【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。

まりぃべる

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22. 国王様

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「どうした、ロイスファー。」

「済みません、国王陛下。今日は予定がお有りでしたのにお呼びだてして。」

「よいよい。なんだロイスファー、そんな呼び方するとは仕事だな?…で?そやつは、オスカーの侍女か?」

「はい。少し悪巧みをしているのを発見して、質問していたのですが、今まだ全て聞き出せてはおらずすみません。」

(こ、国王様だったの!?え?目元とかロイス様に似てると思ったのは…気のせい?髪の色はロイス様は一般的な茶色だもの違うわね。国王様とオスカー様は金髪だから、気のせいね。…でも、ロイスファーって、第一王子の名前だったような…?え!?)

「こ、国王様、オスカー様を呼んで下さい!私、オスカー様の侍女をしておりま」

「許可をしておらん!しゃべるな!礼儀がなっとらん奴め。で?どこまで話したのだ?」

 国王様が、ノラを一睨みして言った。

「はい。まず一つ目。オスカーの別の世話係が、国費から購入した宝飾品を盗んだと言っておりますがいささか矛盾点が。」

「ふむ、それは由々しき事態。じゃあ何が盗られたのか見に行こう。」

「ま、待って下さい!見に行くって、どこへ…」

「この話で見に行くとなれば、オスカーの衣装部屋だろう。」

「や、やめて!あそこは入らないで!!」

 ノラは叫び出し、動きながら抵抗している。

 その間に二人の料理人は、衛兵が来たので拘束するのを交代していた。

「では、皆で見に行こう…おや?そのお嬢さんは…?」

「あ…」

「彼女の事はしっかり話します。今は、一つの事に集中して下さい!」

 私、国王様に挨拶しなくてよかったのかしら?でも先ほど礼儀がとか言われていたし、ちょっと良く分からないわ。
でも、ロイス様がそう言ったから、いいのよねきっと。

「ハハハ。なぜロイスファーが狼狽える?後で話してくれるならいいか。ではお嬢さんも、あまりいい気味はしないかもしれないがね、付いてきなさい。」

「は、はい。」

「行こうか。」

 そう言って、ロイス様はまた、手を繋いできた。
国王様は後ろを振り返って私達を見て、『ハッハッ!仕事じゃないのか?ロイスファーよ。まぁ、仲がいいのは良い事じゃ。』と言われ、すぐさま前を向いて歩いて行った。

 もう!何か誤解されちゃったじゃないの!いいのかしら…?

「あのクソ親父…」

「え?」

 何かロイス様が言ったような気がしたけれど、私は国王様に誤解されていいのかと考えてしまっていて何と言ったか聞こえなかった。

「いや、なにも。…悪い事をした奴は、反省をしないといけないからね。でも、罪と認めていない奴には、それが罪だといけないからね。さぁ、果たして、認識するのだろうか。」
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