27 / 35
27. 住んでいる人
しおりを挟む
放課後。
三人はそれぞれ以前ベントナー家が所有していた屋敷に到着した。
クラーラはその後シャーロテの家にも行く為に、一度タウンハウスへと馬車を返させ、シャーロテの馬車へと一緒に乗り込んだ。
ちなみに、ラグンフリズはすでに先に向かっている。
「本当はラグンフリズ様の馬車に乗りたかったでしょうけれど、誰に見られるか分からないものね。私ので我慢なさい。」
シャーロテはクラーラにそう言った。
「まぁ!やっぱり本当に素敵…!あぁ、良いわねぇ…!」
そう言ったシャーロテは、馬車を降り、現在正門から入り石段の道を挟んだ前庭を見て呟いていた。
色とりどりの花や、木が綺麗に並べられている。きっと素晴らしい庭師が、丁寧に育てているのだと滲み出ているほどだった。
「やぁ、いらっしゃい!っと、嬉しいね。君だね?この屋敷に興味を持ってくれたのは。」
庭に見とれていたクラーラとシャーロテは、屋敷から向かってきた男性に気づかなかった。真っ直ぐな銀髪を短く切り揃えた緑の瞳をしていた。この国では滅多に見ない色彩だ。
「こんにちは。この屋敷へようこそ。さ、もう少し奥の四阿へ行こう。そこの方が、良く見えるよ。」
そう言って、シャーロテをエスコートする男性。
後ろには先に来ていたラグンフリズもいて、クラーラの手を取り、エスコートをしながら四阿へ向かった。
「クラーラ嬢、心配しなくてもあいつは変な奴ではないよ。俺の、友人でもある。」
前を歩く二人には聞こえないようにこっそりとクラーラへと話すラグンフリズ。頭二つ分とまではいかないが、それほど身長差があるので、少し身を屈めてクラーラの耳元へ伝えたラグンフリズだったが、互いに顔が真っ赤に染まっていた。
(そうなのね。きっと落ち着いたら後で紹介もあるかしら。)
言葉を繋ごうにも思ったよりも緊張して声に出ないクラーラは、そう思った。
「さぁ、こちらへ座って。」
案内された四阿は、少し高い位置にある為に、庭が一望出来た。正門からの庭と、屋敷側にも綺麗に色とりどりの様々な種類の花が咲いていた。
「素晴らしいわ…!こんなに目でも楽しませてくれるなんて。」
「そう言ってくれて本当に嬉しいね。手直しした甲斐があったよ。この屋敷はこの国の国王陛下から借りているんだけど、庭は好きにしていいって言われていてね。さ、僕に自己紹介させてくれるかい?僕は、ライラス=チャーバリス。チャーバリス国から留学を目的に来たんだ。」
「チャーバリス国…王子様!?」
「え!?王子様…!」
チャーバリス国は、このニュークビンアース国からは海の遥か向こう側という認識で遠く離れている為、そしてしかも王子だったとシャーロテとクラーラは余計に驚いた。
「留学は、半年。どの国へ留学しようか迷っていたのだけどね、やっぱり知っている奴がいる所がいいと思って。ラグンフリズの愛しい人にもお目にかかりたかったからね!」
ライラス王子は最後はクラーラを見て言った為に、クラーラは再度顔を赤らめ俯いてしまった。
「ラグンフリズ様とお知り合いでしたの?」
「あぁ。ラグンフリズの住む港からは少し距離があるがね。僕の国の一番近い港までは二週間はかかるね。そこからは陸路で僕の住む王都までは更に二週間って所かな?ラグンフリズが幼い頃はよく来てくれていたよね。」
「そうだな。いろいろな国にいったが、ライラスともよくハンドボールで遊んでね。」
「僕は二人の姉がいてね。その二人から逃げるようによく、王宮を抜け出していたんだ。あの時は港が見たくなって、そこまで時間を掛けて行ったら、フォントリアー家の船があってね。周りの船より迫力があって驚いたなぁ!」
そう笑いながら言うライラスは、なぜだかシャーロテを優しい表情で見つめている。シャーロテも、ライラスを見つめながら珍しく聞き手に徹していた。
クラーラはそれを見て、『もしかして二人は、惹かれ合っているのかしら?』と思った。
「ライラス、君はいつから学院に通う?本当は、長期休暇が明けてからだと言う話ではなかったかい?」
「いやぁ、それが思ったよりも借りたこの屋敷の庭を手入れするのが面白くてね。この花も、庭師と一緒に造り上げたんだよ?だから、君がとても喜んでくれて凄く嬉しかったんだ。さあ、君の口から名前を教えてくれない?」
「あ!し、失礼しました…!私はシャーロテ=オルリックと申します。学院に通われるのですね?宜しくお願いしますわ。」
シャーロテが惚けていて、挨拶を忘れるなんて珍しいとクラーラは思っていた。
「シャーロテ嬢…シャーロテと呼んでもいいかい?」
「ええ。もちろんですわ!」
「じゃあ僕の事は、ライラスと呼んでね。」
「はい。ライラス様。」
「いや、ライラスと。」
「ええ…でも…」
「じゃあ慣れたら呼んでくれる?」
「…はい!」
クラーラは、いつもとは違い恥ずかしがるシャーロテを見て微笑ましく思ったが、見ているこっちまで照れてきて、顔を逸らした。すると、ラグンフリズがクラーラにこっそりと話し掛けた。
「俺ら、お邪魔みたいだから、移動しないか?あいつはあれでいてしっかりしているから、変な事はしないから。」
「おい!ラグンフリズ、聞こえているぞ!そうだな…せっかくだから僕はシャーロテと話をするよ。どうせ、ラグンフリズの想い人と仲を深める事は、ないと思ったからね。だってそんな事したらラグンフリズに斬られてしまうからね。一応これでも王子だから、命を無駄には出来ないさ。だから、そちらのシャーロテのご友人、ごゆっくり。奥にも庭が繋がっているから見てくるといい。あ、なんなら、シャーロテは僕が送って行くから心配しないで。」
「え?まぁ!あ…クラーラ、ごめんなさいね。」
ライラスは、シャーロテに優しい笑みを向けている。シャーロテも、もう夢中ですと顔に書いてあるようだった。
それを見たクラーラは、今日はシャーロテのタウンハウスには行けないわねと苦笑いをし、でもシャーロテも幸せそうでよかったと感じて、ラグンフリズと席を立った。
三人はそれぞれ以前ベントナー家が所有していた屋敷に到着した。
クラーラはその後シャーロテの家にも行く為に、一度タウンハウスへと馬車を返させ、シャーロテの馬車へと一緒に乗り込んだ。
ちなみに、ラグンフリズはすでに先に向かっている。
「本当はラグンフリズ様の馬車に乗りたかったでしょうけれど、誰に見られるか分からないものね。私ので我慢なさい。」
シャーロテはクラーラにそう言った。
「まぁ!やっぱり本当に素敵…!あぁ、良いわねぇ…!」
そう言ったシャーロテは、馬車を降り、現在正門から入り石段の道を挟んだ前庭を見て呟いていた。
色とりどりの花や、木が綺麗に並べられている。きっと素晴らしい庭師が、丁寧に育てているのだと滲み出ているほどだった。
「やぁ、いらっしゃい!っと、嬉しいね。君だね?この屋敷に興味を持ってくれたのは。」
庭に見とれていたクラーラとシャーロテは、屋敷から向かってきた男性に気づかなかった。真っ直ぐな銀髪を短く切り揃えた緑の瞳をしていた。この国では滅多に見ない色彩だ。
「こんにちは。この屋敷へようこそ。さ、もう少し奥の四阿へ行こう。そこの方が、良く見えるよ。」
そう言って、シャーロテをエスコートする男性。
後ろには先に来ていたラグンフリズもいて、クラーラの手を取り、エスコートをしながら四阿へ向かった。
「クラーラ嬢、心配しなくてもあいつは変な奴ではないよ。俺の、友人でもある。」
前を歩く二人には聞こえないようにこっそりとクラーラへと話すラグンフリズ。頭二つ分とまではいかないが、それほど身長差があるので、少し身を屈めてクラーラの耳元へ伝えたラグンフリズだったが、互いに顔が真っ赤に染まっていた。
(そうなのね。きっと落ち着いたら後で紹介もあるかしら。)
言葉を繋ごうにも思ったよりも緊張して声に出ないクラーラは、そう思った。
「さぁ、こちらへ座って。」
案内された四阿は、少し高い位置にある為に、庭が一望出来た。正門からの庭と、屋敷側にも綺麗に色とりどりの様々な種類の花が咲いていた。
「素晴らしいわ…!こんなに目でも楽しませてくれるなんて。」
「そう言ってくれて本当に嬉しいね。手直しした甲斐があったよ。この屋敷はこの国の国王陛下から借りているんだけど、庭は好きにしていいって言われていてね。さ、僕に自己紹介させてくれるかい?僕は、ライラス=チャーバリス。チャーバリス国から留学を目的に来たんだ。」
「チャーバリス国…王子様!?」
「え!?王子様…!」
チャーバリス国は、このニュークビンアース国からは海の遥か向こう側という認識で遠く離れている為、そしてしかも王子だったとシャーロテとクラーラは余計に驚いた。
「留学は、半年。どの国へ留学しようか迷っていたのだけどね、やっぱり知っている奴がいる所がいいと思って。ラグンフリズの愛しい人にもお目にかかりたかったからね!」
ライラス王子は最後はクラーラを見て言った為に、クラーラは再度顔を赤らめ俯いてしまった。
「ラグンフリズ様とお知り合いでしたの?」
「あぁ。ラグンフリズの住む港からは少し距離があるがね。僕の国の一番近い港までは二週間はかかるね。そこからは陸路で僕の住む王都までは更に二週間って所かな?ラグンフリズが幼い頃はよく来てくれていたよね。」
「そうだな。いろいろな国にいったが、ライラスともよくハンドボールで遊んでね。」
「僕は二人の姉がいてね。その二人から逃げるようによく、王宮を抜け出していたんだ。あの時は港が見たくなって、そこまで時間を掛けて行ったら、フォントリアー家の船があってね。周りの船より迫力があって驚いたなぁ!」
そう笑いながら言うライラスは、なぜだかシャーロテを優しい表情で見つめている。シャーロテも、ライラスを見つめながら珍しく聞き手に徹していた。
クラーラはそれを見て、『もしかして二人は、惹かれ合っているのかしら?』と思った。
「ライラス、君はいつから学院に通う?本当は、長期休暇が明けてからだと言う話ではなかったかい?」
「いやぁ、それが思ったよりも借りたこの屋敷の庭を手入れするのが面白くてね。この花も、庭師と一緒に造り上げたんだよ?だから、君がとても喜んでくれて凄く嬉しかったんだ。さあ、君の口から名前を教えてくれない?」
「あ!し、失礼しました…!私はシャーロテ=オルリックと申します。学院に通われるのですね?宜しくお願いしますわ。」
シャーロテが惚けていて、挨拶を忘れるなんて珍しいとクラーラは思っていた。
「シャーロテ嬢…シャーロテと呼んでもいいかい?」
「ええ。もちろんですわ!」
「じゃあ僕の事は、ライラスと呼んでね。」
「はい。ライラス様。」
「いや、ライラスと。」
「ええ…でも…」
「じゃあ慣れたら呼んでくれる?」
「…はい!」
クラーラは、いつもとは違い恥ずかしがるシャーロテを見て微笑ましく思ったが、見ているこっちまで照れてきて、顔を逸らした。すると、ラグンフリズがクラーラにこっそりと話し掛けた。
「俺ら、お邪魔みたいだから、移動しないか?あいつはあれでいてしっかりしているから、変な事はしないから。」
「おい!ラグンフリズ、聞こえているぞ!そうだな…せっかくだから僕はシャーロテと話をするよ。どうせ、ラグンフリズの想い人と仲を深める事は、ないと思ったからね。だってそんな事したらラグンフリズに斬られてしまうからね。一応これでも王子だから、命を無駄には出来ないさ。だから、そちらのシャーロテのご友人、ごゆっくり。奥にも庭が繋がっているから見てくるといい。あ、なんなら、シャーロテは僕が送って行くから心配しないで。」
「え?まぁ!あ…クラーラ、ごめんなさいね。」
ライラスは、シャーロテに優しい笑みを向けている。シャーロテも、もう夢中ですと顔に書いてあるようだった。
それを見たクラーラは、今日はシャーロテのタウンハウスには行けないわねと苦笑いをし、でもシャーロテも幸せそうでよかったと感じて、ラグンフリズと席を立った。
39
お気に入りに追加
2,971
あなたにおすすめの小説
愛しき夫は、男装の姫君と恋仲らしい。
星空 金平糖
恋愛
シエラは、政略結婚で夫婦となった公爵──グレイのことを深く愛していた。
グレイは優しく、とても親しみやすい人柄でその甘いルックスから、結婚してからも数多の女性達と浮名を流していた。
それでもシエラは、グレイが囁いてくれる「私が愛しているのは、あなただけだよ」その言葉を信じ、彼と夫婦であれることに幸福を感じていた。
しかし。ある日。
シエラは、グレイが美貌の少年と親密な様子で、王宮の庭を散策している場面を目撃してしまう。当初はどこかの令息に王宮案内をしているだけだと考えていたシエラだったが、実はその少年が王女─ディアナであると判明する。
聞くところによるとディアナとグレイは昔から想い会っていた。
ディアナはグレイが結婚してからも、健気に男装までしてグレイに会いに来ては逢瀬を重ねているという。
──……私は、ただの邪魔者だったの?
衝撃を受けるシエラは「これ以上、グレイとはいられない」と絶望する……。
女性として見れない私は、もう不要な様です〜俺の事は忘れて幸せになって欲しい。と言われたのでそうする事にした結果〜
流雲青人
恋愛
子爵令嬢のプレセアは目の前に広がる光景に静かに涙を零した。
偶然にも居合わせてしまったのだ。
学園の裏庭で、婚約者がプレセアの友人へと告白している場面に。
そして後日、婚約者に呼び出され告げられた。
「君を女性として見ることが出来ない」
幼馴染であり、共に過ごして来た時間はとても長い。
その中でどうやら彼はプレセアを友人以上として見れなくなってしまったらしい。
「俺の事は忘れて幸せになって欲しい。君は幸せになるべき人だから」
大切な二人だからこそ、清く身を引いて、大好きな人と友人の恋を応援したい。
そう思っている筈なのに、恋心がその気持ちを邪魔してきて...。
※
ゆるふわ設定です。
完結しました。
【完結】白い結婚ですか? 喜んで!~推し(旦那様の外見)活に忙しいので、旦那様の中身には全く興味がありません!~
猫石
恋愛
「ラテスカ嬢。君には申し訳ないが、私は初恋の人が忘れられない。私が理不尽な要求をしていることはわかっているが、この気持ちに整理がつくまで白い結婚としてほしい。こちらが契約書だ」
「かしこまりました。クフィーダ様。一つだけお願いしてもよろしゅうございますか? 私、推し活がしたいんです! それは許してくださいますね。」
「え?」
「え?」
結婚式の夜。
これが私たち夫婦の最初の会話だった。
⚠️注意書き⚠️
☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。
☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!)
☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。
☆ゆるっふわっ設定です。
☆小説家のなろう様にも投稿しています
☆3話完結です。(3月9日0時、6時、12時に更新です。)
【完結】探さないでください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
私は、貴方と共にした一夜を後悔した事はない。
貴方は私に尊いこの子を与えてくれた。
あの一夜を境に、私の環境は正反対に変わってしまった。
冷たく厳しい人々の中から、温かく優しい人々の中へ私は飛び込んだ。
複雑で高級な物に囲まれる暮らしから、質素で簡素な物に囲まれる暮らしへ移ろいだ。
無関心で疎遠な沢山の親族を捨てて、誰よりも私を必要としてくれる尊いこの子だけを選んだ。
風の噂で貴方が私を探しているという話を聞く。
だけど、誰も私が貴方が探している人物とは思わないはず。
今、私は幸せを感じている。
貴方が側にいなくても、私はこの子と生きていける。
だから、、、
もう、、、
私を、、、
探さないでください。
好きな人と友人が付き合い始め、しかも嫌われたのですが
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
ナターシャは以前から恋の相談をしていた友人が、自分の想い人ディーンと秘かに付き合うようになっていてショックを受ける。しかし諦めて二人の恋を応援しようと決める。だがディーンから「二度と僕達に話しかけないでくれ」とまで言われ、嫌われていたことにまたまたショック。どうしてこんなに嫌われてしまったのか?卒業パーティーのパートナーも決まっていないし、どうしたらいいの?
【完結】待ってください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ルチアは、誰もいなくなった家の中を見回した。
毎日家族の為に食事を作り、毎日家を清潔に保つ為に掃除をする。
だけど、ルチアを置いて夫は出て行ってしまった。
一枚の離婚届を机の上に置いて。
ルチアの流した涙が床にポタリと落ちた。
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
【完結】「政略結婚ですのでお構いなく!」
仙桜可律
恋愛
文官の妹が王子に見初められたことで、派閥間の勢力図が変わった。
「で、政略結婚って言われましてもお父様……」
優秀な兄と妹に挟まれて、何事もほどほどにこなしてきたミランダ。代々優秀な文官を輩出してきたシューゼル伯爵家は良縁に恵まれるそうだ。
適齢期になったら適当に釣り合う方と適当にお付き合いをして適当な時期に結婚したいと思っていた。
それなのに代々武官の家柄で有名なリッキー家と結婚だなんて。
のんびりに見えて豪胆な令嬢と
体力系にしか自信がないワンコ令息
24.4.87 本編完結
以降不定期で番外編予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる