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結城凛子

性欲

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 結城ゆうき凛子りんこ―――どこにでもいる普通の女子高校生。
 得意教科は国語と英語。
 たまに褒められる長くて艶のある髪の毛を、無造作にまとめて横から流している女子力低い系女子。
 もちろん通常装備はすっぴんだ。

 たまに色付きリップを塗るくらいしか女子っぽさを発揮しない私には、一つだけ秘密があった。
 それは―――――








「あんっ♥はぁっ・・・んんっ♥んぁっ♥」

 いつも一つにまとめている黒髪が、今は背中で揺れている。身体を上下させるたびに素肌に擦れて気持ちいい。

「結城さ、ん、待って、もう、僕・・・っ」

 小さなベッドの上で、羽野くんに跨ってひたすら腰を振っていると、羽野くんの熱が中のイイところを擦った。気持ちよくて、待ってなんかあげられなくて、腰を振り続ける。結合部からぐっちゅ♥ぐっちゅ♥って生々しい音が響くから、耳も犯されているみたいでさらに夢中になってしまう。

「あぁっ♥はぁっ♥あん♥あっ♥」

 高校の授業が終わって真っ直ぐ帰ってきてから、どれくらい時間が経ったのだろう。そんなことが頭の片隅によぎるけれど、羽野くんのお腹に手をついて奥をこねるように押し回しているうちにどうでもよくなった。今はただ、気持ちいいことだけ考えていたい。

「あっ、もう・・・出るッ」

 ガシッと腰を掴まれたかと思うと、ビュクビュクッ♥と薄皮一枚を隔てて勢いよく精子が吐き出された。じんわりと温かい液体を吐き出す羽野くんを、ギュッ♥ギュッ♥と締め付ける。
 もっとほしい。こんなんじゃ足りない。
 羽野くんが全力疾走した後みたいに息を切らせて放心しているうちにゴムを付け替えて、今度はわざと結合部を見せつけるように蟹股で出し入れしてみる。見かけによらず性欲の強い羽野くんは、一度射精したくらいじゃ治まらない。すぐに硬くなった羽野くんの質量にうっとりしていると、羽野くんがいきなり身体を起こした。

「・・・四つん這いになって?」

 眉間に皺を寄せて、 荒い息を吐きながら羽野くんが言う。私のゆっくりした動きが焦れったくて、我慢できなくなったらしい。
 学校では真面目で地味な男の子なのに、こういう時の羽野くんはすごく色っぽくてドキドキする。

「結城さんのココ、ぐちょぐちょだね」

 そんなに嬉しそうに言われたら何だか恥ずかしい。さっきまで自分から腰を振っていたのに、恥ずかしがるなんておかしいのかもしれないけれど、羽野くんにえっちなことを言われるとどうしようもなく恥ずかしくなってしまう。

「んっ♥ぁっ!」

 先っぽを擦り付けていた羽野くんが、グッと一気に中へ押し入ってきた。張り出した傘の部分を擦りつけられるだけですごく気持ち良くて、思わず身体を捩ると一番奥まで入ってきた熱が、濡れそぼった私の中をゆるゆると行ったり来たりする。
 その感触をうっとり味わっていたら、ギリギリまで引き抜かれてごちゅん♥と串刺しにされた。

「ああっ♥♥♥はっ・・・あっ♥・・・んんッ!」

 身体の痙攣が止まらない。それなのに羽野くんは腰の動きを止めてくれなくて、それどころかどんどん激しく穿ってくるから頭の中が真っ白に染まっていく。さらに大きな波が来る予感がして、シーツをぎゅっと掴んで耐えていると羽野くんが耳元で囁いた。

「出すよ」

 腰を打ち付ける音が大きくなって、ギシギシとベッドがうるさく軋む。気持ちよくて、どうしようもなくて、シーツに精一杯しがみつくことしかできない。
 そんなに奥をぐじゅぐじゅされたらおかしくなってしまうのに。動きを止めない羽野くんがおかしくなってもいいって言っているみたいで、内側から湧き上がる熱を抑えきれない。

「ひッ♥♥♥あっ♥♥♥あーーーーー~~~~~ッ♥♥♥」

 すごい・・・きもちいい♥♥♥
 全身から力が抜けて、クラゲのようにふにゃふにゃになった身体がベッドに沈み込む。

 お尻だけまだ持ち上がったままのいやらしい格好で余韻に浸っていると、ほとんど同時に達した羽野くんが覆い被さるように倒れ込んできた。私の意思とは関係なく痙攣する内壁が、荒く息を吐く羽野くんをビクッ♥ビクッ♥と締め付けていて、その感触さえものすごく気持ち良い。

「結城、さん・・・もう一回」

 返事をする元気もなかった。一度引き抜かれてほんの少しだけ休憩できたと思ったら、すぐに長いストロークで奥を突かれ始める。とろとろに蕩けきった私の中が羽野くんを拒否するはずもなくて、ただ喘ぎ声を上げることしかできない。

「はの、くんッ!あんっ♥♥♥それ、だめっ♥♥♥んぁッ♥♥♥」

 立て続けに達して敏感になっている内壁を執拗に擦られると、またすぐに熱が爆発してしまいそうで怖い。

「ダメッ!そこっ、おねがっ♥♥♥」

 だめって言えば言うほどほど気持ちいいところを擦られて、また頭が真っ白になっていく。

「あぁ♥♥♥きちゃうっ♥♥♥また、きちゃ♥♥♥あぁぁああぁーーーーーッ♥♥♥♥♥」

 視界で火花が散った。全身に電流が駆け抜けるような強烈な絶頂に、一瞬身体が宙に浮いているみたいに軽くなる。
 
 一番大きな快感が去っても、ずっと小さな快感が体内で弾け続けている。全身が痙攣しっぱなしでおかしくなりそう。

「はぁ、すごっ・・・」

 二回も出したのにまだ萎えてない羽野くんが、クリを弄るために前の茂みを探ってくる。

「やッ、ダメッ!これ以上はっ♥♥♥んぁっ♥♥♥」
「もっと気持ち良くなって、もっと」

 イき過ぎてひどく敏感になっているのに、さらに感じやすい突起をいじられて涙が溢れてきた。中を掻き回すように腰をグラインドさせながらおへその裏あたりを繰り返し擦られると、息をするのも苦しいくらい気持ちいい。

「ぁっ♥♥♥そこっ♥♥♥だめっ♥♥♥おねがっ♥♥♥」
「ここ好きだよね?いいよ、もっとしてあげる」
「だめっ♥♥♥くるッ♥♥♥きちゃッ♥♥♥ぁっ♥♥♥あぁぁああぁぁッ♥♥♥♥♥ぁ~~~~~ーーーーーっ♥♥♥♥♥」

 身体が感電したみたいに跳ねた。羽野くんが耳元で何か囁いていたけれど、意識を保つことができなくて、そのまま暗闇に吸い込まれてしまった。



 目が覚めると見知らぬベッドの中にいた。
 いや、実際には何度も見たことがあるし、見る度にとてもお世話になっているベッドだ。
 うーん、よく寝た気もするけれど身体が重いなぁ、なんて思いながらぼーっとしていると、ドアの開く音がする。

「結城さん、起きた?」

 視線を向けると、シャワーを浴びたばかりでホカホカした羽野くんが微笑んでいる。

「シャワー浴びてくる?」

 ギシッと音を立ててベッドに腰を掛けた羽野くんが、気遣うように聞いてきた。その声を聞いて微睡んでいた意識が浮上する。

「今、何時?」

 ハッとして身体を起こすと、スマホに手を伸ばす。焦りすぎて、スマホが手から滑り落ちた。

「ふふ、そんなに慌てなくても。ちょうど7時だよ」
「私、そろそろ帰らなきゃ」

 疲れるようなことをしていたとは言え、こんなに爆睡してしまって恥ずかしい。しかも、羽野くんがくすくすと笑いながらスマホを拾って手渡してくれるので、余計に恥ずかしくなる。
 早く帰らないと親に怪しまれるかもしれないから、身体のベタベタは気になるけれどとりあえず着替えないと。
 
 私の家は共働きで、両親とも同じ会社に勤めている。結婚して18年ほど経ってもラブラブな二人は、週2でデートして帰ってくるほど仲がいい。流石に私が中学生の時は土曜日に二人で出かけるくらいで会社終わりのデートはしていなかったけれど、高校生になって以来、デートの回数を増やしている。母はデートで帰りが遅くなる日は必ず晩ご飯を作ってから出勤してくれるので、感謝することはあれど文句を言いたいと思うことはなかった。
 今日もデートの日だ。いつも9時前には帰ってくるから、いつも通りその時間までにお風呂に入ってご飯を食べ終わっていないと不審に思われる。

「わかった。じゃあ送ってくよ」

 そう言って優しく微笑んだ羽野くんを直視できないまま、部屋から追い出した。全裸のままでは居心地が悪いし、あの笑顔は心臓に悪い。
 我ながら我儘だとは思うが、今に始まったことでもないのであまり考えないようにする。私と羽野くんがこんな関係になったのだって、私の我儘性欲が原因だったのだから。


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