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13. 不信感…?
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「ヴァレリア王女が宮廷学院に通わないというのは、俺は父から聞いた。議会に出席しているからね。」
「ええ。私も聞いたわ。」
「あぁ。僕の父からも聞いた。」
「うん。俺ら以外にも、言いふらす訳ではないが聞いている生徒もいたと思う。それで、将来の女王への不信感が芽生えつつあるんだ。」
「そんな!」
「それでね、騎士団っていうのは国を守る役目もあるけれど、王家を守る役目もあるだろう?『ヴァレリア様を守るのかぁ…俺ら貴族と親交を深めるより、庶民の学校へわざわざ通うと決めた方をかぁ。まさか、ヴァレリア様は女王とならないのではないか?』って、反抗心というか、寂しさというか…そんな所だと思う。噂というのは、そこだね。女王にならないんじゃないかって。」
「…!」
「だからさっき、王族である君に敢えてお願いを生徒達にしてもらった。でもただ君が言うのでは命令になってしまってはいけない。忠誠を誓うというのは、自分の意思で決めなければならないからだ。だからアンジェラ嬢が言ってくれたのは有り難かったよ。」
「学友としてのお願い、ね!」
「そうなの…私何も知らなくて…。二人とも、ありがとう。」
「いいのよ。私達はその為にいるの。あ、もちろん自分で決めたのよ?ヴェロニカが小さな頃から帝王学を学んでいるように私達も、貴方達王族をより良い方向へ導けるようにね。オクタヴィアン様からヴェロニカの話を聞いて、友人にもなりたいと思ったのだけれどね!」
「そうだったの…。ありがとう。」
おばあ様が、何を言ったのかしら。
「オクタヴィアン様は、ヴァレリア様が宮廷学院に通わないと聞いて、私達に会って下さったの。そして、ヴェロニカがどんな人か教えてくれて、『もし、力になれそうなら助けてあげてちょうだい。』って言われたの。ただそれだけよ。だけど、私はもっと仲の良い友人となりたいと思ったのよ?だから、ヴェロニカから『ヴェロニカと呼んで!』って言われた時はとても嬉しかったわ!私も公爵家の人間として、あまり友人と呼べる人は居なかったもの。だけど、学生の間だけよ?身分は、身分。あなたは王女なんだもの。こんな身分を鼻に掛けない王女も珍しいけれどね!」
そう言ってくれたので、少し心が軽くなったわ。おばあさまから言われたからアンジェラは、自分の意思とは関係なしに私に声を掛けてくれたのかと思ったから。それでも、仲良くしてくれて嬉しかったのは変わりないのだけれど。
「俺も昔から王族を支える者として育てられているからね。公爵家ではあるけれど俺はまだ王位継承権があるから、帝王学もさわりだけ学んだりもしたからね。だから、王族として外れそうになったら、正させてもらうよ。」
アヴェレスク様もニッコリと笑ってそう言って下さいました。
私は良く分からない事ばかりですから、教えてもらえるなら有り難いです。
「はい、ありがとうございます。よろしくお願いします。」
「だから、ちょっと見直したよ。」
「え?」
見直したと、アヴェレスク様に言われたから、何の事かしらと思いました。
「さっき、この話をする前なのに、ヴァレリア様の事で皆に謝っただろう?別にヴェロニカ嬢のせいではないんだけど、謝ってくれたからきっと、『ああ、俺達は見捨てられていないんだ』と感じたと思うよ。」
「そ、そうですか…?」
「あぁ、それは確かに思ったね。拙いながらも精一杯気持ちを伝えようとしていた。だから、気になって声を掛けてしまったよ。多分、『貴族よりも庶民と仲良くしたいのかよ』って思っていた僕のような奴は、あの言葉で少し救われたと思うよ。」
「ええ。心に響いたわ。ヴェロニカ。あなたが女王になればいいのに。」
「え?」
「おい!」
「さすがにそれは…!」
「あ、ごめんなさい!とにかく、変な噂が払拭されるよう、頑張りましょ!選択科目も、受講する人、増えるといいわね!」
アンジェラの言葉には驚いたけれど、きっとまた軽い冗談よね。
そう、お互いの事を話しながら時間は過ぎて行った。
「ええ。私も聞いたわ。」
「あぁ。僕の父からも聞いた。」
「うん。俺ら以外にも、言いふらす訳ではないが聞いている生徒もいたと思う。それで、将来の女王への不信感が芽生えつつあるんだ。」
「そんな!」
「それでね、騎士団っていうのは国を守る役目もあるけれど、王家を守る役目もあるだろう?『ヴァレリア様を守るのかぁ…俺ら貴族と親交を深めるより、庶民の学校へわざわざ通うと決めた方をかぁ。まさか、ヴァレリア様は女王とならないのではないか?』って、反抗心というか、寂しさというか…そんな所だと思う。噂というのは、そこだね。女王にならないんじゃないかって。」
「…!」
「だからさっき、王族である君に敢えてお願いを生徒達にしてもらった。でもただ君が言うのでは命令になってしまってはいけない。忠誠を誓うというのは、自分の意思で決めなければならないからだ。だからアンジェラ嬢が言ってくれたのは有り難かったよ。」
「学友としてのお願い、ね!」
「そうなの…私何も知らなくて…。二人とも、ありがとう。」
「いいのよ。私達はその為にいるの。あ、もちろん自分で決めたのよ?ヴェロニカが小さな頃から帝王学を学んでいるように私達も、貴方達王族をより良い方向へ導けるようにね。オクタヴィアン様からヴェロニカの話を聞いて、友人にもなりたいと思ったのだけれどね!」
「そうだったの…。ありがとう。」
おばあ様が、何を言ったのかしら。
「オクタヴィアン様は、ヴァレリア様が宮廷学院に通わないと聞いて、私達に会って下さったの。そして、ヴェロニカがどんな人か教えてくれて、『もし、力になれそうなら助けてあげてちょうだい。』って言われたの。ただそれだけよ。だけど、私はもっと仲の良い友人となりたいと思ったのよ?だから、ヴェロニカから『ヴェロニカと呼んで!』って言われた時はとても嬉しかったわ!私も公爵家の人間として、あまり友人と呼べる人は居なかったもの。だけど、学生の間だけよ?身分は、身分。あなたは王女なんだもの。こんな身分を鼻に掛けない王女も珍しいけれどね!」
そう言ってくれたので、少し心が軽くなったわ。おばあさまから言われたからアンジェラは、自分の意思とは関係なしに私に声を掛けてくれたのかと思ったから。それでも、仲良くしてくれて嬉しかったのは変わりないのだけれど。
「俺も昔から王族を支える者として育てられているからね。公爵家ではあるけれど俺はまだ王位継承権があるから、帝王学もさわりだけ学んだりもしたからね。だから、王族として外れそうになったら、正させてもらうよ。」
アヴェレスク様もニッコリと笑ってそう言って下さいました。
私は良く分からない事ばかりですから、教えてもらえるなら有り難いです。
「はい、ありがとうございます。よろしくお願いします。」
「だから、ちょっと見直したよ。」
「え?」
見直したと、アヴェレスク様に言われたから、何の事かしらと思いました。
「さっき、この話をする前なのに、ヴァレリア様の事で皆に謝っただろう?別にヴェロニカ嬢のせいではないんだけど、謝ってくれたからきっと、『ああ、俺達は見捨てられていないんだ』と感じたと思うよ。」
「そ、そうですか…?」
「あぁ、それは確かに思ったね。拙いながらも精一杯気持ちを伝えようとしていた。だから、気になって声を掛けてしまったよ。多分、『貴族よりも庶民と仲良くしたいのかよ』って思っていた僕のような奴は、あの言葉で少し救われたと思うよ。」
「ええ。心に響いたわ。ヴェロニカ。あなたが女王になればいいのに。」
「え?」
「おい!」
「さすがにそれは…!」
「あ、ごめんなさい!とにかく、変な噂が払拭されるよう、頑張りましょ!選択科目も、受講する人、増えるといいわね!」
アンジェラの言葉には驚いたけれど、きっとまた軽い冗談よね。
そう、お互いの事を話しながら時間は過ぎて行った。
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