7 / 20
7. 鍛錬をしたいのですが、よろしいかしら
しおりを挟む
レナータは、火照った顔や気持ちを切り替えようと早速お風呂に入った。湯加減はちょうどよく、危うく湯船で寝てしまう所だった。
部屋着の着替えも置いてあったのでそれに着替える。着ていた服は、何と風呂場にある樽に入れると、綺麗に洗われて乾くという魔道具が置いてあり、早速使った。初めて見る物に、レナータは驚いた。
(魔術師の宿だから、特別にあるのかしら?それとも、普段から皆これを使っているのかしら?)
魔道具は貴重であり、何度か使ってしまうと魔力切れで使えなくなってしまうので、前者だろうとレナータは思った。
ベッドに入ると早い時間ではあったけれど思いのほか疲れていたのかすぐに眠ってしまった。
翌朝。
レナータは、まだ日が昇る前に目が覚めた。いつもの時間である。
(どうしよう。ゆっくり寝たから、もう眠くは無いし。体、動かしていいか聞いておけば良かったな…。)
いつものアリーサと出掛ける事は、疲れさせてしまう為にしたくない。昨日は、日課である鍛錬が出来なかったのもあって、体を動かせれたらいいと思った。
レナータは、領地では体が鈍らないように小柄なレナータに合った特注の剣を持ち、素振りをしたり、手の空いている人と手合わせをしていた。
バルツァル領では、一通り皆、剣を持ち自衛が出来るように訓練されるから、領地の子供達と手合わせをしたり、警備団の人と手合わせをしたりしていた。
(魔術師団が訓練する、訓練場って使わせてもらう事は出来ないのかなぁ。行って、聞いてみようっと!)
まだ朝までは時間がある為、レナータは、身支度を整えると、部屋を出た。
棟を出ると、偶然にもレオシュがいたのでレナータは駆け寄る。
「レオシュ!おはよう!レオシュも早起きなのね。」
「あ、あぁ…。レナータはどうしたんだい?」
「ええと…あの……あのね、訓練場って、私は使わせてもらう事出来ないかしら?」
レナータはレオシュに聞こうとしたが、もしかしたら遠慮ないと思われるかと思い始め、少し戸惑った。だが、出来るならしたいという思いが勝り、言葉にした。
「え?うーん、何をするの?もしかして、自主練?」
「そう!昨日、毎日の日課の、鍛錬をしていなかったし…出来ないかなって。でも、やっぱり無理かしら?」
「鍛錬って…レナータは、毎日やっているの?へーすごいね!そこらの令嬢とは違うね!」
「……レオシュ、そういう言い方はやめてほしいわ!女の人をいっぱいご存じなのね!でも私、比べてほしくないわ!」
レナータは、レオシュの顔を見て話していたのに、レオシュが他の女性と比べるような発言をしてきた為にそっぽを向いて、唇を尖らせた。
レナータは、なんだか胸がモヤモヤとしたのだ。
(変なの…なんだか、胸がザワザワとするわ。)
レナータは、なぜそのような気持ちになるのか良く分からなかった。
「ご、ごめん!比べたとかそういうんじゃないんだよ!レナータの事を知れて、俺は嬉しいんだよ?鍛錬がしたいんだね?じゃあ俺と行こう。俺と手合わせする?」
「え?いいの?やった!うん、やりたい!」
「うーん、聞いてた?まぁ、機嫌が直ったならいいか…。」
レナータは怒っていたのに、レオシュにそう言われ、なんだか嬉しい気持ちになったのだ。
その為、レオシュに聞いてた?と問われても何の事か分からず首を傾げた。
そんなレナータを見て、苦笑いをしたレオシュだったが、レナータの笑顔を見られたからいいかと納得する。
レナータはレオシュに連れられ、訓練場へと向かった。
☆★
一時間ほど、訓練場で鍛錬をした二人は、その階に備えつけられた風呂に入り、汗を流して、食堂へと向かった。
そこでも、着ていた服を樽に入れ、すぐに綺麗になったのでレナータはホッとした。
(汗をかいたベタベタのままでなんて、恥ずかしいものね。………え?あれ?でも、領地ではベタベタのままでもいつもいたわ。なんで恥ずかしいと思ったんだろう?)
レナータは、首を傾げながらもレオシュと食堂へ行った。
☆★
食事を摂った二人は、早速出発しようとアリーサとレオシュが乗る馬を迎えに行ったあと、王宮の門へと向かった。
門を出ようとすると、正面から入ってくる人物に見覚えがあった。
「あーー!おい!お前!!」
レナータは、指を差された為に顔を思い切り顰めた。
部屋着の着替えも置いてあったのでそれに着替える。着ていた服は、何と風呂場にある樽に入れると、綺麗に洗われて乾くという魔道具が置いてあり、早速使った。初めて見る物に、レナータは驚いた。
(魔術師の宿だから、特別にあるのかしら?それとも、普段から皆これを使っているのかしら?)
魔道具は貴重であり、何度か使ってしまうと魔力切れで使えなくなってしまうので、前者だろうとレナータは思った。
ベッドに入ると早い時間ではあったけれど思いのほか疲れていたのかすぐに眠ってしまった。
翌朝。
レナータは、まだ日が昇る前に目が覚めた。いつもの時間である。
(どうしよう。ゆっくり寝たから、もう眠くは無いし。体、動かしていいか聞いておけば良かったな…。)
いつものアリーサと出掛ける事は、疲れさせてしまう為にしたくない。昨日は、日課である鍛錬が出来なかったのもあって、体を動かせれたらいいと思った。
レナータは、領地では体が鈍らないように小柄なレナータに合った特注の剣を持ち、素振りをしたり、手の空いている人と手合わせをしていた。
バルツァル領では、一通り皆、剣を持ち自衛が出来るように訓練されるから、領地の子供達と手合わせをしたり、警備団の人と手合わせをしたりしていた。
(魔術師団が訓練する、訓練場って使わせてもらう事は出来ないのかなぁ。行って、聞いてみようっと!)
まだ朝までは時間がある為、レナータは、身支度を整えると、部屋を出た。
棟を出ると、偶然にもレオシュがいたのでレナータは駆け寄る。
「レオシュ!おはよう!レオシュも早起きなのね。」
「あ、あぁ…。レナータはどうしたんだい?」
「ええと…あの……あのね、訓練場って、私は使わせてもらう事出来ないかしら?」
レナータはレオシュに聞こうとしたが、もしかしたら遠慮ないと思われるかと思い始め、少し戸惑った。だが、出来るならしたいという思いが勝り、言葉にした。
「え?うーん、何をするの?もしかして、自主練?」
「そう!昨日、毎日の日課の、鍛錬をしていなかったし…出来ないかなって。でも、やっぱり無理かしら?」
「鍛錬って…レナータは、毎日やっているの?へーすごいね!そこらの令嬢とは違うね!」
「……レオシュ、そういう言い方はやめてほしいわ!女の人をいっぱいご存じなのね!でも私、比べてほしくないわ!」
レナータは、レオシュの顔を見て話していたのに、レオシュが他の女性と比べるような発言をしてきた為にそっぽを向いて、唇を尖らせた。
レナータは、なんだか胸がモヤモヤとしたのだ。
(変なの…なんだか、胸がザワザワとするわ。)
レナータは、なぜそのような気持ちになるのか良く分からなかった。
「ご、ごめん!比べたとかそういうんじゃないんだよ!レナータの事を知れて、俺は嬉しいんだよ?鍛錬がしたいんだね?じゃあ俺と行こう。俺と手合わせする?」
「え?いいの?やった!うん、やりたい!」
「うーん、聞いてた?まぁ、機嫌が直ったならいいか…。」
レナータは怒っていたのに、レオシュにそう言われ、なんだか嬉しい気持ちになったのだ。
その為、レオシュに聞いてた?と問われても何の事か分からず首を傾げた。
そんなレナータを見て、苦笑いをしたレオシュだったが、レナータの笑顔を見られたからいいかと納得する。
レナータはレオシュに連れられ、訓練場へと向かった。
☆★
一時間ほど、訓練場で鍛錬をした二人は、その階に備えつけられた風呂に入り、汗を流して、食堂へと向かった。
そこでも、着ていた服を樽に入れ、すぐに綺麗になったのでレナータはホッとした。
(汗をかいたベタベタのままでなんて、恥ずかしいものね。………え?あれ?でも、領地ではベタベタのままでもいつもいたわ。なんで恥ずかしいと思ったんだろう?)
レナータは、首を傾げながらもレオシュと食堂へ行った。
☆★
食事を摂った二人は、早速出発しようとアリーサとレオシュが乗る馬を迎えに行ったあと、王宮の門へと向かった。
門を出ようとすると、正面から入ってくる人物に見覚えがあった。
「あーー!おい!お前!!」
レナータは、指を差された為に顔を思い切り顰めた。
11
お気に入りに追加
303
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は王子の溺愛を終わらせない~ヒロイン遭遇で婚約破棄されたくないので、彼と国外に脱出します~
可児 うさこ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した。第二王子の婚約者として溺愛されて暮らしていたが、ヒロインが登場。第二王子はヒロインと幼なじみで、シナリオでは真っ先に攻略されてしまう。婚約破棄されて幸せを手放したくない私は、彼に言った。「ハネムーン(国外脱出)したいです」。私の願いなら何でも叶えてくれる彼は、すぐに手際を整えてくれた。幸せなハネムーンを楽しんでいると、ヒロインの影が追ってきて……※ハッピーエンドです※
王女と婚約するからという理由で、婚約破棄されました
マルローネ
恋愛
伯爵令嬢のミレーヌと侯爵令息のバクラは婚約関係にあった。
しかしある日、バクラは王女殿下のことが好きだという理由で、ミレーヌと婚約破棄をする。
バクラはその後、王女殿下に求婚するが精神崩壊するほど責められることになる。ミレーヌと王女殿下は仲が良く婚約破棄の情報はしっかりと伝わっていたからだ。
バクラはミレーヌの元に戻ろうとするが、彼女は王子様との婚約が決まっており──
侯爵家の当主になります~王族に仕返しするよ~
Mona
恋愛
第二王子の婚約者の発表がされる。
しかし、その名は私では無かった。
たった一人の婚約候補者の、私の名前では無かった。
私は、私の名誉と人生を守為に侯爵家の当主になります。
先ずは、お兄様を、グーパンチします。
不憫な侯爵令嬢は、王子様に溺愛される。
猫宮乾
恋愛
再婚した父の元、継母に幽閉じみた生活を強いられていたマリーローズ(私)は、父が没した事を契機に、結婚して出ていくように迫られる。皆よりも遅く夜会デビューし、結婚相手を探していると、第一王子のフェンネル殿下が政略結婚の話を持ちかけてくる。他に行く場所もない上、自分の未来を切り開くべく、同意したマリーローズは、その後後宮入りし、正妃になるまでは婚約者として過ごす事に。その内に、フェンネルの優しさに触れ、溺愛され、幸せを見つけていく。※pixivにも掲載しております(あちらで完結済み)。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】どうかその想いが実りますように
おもち。
恋愛
婚約者が私ではない別の女性を愛しているのは知っている。お互い恋愛感情はないけど信頼関係は築けていると思っていたのは私の独りよがりだったみたい。
学園では『愛し合う恋人の仲を引き裂くお飾りの婚約者』と陰で言われているのは分かってる。
いつまでも貴方を私に縛り付けていては可哀想だわ、だから私から貴方を解放します。
貴方のその想いが実りますように……
もう私には願う事しかできないから。
※ざまぁは薄味となっております。(当社比)もしかしたらざまぁですらないかもしれません。汗
お読みいただく際ご注意くださいませ。
※完結保証。全10話+番外編1話です。
※番外編2話追加しました。
※こちらの作品は「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています。
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
婚約破棄らしいので、私は愛する人に魔法を行使します
マルローネ
恋愛
魔法使いの家系に生まれたレナは、ハグリズ伯爵令息と婚約することができた。
ハグリズの元で魔法を使い様々な手伝いをしたレナだったが突然婚約破棄されてしまう。
理由は新しい魔法使いが手に入ったからというもの。レナよりも位の高い魔法使いのようだ。
レナは捨てられたがリクイド侯爵令息のおかげで救済されることになる。
一方、新しい魔法使いが手に入ったハグリズは後悔することになり……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる