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8. 五年後
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あれから、五年の月日が経ちました。
あの時のお姉様の子は、男の子でベンソン。ちょっと内気なのは、父親のペーターに似ているのかしら?
髪の色も瞳の色も父親と同じ焦げ茶色で、安堵しているのは私だけではないと思います。
…けれど、ペーターの兄ボーダンも、ペーターと同じ髪の色と瞳らしいのです。まぁ、ベンソンが可愛いから、誰も何も口には出しませんが。
それに、ペーターも婿に入ると自分から言ってくれただけあって本当に優しく、子供に付き合って遊んでいるわ。
お姉様の尻に敷かれている感じだけれど、案外上手くやっているらしいの。
だって…ベンソンの一歳下には弟のヒーリー。
その一歳下は妹のハイネと、毎年子供が出来ていて驚いたわ。
まぁ、一時はどうなる事かと思ったけれど今では本当に幸せそうで良かった。
私達?私達は…。
「おかあさまー!」
「なぁに?」
「見てみて-!変わった虫見つけた!」
「きゃ!す、すごいわね…とりあえず虫カゴに入れておきなさい。」
「はーい!」
「わーしゅごいねー。」
「クローディア、触ったらだめだよ。すぐ口に入れるんだもん。」
「いれましぇん!」
私達は、無事に婚約を結び、あれから一年後にスタンフォード侯爵領の教会で結婚式を挙げました。
ウェインはスタンフォード家の跡取りである為、私は嫁入りをさせてもらいました。
おじさまもおばさまも、小さい頃から知っているのでとても可愛がってくれました。
そして、結婚して三年経った頃、おじさまからウェインに侯爵の位を継承された。
ウェインも以前より忙しくされてるわ。
そして、三歳の男の子でキルギス、一歳の女の子でクローディアが生まれました。二人共とても元気で、外を駆け回ってくれるのはいいのだけれど、虫が好きで…私は苦手だからいつも少し困ってしまうわ。
「はは。またキルギスは何か捕まえたのか?お母様が困ってしまうよ。」
「だって、珍しい色だったからお母様やお父様にも見せたかったのです!」
「そうか。ありがとうな!キルギスは優しいなぁ。でもお母様を驚かせてはいけないよ。お腹の赤ちゃんまでびっくりしちゃうといけないからね。」
「分かりました!」
「おとうしゃまー!」
「なんだー?クローディアは抱っこして欲しいのか?」
ウェインは、キルギスの頭を撫で、手を広げて駆けてきたクローディアを片腕で抱っこをして片方の肩に乗せた。
「クローディアだけいいなぁ。」
「キルギス、して欲しいことはきちんと言いなさい。今はまだ、正直に言っていいんだ。大きくなったら、それも難しくなるけれどね。」
「はい!お父様、僕もお願いします!」
「お、偉いぞ-。分かったよ、順番にやってやるからな。ティラ、体調は大丈夫か?邸に戻るか?」
ウェインは、忙しい中でもこうやって、私や子供達との時間を作ってくれる。優しい旦那様だわ。
「ん?ティラ?どうした?」
「いいえ。ウェイン、愛してるわ!」
お姉様の婚約者だと思っていたけれど、私はウェインと結婚出来て、良かったですわ!
☆★☆★☆★☆★☆★
これにて終わりです。
読んでいただけて嬉しいです。
感想をくれた方、お気に入り登録して下さった方、しおりをはさんでくれた方、本当にありがとうございました。
とても励みになりました。
あの時のお姉様の子は、男の子でベンソン。ちょっと内気なのは、父親のペーターに似ているのかしら?
髪の色も瞳の色も父親と同じ焦げ茶色で、安堵しているのは私だけではないと思います。
…けれど、ペーターの兄ボーダンも、ペーターと同じ髪の色と瞳らしいのです。まぁ、ベンソンが可愛いから、誰も何も口には出しませんが。
それに、ペーターも婿に入ると自分から言ってくれただけあって本当に優しく、子供に付き合って遊んでいるわ。
お姉様の尻に敷かれている感じだけれど、案外上手くやっているらしいの。
だって…ベンソンの一歳下には弟のヒーリー。
その一歳下は妹のハイネと、毎年子供が出来ていて驚いたわ。
まぁ、一時はどうなる事かと思ったけれど今では本当に幸せそうで良かった。
私達?私達は…。
「おかあさまー!」
「なぁに?」
「見てみて-!変わった虫見つけた!」
「きゃ!す、すごいわね…とりあえず虫カゴに入れておきなさい。」
「はーい!」
「わーしゅごいねー。」
「クローディア、触ったらだめだよ。すぐ口に入れるんだもん。」
「いれましぇん!」
私達は、無事に婚約を結び、あれから一年後にスタンフォード侯爵領の教会で結婚式を挙げました。
ウェインはスタンフォード家の跡取りである為、私は嫁入りをさせてもらいました。
おじさまもおばさまも、小さい頃から知っているのでとても可愛がってくれました。
そして、結婚して三年経った頃、おじさまからウェインに侯爵の位を継承された。
ウェインも以前より忙しくされてるわ。
そして、三歳の男の子でキルギス、一歳の女の子でクローディアが生まれました。二人共とても元気で、外を駆け回ってくれるのはいいのだけれど、虫が好きで…私は苦手だからいつも少し困ってしまうわ。
「はは。またキルギスは何か捕まえたのか?お母様が困ってしまうよ。」
「だって、珍しい色だったからお母様やお父様にも見せたかったのです!」
「そうか。ありがとうな!キルギスは優しいなぁ。でもお母様を驚かせてはいけないよ。お腹の赤ちゃんまでびっくりしちゃうといけないからね。」
「分かりました!」
「おとうしゃまー!」
「なんだー?クローディアは抱っこして欲しいのか?」
ウェインは、キルギスの頭を撫で、手を広げて駆けてきたクローディアを片腕で抱っこをして片方の肩に乗せた。
「クローディアだけいいなぁ。」
「キルギス、して欲しいことはきちんと言いなさい。今はまだ、正直に言っていいんだ。大きくなったら、それも難しくなるけれどね。」
「はい!お父様、僕もお願いします!」
「お、偉いぞ-。分かったよ、順番にやってやるからな。ティラ、体調は大丈夫か?邸に戻るか?」
ウェインは、忙しい中でもこうやって、私や子供達との時間を作ってくれる。優しい旦那様だわ。
「ん?ティラ?どうした?」
「いいえ。ウェイン、愛してるわ!」
お姉様の婚約者だと思っていたけれど、私はウェインと結婚出来て、良かったですわ!
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