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15 真相の告白
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「カトリーナ?」
そう、震える声で声を掛けてきたデニス。
噴水の手前のベンチに、つばの広い帽子を深く被り顔を隠し白いワンピースをて座っていたのは、フレイチェだ。
深く被っている為周りが見にくいが、声でだいたいの距離が分かるし地面を見ていれば誰かが近寄ってこれば足が見えるのでそれで分かると、気を張り詰めながら座っている。
デニスはフレイチェの存在を知らないし、カトリーナが持っていたつばの広い帽子を被ってカトリーナが好んで着ていたワンピース姿の女性がそこにいるとなれば、勘違いをする可能性があるとフレイチェは思ったのだ。
「カトリーナ、生きていたの?
もしかして俺が会いに来るのを待ってたの…!?」
そう声を振るわせながら言って、ベンチの前に座ろうとしたのでフレイチェは顔を背けたまま、ベンチから立ち上がった。
フレイチェの隣ではもちろんカトリーナが座っていて、デニスを睨みつけている。
フレイチェは一応、ここに来てすぐカトリーナに今からデニスが来る事を謝った。そして、出来れば罪を認めさせたいからとカトリーナの傍に来る事を許して欲しいと言った。
《あぁ、私が白状させれたらいいのに!
私の代わりに、どうかお願いね。》
そう許してくれたが、カトリーナの視線が自分に向けられている訳では無いのに、フレイチェはものすごく痛く感じた。
「デニス、何をしているの!?」
「おい、デニス!?」
「まあまあ。せっかくですから少し聞いていましょう。」
カスペルとカーリンは、デニスが走って先に行き帽子を被った女性に話し掛けるいるのを見て驚き声を上げたが、ランメルトがそれを制し、その場に留まらせてどうにか見守らせる事に成功した。
「何を言ってるのかしら。」
フレイチェは、カトリーナの口調を真似て言った。うまくいくか少し不安ではあったが、声を出さなければ聞きたい事も聞けない為うまくいくように願いながら。
似ているわけではなかったが、デニスにはもう、カトリーナとして見えている為、声が違うのもそんなに気にならなかった。
「え、なに恥ずかしがってるの?俺が抱き締めてあげられなかった事、怒ってるの?」
《はぁ!?》
フレイチェには、怒りを滲ませたカトリーナの声も聞こえる為、ビクリとしたがそれを気付かれないように一歩前に進み、どうにか疑われずに済んだと思いながら、デニスが罪を自分から白状するように誘導しようと言葉を選びつつ口を開く。
「いつの事を言ってるのかしらね。」
「十年前のあの日だよ!せっかく俺の腕の中に閉じ込めてあげようと思ったのに、崖に消えちゃってびっくりしちゃったよ!
でも、生きてたんだね!クラースが死んだからもう自由だよ?やっと一緒になれるね、カトリーナ!」
そう言ってカトリーナに扮したフレイチェを抱き締めようと近づいてくるから、急いで横へと移動し、カトリーナの叫び声が聞こえる中、フレイチェは声を上げる。
《な、何ですって!?気持ち悪い!》
「十年前、あの日あなたはどうして手紙を?」
「だってさ、ハブリエルが消えてあの日でちょうど一年だよ?カトリーナが悲しそうだったから慰めようとしたんだ。もうあいつは帰って来ないって。区切りをつけた方が良いよね?
ハブリエルは、侯爵様なんて勤まらないんだよ。それよりもハブリエルなんて忘れて、俺と一緒になった方がよっぽど幸せになれると思ったからさ!」
《なんて自分勝手な!生んだ子を忘れるなんて出来るわけないじゃないの!!》
「ハブリエルを忘れるなんて、出来ると思ったのかしら?」
「うーん、それはさ、俺が忘れさせてあげる。だって俺は初めて会った時からずっとずーっと、君に夢中だったんだ!
クラースよりもカトリーナをずっとずっと愛してたんだからね!」
《あり得ないわ!この嘘つき!
初めて会った時って、あなたまだ十歳の事だったじゃないの!!》
「え!」
フレイチェは、カトリーナの言葉に驚き思わず声を上げ、横へと一歩ずつ逃げていた歩みを止めてしまった。
(愛してるって…十歳から?好きな気持ちがどんどん膨れ上がって、とかじゃなくて?…きゃ!)
「ん?どうしたの?俺の言う事が信じられない?カトリーナに初めて会ったのは俺が十歳の頃だったよね?その頃からずっと、俺はカトリーナだけを見つめてきたんだよ。…ああやっと捕まえた!」
《フレイチェさん!!》
フレイチェは、歩みを止めた事でその場に留まってしまっていた。
その為、デニスが近づいてきていたのに逃げ遅れ、とうとうデニスが両腕を広げ、カトリーナ扮するフレイチェを抱き締めてしまった。
「フレイチェ!!」
それを後ろから見守っていたランメルトは思わず声を上げ、フレイチェの元へ走り、デニスの片方の腕を掴んだ。
陰に潜んでいた四人も、成り行きを見守っていた為誰も動かずにいた。だがフレイチェがデニスの腕に捕まった時、隠れていた陰から体を出し、皆出て行こうか一瞬迷ったのだがランメルトが動いた事で、皆更に足を進める。
「あぁ、やっと捕まえたよ、カトリーナ。帽子を被った君も素敵だけど外し…痛っ痛いよ、ちょっと!」
「悪いが、その汚い手を離してもらえるか、デニス!」
フレイチェは、初めて聞く低くて相手を突き刺すような鋭い声でデニスに威圧するランメルトの声を聞き、驚いたが同時に助けてくれたのだと安心する。
それを聞いたデニスは、恐ろしいと思い体を硬直させたが、せっかくカトリーナを抱き締めたと思い込んでいるデニスは、この機会を逃すものかと自らを奮い立たせて反抗の意を唱える。
「ちょ、ちょっと、今良いところなんだから邪魔しないでくれる?」
「良いところなわけあるか!
いいから一旦離れろ!!」
「痛っ!痛いってば!!」
ランメルトはデニスの片腕を捻り上げ、もう片方の腕が緩んで唸り声を上げている隙に、フレイチェを自身の背に隠すように優しく腕で引き寄せた。
「お前は、十年前母上を崖から下へ追いやったな?」
「追いやってなんかないさ、抱き締めようとしたら恥ずかしがって逃げるからだよ?
僕だってびっくりしたよ、崖から一瞬で消えたんだ。」
《何言ってるのよ!!》
「だとしても、それはお前が突き落としたようなものだ!同意の元でないなら、逃げるに決まっている!」
「そんな事あるわけないじゃん!カトリーナを愛する俺が、突き落とすわけない!
そりゃ、〝私の家族の事に口出ししてこないで〟って言ってきた時はさすがにそんな事言わずに素直になれよ!とは思ったけどさ!」
「…母上は、お前に素直になっていただろう。口出しするな、と心の内を訴えたんだ。」
「どこが!?
カトリーナは照れ屋なんだ。猫のように気品があって気高いんだよ?
本当だったら俺に甘えたいはずなのにクラースがいるから仕方なく、冷たい事を言ってくるだけなんだよ。」
《はぁ!?どこをどうしたらそう勘違い出来るのよ!!》
「お前…そうとうにめでたい奴だな、そこまで人の気持ちを理解出来ない奴は初めてだよ。」
「どういう意味かわからない!さっきから失礼だな!僕はランメルトより年上なんだからもっと敬いなよ!十年越しでカトリーナに会えたから許してあげてたけど、もう許さないよ!」
「許さないのはこっちよ?
罪は認めてもらわないと。」
フレイチェはランメルトの背に隠れるようにいた事で少し落ち着きを取り戻し、もうこの茶番を終わらそうともう一度口を開く。
「カトリーナ!?罪って?だって、崖から消えたけど助かったんでしょ?だからここにいるんでしょ!?
あの日カトリーナが消えて、僕急いで家に帰って母さんと父さんに一緒に探してって頼んだんだ!でも〝お前は家から出るな〟って言われちゃったんだ。一緒に探すつもりだったんだよ?でもその後両親は帰ってきて、〝もうカトリーナは居ない。本家にも落ちた崖にも二度と近づくな〟って言われちゃったから、言いつけを守ってただけだよ!
ねぇカトリーナ怒ってるの?会いにこれなくてごめん!」
そう言って、ランメルトの後ろにいるフレイチェへと手を伸ばし、腕を掴もうとするからランメルトは透かさず声を出す。
「止めろ。そもそも、こいつは母上ではない。俺の妻だ。」
「は?何言ってるの!?だって、カトリーナでしょ!」
そう言われたフレイチェは、帽子に手を掛けると丁寧に外した。
「…え?あれ?」
カトリーナだと思っていたのに、帽子を外した顔が全く違う事でやっと、カトリーナではないと気がついたデニス。ぽかんと間抜けな表情で、フレイチェを見つめるのだった。
そう、震える声で声を掛けてきたデニス。
噴水の手前のベンチに、つばの広い帽子を深く被り顔を隠し白いワンピースをて座っていたのは、フレイチェだ。
深く被っている為周りが見にくいが、声でだいたいの距離が分かるし地面を見ていれば誰かが近寄ってこれば足が見えるのでそれで分かると、気を張り詰めながら座っている。
デニスはフレイチェの存在を知らないし、カトリーナが持っていたつばの広い帽子を被ってカトリーナが好んで着ていたワンピース姿の女性がそこにいるとなれば、勘違いをする可能性があるとフレイチェは思ったのだ。
「カトリーナ、生きていたの?
もしかして俺が会いに来るのを待ってたの…!?」
そう声を振るわせながら言って、ベンチの前に座ろうとしたのでフレイチェは顔を背けたまま、ベンチから立ち上がった。
フレイチェの隣ではもちろんカトリーナが座っていて、デニスを睨みつけている。
フレイチェは一応、ここに来てすぐカトリーナに今からデニスが来る事を謝った。そして、出来れば罪を認めさせたいからとカトリーナの傍に来る事を許して欲しいと言った。
《あぁ、私が白状させれたらいいのに!
私の代わりに、どうかお願いね。》
そう許してくれたが、カトリーナの視線が自分に向けられている訳では無いのに、フレイチェはものすごく痛く感じた。
「デニス、何をしているの!?」
「おい、デニス!?」
「まあまあ。せっかくですから少し聞いていましょう。」
カスペルとカーリンは、デニスが走って先に行き帽子を被った女性に話し掛けるいるのを見て驚き声を上げたが、ランメルトがそれを制し、その場に留まらせてどうにか見守らせる事に成功した。
「何を言ってるのかしら。」
フレイチェは、カトリーナの口調を真似て言った。うまくいくか少し不安ではあったが、声を出さなければ聞きたい事も聞けない為うまくいくように願いながら。
似ているわけではなかったが、デニスにはもう、カトリーナとして見えている為、声が違うのもそんなに気にならなかった。
「え、なに恥ずかしがってるの?俺が抱き締めてあげられなかった事、怒ってるの?」
《はぁ!?》
フレイチェには、怒りを滲ませたカトリーナの声も聞こえる為、ビクリとしたがそれを気付かれないように一歩前に進み、どうにか疑われずに済んだと思いながら、デニスが罪を自分から白状するように誘導しようと言葉を選びつつ口を開く。
「いつの事を言ってるのかしらね。」
「十年前のあの日だよ!せっかく俺の腕の中に閉じ込めてあげようと思ったのに、崖に消えちゃってびっくりしちゃったよ!
でも、生きてたんだね!クラースが死んだからもう自由だよ?やっと一緒になれるね、カトリーナ!」
そう言ってカトリーナに扮したフレイチェを抱き締めようと近づいてくるから、急いで横へと移動し、カトリーナの叫び声が聞こえる中、フレイチェは声を上げる。
《な、何ですって!?気持ち悪い!》
「十年前、あの日あなたはどうして手紙を?」
「だってさ、ハブリエルが消えてあの日でちょうど一年だよ?カトリーナが悲しそうだったから慰めようとしたんだ。もうあいつは帰って来ないって。区切りをつけた方が良いよね?
ハブリエルは、侯爵様なんて勤まらないんだよ。それよりもハブリエルなんて忘れて、俺と一緒になった方がよっぽど幸せになれると思ったからさ!」
《なんて自分勝手な!生んだ子を忘れるなんて出来るわけないじゃないの!!》
「ハブリエルを忘れるなんて、出来ると思ったのかしら?」
「うーん、それはさ、俺が忘れさせてあげる。だって俺は初めて会った時からずっとずーっと、君に夢中だったんだ!
クラースよりもカトリーナをずっとずっと愛してたんだからね!」
《あり得ないわ!この嘘つき!
初めて会った時って、あなたまだ十歳の事だったじゃないの!!》
「え!」
フレイチェは、カトリーナの言葉に驚き思わず声を上げ、横へと一歩ずつ逃げていた歩みを止めてしまった。
(愛してるって…十歳から?好きな気持ちがどんどん膨れ上がって、とかじゃなくて?…きゃ!)
「ん?どうしたの?俺の言う事が信じられない?カトリーナに初めて会ったのは俺が十歳の頃だったよね?その頃からずっと、俺はカトリーナだけを見つめてきたんだよ。…ああやっと捕まえた!」
《フレイチェさん!!》
フレイチェは、歩みを止めた事でその場に留まってしまっていた。
その為、デニスが近づいてきていたのに逃げ遅れ、とうとうデニスが両腕を広げ、カトリーナ扮するフレイチェを抱き締めてしまった。
「フレイチェ!!」
それを後ろから見守っていたランメルトは思わず声を上げ、フレイチェの元へ走り、デニスの片方の腕を掴んだ。
陰に潜んでいた四人も、成り行きを見守っていた為誰も動かずにいた。だがフレイチェがデニスの腕に捕まった時、隠れていた陰から体を出し、皆出て行こうか一瞬迷ったのだがランメルトが動いた事で、皆更に足を進める。
「あぁ、やっと捕まえたよ、カトリーナ。帽子を被った君も素敵だけど外し…痛っ痛いよ、ちょっと!」
「悪いが、その汚い手を離してもらえるか、デニス!」
フレイチェは、初めて聞く低くて相手を突き刺すような鋭い声でデニスに威圧するランメルトの声を聞き、驚いたが同時に助けてくれたのだと安心する。
それを聞いたデニスは、恐ろしいと思い体を硬直させたが、せっかくカトリーナを抱き締めたと思い込んでいるデニスは、この機会を逃すものかと自らを奮い立たせて反抗の意を唱える。
「ちょ、ちょっと、今良いところなんだから邪魔しないでくれる?」
「良いところなわけあるか!
いいから一旦離れろ!!」
「痛っ!痛いってば!!」
ランメルトはデニスの片腕を捻り上げ、もう片方の腕が緩んで唸り声を上げている隙に、フレイチェを自身の背に隠すように優しく腕で引き寄せた。
「お前は、十年前母上を崖から下へ追いやったな?」
「追いやってなんかないさ、抱き締めようとしたら恥ずかしがって逃げるからだよ?
僕だってびっくりしたよ、崖から一瞬で消えたんだ。」
《何言ってるのよ!!》
「だとしても、それはお前が突き落としたようなものだ!同意の元でないなら、逃げるに決まっている!」
「そんな事あるわけないじゃん!カトリーナを愛する俺が、突き落とすわけない!
そりゃ、〝私の家族の事に口出ししてこないで〟って言ってきた時はさすがにそんな事言わずに素直になれよ!とは思ったけどさ!」
「…母上は、お前に素直になっていただろう。口出しするな、と心の内を訴えたんだ。」
「どこが!?
カトリーナは照れ屋なんだ。猫のように気品があって気高いんだよ?
本当だったら俺に甘えたいはずなのにクラースがいるから仕方なく、冷たい事を言ってくるだけなんだよ。」
《はぁ!?どこをどうしたらそう勘違い出来るのよ!!》
「お前…そうとうにめでたい奴だな、そこまで人の気持ちを理解出来ない奴は初めてだよ。」
「どういう意味かわからない!さっきから失礼だな!僕はランメルトより年上なんだからもっと敬いなよ!十年越しでカトリーナに会えたから許してあげてたけど、もう許さないよ!」
「許さないのはこっちよ?
罪は認めてもらわないと。」
フレイチェはランメルトの背に隠れるようにいた事で少し落ち着きを取り戻し、もうこの茶番を終わらそうともう一度口を開く。
「カトリーナ!?罪って?だって、崖から消えたけど助かったんでしょ?だからここにいるんでしょ!?
あの日カトリーナが消えて、僕急いで家に帰って母さんと父さんに一緒に探してって頼んだんだ!でも〝お前は家から出るな〟って言われちゃったんだ。一緒に探すつもりだったんだよ?でもその後両親は帰ってきて、〝もうカトリーナは居ない。本家にも落ちた崖にも二度と近づくな〟って言われちゃったから、言いつけを守ってただけだよ!
ねぇカトリーナ怒ってるの?会いにこれなくてごめん!」
そう言って、ランメルトの後ろにいるフレイチェへと手を伸ばし、腕を掴もうとするからランメルトは透かさず声を出す。
「止めろ。そもそも、こいつは母上ではない。俺の妻だ。」
「は?何言ってるの!?だって、カトリーナでしょ!」
そう言われたフレイチェは、帽子に手を掛けると丁寧に外した。
「…え?あれ?」
カトリーナだと思っていたのに、帽子を外した顔が全く違う事でやっと、カトリーナではないと気がついたデニス。ぽかんと間抜けな表情で、フレイチェを見つめるのだった。
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