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21. 王都へ

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「王都へ、行ってみません事?」

 学校にも少し慣れてきた頃。
アンジェラが、そう私を誘ってくれました。

「え?王都?私…行った事ないわ。」

「え!?そうなの?じゃあ尚更行きましょうよ!少し前に、宝石とは違うのだけれどとても綺麗な石を売っている店が出来たのですって。うちの下働きの者が教えてくれたの。庶民にも買いやすい値段だとかで、好評らしいのよ。」

「まぁ!そうなのですわね。宝石ではない石なのに綺麗なのは興味あるけれど、それよりも私、アンジェラと出掛けられるならどこでも嬉しいわ!友人とお出掛けするなんて、なんて楽しそうなの!」

「そう言ってくれて嬉しいわ。じゃあ今度のお休みに行きましょう?許可を、国王陛下に頂いておいてね。あと、護衛も増やすだろうから…」

「何の話か、聞いてもいいかい?」

 アンジェラと話していたら、いつの間にかアヴェレスク様が来て、聞いてきました。

「あら、アヴェレスク様。今度のお休みにヴェロニカと王都へ、出掛けるのよ。新しく出来た、石のお店!どう?羨ましいでしょう?」

「あぁ。本当に。羨ましいよ。だから、俺も一緒に行っていいかい?そうしたら護衛も減るからさ。」

「お?なになに?どこへ出掛けるって?なんだよ、僕にも誘ってくれよ。護衛には及ばないけれど、盾にはなれるからさ。」

 マリネスキュー様もアンジェラの隣に来て言いました。

「まぁ!セルゲイ様は、ダメよ。」

「おいおい、また僕を苛めるのかい?つれない事言わないでくれよ。こう見えて少しは嫡男として習ってきたからアンジェラを守る位は出来ると思うよ。」

「そ…それを言うなら、王女のヴェロニカを守りなさいよ!」

「え?他の女の子を守っていいの?アンジェラ、そう言う事言わないでくれよ、淋しいじゃないか。それに、ヴェロニカにはニコラエや護衛がいるから。アンジェラを守る奴が一人位いないといけないだろ?」

 マリネスキュー様ったら、事ある毎にアンジェラに声を掛けているのは…もしかしたらそう言う事?アンジェラは顔を赤らめているわ。なんだかとても可愛い!それに、いつの間にかアンジェラったらマリネスキュー様の事名前で呼ばれているもの。お互いの距離が縮まっているのかもしれないわね。

「アンジェラ。アンジェラはマリネスキュー様に守ってもらって?私は大丈夫よ。」

 私はニッコリと笑ってそうアンジェラに伝えた。

「ヴェロニカまで…!もう!いいわ!好きになさい!迷子になってもしらないから!」

「それは困るなぁ…。では迷子にならないように、手を繋いでもいいかい?」

「いいわけないですわ!」

 ふふふ。アンジェラまだ顔が真っ赤よ。本当に可愛いわね。
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