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本編
恐るべき異能
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僕の両肩が震える。サンライト王国が滅ぼされた日を思い出していた。ダークの召喚した漆黒の地獄は、悪夢としか言いようがなかった。
漆黒の地獄は、ワールド・スピリットで召喚されたものだった。
この本は、そんな恐ろしい力について書かれているらしい。
ダークは僕を見て、眉をひそめている。
まさか不審がられているわけじゃないよね?
きっと僕の表情が変化したから不思議がっているだけだよね?
怖いけど尋ねてみよう。
「僕はなんか変な事を言ったのか?」
「いえ……まだ三歳なので、絵本を読んでと言われるか、オモチャに興味を持つと思っておりました」
そうか。
そういえば、一番下の段に薄い本やオモチャがある。子供向けの物はここに集められていたのか。
でも、僕はワールド・スピリットについて知りたい。
「この本を要約してくれないか? あと、ワールド・スピリットについて分かっている事をできるだけ教えてほしい」
悪逆皇帝の息子になった理由から離れてしまうが、ワールド・スピリットの事も知りたい。サンライト王国の復興を考えた時に、リベリオン帝国と戦う事になるだろう。
彼らの能力について、できるだけ知っておきたい。
ダークは恭しく一礼した。
「ワールド・スピリットは世界の源をエネルギーにした異能の総称です。奇跡的な力を操れるようになります。その代わり、使いすぎると世界が滅ぶという言い伝えがあります」
「もともとのエネルギー源が、世界の源だからか……」
僕は大粒の唾を飲み込んだ。
ダークは深々と頷いた。
「世界の源は死者の魂の複合体です。ワールド・スピリットを扱うなら誰かを殺しておかないと、世界の滅亡を招いてしまいます。ここまでは理解できますか?」
僕は頷いた。
世界は誰かが死なないと滅ぶなんて、とんでもない事を聞いてしまった。
「ワールド・スピリットはきっと、限られた人しか使えないよね。そうでないと世界がもたないよ」
ダークは沈黙した。
両目を見開き、額に汗を滲ませている。
思わぬ反応に、僕は戸惑った。
「大丈夫か? 僕は今度こそ変な事を言ったのか?」
「いえ、いきなり核心をつかれて心底驚きました。同時に私自身の見解の浅さに恥を感じた次第です」
ダークの口調が重々しい。
「あなたを子供だと思い、大した質問はできないだろうと浅はかに考えておりました。大変失礼いたしました」
「そんなに畏まらなくていいよ、普通の口調でしゃべってほしい」
僕が両手をパタパタとふると、ダークは両目をパチクリさせた。
「それはご命令でしょうか?」
「そうだね」
「じゃあ遠慮なく普段どおりにしゃべらせてもらうぜ」
そこまでラフになるんだ。
まあ、妙に丁寧な態度を取られるより気楽でいいか。
ダークは口の端を上げる。
「両陛下がいなければ、この口調でいいよな?」
「うん、大丈夫だよ」
「了解。さて、ワールド・スピリットは限られた人しか使えないかという疑問だったな。先に答えを言うと、ノーだ」
え?
僕の顔から血の気が引く。
「使いすぎると世界が滅ぶのに、誰でも使える力なのか?」
「正確には、十年間同じ願いを強く抱くと使えるようだぜ。まあ、そうと知らない人間が十年も同じ事を願い続けるのは稀だが……俺は警戒した方がいいと思っている」
「警戒?」
「ワールド・スピリットの特性を知らないのに、ワールド・スピリットを使える人間がいる事を」
ダークは一呼吸置いた。
「ここからは俺の仮説だが、たまたまワールド・スピリットを使えるようになって世界の存続を危うくさせる人間が現れると思っている。蘇生はできたし、転生もできるだろうな」
え!?
「ワールド・スピリットで生き返った人間がいるのか!?」
「知らなかったのか!?」
なんか驚かれた!?
ダークは何歩か後ろに下がり、棚に手をかけて、辛うじて立っていた。
聞いてはいけない事かもしれないけど、気になって仕方ない。
漆黒の地獄は、ワールド・スピリットで召喚されたものだった。
この本は、そんな恐ろしい力について書かれているらしい。
ダークは僕を見て、眉をひそめている。
まさか不審がられているわけじゃないよね?
きっと僕の表情が変化したから不思議がっているだけだよね?
怖いけど尋ねてみよう。
「僕はなんか変な事を言ったのか?」
「いえ……まだ三歳なので、絵本を読んでと言われるか、オモチャに興味を持つと思っておりました」
そうか。
そういえば、一番下の段に薄い本やオモチャがある。子供向けの物はここに集められていたのか。
でも、僕はワールド・スピリットについて知りたい。
「この本を要約してくれないか? あと、ワールド・スピリットについて分かっている事をできるだけ教えてほしい」
悪逆皇帝の息子になった理由から離れてしまうが、ワールド・スピリットの事も知りたい。サンライト王国の復興を考えた時に、リベリオン帝国と戦う事になるだろう。
彼らの能力について、できるだけ知っておきたい。
ダークは恭しく一礼した。
「ワールド・スピリットは世界の源をエネルギーにした異能の総称です。奇跡的な力を操れるようになります。その代わり、使いすぎると世界が滅ぶという言い伝えがあります」
「もともとのエネルギー源が、世界の源だからか……」
僕は大粒の唾を飲み込んだ。
ダークは深々と頷いた。
「世界の源は死者の魂の複合体です。ワールド・スピリットを扱うなら誰かを殺しておかないと、世界の滅亡を招いてしまいます。ここまでは理解できますか?」
僕は頷いた。
世界は誰かが死なないと滅ぶなんて、とんでもない事を聞いてしまった。
「ワールド・スピリットはきっと、限られた人しか使えないよね。そうでないと世界がもたないよ」
ダークは沈黙した。
両目を見開き、額に汗を滲ませている。
思わぬ反応に、僕は戸惑った。
「大丈夫か? 僕は今度こそ変な事を言ったのか?」
「いえ、いきなり核心をつかれて心底驚きました。同時に私自身の見解の浅さに恥を感じた次第です」
ダークの口調が重々しい。
「あなたを子供だと思い、大した質問はできないだろうと浅はかに考えておりました。大変失礼いたしました」
「そんなに畏まらなくていいよ、普通の口調でしゃべってほしい」
僕が両手をパタパタとふると、ダークは両目をパチクリさせた。
「それはご命令でしょうか?」
「そうだね」
「じゃあ遠慮なく普段どおりにしゃべらせてもらうぜ」
そこまでラフになるんだ。
まあ、妙に丁寧な態度を取られるより気楽でいいか。
ダークは口の端を上げる。
「両陛下がいなければ、この口調でいいよな?」
「うん、大丈夫だよ」
「了解。さて、ワールド・スピリットは限られた人しか使えないかという疑問だったな。先に答えを言うと、ノーだ」
え?
僕の顔から血の気が引く。
「使いすぎると世界が滅ぶのに、誰でも使える力なのか?」
「正確には、十年間同じ願いを強く抱くと使えるようだぜ。まあ、そうと知らない人間が十年も同じ事を願い続けるのは稀だが……俺は警戒した方がいいと思っている」
「警戒?」
「ワールド・スピリットの特性を知らないのに、ワールド・スピリットを使える人間がいる事を」
ダークは一呼吸置いた。
「ここからは俺の仮説だが、たまたまワールド・スピリットを使えるようになって世界の存続を危うくさせる人間が現れると思っている。蘇生はできたし、転生もできるだろうな」
え!?
「ワールド・スピリットで生き返った人間がいるのか!?」
「知らなかったのか!?」
なんか驚かれた!?
ダークは何歩か後ろに下がり、棚に手をかけて、辛うじて立っていた。
聞いてはいけない事かもしれないけど、気になって仕方ない。
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