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20. 私のすべき事

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 私のすべき事は、これからジャーヴィス様の妻となる為のお勉強を、徹底的にするのだとか。

 勉強って苦手なのよね…。この辺りは、お姉様のが性に合うと思うのだけれど仕方ないわ。

 …そういえばお姉様は、今頃どうされているのかしら。レナードと一緒に、楽しく生活しているのかしら。

 でも、こればかりは、ここでは口に出来ないわ。誰が聞いているかは分からないものね。タミルも、私の部屋で過ごす時は、私のお世話は主にロッテに任せて、扉の一番近くにあるイスに座っている。遠くにいるとはいえ、聞こえないはずはないし、ましてやロッテに振れる話でもない。

 ロッテは、自分の息子が王女を連れて逃げた事を悔やんでいるはずだから。
まぁ、私はお姉様がレナードに無理を言ったか唆したかと思っている。
レナードは私と同じ歳。騎士としてはしっかりとしていたけれど、元々気が弱くお姉様にはいつも押し切られていたものね。


 結婚の儀式は、私がこの国に慣れてからだそう。

 目標は、一ヶ月だと言われた。
難しければ、三カ月で、と。

 そう言われると、私がこの国に慣れてからというより、私がこの国の知識を詰め込める時期に、という意味かしらと思った。



 ジャーヴィス様とは、初めての謁見からかれこれ一週間顔を合わせていない。
ジャーヴィス様は、何かと忙しいのだそう。
その間私は、マクスウェル大国の歴史や現在の貴族の勉強をしていた。

 マクスウェル大国の歴史は、お姉様が嫁ぐ事が決まった時、私も妹として恥ずかしくはないように歴史を学ばされていたので、ほとんど復習となったけれど、たまに知らなかった知識も教えられて面白いと思った。

 貴族を覚える方が私には難しかった…。名前と顔を一致させるのは難しいし、兄弟姉妹も覚えないといけない。
私に直接会いに来て顔を見せに来てくれるわけでもないのに、一致なんてさせられないわ!

 それでも、私のやるべき事はなのだから仕方ないわ。二国間の和平の象徴となるべく嫁いで来たのですから。

 相変わらず、正妃になるのか側妃になるのか、直接言葉で言われていないから不安ではありますけれどね!


 そういえば、ジャーヴィス様の事は私、知らないまま夫婦となるのかしら…。確かに、この国にたどり着くまでの道中で、騎士団の人達にジャーヴィス様の事を聞いたりはしたけれど、だからなのか、褒め言葉しか言わないのよね。厳しい、とも言われたけれど。
でもそれは、彼等の感想だわ。

 私も、せっかく夫婦となるのだから、接点を持ちたいのにな…と思う反面、初対面で揶揄われたのが引っかかっているの。だから、何となく顔を合わせなくとも繋がりを持てたらと思って、短い手紙を毎日、一日の終わりに送る事にしたの。
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