【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。

まりぃべる

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15. 頭痛薬

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「どう思う?」


 今は、夕方。

 先ほどゴゴンラ商会の荷馬車が通っていた話をココットとしていると、ロイス様がやってきて、アグネス様と話し始めた。
ビビィとサスィーはいない。ビビィは今日は早めに帰っていて、サスィーも別件で留守にしていた。

 なんでも、ゴゴンラ商会が、王妃様がここ二年ほど悩んでいる頭痛に聞く薬を販売しに来たのだとか。
昨年も一度来たらしい。
それに加えて、他の効能に良く効く薬が他国から輸入してきたので試してみませんかと。

「『頭痛に良く効く薬があります』って、『めまいや寒気に効く薬があります』って、単なる偶然か?」

 王妃様が持病があったなんて。ていうか、そんな話、ここで話していいの?私や他の人もいるのだけれど!?
まぁ、元侍女の人も多いし、他の人も秘密を聞いても誰かに話してはいけないと王宮で働く事となった時に言われているだろうからいいのかもしれないけれど。


「王妃様の持病なんて、広めてないだろ。なぜピンポイントに言ってくる?それとも、勘ぐり過ぎか?だが…オスカーの侍女の実家というのがなぁ。」

「商会だから、毒性のものだって手にしやすいって言いたいのね?」

「頭が痛くなる毒もあるのかしら」

「なに?」
「えっ!?」

 ん?…あ!もしかして、私口に出してた!?やだ!聞いていたって丸わかりじゃないの。はしたないわ…!

「す、すみません…なんでも無いです。」

「いや…まさかそんな…。」

「もしそうだったら…王家への反逆よ?」

 アグネス様とロイス様が青い顔になってしまったわ。

「すみません…私も気になってしまったのですが。薬草で、接種し過ぎると頭痛がするものもあります。神経に作用するものも。ただ、そういうものは苦かったりするので飲む時に分かりやすいので違うかもしれませんが。」

 と、ココットも手を挙げて口を挟んだ。

「ふむ…。なるほどな。はは…いや、王妃様もその辺りは気をつけていると思う。」

「そうよね。味ねぇ…。無味無臭のがあったら…。」

「キノコは…?」

「「「キノコ???」」」

「キノコみたいな食べ物だったら、普通の味だけど、後から毒性のものだったとかあるかなと…ないですかね?」

「あるわよね?確か。」

「ああ。あった気がする。」

「キノコなら、そんな大して警戒もせず食べるかもしれませんね。」

 …あるんだ。
でも、実家から持ってきてもらうの?バレない?

「うーん、だが、謁見したあとにゴゴンラ商会の一行はノラに会いにも行かずすぐ王宮を出て行ったぞ。」

「先ほどゴゴンラ商会の荷馬車がこちらに来ていましたが、関係ありませんか?」

 と、ロイス様が言ったあとにココットが言った。

「ん?ここに?」

「あ、いえ正確には騎士団棟の前で停まって、何かしようとしてましたが騎士様達が帰れとか言って、帰って行きましたが。」

「何がしたかった…?」

「騎士団に販売出来ると思っただけかしら?」

 そうよねぇ。わざわざこちらまで遠回りしてくるのだもの、何かあるのかと思ってしまうわ。でも…。

「どちらにせよ、オスカーやノラはここにはいないもんな。」

 そこよね。だから、受け渡しとかではないはず。は!まさか協力者が騎士団にいる?…それはないわよね。

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