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14. 両親の想い アンセルムの両親視点
しおりを挟む 私はエルランド=ベンディクス。現国王の弟であるから、公爵家を賜っている。
私の息子は、アンセルム。幼い頃は屈託なく笑い、元気に動き回るごく
一般的な無邪気な子供であった。
だが、起こってしまったあの事件。
アンセルムの魔力は凄かったから本当は褒めてあげたかった。使用人を壁に打ちつけたとはいえ、無意識になのにも関わらず使用人を魔力で包み込んでいたようで大したケガも無くすぐに意識を戻したからな。
その事件をきっかけに、あいつには子供ながらにすでに公爵家の嫡男として、顔に表情を出さず、感情を制御するように強く言ってしまったが為に、あいつの心安まる場所が無くなってしまったように思う。
私にさえも、心の内をあまり話さなくなってしまった。
だが、アンセルムが八歳の冬。
すでに師から教わる事は終わっていた為、いつものようにあいつは一人で王宮の近くにある、王族とその招待者しか入れない森に体力作りに励んでいたが、帰って来て早々、私に話があると言ってきた。嬉々としている様は、幼い頃の活発だったアンセルムを見ているようでこちらも嬉しくなった。
聞けばどうやら、一人の少女に心を救われたらしい。
私は、この時のアンセルムの表情を忘れない。だから、アンセルムの気持ちを考慮してやろうと思った。
だが一つ問題点があった。
『クリスタと呼ばれた少女が、花の首飾りを作っていた』と。
私は、クリスタと言う名前の少女で、公爵家以上の階級の子では一人しか知らない。しかし、その少女は、アンセルムから聞く話とは全く結び付かなかった。
私は、クリスタの父のシクステン=セーデルホルム公爵家とは、従兄弟の関係であるから良く話したりするのだが、クリスタは女の子にしては少々活発で、花なんて踏み潰して走り回ってしまうような子なのだ。
しかも、驚いただけで涙を流すような可憐ではなく、相手に文句を言って噛みついていくような子であると。
髪色を聞けば、銀が少し混じった真っ直ぐな金髪だと言っていたな。クリスタはふわふわと波打つ金髪であるのだ。もしかしたら、違う子なのではないか?と思った。
シクステンは、亡き義妹の子供達を冬の間だけ滞在させていると言っていた。そこの子供かもしれないな。聞いてみるとしよう。
そしてこのアンセルムの初恋ともいえる子と結婚させれないか打診をかけてみるとしよう。きっと、まだ早過ぎるとでもいうかもしれないが。
けれど、アンセルムの嬉しそうな顔が忘れない。その出会った少女と結婚出来れば、更に喜んでくれるのではないだろうか。
アンセルムに、とうとう結婚の事を伝える日が来た!!
アンセルムがどんなに喜んでくれるだろうかと思ったらニヤニヤが止まらない。しかし、私がそんなしまりのない顔をしていてはいけないだろうと、表情を無くす事に徹したんだ。
ん?変だな。アンセルム、すぐに部屋を出て行ってしまったぞ。私に喜んだ顔を見せてくれると思ったのに、一人で幸せを噛みしめるつもりなのか?見られなくて残念だ……。でも、まぁ仕方ないか。恥ずかしいんだろう。きっと喜んでくれているだろうからな。
☆★視点が変わります★☆
私は、ヒルダ=ベンディクス。エルランドの妻で、アンセルムの母ですわ。
アンセルムの心を溶かしてくれた少女がいると私は夫のエルランドから聞いたわ。フフフ。アンセルムが、また人間の心を取り戻してくれて良かったと思ったの。
え?大袈裟だと思います?
でもね、アンセルムは幼い頃とはいえ、粗相をした使用人に手をあげてしまったの。あら?魔力を使った、の間違いかしらね。
とにかく、アンセルムはそこから纏う空気が、暗く、冷たくなってしまって、私達にも話をしてくれなくなってしまったのよね。
使用人達も、どこか余所余所しくなってしまって、アンセルムの事が怖いという雰囲気が、アンセルムにも伝わってしまったのよね。いくら公爵家に遣える優秀な使用人達でも、人間だもの。感情が滲み出てしまうのでしょうね。それを、アンセルムも寂しいと思ったでしょうし、だから常に一人でいられるよう、鍛錬を怠らず、鍛える時はあまり人が来ない公爵以上が入れる森へと毎日のように通っていたの。
それが、にこやかに帰ってきたみたいなのよ?あぁ、私も久しぶりのアンセルムの笑顔、見たかったわ。
エルランドが言うには、どうやら名前を間違えているかもしれないと言っていたけれど、私も改めてアンセルムからその時の話を聞かせてもらってそう思ったわ。
だって、クリスタ様は、活発ですぐにどこかへ姿を消してしまうそうですの。クリスタ様が幼い頃から、私もそのようなお話を夫人から聞いていたのよ。
いつも総出でクリスタ様を捜すと言っていたわ。隠れんぼをしている気分なのかしら?まぁ、クリスタ様も見つかるか見つからないかギリギリの所でいつもいらっしゃると言っていたから、楽しんでおられるのかもしれないわね。
だからきっと、クリスタ様の名前を呼ばれている時にその少女も一緒に捜そうと立ち上がったのではないかしら?
私もそれを聞いて、アンセルムは勘違いしているんじゃないかしら?と思ったのよね。どんなにアンセルムが大人びてしまっていても、同じ年齢の活発で、女の子の遊びをあまりされないクリスタ様を〝可憐〟と表現するかしら?
☆★
あぁ!とうとう結婚出来る事になったのね!
アンセルム、良かったわね!
…ムスっとしているのは何故?感情を私達にまで隠しているのかしら。もっと体中で表現してもいいと思うのに、きっと〝公爵家の嫡男〟として身についてしまっているのかしら。寂しいわ…。
え!?一緒の屋敷で暮らせると思ったのに…二人の新婚生活を傍で見られると思ったのに……こちらの領地へ来ないの?
あ!分かったわ!!二人だけの新婚生活を楽しみたいのね!?一番王都に近い、何も無いうちの公爵領に住むと言ったのはきっと、私達に見られるのは恥ずかしいって事ね?うーん、残念だけど仕方ないわね。
やっと想い人と一緒になれるのだから、良かったわね!アンセルム!!
私の息子は、アンセルム。幼い頃は屈託なく笑い、元気に動き回るごく
一般的な無邪気な子供であった。
だが、起こってしまったあの事件。
アンセルムの魔力は凄かったから本当は褒めてあげたかった。使用人を壁に打ちつけたとはいえ、無意識になのにも関わらず使用人を魔力で包み込んでいたようで大したケガも無くすぐに意識を戻したからな。
その事件をきっかけに、あいつには子供ながらにすでに公爵家の嫡男として、顔に表情を出さず、感情を制御するように強く言ってしまったが為に、あいつの心安まる場所が無くなってしまったように思う。
私にさえも、心の内をあまり話さなくなってしまった。
だが、アンセルムが八歳の冬。
すでに師から教わる事は終わっていた為、いつものようにあいつは一人で王宮の近くにある、王族とその招待者しか入れない森に体力作りに励んでいたが、帰って来て早々、私に話があると言ってきた。嬉々としている様は、幼い頃の活発だったアンセルムを見ているようでこちらも嬉しくなった。
聞けばどうやら、一人の少女に心を救われたらしい。
私は、この時のアンセルムの表情を忘れない。だから、アンセルムの気持ちを考慮してやろうと思った。
だが一つ問題点があった。
『クリスタと呼ばれた少女が、花の首飾りを作っていた』と。
私は、クリスタと言う名前の少女で、公爵家以上の階級の子では一人しか知らない。しかし、その少女は、アンセルムから聞く話とは全く結び付かなかった。
私は、クリスタの父のシクステン=セーデルホルム公爵家とは、従兄弟の関係であるから良く話したりするのだが、クリスタは女の子にしては少々活発で、花なんて踏み潰して走り回ってしまうような子なのだ。
しかも、驚いただけで涙を流すような可憐ではなく、相手に文句を言って噛みついていくような子であると。
髪色を聞けば、銀が少し混じった真っ直ぐな金髪だと言っていたな。クリスタはふわふわと波打つ金髪であるのだ。もしかしたら、違う子なのではないか?と思った。
シクステンは、亡き義妹の子供達を冬の間だけ滞在させていると言っていた。そこの子供かもしれないな。聞いてみるとしよう。
そしてこのアンセルムの初恋ともいえる子と結婚させれないか打診をかけてみるとしよう。きっと、まだ早過ぎるとでもいうかもしれないが。
けれど、アンセルムの嬉しそうな顔が忘れない。その出会った少女と結婚出来れば、更に喜んでくれるのではないだろうか。
アンセルムに、とうとう結婚の事を伝える日が来た!!
アンセルムがどんなに喜んでくれるだろうかと思ったらニヤニヤが止まらない。しかし、私がそんなしまりのない顔をしていてはいけないだろうと、表情を無くす事に徹したんだ。
ん?変だな。アンセルム、すぐに部屋を出て行ってしまったぞ。私に喜んだ顔を見せてくれると思ったのに、一人で幸せを噛みしめるつもりなのか?見られなくて残念だ……。でも、まぁ仕方ないか。恥ずかしいんだろう。きっと喜んでくれているだろうからな。
☆★視点が変わります★☆
私は、ヒルダ=ベンディクス。エルランドの妻で、アンセルムの母ですわ。
アンセルムの心を溶かしてくれた少女がいると私は夫のエルランドから聞いたわ。フフフ。アンセルムが、また人間の心を取り戻してくれて良かったと思ったの。
え?大袈裟だと思います?
でもね、アンセルムは幼い頃とはいえ、粗相をした使用人に手をあげてしまったの。あら?魔力を使った、の間違いかしらね。
とにかく、アンセルムはそこから纏う空気が、暗く、冷たくなってしまって、私達にも話をしてくれなくなってしまったのよね。
使用人達も、どこか余所余所しくなってしまって、アンセルムの事が怖いという雰囲気が、アンセルムにも伝わってしまったのよね。いくら公爵家に遣える優秀な使用人達でも、人間だもの。感情が滲み出てしまうのでしょうね。それを、アンセルムも寂しいと思ったでしょうし、だから常に一人でいられるよう、鍛錬を怠らず、鍛える時はあまり人が来ない公爵以上が入れる森へと毎日のように通っていたの。
それが、にこやかに帰ってきたみたいなのよ?あぁ、私も久しぶりのアンセルムの笑顔、見たかったわ。
エルランドが言うには、どうやら名前を間違えているかもしれないと言っていたけれど、私も改めてアンセルムからその時の話を聞かせてもらってそう思ったわ。
だって、クリスタ様は、活発ですぐにどこかへ姿を消してしまうそうですの。クリスタ様が幼い頃から、私もそのようなお話を夫人から聞いていたのよ。
いつも総出でクリスタ様を捜すと言っていたわ。隠れんぼをしている気分なのかしら?まぁ、クリスタ様も見つかるか見つからないかギリギリの所でいつもいらっしゃると言っていたから、楽しんでおられるのかもしれないわね。
だからきっと、クリスタ様の名前を呼ばれている時にその少女も一緒に捜そうと立ち上がったのではないかしら?
私もそれを聞いて、アンセルムは勘違いしているんじゃないかしら?と思ったのよね。どんなにアンセルムが大人びてしまっていても、同じ年齢の活発で、女の子の遊びをあまりされないクリスタ様を〝可憐〟と表現するかしら?
☆★
あぁ!とうとう結婚出来る事になったのね!
アンセルム、良かったわね!
…ムスっとしているのは何故?感情を私達にまで隠しているのかしら。もっと体中で表現してもいいと思うのに、きっと〝公爵家の嫡男〟として身についてしまっているのかしら。寂しいわ…。
え!?一緒の屋敷で暮らせると思ったのに…二人の新婚生活を傍で見られると思ったのに……こちらの領地へ来ないの?
あ!分かったわ!!二人だけの新婚生活を楽しみたいのね!?一番王都に近い、何も無いうちの公爵領に住むと言ったのはきっと、私達に見られるのは恥ずかしいって事ね?うーん、残念だけど仕方ないわね。
やっと想い人と一緒になれるのだから、良かったわね!アンセルム!!
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