?痛いとかはあれへん?あ、でも動いたら足のとこちょっと痛いかも?」
瑠璃がほんわりと言った。
さっき看護師が点滴に痛み止めが入っていると言っていたから、それで痛みが少ないのだと解って、拓馬がホッとする。
「骨折してるらしいから動いたら駄目だぞ?」
拓馬が言った。
「あ、そうなん?ホンマにごめんな?ウチどんくさいから、きっと避けられへんかってんなあ?」
瑠璃が言った。
「…」
拓馬が俯く。
その様子に瑠璃が不思議そうな顔をする。
「拓馬?」
と、瑠璃が聞いた。
「違うんだ…。土方が。俺の元秘書の土方が…俺がお前の事をまだ好きだと気がついて嫉妬して…それでお前に車で突っ込んだんだ…」
拓馬が視線を落として言った。
「え…?」
瑠璃が驚く。
(拓馬…今…)
と、心で呟く。
「すまない…俺があのホテルに呼んだりしたばかりに…」
辛そうに拓馬が言った。
そして横においていたカバンから茶封筒を取り出して瑠璃の枕元に置いた。
「呼び出したのはこれを渡したかったからで…俺は…東京に帰るから。もうお前には金輪際近づかないから安心してくれ」
拓馬が言った。
そして深く頭を下げた。
「………ホンマなん?」
瑠璃が不意に聞いた。
「え?」
拓馬が聞き返す。
見ると瑠璃はほんのりと頬を染めて、ちょっと恥ずかしそうに布団の中からこちらをじっと見ていた。
「ウチのこと好きて………ホンマ?」
瑠璃が聞いて更に紅くなる。
その表情を拓馬が見て、心臓がバクバクし始める。
(え……嫌われて…ない?)
拓馬が心で呟く。
「あ、うちの早とちり?」
瑠璃が言った。
「違う!好きだ!ずっと!」
拓馬が思わず答える。
瑠璃がそれをじっと見つめた。
見つめられて拓馬の中に本当の事を伝える勇気が湧いてくる。
「別れてからずっと…忘れられなかった。でも…お前の幸せを邪魔する気はホントに無かったんだ…ただ…お前を前にしたら無茶苦茶ばかり言ってた…誰にも渡したくなくて…」
拓馬が言った。
瑠璃がそれにパッと反応して紅くなる。
「ほなら…愛人て…なんで?」
瑠璃が聞いた。
「いや!それこそ、そんな事言うつもりなくて、言ってから後悔して……………でも、本当は嫉妬したんだ、お前を手にする久我の息子に…」
拓馬が呟く。
「遊びやなかったん?」
瑠璃が聞いた。
「遊びなんて…ただもうどうにかしてお前を手に入れたくて…言ってから後悔したけど…会うべきじゃないと一度は思ったけど…でもお前に逢えると思ったら止められなかった…」
拓馬が言った。
「買収やないのん?」
瑠璃がまた聞いた。
「買収は…今日これ渡して帰るつもりで…」
拓馬が瑠璃に封筒を手渡す。
瑠璃が点滴の管を避けながらモタモタとその封筒から紙を取り出す。
そして目を見開いた。
「これ…」
瑠璃が呟く。
「もう、大丈夫だから。あの土地も建物も一条の名義に戻してあるから」
拓馬が言った。
「何で?それやと藤堂に大きな損失が!」
瑠璃が起きようとする。
「あ!馬鹿!動いたら駄目だ!」
拓馬がそれを押し戻した。
「けど、大損してまうやん?」
瑠璃がそれでも食い下がる。
「いや、会社には損失はないんだ。俺の個人資産で買い取った形にしてあるから。もう、キチンと問題ないところまで戻してあるから…」
拓馬が言った。
「なんで…?」
瑠璃か聞いた。
拓馬は何も答えなかった。
「なんでなん?」
また瑠璃が聞いた。
「俺もこっち来て…それから知った。ここまで進んでるとは思ってなくて。…最初は…ただの買収だと自分に言い聞かせてて……でもお前の顔見たら何もかも吹っ飛んで何言ってるのかもわからないようになってて…あんな無茶苦茶なことをいって、お前に酷いことをした…だからせめて一条が苦しんでる資金繰り関係を綺麗にしようと…」
拓馬が答える。
「そうやのーて!なんで!?拓馬には何の得もないやん!?なのになんで!?」
瑠璃が聞いた。
「…お前に無茶苦茶言って、お前がそれを飲んで…せめてお前と初めてするときには特別にしようと思って…ディナーやら用意して…でもお前がキレて服を脱ごうとしたときに…俺は…」
拓馬がじっと俯く。
瑠璃がそれを黙って見つめた。
「俺は…あのとき初めて自分のしようとしたことを突きつけられて…お前を…あんな風にして…それがたまらなく辛くて。だから…せめて償いをして消えたいと、そう思って…」
拓馬が言った。
「償い?…」
瑠璃がまた聞いた。
「その債権にはヤクザが絡んでて、俺は…危険だと思ったから何とかしなくてはと…けど久我の堅三郎さんから、あのヤクザさんも一条救うために動いてたんだと聞かされた。俺がたまたま買収で動いてる形だったから、あの人はうちに売ったけど…多分それがないなら久我に売ったんだと思う。だから俺のしたことはあまり意味は無かったんだ」
拓馬が言った。
「そんなん聞きたいんとちゃう!事情とか聞いても!ウチ半分も解れへん!そうやのーて!なんでなんの得もないのに拓馬がそこまで一条の為にするん!?」
瑠璃が突っかかるように聞いた。
「だからお前に酷いことをしたから…」
拓馬が言った。
「それだけ?ほんなら拓馬はもうこの先、ウチには逢わんいうこと?」
瑠璃が拓馬を睨む。
「お前には久我の堅三郎さんがついてるだろ?彼と結婚するほうが幸せになれる…」
拓馬が答えたくないかのように少しだけそっぽを向きながら答える。
「拓馬はそれでええのん?ウチが堅三郎さんと結婚してもええのん?」
瑠璃が明らかに起こった声で問いかける。
「お前は酔っ払ったあの夜、誰でもエエんちゃうと何度も言ってた…確かに久我の堅三郎さんのような人は探そうにも他にはいないよな?だから…」
言いかける拓馬を瑠璃が遮る。
「わかってへん!誰でもエエんとちゃうて言うてるのに何で解らへんの!?」
瑠璃がキレて言った。
「え?」
拓馬が驚く。
「好き言うたの嘘なん!?その程度の好きなん!?」
瑠璃が膨れっ面でキレてくる。
「けど、お前誰でもエエんと違うて…」
拓馬がちょっと気圧されて言った。
「だからそれで諦めちゃってもエエ程度の好きなん!?ウチは!ウチは!!!」
瑠璃が半べそ顔で真っ赤になってキレる。
だから気圧されて拓馬が何も言えなくなる。
「ウチは…拓馬に酷いことしたから…拓馬の溜飲が下がるなら…何されてもエエて…拓馬ならエエて…」
瑠璃がソッポを向いて布団に潜る。
(え?…瑠璃の誰でもエエんと違うて…久我の息子じゃないと駄目って…意味じゃ…?)
拓馬が驚く。
「瑠璃…?恨んでなんかない…俺こそ幸せにできなくて悪いことをしたってずっと…ここで踏ん張ればお前と結婚できてたのにって…」
拓馬が言った。
「ホンマ?」
瑠璃が半分布団から顔を出して聞いた。
「ああ、だからつい…あの時も結婚したいって言ったら?って聞いてしまって…でもお前がすごく嫌がったから、やっぱりそうだよなって…」
拓馬がちょっと不貞腐れるように答える。
「それはしゃあないやん!いきなり現れていきなり愛人なれ言うて、言うことコロコロ変わるんやもん。よっぽどウチのこと嫌ってるんやて怖かったんやもん!」
そう言ってはぶてる瑠璃を、拓馬がじっと見つめる。
「そうだよな。確かに怖いよな…酷いことしたって解ってる」
と、また謝る。
「謝って欲しいんちゃうもん!なんで解ってくれへんの!好きや言うたん嘘なん!?」
瑠璃がまたふくれっ面で聞いた。
拓馬がそれで黙る。
そして暫く沈黙してから覚悟を決めたように聞いた。
「お前の…誰でもエエんと違うて…久我の息子じゃないんだな?」
瑠璃はじっと答えずに拓馬を見つめた。
「俺が…お前を貰ってもいいんだな?」
と、もう一回聞いた。
瑠璃がそれで嬉しそうに笑う。
「拓馬でない人なら誰もいらんの…」
瑠璃が呟く。
「瑠璃…」
拓馬が思わず椅子を蹴倒して立ち上がって、その癖とても大切なガラス細工を抱くように瑠璃を抱いた。
抱かれて瑠璃がその胸の感触であの夜のことを思い出した。
あの日拓馬の胸に包まって、凄く安心して眠った。
拓馬は管を巻く自分を宥めてたように思う。
醜態晒してグダグダの自分を。
彼が自分をあの時もこんな風に抱いてくれたと覚えてる。
そしてそれがとても嬉しかった事も。
だから彼の胸にしがみついた。
あの時のように。
「拓馬以外はいらんの…」
瑠璃が呟く。
それに拓馬が嬉しそうに目を細めて、ふと思いついたような顔をする。
「瑠璃、ちょっとだけ離れていいか?」
拓馬が聞いた。
瑠璃が素直に拓馬から体を離す。
拓馬が椅子の横に置いてあるカバンから小さな箱を取り出す。
「これ…受け取ってくれ。」
小さな箱を瑠璃に手渡した。
瑠璃がゆっくり起き上がろうとするのを
「あ、駄目だ!動いたら!」
拓馬が慌てて支える。
「大丈夫…ちょっと痛むのは足やもん、足は動かさへんから…」
支えてもらいながら瑠璃がその小さな包みを開けた。
中からとても綺麗な一粒ダイヤの指輪が出てくる。
瑠璃がそれに目を見開いた。
「拓馬…これ………?」
瑠璃が拓馬を見つめる。
「初めてリゾートが成功して、大きな金が入ったときに、夢を見たくて…渡せるあてはないけど買ったんだ。お前は派手なの好きじゃないから…石だけは良いのを探して…あとはシンプルなのが喜ぶかなって………お守り代わりにいつも…持ち歩いてた。」
拓馬が言った。
「いつも?」
瑠璃が聞いた。
「ああ。昨夜お前が救急搬送されたって聞いて、動揺してカバンぶちまけて…そしたら出てきて……」
拓馬が独り言のように言った。
「うちのために?拓馬が初めて成功した時に買うてくれたん?」
瑠璃が聞いた。
拓馬が頷く。
離れていたときにも、拓馬が自分を気にかけてくれていたんだと聞かされて、瑠璃が心底嬉しくなる。
「…嬉しい…一緒にお祝いさせてもらえたみたいで嬉しい…」
瑠璃が呟く。
「結婚…してくれるか?」
拓馬が聞いた。
「嵌めて?」
瑠璃が嬉しそうに手を差し出す。
拓馬がその手を取って望む指に指輪を嵌めた。
「嬉しい…ウチ…拓馬のお嫁さんになれるんやね…もう誰にも嫁がんやろなて思てたのに…」
瑠璃が吐息を漏らすように嬉しそうに呟く。
「誰にも?」
拓馬が聞き返す。
「誰でもエエんとちゃうて言うたやん?拓馬やないなら駄目なんやなあて思たん…記憶は曖昧やけど拓馬が抱いて眠ってくれたあの日に多分もう無意識にそう思ってたん……あの後…ゆっくり考えたときに、うちが悲しかったんは…拓馬にとってウチはどうでもいい遊びの女になった事やったんやて気がついて…ウチは拓馬の特別になりたかったんやて…その時に誰でもエエんとちゃうやってんなあて…改めて思って。」
瑠璃が拓馬の胸に甘えるように寄りかかる。
「瑠璃…」
拓馬が驚いて呟く。
「今更何言うてんのやろて自分でも呆れて。あんな酷い追い出し方しといてって思って。拓馬はきっと過去を捨てるためにここに来たんやて思て…ほんならキチンと向き合わなて…ちゃんと受け止めてからお別れせなて…」
瑠璃が言った。
拓馬が瑠璃の肩が少し震えているのに気がついた。
「けど…お別れのためやと解ってても…解っててんけど…でも…それが悲しかったん…最初で最後の人は拓馬やないと嫌やったん…」
瑠璃が言った。
拓馬が瑠璃を思わずギュッと抱きしめる。
「瑠璃…どうでもいいとか別れたいとか一辺も思ったことない…自分で愛人とか言っといて、お前をそんなふうにしようとした自分が凄く嫌だった…誰よりも大事なのに、そんな風にした自分を…許せないぐらいに…」
言われて瑠璃が拓馬をじっと見つめる。
「嬉しい…どっかで期待してたん…あの日に拓馬は結局ウチを何もせんで返してくれて…だから大切にしてくれてるんやないかて…嘘でも良いから信じたかったん…」
瑠璃が拓馬をうっとりと見上げる。
「俺にとっては何よりも大事だった…何時でも…でもお前に拒絶されるのが怖くて…無茶苦茶ばかりしてた…本当は前みたいに二人で…他愛なく過ごしたかった…」
拓馬がそっと瑠璃を引き寄せる。
何年かぶりの本当のキス。
何よりも欲しかったもの。
二人がそれに酔う。
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