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12. 学食へ行く

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 あの後、宮廷学院の入り口の門の所まで行くと、それぞれの侍女や侍従が待っていました。どうやら、授業が終わるまでに一度帰る侍従や侍女もいるけれど、そうでない人はこの門を入ってすぐ左の建物の使用人棟で待つそうです。今日は入学式とあってすぐ終わるので、ほとんどの侍従や侍女は待っていたみたい。

「ヴェロニカ様!」

「ラドゥ、お待たせ。待たせて早々悪いのだけれど、今からこの三人で、学食へ行ってもいいかしら。」

「まぁ…!もうご友人が出来ましたのですか!?良かったですね!けれどまだ私もついていきますよ?よろしいですか。」

 まだ?良く分からないけれど、だめだと言われなくて良かったわ。

「ヴェロニカの侍女のラドゥかな?済まないが、このまま学食へ行ってもいいだろうか。一緒に食事をしたい。宮廷に知らせをやったほうがいいのなら、俺のを一人遣うといい。君は心配だろうからね、ヴェロニカの傍に居た方がいいだろう。彼なら宮廷も何度も来ているから顔も利くし迷わない。」

「はい…!ありがとうございます、ええと…」

「あぁ、挨拶が遅れて済まない。俺はニコラエ=アヴェレスクだよ。怪しい者じゃないから安心して。」

「何から何まで…!ありがとうございます。」

 そう素早くラドゥに伝えてくれると、ニコラエ様は自身の侍従を一人、宮廷へと行かせました。食事をこちらで取る事を伝えに行ってくれたのね。
これからは、こういう事態も予測して、ラドゥだけじゃなくて人数を増やして連れてきた方がいいのかしら。でも、ヴァレリアにも人がついているだろうし…そんなにたくさん人を私につけていいのかしら。

「ヴェロニカ?」

「あ!ごめんなさい…。ラドゥだけではなくて、これからは私も連れてくる侍女を増やした方がいいのか考えておりました。」

「ああ、気にしなくていいよ。俺の侍従を遣えばいいから。仕事を与えないと逆に暇過ぎて寝てしまうからね。ずっと立っているだけでは。」

「まぁ!」

 寝てしまうなんて!気を遣ってそう言ってくれたのかしら。
私がそう話している間に、アンジェラもマリネスキュー様もそれぞれ侍女と侍従に話したらしくついてきた。家に連絡は特にしなくていいらしい。アンジェラなんて、『予定通りよ。一緒に食べられたらと、思っていたの。男二人いるのは予想外だけれどね。』と言っていた。





 学食にも専属の侍従がいて、公爵以上が入れるという個室に案内された。マリネスキュー様は侯爵家だけれど、私達の連れ、という事で入れるらしい。
ラドゥ達侍従や侍女も、そこの部屋の隅で食べてもらう事となった。本来であれば、私達が食べる時は壁に立って私達に何かあればすぐ来られるように待機しているが、今日は長くなるかもしれないからとニコラエ様が言ってくれたのだ。



「あぁ美味しかった!こんなのが毎日食べられるんだね。」

「そうですわね。うちとはまた違った味付けでしたわ。」

「ヴェロニカは毎日これを食べているんだろう?羨ましいな。」

「え?…えと…なんというか…でも、ここは、宮廷学院の生徒の為の料理かと。気持ち、肉が多いような気がしました。私が食べている味付けとはまた少し違いましたし。」

「そうなんだね。まぁ確かに、学生用なのかもね。」

「ところで…食事も終わったから話すけれど、選択科目を受講しない人が多いのはね、ヴァレリア王女に関係しているんだよ。」

 え?どういう意味かしら!?だってヴァレリアはここにはいないのに?
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