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14. 帰宅すると
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「あら?まだヴァレリアは帰ってないの?」
「そのようですね。確認してきましょうか?」
「いいわ。きっと私みたいに友人とお話しているのかもしれないわ。また夜にでも話せるといいのだけれど。」
私が三人と別れ自分の部屋へと向かったのは、昼ご飯とその後のお茶をゆっくり飲んでからで、部屋に着くとすっかり日は傾き始めていた。
私もたいがい遅くなったから、ヴァレリアはもう帰って来ているかなと思ったのだけれど、まだ部屋に帰って来ていないみたいね。
自分も友人が出来たのだけど、ヴァレリアも友人が出来てその人達と交流を深めているのかもしれないと思ったら、淋しく感じた。ヴァレリアはやはり、私とは違う方向を見て歩んでいるのかと思ってしまった。
「ひと悶着あったみたいです!」
「え?」
ラドゥが、夕食までの短い時間だけれどお茶を持って来てくれた。
その際、厨房へ行くと、他の宮廷使用人達が話していたと教えてくれた。
「学校が終わってすぐに、ヴァレリア様はご友人を数人お連れして帰ってきたみたいです。教会学校は、授業の説明等はない為、入学式が終わるとすぐに帰れるそうですので。どうやら、宮廷でお昼ご飯をご一緒に食べる事とその後お部屋でお話をしようとしていたらしいです。けれど、門番の衛兵が『王族区域にはお通しする事は出来ません!』と言うと、ヴァレリア様は『どうして自分の友人を連れて入れないのか』と大層ご立腹だったみたいですよ。」
「まぁ!」
「衛兵じゃ話にならない、国王に会わせなさい、と言われていたらしいですが…。」
「それで?お父様に話を通したの?」
「いえ。自国とはいえ、領主達が陳述書を携えて謁見する時間であったらしく、後日改めてご自身で確認下さいと押し通したみたいですよ。陛下は仕事をされていますからね。今回の事は緊急性はないと見なされ、話を通さなかったのでしょうね。」
「そうだったの…。」
私も、部屋に友人を通そうとしたらそうなっていたのね。きっと、ヴァレリアも知らなかったのよね…。
「私も知らなかったもの。ヴァレリアも知らなかったのよね、王族区域には無闇に人を入れないって事。」
「そうですね。本来であれば、その為の宮廷学院のご友人なのです。宮廷学院に通う生徒はある程度身分があり、王族へ仕えるという気持ちが根底にありますからね。ヴェロニカ様のご友人方は、王家を支える者としての教えを守られていて素晴らしい方々ですね。ヴェロニカ様、素敵なご友人が出来て良かったですね。」
そう、ラドゥはニッコリと微笑んでくれました。
確かに、二人に教えられたわ。でも、ヴァレリアは…。
「あ!ヴェロニカ!ただいま-。どうだった?宮廷学院は。」
「お帰りなさい、ヴァレリア。遅かったのね。疲れてない?ヴァレリアと話したかったのだけれど。」
私は、夕食が終わって食堂から部屋へ戻る時にヴァレリアに廊下で声を掛けられた。ずいぶん暗くなってから帰って来たのね。
「え?何-?大事な話?私今帰ってきた所だからお風呂に入りたくて。明日も早く起きて出発しないといけないし。」
「あ、そうよね。ごめんなさい。え?明日も学校あるの?私は休みだけれど。ただ、教会学校はどうだったのかと思って。」
「あぁ、なぁんだ。ええ、とても新鮮だったわ!考え方が全く違うから何もかもが本当に新鮮!やっぱり、宮廷学院じゃなくて、教会学校にして良かったかも!だって、庶民の生の声が聞けるのよ。明日は、授業はないけれど学校が開いているのですって。庶民は、そこで食事をとるらしいの。だから見てみようと思って。」
「へぇ…。ヴァレリア、熱心ね!」
「まぁね-。その為に、議会にまで参加させてもらって、大臣達にも意見を言わせてもらったんだもの。将来のきっと役に立つわよ。じゃあね、ヴェロニカ、おやすみー。」
ヴァレリアはそう言って、自室へと廊下を歩いて行った。
あの姿を見る限り、ヴァレリアは王女にならないわけ無いのよ?庶民の声をわざわざ聞きに学校まで変えたのだもの!そう思うのだけれど、やはりどこか、淋しいなと思ってしまった。宮廷学院ではなく庶民の学校へと行ってしまう事で、過ごす時間が少なくなってしまったと感じるからなのかしら。
「そのようですね。確認してきましょうか?」
「いいわ。きっと私みたいに友人とお話しているのかもしれないわ。また夜にでも話せるといいのだけれど。」
私が三人と別れ自分の部屋へと向かったのは、昼ご飯とその後のお茶をゆっくり飲んでからで、部屋に着くとすっかり日は傾き始めていた。
私もたいがい遅くなったから、ヴァレリアはもう帰って来ているかなと思ったのだけれど、まだ部屋に帰って来ていないみたいね。
自分も友人が出来たのだけど、ヴァレリアも友人が出来てその人達と交流を深めているのかもしれないと思ったら、淋しく感じた。ヴァレリアはやはり、私とは違う方向を見て歩んでいるのかと思ってしまった。
「ひと悶着あったみたいです!」
「え?」
ラドゥが、夕食までの短い時間だけれどお茶を持って来てくれた。
その際、厨房へ行くと、他の宮廷使用人達が話していたと教えてくれた。
「学校が終わってすぐに、ヴァレリア様はご友人を数人お連れして帰ってきたみたいです。教会学校は、授業の説明等はない為、入学式が終わるとすぐに帰れるそうですので。どうやら、宮廷でお昼ご飯をご一緒に食べる事とその後お部屋でお話をしようとしていたらしいです。けれど、門番の衛兵が『王族区域にはお通しする事は出来ません!』と言うと、ヴァレリア様は『どうして自分の友人を連れて入れないのか』と大層ご立腹だったみたいですよ。」
「まぁ!」
「衛兵じゃ話にならない、国王に会わせなさい、と言われていたらしいですが…。」
「それで?お父様に話を通したの?」
「いえ。自国とはいえ、領主達が陳述書を携えて謁見する時間であったらしく、後日改めてご自身で確認下さいと押し通したみたいですよ。陛下は仕事をされていますからね。今回の事は緊急性はないと見なされ、話を通さなかったのでしょうね。」
「そうだったの…。」
私も、部屋に友人を通そうとしたらそうなっていたのね。きっと、ヴァレリアも知らなかったのよね…。
「私も知らなかったもの。ヴァレリアも知らなかったのよね、王族区域には無闇に人を入れないって事。」
「そうですね。本来であれば、その為の宮廷学院のご友人なのです。宮廷学院に通う生徒はある程度身分があり、王族へ仕えるという気持ちが根底にありますからね。ヴェロニカ様のご友人方は、王家を支える者としての教えを守られていて素晴らしい方々ですね。ヴェロニカ様、素敵なご友人が出来て良かったですね。」
そう、ラドゥはニッコリと微笑んでくれました。
確かに、二人に教えられたわ。でも、ヴァレリアは…。
「あ!ヴェロニカ!ただいま-。どうだった?宮廷学院は。」
「お帰りなさい、ヴァレリア。遅かったのね。疲れてない?ヴァレリアと話したかったのだけれど。」
私は、夕食が終わって食堂から部屋へ戻る時にヴァレリアに廊下で声を掛けられた。ずいぶん暗くなってから帰って来たのね。
「え?何-?大事な話?私今帰ってきた所だからお風呂に入りたくて。明日も早く起きて出発しないといけないし。」
「あ、そうよね。ごめんなさい。え?明日も学校あるの?私は休みだけれど。ただ、教会学校はどうだったのかと思って。」
「あぁ、なぁんだ。ええ、とても新鮮だったわ!考え方が全く違うから何もかもが本当に新鮮!やっぱり、宮廷学院じゃなくて、教会学校にして良かったかも!だって、庶民の生の声が聞けるのよ。明日は、授業はないけれど学校が開いているのですって。庶民は、そこで食事をとるらしいの。だから見てみようと思って。」
「へぇ…。ヴァレリア、熱心ね!」
「まぁね-。その為に、議会にまで参加させてもらって、大臣達にも意見を言わせてもらったんだもの。将来のきっと役に立つわよ。じゃあね、ヴェロニカ、おやすみー。」
ヴァレリアはそう言って、自室へと廊下を歩いて行った。
あの姿を見る限り、ヴァレリアは王女にならないわけ無いのよ?庶民の声をわざわざ聞きに学校まで変えたのだもの!そう思うのだけれど、やはりどこか、淋しいなと思ってしまった。宮廷学院ではなく庶民の学校へと行ってしまう事で、過ごす時間が少なくなってしまったと感じるからなのかしら。
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