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31. 居候先
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ここで居候させてもらって一ヶ月が過ぎた。
おじい様は、土いじりが好きらしく花を植えたり、城の裏には畑もあった。庭師と共によくいじっているみたい。
そして、私も一緒にやらせてもらっている。『どうせのんびりするんじゃから、普段だったらなかなか出来ない事をした方がええ。』と言って、私にスコップや手袋を渡してくれた。ニコラエ様も暇な時は一緒にやってくれるけれど、忙しいみたいでよく出掛けていた。『亭主元気で留守がええって言うだろう?ま、うちは畑の手入れで忙しいからな。余計な事は考えず、しっかり働いてくれよ。』と笑いながら言ってくれた。
ニコラエ様のおばあ様はとうの昔に亡くなっていたみたいだから、おじい様は余計に畑に打ち込んでいるのかもしれない。
そして、おじい様は夕食前に帰ってきたニコラエ様とよく晩酌をしている。『酒は一人で飲むのは淋しいで。ニコラエが来てくれてうれしいよのう。ヴェロニカも、飲めるようになったら是非とも一緒に飲もうな。うちには、酔えない弱い酒は無いんじゃよ、済まないね。』と。
ニコラエ様とは、夕食後に少し話す時間がある。毎日、私がその日何をしていたかを話すといつも笑いながら『じじぃの相手は大変だろう。だが、じじぃはとても明るくなったよ、ヴェロニカのおかげだ。俺が宮廷学院へ入学する頃におばあ様が亡くなったんだけど、その頃から格段に落ち込んでね。ヴェロニカと共にここに来たいと言ったら、大喜びだったそうだよ。』と言ってくれる。私がお世話になって申し訳ないと思っているから、そんな事はないよと言ってくれているようで、ニコラエ様にはいつも心を安らかにしてもらっているわ。
残念ながら、ニコラエ様がお昼に何をしているかははっきり教えてくれないのだけれど、どうやらお義父様の所に行って将来の事を勉強しているらしいの。
ニコラエ様はどんな将来を見ているのかしら?だって、私は今まで漠然と、ヴァレリアが女王陛下になって、その補佐が出来ればと思っていたのだから。ヴァレリアが卒業して、女王陛下になる為の勉強をするのと平行して、私も補佐をする為の勉強をするのだと思っていたし、ラドゥにもそう伝えていた。
けれど、ヴァレリアは女王陛下にならないと言っていたし、ヴァレリアの夫となるアントンが国王陛下となると言っていた。
そして、私の耳には聞こえてこないけれど、卒業して一ヶ月経っているから、アントンが国王陛下になったのでしょう。ここは、周りは畑ばかりで住民を他に見ないし、庭師など限られた使用人がいるけれど、私には世間の情勢を教えてくれる人がいない。ニコラエ様もだけれどきっと、敢えて教えないようにしているのかもしれないわ。
だから、お父様が言った通りどんな風になるのかは分からないけれど、この一年穏やかに過ごさせてもらいましょうか。
「そろそろ、このジャガイモ収穫出来るんじゃ。収穫してみようかね。」
「まぁ!これですか?見えないのによく分かるのですね!」
ジャガイモは、土の下に実が出来るみたいだけれど、今は葉しか見えていない。なのに収穫出来るってわかるなんて、経験が成せる技なのかしら。
「ハハハ。花も枯れたじゃろ?茎と葉も黄色くなってきた。だからもう収穫出来るんだよ。土の中が見えるわけではないて。このジャガイモ、収穫したら届ける先があるんじゃ。一緒に行くか。」
「え?良いのですか?」
「ヴェロニカが行くと喜ぶだろうて。ニコラエにも聞いてみような。」
どこに届けるのかしら。私てっきり外出禁止なのかと思っていたのだけれど違ったのね。
おじい様は、土いじりが好きらしく花を植えたり、城の裏には畑もあった。庭師と共によくいじっているみたい。
そして、私も一緒にやらせてもらっている。『どうせのんびりするんじゃから、普段だったらなかなか出来ない事をした方がええ。』と言って、私にスコップや手袋を渡してくれた。ニコラエ様も暇な時は一緒にやってくれるけれど、忙しいみたいでよく出掛けていた。『亭主元気で留守がええって言うだろう?ま、うちは畑の手入れで忙しいからな。余計な事は考えず、しっかり働いてくれよ。』と笑いながら言ってくれた。
ニコラエ様のおばあ様はとうの昔に亡くなっていたみたいだから、おじい様は余計に畑に打ち込んでいるのかもしれない。
そして、おじい様は夕食前に帰ってきたニコラエ様とよく晩酌をしている。『酒は一人で飲むのは淋しいで。ニコラエが来てくれてうれしいよのう。ヴェロニカも、飲めるようになったら是非とも一緒に飲もうな。うちには、酔えない弱い酒は無いんじゃよ、済まないね。』と。
ニコラエ様とは、夕食後に少し話す時間がある。毎日、私がその日何をしていたかを話すといつも笑いながら『じじぃの相手は大変だろう。だが、じじぃはとても明るくなったよ、ヴェロニカのおかげだ。俺が宮廷学院へ入学する頃におばあ様が亡くなったんだけど、その頃から格段に落ち込んでね。ヴェロニカと共にここに来たいと言ったら、大喜びだったそうだよ。』と言ってくれる。私がお世話になって申し訳ないと思っているから、そんな事はないよと言ってくれているようで、ニコラエ様にはいつも心を安らかにしてもらっているわ。
残念ながら、ニコラエ様がお昼に何をしているかははっきり教えてくれないのだけれど、どうやらお義父様の所に行って将来の事を勉強しているらしいの。
ニコラエ様はどんな将来を見ているのかしら?だって、私は今まで漠然と、ヴァレリアが女王陛下になって、その補佐が出来ればと思っていたのだから。ヴァレリアが卒業して、女王陛下になる為の勉強をするのと平行して、私も補佐をする為の勉強をするのだと思っていたし、ラドゥにもそう伝えていた。
けれど、ヴァレリアは女王陛下にならないと言っていたし、ヴァレリアの夫となるアントンが国王陛下となると言っていた。
そして、私の耳には聞こえてこないけれど、卒業して一ヶ月経っているから、アントンが国王陛下になったのでしょう。ここは、周りは畑ばかりで住民を他に見ないし、庭師など限られた使用人がいるけれど、私には世間の情勢を教えてくれる人がいない。ニコラエ様もだけれどきっと、敢えて教えないようにしているのかもしれないわ。
だから、お父様が言った通りどんな風になるのかは分からないけれど、この一年穏やかに過ごさせてもらいましょうか。
「そろそろ、このジャガイモ収穫出来るんじゃ。収穫してみようかね。」
「まぁ!これですか?見えないのによく分かるのですね!」
ジャガイモは、土の下に実が出来るみたいだけれど、今は葉しか見えていない。なのに収穫出来るってわかるなんて、経験が成せる技なのかしら。
「ハハハ。花も枯れたじゃろ?茎と葉も黄色くなってきた。だからもう収穫出来るんだよ。土の中が見えるわけではないて。このジャガイモ、収穫したら届ける先があるんじゃ。一緒に行くか。」
「え?良いのですか?」
「ヴェロニカが行くと喜ぶだろうて。ニコラエにも聞いてみような。」
どこに届けるのかしら。私てっきり外出禁止なのかと思っていたのだけれど違ったのね。
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