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35. 番外編 そしてまた在る日 2
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「そうだ。でも、自分より年下の娘が側妃とはいえ父と新たに、なんて考えたくなくてな。半ば強引にお願いしたんだ。形だけでも、妃が居た方がいいだろう。いつまでも大国の国王なのに独身もよくないだろう、と。」
「それは…ありがとうございます。私も、ジャーヴィスに嫁げて本当に良かったです。」
「ありがとう、そう言ってもらえて良かった。…でも、小国であれ王女だろう?恨まれているかもしれないと思い何をしでかすか不安で、ロバウトに逐一報告させていたんだ。」
「そういう意図が…。」
「だが、ロバウトの報告は面白い事ばかり。普通の王女ではないなと久々に笑った。心が揺さぶられるって言うのかな。アリーシャの言動の書かれた手紙が待ち遠しくなったんだ。他に楽しみも無かったしな。」
「まぁ、酷い!私で笑ってたのですか?」
少し、むっとして私は言ったわ。
「いやいや、倒れた時は心配だってしたさ!なんて言えばいいのか…とにかく、ロバウトの手紙で、こんな奴かなと想像はしていたんだ。でもそんなの会ったら想像していたのと全く違うというのはよくあるだろう?…だが、会った時に、胸を打ち砕かれた。一目ぼれというやつかな。思い掛けない事をする奴が、こんな可憐な姿だなんてと。早く時間を作って話をしたかったが、後宮解体に手こずってな。そうしたら、今度もまた溺れた子を助けて倒れたと聞いて本当に肝が冷えた。こんなに心揺さぶられるなんて思いもしなかったよ。それに、会えない時の夜の手紙も楽しみだった。」
「本当に?手紙、返事を期待していたわけじゃないけれど、何も言われなかったから、書いていて大丈夫か不安だったの。」
「アリーシャがその日何をし、何を思っていたかが分かって、面白かったぞ。」
「もう!また面白いって言って…!」
「俺の面白いは最高の褒め言葉だそ?心が揺れ動かないと、面白いと思えないのだからな。だからアリーシャ…俺は君を愛しているよ。生涯変わらず、愛する事を誓うよ。あ!」
「お腹、蹴ったわ!」
ジャーヴィス様が私を抱きしめて手をお腹の上に置いていたから、ジャーヴィス様も感じられたみたいね。
「嬉しいわ、ジャーヴィス。私もあなたを愛しているわ。きっと、お腹の子も愛してねって言っているのね。」
「そうだな。おい、聞こえるか?お前の事も愛しているから、安心して出てこいよ。」
そう言って、ジャーヴィス様は私のお腹をいつまでも撫でてくれた。
☆★☆★☆★
これで、本当に終わりです。
読んで下さいまして本当に本当に、ありがとうございます。
感想をくれた方、ありがとうございました。ご希望の内容ではないかもしれませんが、ここまでお付き合い下さりありがとうございました。
「それは…ありがとうございます。私も、ジャーヴィスに嫁げて本当に良かったです。」
「ありがとう、そう言ってもらえて良かった。…でも、小国であれ王女だろう?恨まれているかもしれないと思い何をしでかすか不安で、ロバウトに逐一報告させていたんだ。」
「そういう意図が…。」
「だが、ロバウトの報告は面白い事ばかり。普通の王女ではないなと久々に笑った。心が揺さぶられるって言うのかな。アリーシャの言動の書かれた手紙が待ち遠しくなったんだ。他に楽しみも無かったしな。」
「まぁ、酷い!私で笑ってたのですか?」
少し、むっとして私は言ったわ。
「いやいや、倒れた時は心配だってしたさ!なんて言えばいいのか…とにかく、ロバウトの手紙で、こんな奴かなと想像はしていたんだ。でもそんなの会ったら想像していたのと全く違うというのはよくあるだろう?…だが、会った時に、胸を打ち砕かれた。一目ぼれというやつかな。思い掛けない事をする奴が、こんな可憐な姿だなんてと。早く時間を作って話をしたかったが、後宮解体に手こずってな。そうしたら、今度もまた溺れた子を助けて倒れたと聞いて本当に肝が冷えた。こんなに心揺さぶられるなんて思いもしなかったよ。それに、会えない時の夜の手紙も楽しみだった。」
「本当に?手紙、返事を期待していたわけじゃないけれど、何も言われなかったから、書いていて大丈夫か不安だったの。」
「アリーシャがその日何をし、何を思っていたかが分かって、面白かったぞ。」
「もう!また面白いって言って…!」
「俺の面白いは最高の褒め言葉だそ?心が揺れ動かないと、面白いと思えないのだからな。だからアリーシャ…俺は君を愛しているよ。生涯変わらず、愛する事を誓うよ。あ!」
「お腹、蹴ったわ!」
ジャーヴィス様が私を抱きしめて手をお腹の上に置いていたから、ジャーヴィス様も感じられたみたいね。
「嬉しいわ、ジャーヴィス。私もあなたを愛しているわ。きっと、お腹の子も愛してねって言っているのね。」
「そうだな。おい、聞こえるか?お前の事も愛しているから、安心して出てこいよ。」
そう言って、ジャーヴィス様は私のお腹をいつまでも撫でてくれた。
☆★☆★☆★
これで、本当に終わりです。
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