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アルフェンス国へ
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あれから一旦森のログハウスへと帰って、アルフェンス国へ帰る人達の確認をした。
私は、ここに残る人もいるんじゃないかと思ったが全員帰ると言った。
そして、ユリエルおじさまが言ったように、みんな口々に『以前のバルグェン国はもうなくなった。フィリア様が葬って下さった。』と言ってくれたので、人々の心も少しは落ち着いてくれたのだと思いたい。
皆は変わらず、私を尊い者として扱ってくれている。本当は、そうじゃないのに、でも血統としてはそうらしいからといつも私の中で葛藤している。
でもその度にユリエルおじさまが、私に喝を入れてくれる。だから、このままでいいんだと思った。
次の日。
荷物を持てるだけ持って、アルフェンス国へ向かった。
昨日の内に、アルフェンス国の城に向かってくれた人達がいたみたいで、とても放って置かれた城とは思えなかった。
聞くと、戦いの跡がそこかしこに残っていたらしい。それを魔法で直してくれたのだとか。一日で直してしまうって、魔法って、何でも出来るのかしら?
城は、教会に比べたらそれは広いけれど、周辺諸国の城に比べたら小さいらしい。でも、私はとても気に入った。
高さは、部屋があるのは高い所で4階。その上には、見晴らし台などがあるみたい。
4階が、王族の部屋らしい。今は他にいないから、静かよね。3階が国賓用の泊まる部屋が4つ。2階が執務室や謁見の間などがあり、1階は食堂など。
1階の入り口入ってすぐは広間で、正面に上へと続く階段がある。両手を広げてもまだ有り余るほどの横幅だ。
外に別棟で、使用人達の部屋の建物と、図書棟があった。
「ステキ…。」
「そういってもらえて、嬉しいですぞ。」
ユリエルおじさまはニコニコしている。きっと、ここで過ごした日々を思い出しているのかもしれないわ。
庭も、城壁の内側にあり、門から壁伝いに1周出来る。幅は、10人ほどが横に並んで歩いても余裕があるほどが、ぐるりと1周している。今はまだ手入れをしてないみたいで花はまばらにしか咲いてないけれど、どうなるのか楽しみだ。
「ここで、今日から復興作業に追われますぞ。」
ユリエルおじさまは、お父様の国王陛下の側近だったと言っていたわね。だからか、仕事がしたくてうずうずしてるように見えた。
「ユリエルおじさま。それで、どうしていきましょう。この城、結構広いけれど、働いてくれる人いるかしら。」
孤児院では、私も掃除や洗濯、食事の用意など生活の一通りは一人できるけれど、こんなに広いとさすがに一人では掃除はしきれない。魔法で掃除を毎回お願いするのも、なんだか違う気がするもの。
「それはもう、殺到するほどにおりますよ。どうしましょうか。昔、仕事していた人達を就かせるのが勝手を知っていていいかと。」
「そうね、その辺りはお任せしようかしら。あ、でも15年経っているから、新しい人や若い人も雇ってね。世代交代ではないけれど、力仕事なんかは年齢がいった人より若い方が頼みやすいんじゃないかしら。」
「なるほどなるほど。承知致しました。」
「それから、周辺諸国にはご挨拶した方がいいわよね。」
「そうですな…。国を再び立ち上げる旨の書物を送りましょう。あとで、下書きを持ってくるので、それを確認して下さい。」
「わかったわ。」
なんだかやる事は山積みね。
「ねぇユリエルおじさま。あなた一人で大変じゃない?私はまだ仕事なんて出来ないけれど、何か出来る事ないかしら?」
「なんの!あなたのお父様に比べたら、仕事は少ないですぞ!心配ご無用。これしきはなんともありゃしませんよ。そうだ、城の外の、周辺の人達を見てきてもいいですよ。きっとそちらも、家を建て直したりしております。でも、昼までには戻って来て下さいよ。食事を用意させますからな。」
「そうなのね。わかったわ。食事は私が作らなくてもいいの?」
「孤児院では、たくさんの事をやってこられて本当に素晴らしかったですよ。けれど、本来ならすべて他の者にやらせる仕事。あなた様は居られるだけで、国民の心に灯が灯る存在なのです。これからは、生活ががらりと変わるとお思いでしょうが、それも受け入れて下さい。」
「やっぱり、ユリエルおじさまは、私がここで国王となった方がいいと思っているのよね?」
「申し訳ありません…フィリア様のお心のままに、と言っておきながら。国王陛下が私に、あの日あなた様を託されたのです。だが再びここに帰ってこれました。これも、国王陛下のお導きかと勝手に思っております。」
ユリエルおじさまは、腰を曲げ、恭しく私に謝罪した。
「顔を上げて!流されているような気もするけど、私も受け入れていくから。ねぇ、私が国王となるの?それとも、私がいつか結婚したら、旦那様が国王となるの?」
「それも後ほど決めましょうか。フィリア様の決心が付かぬまま話しても意味がないと思っておりました故。」
「わかったわ。いろいろと、ありがとう。ユリエルおじさま。」
「なんの。まだまだ始まったばかりですぞ。」
そうね、始まったばかり。楽しんでいかないとね!
私は、ここに残る人もいるんじゃないかと思ったが全員帰ると言った。
そして、ユリエルおじさまが言ったように、みんな口々に『以前のバルグェン国はもうなくなった。フィリア様が葬って下さった。』と言ってくれたので、人々の心も少しは落ち着いてくれたのだと思いたい。
皆は変わらず、私を尊い者として扱ってくれている。本当は、そうじゃないのに、でも血統としてはそうらしいからといつも私の中で葛藤している。
でもその度にユリエルおじさまが、私に喝を入れてくれる。だから、このままでいいんだと思った。
次の日。
荷物を持てるだけ持って、アルフェンス国へ向かった。
昨日の内に、アルフェンス国の城に向かってくれた人達がいたみたいで、とても放って置かれた城とは思えなかった。
聞くと、戦いの跡がそこかしこに残っていたらしい。それを魔法で直してくれたのだとか。一日で直してしまうって、魔法って、何でも出来るのかしら?
城は、教会に比べたらそれは広いけれど、周辺諸国の城に比べたら小さいらしい。でも、私はとても気に入った。
高さは、部屋があるのは高い所で4階。その上には、見晴らし台などがあるみたい。
4階が、王族の部屋らしい。今は他にいないから、静かよね。3階が国賓用の泊まる部屋が4つ。2階が執務室や謁見の間などがあり、1階は食堂など。
1階の入り口入ってすぐは広間で、正面に上へと続く階段がある。両手を広げてもまだ有り余るほどの横幅だ。
外に別棟で、使用人達の部屋の建物と、図書棟があった。
「ステキ…。」
「そういってもらえて、嬉しいですぞ。」
ユリエルおじさまはニコニコしている。きっと、ここで過ごした日々を思い出しているのかもしれないわ。
庭も、城壁の内側にあり、門から壁伝いに1周出来る。幅は、10人ほどが横に並んで歩いても余裕があるほどが、ぐるりと1周している。今はまだ手入れをしてないみたいで花はまばらにしか咲いてないけれど、どうなるのか楽しみだ。
「ここで、今日から復興作業に追われますぞ。」
ユリエルおじさまは、お父様の国王陛下の側近だったと言っていたわね。だからか、仕事がしたくてうずうずしてるように見えた。
「ユリエルおじさま。それで、どうしていきましょう。この城、結構広いけれど、働いてくれる人いるかしら。」
孤児院では、私も掃除や洗濯、食事の用意など生活の一通りは一人できるけれど、こんなに広いとさすがに一人では掃除はしきれない。魔法で掃除を毎回お願いするのも、なんだか違う気がするもの。
「それはもう、殺到するほどにおりますよ。どうしましょうか。昔、仕事していた人達を就かせるのが勝手を知っていていいかと。」
「そうね、その辺りはお任せしようかしら。あ、でも15年経っているから、新しい人や若い人も雇ってね。世代交代ではないけれど、力仕事なんかは年齢がいった人より若い方が頼みやすいんじゃないかしら。」
「なるほどなるほど。承知致しました。」
「それから、周辺諸国にはご挨拶した方がいいわよね。」
「そうですな…。国を再び立ち上げる旨の書物を送りましょう。あとで、下書きを持ってくるので、それを確認して下さい。」
「わかったわ。」
なんだかやる事は山積みね。
「ねぇユリエルおじさま。あなた一人で大変じゃない?私はまだ仕事なんて出来ないけれど、何か出来る事ないかしら?」
「なんの!あなたのお父様に比べたら、仕事は少ないですぞ!心配ご無用。これしきはなんともありゃしませんよ。そうだ、城の外の、周辺の人達を見てきてもいいですよ。きっとそちらも、家を建て直したりしております。でも、昼までには戻って来て下さいよ。食事を用意させますからな。」
「そうなのね。わかったわ。食事は私が作らなくてもいいの?」
「孤児院では、たくさんの事をやってこられて本当に素晴らしかったですよ。けれど、本来ならすべて他の者にやらせる仕事。あなた様は居られるだけで、国民の心に灯が灯る存在なのです。これからは、生活ががらりと変わるとお思いでしょうが、それも受け入れて下さい。」
「やっぱり、ユリエルおじさまは、私がここで国王となった方がいいと思っているのよね?」
「申し訳ありません…フィリア様のお心のままに、と言っておきながら。国王陛下が私に、あの日あなた様を託されたのです。だが再びここに帰ってこれました。これも、国王陛下のお導きかと勝手に思っております。」
ユリエルおじさまは、腰を曲げ、恭しく私に謝罪した。
「顔を上げて!流されているような気もするけど、私も受け入れていくから。ねぇ、私が国王となるの?それとも、私がいつか結婚したら、旦那様が国王となるの?」
「それも後ほど決めましょうか。フィリア様の決心が付かぬまま話しても意味がないと思っておりました故。」
「わかったわ。いろいろと、ありがとう。ユリエルおじさま。」
「なんの。まだまだ始まったばかりですぞ。」
そうね、始まったばかり。楽しんでいかないとね!
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