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「姉上が結婚だなんて…」
湖畔に簡易的な椅子を置いて釣り糸を垂らしたアーレントが、そう呟く。隣で座っていたフレイチェがそれを拾って返事をした。
「そうね。びっくりだわ。
それにしても何の情報も与えられず嫁ぐなんて失礼じゃないのかしら。どこへ行くのかも分からないし。
アーレント、何かご存じ?」
「え?あぁ…そ、そうですね。」
アーレントは胸の中で思った独り言だったのだが、口に出していたのかと焦りながら、それでも確かにそうだと聞いた情報を思い返し伝える。
「確か…オルストールン家です。そちらの侯爵の位を持つランメルト様の元へ嫁がれるそうで。」
「オルストールン侯爵家…私が……?」
侯爵家といえば、格上の貴族である。ましてや、歴史ある由緒正しいオルストールン家。そんな所に、貴族社会から縁遠い自分がなぜ、と疑問ばかりが浮かぶ。
「それは僕も疑問で…あぁ、違いますよ!?
姉上は見目麗しいし、性格も抜群に素晴らしいですからそりゃ見初められるのはあり得ない事ではないと思ってます!ただ、どこでこんな麗しい姉上の事を聞きつけたのか、とそこが疑問なのです。」
そう。フレイチェは、五歳の頃よりこの別邸で過ごしている。
ほとんどの貴族の子供は、親の社交の場に同伴する場合もあるし、結婚適齢期となる十八歳よりも少し前の年齢から正式に社交に参加する場合もある。
が、フレイチェにはそんな出来事など当然無かった。両親は、フレイチェが娘であるにも関わらず極力接触を避けていたからだ。
それなのに、オルストールン家から打診があったとは。アーレントは怪しんでいるのである。
「そうよね。私、社交場に出向いた事も無いのに。」
「…そうですね。」
アーレントは小さな頃より両親に連れられて社交の場に参加していた。その際、姉の話は御法度だと言われていた。しかし子供同士の仲間内ではうっかり姉の話をした事もある。その場合は姿を現さない令嬢に興味をそそられ話をせがまれるが、言葉少なに躱していた。しかし、オルストールン家は少し年齢が上で、接点もなにもなかったはずだと思案する。
「ランメルト様…お幾つだったかしら?」
「えっと…」
「二十四歳かと思われますねぇ。」
それまで、二人から少し離れて座っていたフェベがそう声を掛ける。普通であればフェベは使用人であるので、貴族の会話に入る事はしない。だが、フレイチェにとったら数少ない味方であり、会話できる相手でもある。このように姉弟との気心しれた間柄の会話であった為にアーレントの代わりに答えた。
「そう。フェベは本当に何でも知っているのね。」
「いえ、そんな事はありませんよ。」
フレイチェは学院には通う事が無かったが、最低限の知識や、この辺りに咲いている草花の知識は必要であると、フェベとブレフトから作法やしきたりやこのテルアール国で知っておくべき内容などまで学んだ。貴族の名前などもいつか役に立つだろうともちろん学ばされてはいたが、年齢までは覚えていなかった。アーレントもである。しかしフェベは全て頭に入っているかのようにさらりと答えた。
「二十四歳…姉上は十八歳ですから、頼れる大人とは言えますね。」
そうは言ったが、アーレントが参加する社交はまだ昼のガーデンパーティーや、子供も参加してもよいフランクな会ばかりであった為、ランメルトはそれにはほとんど参加していなかった。その為接点も無く、どのような人物かは分からなかった。
この別邸で、家族とも離れ離れで生活させられていた姉が、平穏で暮らしていけるのか、それを願いながら無難な言葉を掛ける。
「そうね。私も一応は貴族の娘だもの。いつかはどなたかに嫁がないととは思っていたもの。ものすごく歳の離れた方ではなくてホッとしているわ。」
「フレイチェ様…!」
「姉上…そうですよ、悪い噂も無い方なのですから、きっと今よりも幸せになれます!!」
言い聞かすようにそう言ったアーレントに、苦笑しながらフレイチェは言葉を返す。
「ありがとう、アーレント。今も、私はフェベとブレフトと三人で暮らすここでの生活は幸せだったけれど、そうね。
アーレントも、幸せにね。どう?あなたには婚約の話、来てるの?」
「僕!?き、きていませんよ!僕は学生ですし、まだまだ未熟過ぎます!」
「あら、そんなに慌てなくてもいいのに。フフフ。」
アーレントは、両親がどうあれ伯爵家の嫡男であるし顔立ちも整っている。姉の為に早く当主を代替わりして両親を隠居させようと目論んでいた為学院でも成績優秀で将来も有望視されている。その為アーレントを狙う家もそれなりにいるが、まだ年齢が十五歳である事を理由にして両親は打診が来ても選り好みをしている最中であった。
アーレント自身も、色恋は二の次で、今は当主になる為に努力している最中であったので、いきなりそのような事を姉に言われて動揺したのだ。
自分が当主になれば、両親を本邸から追い出し姉の待遇を良くできるとそれを目指していたアーレント。しかし、思わぬ結婚話が出て、これが果たして姉に取って吉報なのか分からず困惑してもいた。姉の結婚話は、どうあっても今の自分では無かった事になど出来る力はなく、歯痒くもあったが、相手方が姉を大切にしてくれる善良な人物であればいいと切に願う。
「アーレント、あなたも幸せになるのよ。」
「…はい。」
アーレントは、自身の待遇を差し置いていつも自分の事を思ってくれる姉に願われ、それがいつかは叶うといいなと思った。
「あら…」
ふと、フレイチェが呟き、誰も居ない湖畔を見つめてふわりと微笑んだ。それを見て、アーレントは遠慮がちに声を掛ける。
「姉上、どうかしましたか?」
「あ、あのね…ううん、なんでもないわ。」
フレイチェは口を開こうとしたが、首を振って哀しそうにそう閉ざす。
「いらっしゃいましたか?」
それを見たフェベが、慈愛を込めた優しい視線を送りながら尋ねる。
「えと…」
「アーレント様は大丈夫ですよ、ね?」
「ああ。僕も知りたい。」
「そう…そうね。
お祖母様が見えたの。結婚、おめでとうって。」
「えー!お祖母様!?いいなぁ…。
よかったですね、姉上。」
「…ええ。」
「ディアンナ様が…フレイチェ様に会いに来て下さったのですね。」
「そうね。…あら。ふふ。
アーレントにも、無理してはだめよって言ってるわ。大きくなったわね、って驚いてる。」
「お祖母様が…はい…!」
アーレントには見えないが、フレイチェが見ていた方へと視線を向けて目に涙を浮かべて嬉しそうに微笑んだ。本邸の離れには住んでいたが、アーレントが幼い頃にディアンナが亡くなった為僅かな記憶しかなく、それでも優しく接してくれていたと思いを馳せる。
不意に、亡くなった祖母ディアンナが歩いているのが見えたフレイチェ。そう、フレイチェは霊と属される亡くなった人が見えるし会話も出来るのだ。
幼い頃まだ本邸に住んでいたフレイチェは霊とは分からず会話していたりした。それを母に見られ、気持ち悪いと言われ、嫌悪されるようになったのだ。
成長し、他の人には見られないように会話するようになったフレイチェ。
この湖も、対岸には高貴な貴族などが泊まれるホテルがあるからかよく見知らぬ死者が歩いている。その霊と会話する事もあるし、フレイチェはその姿をじっと見ているだけの時もあった。フェベもブレフトもそれを見ている為、フレイチェが誰とどのような話をしていたのかよく聞いたりしていた。だが、本来であれば忌避されるものだとフレイチェは思い、アーレントに言っていいのか迷ったのだ。
アーレントもまた、その事は知っている。ここは別邸である為、アーレントだけでよく遊びに来ていたからそんな光景をよく見ていたからだ。
小さな頃にフレイチェが何も無い所を見て会話をしている時には、期待を込めて聞いてくる事もあったが、大きくなった今、嫌がられたりしないだろうかとフレイチェは戸惑ったのだ。実際は、杞憂に終わったのだが。
(アーレントだけでなくお祖母様も応援してくれたし、私、結婚して幸せにならないとね。)
そう前向きに思うフレイチェであった。
湖畔に簡易的な椅子を置いて釣り糸を垂らしたアーレントが、そう呟く。隣で座っていたフレイチェがそれを拾って返事をした。
「そうね。びっくりだわ。
それにしても何の情報も与えられず嫁ぐなんて失礼じゃないのかしら。どこへ行くのかも分からないし。
アーレント、何かご存じ?」
「え?あぁ…そ、そうですね。」
アーレントは胸の中で思った独り言だったのだが、口に出していたのかと焦りながら、それでも確かにそうだと聞いた情報を思い返し伝える。
「確か…オルストールン家です。そちらの侯爵の位を持つランメルト様の元へ嫁がれるそうで。」
「オルストールン侯爵家…私が……?」
侯爵家といえば、格上の貴族である。ましてや、歴史ある由緒正しいオルストールン家。そんな所に、貴族社会から縁遠い自分がなぜ、と疑問ばかりが浮かぶ。
「それは僕も疑問で…あぁ、違いますよ!?
姉上は見目麗しいし、性格も抜群に素晴らしいですからそりゃ見初められるのはあり得ない事ではないと思ってます!ただ、どこでこんな麗しい姉上の事を聞きつけたのか、とそこが疑問なのです。」
そう。フレイチェは、五歳の頃よりこの別邸で過ごしている。
ほとんどの貴族の子供は、親の社交の場に同伴する場合もあるし、結婚適齢期となる十八歳よりも少し前の年齢から正式に社交に参加する場合もある。
が、フレイチェにはそんな出来事など当然無かった。両親は、フレイチェが娘であるにも関わらず極力接触を避けていたからだ。
それなのに、オルストールン家から打診があったとは。アーレントは怪しんでいるのである。
「そうよね。私、社交場に出向いた事も無いのに。」
「…そうですね。」
アーレントは小さな頃より両親に連れられて社交の場に参加していた。その際、姉の話は御法度だと言われていた。しかし子供同士の仲間内ではうっかり姉の話をした事もある。その場合は姿を現さない令嬢に興味をそそられ話をせがまれるが、言葉少なに躱していた。しかし、オルストールン家は少し年齢が上で、接点もなにもなかったはずだと思案する。
「ランメルト様…お幾つだったかしら?」
「えっと…」
「二十四歳かと思われますねぇ。」
それまで、二人から少し離れて座っていたフェベがそう声を掛ける。普通であればフェベは使用人であるので、貴族の会話に入る事はしない。だが、フレイチェにとったら数少ない味方であり、会話できる相手でもある。このように姉弟との気心しれた間柄の会話であった為にアーレントの代わりに答えた。
「そう。フェベは本当に何でも知っているのね。」
「いえ、そんな事はありませんよ。」
フレイチェは学院には通う事が無かったが、最低限の知識や、この辺りに咲いている草花の知識は必要であると、フェベとブレフトから作法やしきたりやこのテルアール国で知っておくべき内容などまで学んだ。貴族の名前などもいつか役に立つだろうともちろん学ばされてはいたが、年齢までは覚えていなかった。アーレントもである。しかしフェベは全て頭に入っているかのようにさらりと答えた。
「二十四歳…姉上は十八歳ですから、頼れる大人とは言えますね。」
そうは言ったが、アーレントが参加する社交はまだ昼のガーデンパーティーや、子供も参加してもよいフランクな会ばかりであった為、ランメルトはそれにはほとんど参加していなかった。その為接点も無く、どのような人物かは分からなかった。
この別邸で、家族とも離れ離れで生活させられていた姉が、平穏で暮らしていけるのか、それを願いながら無難な言葉を掛ける。
「そうね。私も一応は貴族の娘だもの。いつかはどなたかに嫁がないととは思っていたもの。ものすごく歳の離れた方ではなくてホッとしているわ。」
「フレイチェ様…!」
「姉上…そうですよ、悪い噂も無い方なのですから、きっと今よりも幸せになれます!!」
言い聞かすようにそう言ったアーレントに、苦笑しながらフレイチェは言葉を返す。
「ありがとう、アーレント。今も、私はフェベとブレフトと三人で暮らすここでの生活は幸せだったけれど、そうね。
アーレントも、幸せにね。どう?あなたには婚約の話、来てるの?」
「僕!?き、きていませんよ!僕は学生ですし、まだまだ未熟過ぎます!」
「あら、そんなに慌てなくてもいいのに。フフフ。」
アーレントは、両親がどうあれ伯爵家の嫡男であるし顔立ちも整っている。姉の為に早く当主を代替わりして両親を隠居させようと目論んでいた為学院でも成績優秀で将来も有望視されている。その為アーレントを狙う家もそれなりにいるが、まだ年齢が十五歳である事を理由にして両親は打診が来ても選り好みをしている最中であった。
アーレント自身も、色恋は二の次で、今は当主になる為に努力している最中であったので、いきなりそのような事を姉に言われて動揺したのだ。
自分が当主になれば、両親を本邸から追い出し姉の待遇を良くできるとそれを目指していたアーレント。しかし、思わぬ結婚話が出て、これが果たして姉に取って吉報なのか分からず困惑してもいた。姉の結婚話は、どうあっても今の自分では無かった事になど出来る力はなく、歯痒くもあったが、相手方が姉を大切にしてくれる善良な人物であればいいと切に願う。
「アーレント、あなたも幸せになるのよ。」
「…はい。」
アーレントは、自身の待遇を差し置いていつも自分の事を思ってくれる姉に願われ、それがいつかは叶うといいなと思った。
「あら…」
ふと、フレイチェが呟き、誰も居ない湖畔を見つめてふわりと微笑んだ。それを見て、アーレントは遠慮がちに声を掛ける。
「姉上、どうかしましたか?」
「あ、あのね…ううん、なんでもないわ。」
フレイチェは口を開こうとしたが、首を振って哀しそうにそう閉ざす。
「いらっしゃいましたか?」
それを見たフェベが、慈愛を込めた優しい視線を送りながら尋ねる。
「えと…」
「アーレント様は大丈夫ですよ、ね?」
「ああ。僕も知りたい。」
「そう…そうね。
お祖母様が見えたの。結婚、おめでとうって。」
「えー!お祖母様!?いいなぁ…。
よかったですね、姉上。」
「…ええ。」
「ディアンナ様が…フレイチェ様に会いに来て下さったのですね。」
「そうね。…あら。ふふ。
アーレントにも、無理してはだめよって言ってるわ。大きくなったわね、って驚いてる。」
「お祖母様が…はい…!」
アーレントには見えないが、フレイチェが見ていた方へと視線を向けて目に涙を浮かべて嬉しそうに微笑んだ。本邸の離れには住んでいたが、アーレントが幼い頃にディアンナが亡くなった為僅かな記憶しかなく、それでも優しく接してくれていたと思いを馳せる。
不意に、亡くなった祖母ディアンナが歩いているのが見えたフレイチェ。そう、フレイチェは霊と属される亡くなった人が見えるし会話も出来るのだ。
幼い頃まだ本邸に住んでいたフレイチェは霊とは分からず会話していたりした。それを母に見られ、気持ち悪いと言われ、嫌悪されるようになったのだ。
成長し、他の人には見られないように会話するようになったフレイチェ。
この湖も、対岸には高貴な貴族などが泊まれるホテルがあるからかよく見知らぬ死者が歩いている。その霊と会話する事もあるし、フレイチェはその姿をじっと見ているだけの時もあった。フェベもブレフトもそれを見ている為、フレイチェが誰とどのような話をしていたのかよく聞いたりしていた。だが、本来であれば忌避されるものだとフレイチェは思い、アーレントに言っていいのか迷ったのだ。
アーレントもまた、その事は知っている。ここは別邸である為、アーレントだけでよく遊びに来ていたからそんな光景をよく見ていたからだ。
小さな頃にフレイチェが何も無い所を見て会話をしている時には、期待を込めて聞いてくる事もあったが、大きくなった今、嫌がられたりしないだろうかとフレイチェは戸惑ったのだ。実際は、杞憂に終わったのだが。
(アーレントだけでなくお祖母様も応援してくれたし、私、結婚して幸せにならないとね。)
そう前向きに思うフレイチェであった。
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