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24. 貝のよう
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「では、今まで手配された、衣装はどこにやった?」
ロイス様が、ずっと無言だったら時間の無駄だと思ったのか、違う質問をした。
「…。」
それでも貝のように口を割らないノラ。まぁ、理由があっても国の一番選い人がいると威圧感もあるし、言いにくいわよね。
「それから、先ほど庭園からナルシサスを無断で持ち出したな?そして、食堂で野菜のようなものを寄付したな。あれはどう説明する?」
ノラは真っ青になって、足から崩れ落ち、床に座り込んでしまった。
「話せないか。では、衛兵、連れて行ってくれ。」
そう言われている時、何気なく瓶の中を見ると、以前騎士団の練習場でノラがキノコを探して持っていったものによく似た黒いかけらみたいなものが入っていた。以前よりももっと小さくなったように見える。削ったか、切ったのかしら。
「あ、あの!ノラ!キノコ、どうしたの?」
私は、少し勇気を振り絞ってそう言った。すると、無理矢理衛兵に立ち上がらされていたノラがこちらを向いて訝しがって言った。
「…なんの事?」
「騎士団の練習場で見つけたキノコ。それってもしかして、瓶に入っているの?」
「なんでそれを…え?あんたあの時一緒にキノコを探してくれた人?でもあんただった?顔が思い出せないけど。」
「どういう事だ。それも詳しくあとから説明しなさい。」
私の言葉を聞いて、国王様がノラへ言った。
私は会った時に印象操作のネックレスをしていたからノラは私とは気づかなかったのでしょう。私へそう言うと、国王様の言葉聞いて俯き『あり得ない…』と何度も呟いている。そして、肩をガックリと落とし、衛兵に連れられて行った。
国王様はそれを見て、はーっと長いため息を付いた。
「すぐ口は割らんか。まぁあとは、罪人が入る地下牢へと連れて行っただろうから、担当がうまく口を割らせるだろう。なぁに、すぐに理由は分かる。悪い事をしたならば、罪はしっかりと償わないといけないからな。」
と、ロイス様と私を見て言い、『ロイス、あとはうまくやりなさい。君も、こんなつまらないやりとりに付き合わせて済まないな。後日、改めてな!』と再度言って最後に私へウインクをして国王様は出て行った。
「はーっ…悪かったな。詰問出来ればよかったんだが、あいつ、口を割らないし。俺はまだまだだな…。ま、でも今日はち…じゃなかった!国王様に罪を知ってもらいたかったってのがあるからな。部屋にも強制的に入れたし。」
と、ロイス様もまた肩をガックリと落として反省している。
でも!ロイス様が国王様を呼ぶ指示をしたから、うまく行ったんだと思うのだけれど。
「まだまだなんてそんな!ロイス様がテキパキと指示を出されたこその結果です!人が内緒にしておきたい事を自分から話してもらうようにするのは難しいですから。それに、国王様がおっしゃられていましたように担当者がおられるのでしょう?担当者のお仕事を奪ってはいけませんよ、適材適所と言いますからね!」
「ステイシー…そう言ってくれてありがとう。まだ、交渉事は苦手なんだ…。ま、そうだな。俺は俺の出来る事をするよ!」
ロイス様がしょんぼりとしていたので思わず、私は言った。
すると、ロイス様は顔を上げ、そう言ったロイス様は少し元気を取り戻したように見えた。
ロイス様が、ずっと無言だったら時間の無駄だと思ったのか、違う質問をした。
「…。」
それでも貝のように口を割らないノラ。まぁ、理由があっても国の一番選い人がいると威圧感もあるし、言いにくいわよね。
「それから、先ほど庭園からナルシサスを無断で持ち出したな?そして、食堂で野菜のようなものを寄付したな。あれはどう説明する?」
ノラは真っ青になって、足から崩れ落ち、床に座り込んでしまった。
「話せないか。では、衛兵、連れて行ってくれ。」
そう言われている時、何気なく瓶の中を見ると、以前騎士団の練習場でノラがキノコを探して持っていったものによく似た黒いかけらみたいなものが入っていた。以前よりももっと小さくなったように見える。削ったか、切ったのかしら。
「あ、あの!ノラ!キノコ、どうしたの?」
私は、少し勇気を振り絞ってそう言った。すると、無理矢理衛兵に立ち上がらされていたノラがこちらを向いて訝しがって言った。
「…なんの事?」
「騎士団の練習場で見つけたキノコ。それってもしかして、瓶に入っているの?」
「なんでそれを…え?あんたあの時一緒にキノコを探してくれた人?でもあんただった?顔が思い出せないけど。」
「どういう事だ。それも詳しくあとから説明しなさい。」
私の言葉を聞いて、国王様がノラへ言った。
私は会った時に印象操作のネックレスをしていたからノラは私とは気づかなかったのでしょう。私へそう言うと、国王様の言葉聞いて俯き『あり得ない…』と何度も呟いている。そして、肩をガックリと落とし、衛兵に連れられて行った。
国王様はそれを見て、はーっと長いため息を付いた。
「すぐ口は割らんか。まぁあとは、罪人が入る地下牢へと連れて行っただろうから、担当がうまく口を割らせるだろう。なぁに、すぐに理由は分かる。悪い事をしたならば、罪はしっかりと償わないといけないからな。」
と、ロイス様と私を見て言い、『ロイス、あとはうまくやりなさい。君も、こんなつまらないやりとりに付き合わせて済まないな。後日、改めてな!』と再度言って最後に私へウインクをして国王様は出て行った。
「はーっ…悪かったな。詰問出来ればよかったんだが、あいつ、口を割らないし。俺はまだまだだな…。ま、でも今日はち…じゃなかった!国王様に罪を知ってもらいたかったってのがあるからな。部屋にも強制的に入れたし。」
と、ロイス様もまた肩をガックリと落として反省している。
でも!ロイス様が国王様を呼ぶ指示をしたから、うまく行ったんだと思うのだけれど。
「まだまだなんてそんな!ロイス様がテキパキと指示を出されたこその結果です!人が内緒にしておきたい事を自分から話してもらうようにするのは難しいですから。それに、国王様がおっしゃられていましたように担当者がおられるのでしょう?担当者のお仕事を奪ってはいけませんよ、適材適所と言いますからね!」
「ステイシー…そう言ってくれてありがとう。まだ、交渉事は苦手なんだ…。ま、そうだな。俺は俺の出来る事をするよ!」
ロイス様がしょんぼりとしていたので思わず、私は言った。
すると、ロイス様は顔を上げ、そう言ったロイス様は少し元気を取り戻したように見えた。
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