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2. え?
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「そうですか………。分かりました。クラヴィズ様、それではすべて無かった事にという事でよろしいですか。お父様にご報告させていただきますね。」
思っていたより、感情の籠もらない声が出てしまいましたが大丈夫ですよね?やっと欲しいお言葉をいただきましたわ。けれど、クラヴィズ様から言われたのですもの。お咎めはないですよね?
「は!?」
「え??」
えと…なぜ、クラヴィズ様は驚いているのでしょう。目は見開いて口がポカンと開いておりますけれど。
それを見た私も驚いてしまいまして、淑女らしくない声を出してしまいましたわ。
「やぁ。朝から賑やかだね。クラヴィズにレティシア嬢。ちょっといいかな?」
今まで、時が止まったかのように皆様私達に注目しておりましたけれど、近くにおられたのか、いつの間にか声を掛けられました。
「オルブライト様!」
「オルブライト?いきなりなんだ!」
彼は、クラヴィズ様と同じ学年で、オルブライト=ライレリス様です。現国王陛下の妹君がお母様の、公爵令息で二男ですわ。この学院の憧れの的。私も秘かに素敵な方と思っておりました。
肩まで伸びた真っ直ぐな金の髪はサラサラで、顔も整っており男性なのが勿体ないくらい美しい人です。
賑やか…うるさいって事ですよね。確かに目立っておりますもの。恥ずかしさはありますが、同時に大勢の方々が目撃者となってくださいますよね。
「クラヴィズ、今の言葉に二言は無いよね?大勢の生徒達が目撃者となるよ。レティシア嬢とは、婚約解消…いや、クラヴィズの最近の行動を見ていると婚約破棄でもおかしくないよね。」
そう言って、オルブライト様は私の隣に立って下さいました。
「な、な、なにを言っている!?俺は、別れようと言っただけであって、婚約を止めるとは言っていない!」
ん?どういう意味かしら?
「クラヴィズ?何を言っているのかよく分からないんだが説明してくれる?君は、さっきレティシア嬢に対し、別れようと言ったよね?それなのに婚約続行なのか?それって、虫が良すぎるんじゃないのかい?」
オルブライト様も思わず、顔を顰めて言って下さいましたわ。それはそうですわよね。別れようってせっかく言って下さったのに、婚約解消しないなんて意味が分かりませんわ。
「そんな事ないさ!まだ、レティシアの卒業まであと一年半あるんだ。だから一度別れて、お互い経験を積み上げて、レティシアの卒業を機に結婚しようって事だ!」
えと…経験ってどんな…?クラヴィズ様の言う経験って…?
このライルヴィア国では、男女のお付き合いの人数は少なければ少ないほど紳士淑女とされております。それなのにそんなもの必要ですの?
「はっ!何をほざいている!?それはレティシア嬢に対する侮辱じゃないのか!?聞いたか諸君!これは紛れもなく、レティシア嬢に対する冒涜じゃないか?」
そう、オルブライト様が周りの人々に向かって言うと、傍にいた人々がうんうんと頷いたり、近くの人と話したりし出した。
その呟きはやがて大きくなり、『そうよね、ありえないわ。』『別れるのにあと一年半待てって何?』『どういうつもりなのかしら?』など、オルブライト様に同意的な意見が聞こえてきた。
「な、な、な、何だと?何もおかしい事などないではないか!この侯爵令息である俺が、一年半後には結婚してやると言っているんだ!有難いと思う以外無いだろうが!!」
………いっそ清々しいほどの高圧的な態度ですわね。
思っていたより、感情の籠もらない声が出てしまいましたが大丈夫ですよね?やっと欲しいお言葉をいただきましたわ。けれど、クラヴィズ様から言われたのですもの。お咎めはないですよね?
「は!?」
「え??」
えと…なぜ、クラヴィズ様は驚いているのでしょう。目は見開いて口がポカンと開いておりますけれど。
それを見た私も驚いてしまいまして、淑女らしくない声を出してしまいましたわ。
「やぁ。朝から賑やかだね。クラヴィズにレティシア嬢。ちょっといいかな?」
今まで、時が止まったかのように皆様私達に注目しておりましたけれど、近くにおられたのか、いつの間にか声を掛けられました。
「オルブライト様!」
「オルブライト?いきなりなんだ!」
彼は、クラヴィズ様と同じ学年で、オルブライト=ライレリス様です。現国王陛下の妹君がお母様の、公爵令息で二男ですわ。この学院の憧れの的。私も秘かに素敵な方と思っておりました。
肩まで伸びた真っ直ぐな金の髪はサラサラで、顔も整っており男性なのが勿体ないくらい美しい人です。
賑やか…うるさいって事ですよね。確かに目立っておりますもの。恥ずかしさはありますが、同時に大勢の方々が目撃者となってくださいますよね。
「クラヴィズ、今の言葉に二言は無いよね?大勢の生徒達が目撃者となるよ。レティシア嬢とは、婚約解消…いや、クラヴィズの最近の行動を見ていると婚約破棄でもおかしくないよね。」
そう言って、オルブライト様は私の隣に立って下さいました。
「な、な、なにを言っている!?俺は、別れようと言っただけであって、婚約を止めるとは言っていない!」
ん?どういう意味かしら?
「クラヴィズ?何を言っているのかよく分からないんだが説明してくれる?君は、さっきレティシア嬢に対し、別れようと言ったよね?それなのに婚約続行なのか?それって、虫が良すぎるんじゃないのかい?」
オルブライト様も思わず、顔を顰めて言って下さいましたわ。それはそうですわよね。別れようってせっかく言って下さったのに、婚約解消しないなんて意味が分かりませんわ。
「そんな事ないさ!まだ、レティシアの卒業まであと一年半あるんだ。だから一度別れて、お互い経験を積み上げて、レティシアの卒業を機に結婚しようって事だ!」
えと…経験ってどんな…?クラヴィズ様の言う経験って…?
このライルヴィア国では、男女のお付き合いの人数は少なければ少ないほど紳士淑女とされております。それなのにそんなもの必要ですの?
「はっ!何をほざいている!?それはレティシア嬢に対する侮辱じゃないのか!?聞いたか諸君!これは紛れもなく、レティシア嬢に対する冒涜じゃないか?」
そう、オルブライト様が周りの人々に向かって言うと、傍にいた人々がうんうんと頷いたり、近くの人と話したりし出した。
その呟きはやがて大きくなり、『そうよね、ありえないわ。』『別れるのにあと一年半待てって何?』『どういうつもりなのかしら?』など、オルブライト様に同意的な意見が聞こえてきた。
「な、な、な、何だと?何もおかしい事などないではないか!この侯爵令息である俺が、一年半後には結婚してやると言っているんだ!有難いと思う以外無いだろうが!!」
………いっそ清々しいほどの高圧的な態度ですわね。
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