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そして子供達
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月日は流れるーーー
「わーい!」
「ちょっと、ダニエル!危ないわよ!もう!あたしより先に行かないで!」
「ダニエル、ライナ!あんまり遠くへ行ってはダメよ?」
「分かってるわ!お母様はイストとゆっくり来ればいいから!」
リューリは今、三人の子供達とノルドランデル領のカントリーハウスから、景色のいい山側へとそれぞれが馬に乗って登っている。
九歳の長女ライナはリューリの金髪を受け継いでおり、見た目もさることながら性格も似ていてとても活発だ。
ダニエルとイストは双子の七歳で共に見た目はヴァルトに似て銀髪だが、ダニエルの方がリューリの血を色濃く継いだのか二歳上のライナにいつもついて行っている。その為、どちらが活発なのか甲乙つけがたいほどだ。イストはそんな二人を見ているからか冷静で、石橋を叩いてから歩くような性格であった。
「お母様大丈夫ですか?あんていき、に入ったと言っていましたが体調はいかがですか?」
「ふふ、ありがとう大丈夫よ。ライナもダニエルも困ったものよね。
でも、イストが走りたい早さで走っていいのよ?」
辺境伯の子供達は、リューリの影響で六歳から馬に乗る練習をしている。そして今では一頭ずつ馬に乗り、すでに結構な早さで走る事が出来ている。しかしイストは、一人では結構な早さで走れるのだが、他の人と共に走る時には合わせて走る事にしている。リューリのお腹には、あと半年ほどで生まれる命が宿っている事もあり、ゆっくりと歩くように馬を操っていた。
ーーーリューリがこのノルドランデルへ嫁いで来て十年が経った。
初めの頃は、馬で駆け回る事なんてしていなかったし、やりたいと口にも出していなかった。屋敷には、読んだ事のない書物もたくさんあったからそれに時間を費やすのも苦ではなかったから。
それにヴァルトが言ってくれた、リューリがこの生活に慣れたら一緒に出掛けようという言葉を楽しみにしていたのだ。だが、オオヒグマや他の野生動物との棲み分けの為の壁を作るのに忙しくなってしまった為、そんな日はなかなか来なかった。
自分が言い出した事である。
だから自分も何か手伝いたいとヴァルトに言ったのだが、リューリは屋敷で待っていてくれればいいと言われた為、書物を読む日々が続いた。
だが、やはり言い出したのは自分だからと、ついに警備塔まで行き、ヴァルトではなくローペに直接何かさせて欲しいと訴えのだった。本を読む日々がつまらなかったわけではないが、自分が言い出した事でもあるし外に出たくなったという理由もあった。
「そうですなぁ…しかし私がお願いしますとヴァルト様に殺されてしまいますので何卒ご勘弁を…!」
「そう…そうよね。」
確かに、ヴァルトが屋敷にいればいいと言った事を覆す事にもなるからローペはそう言うしかないかとしょんぼりと肩を落としたリューリに、顔を逸らしローペは続けた。
「…そういえば、食事遠征部隊が人が足りないと言ってましたなぁ。今なら、彼らは食堂の厨房にいるのではなかったかと……」
「ローペ…!ありがとう!」
そして、領内のあちこちで作業している警備隊に食事の準備をする部隊に参加する事が出来た。初めはもちろん恐縮されたが、自分もこの地の為に何かしたいというリューリの気持ちを汲まれ、リューリが出来る範囲で危なくない程度の料理を盛り付けたり、隊員に配るなどの簡単な事を手伝わせようという女性陣達の声に押され、仲間入り出来たのだ。その部隊には、警備隊員の他に、領民の主婦達も含まれていた。わざわざ食事の度に警備塔まで往復する時間短縮の為、作業場の近くで準備出来るよう、急遽領民からも募集をかけたのだ。元々ノルドランデル領は有事の際領民自ら出来る事は皆力を合わせて凌いで来た。その為、要請があれば文句を言う事もなく参加できる者はしていた。今は緊急事態ではない為、普段の農作業などが滞らない範囲内で、ではあるが。
そして三ヶ月もすれば簡易的にではあるが棲み分けの壁を作り終える事が出来た。そこらに生えている大木を切り組み合わせて壁のようにした簡単なものであるが、不具合があれば都度調整や手直ししていけばいいし、初めての試みであるから上手く行くのかは正直不安ではあったが、今のところ壁を壊したり乗り越えてまでこちら側にオオヒグマはやって来ていないので、大方成功であるといえる。もちろんその壁周辺の見回りは欠かさず行う事とし、壊されそうな箇所があれば補強したり、壁の向こう側に食料となる果樹を植える事も同時に行っていった。
そして、その壁が出来た事で、領内はほぼ安全だという事で領民も以前よりも格段と出歩く事が出来るようになり、リューリはヴァルトと念願であった馬で駆け回る事が出来たのだ。初めて出掛けた際は、一頭の馬で景色の良い丘まで駆け、その次からは一頭ずつ乗って併走したり競争したりして遠駆けを楽しむのが日課に加わった。ヴァルトと出掛けられない時には、リューリだけが馬と駆け回る事もあった。
ーーー
「お母様、そういえば結婚式をされなかったのは本当ですか?」
二人ゆっくりと常歩で進んでいるとイストが思い出したように、リューリへと問い掛けた。
「うーん、そうね。一般的な結婚式と言われるものはしなかったけれど、領民達からお祝いはしてもらったわよ?」
イストはリューリと二人になった時には大抵、ヴァルトとの話を聞きたいと強請る。ライナやダニエルがいる時に聞くと、余計な茶々が入る為、二人の時にゆっくりと聞くのである。
今も、結婚式についてを聞かれ、リューリはその頃を思い出し、微笑みながら答えた。
(ヴァルトからも、本当に結婚式挙げなくていいのかと何度も聞かれたわね。でも、あの時は棲み分けの壁を作っていたもの。それに作り終えた時、宴と称して皆で食事をした時にお祝いの言葉を皆から掛けてもらったしそれで充分だわ。)
「どうしてですか?結婚式って、憧れであるのでしょう?ライナも良く言ってます。」
「うーん、そうねぇ…私とお父様とは出会った時にはすでに夫婦になっていたのよね。それに、忙しかったのもあるし…」
「…でも、忙しくてもしたかったのではないですか?」
「あら。私は別に、そんなにしたいとは思わなかったわ。だって、衣装やなんかにお金を掛けるくらいなら、他の事に充てた方が有意義だと思うもの。」
「お母様らしいといえばそうですが…」
「うふふ。イストも、大きくなって結婚するお相手が出来たなら良く話し合いなさい?まぁ、一般的な女性であれば結婚式は夢見るでしょうけれど、そうでない人もいるのよ。だって、お祖母様も一般的な結婚式はしていないそうよ。」
「そうなのですか!?うーん…まぁ結婚式は費用も嵩むといいますからね。」
「あら、イストはもう結婚したいと思う子がいるの?」
「い、いえ!いません!!」
「そう?いいのよ、隠さなくても。でもそうね、もし出来たら教えてくれると嬉しいわ。」
「そうですね、その時には…」
リューリはイストの顔を見ながら、その時とはそう遠くはないのだろうと思う。思い返せばノルドランデルに嫁いで来て、この十年はあっという間だった。
その間に実家であるオークランス領では、領主がヨーナスへと代替わりした。サイラの友人の娘の一人と結婚し、子宝にも恵まれた。
ウルマスも、学院の友人の妹の元へと婿入りして領主となり才能を発揮し、跡継ぎもすぐに生まれた。
エリヤスもいつの間にか仲良くなった王女様と結婚し、国の管轄であった北の領地を公爵という地位を賜り治めている。国王となったクスターの補佐官としてもまだ続いている為忙しくもあるが、愛する妻と子供に癒やされている。
アハティはタウンハウスへと住処を移し、サイラとの時間が増えたと喜んでいる。
(いつかはこの子達も、私達の手を離れて家庭を築くのよね。)
幸せの形は少しずつ変化していくが、今、感じている幸せを大切にしようと思うリューリであった。
☆★
本編はこれで終わりです。ここまでお付き合い下さり、本当にありがとうございました!
他に話があと四話続きます。
「わーい!」
「ちょっと、ダニエル!危ないわよ!もう!あたしより先に行かないで!」
「ダニエル、ライナ!あんまり遠くへ行ってはダメよ?」
「分かってるわ!お母様はイストとゆっくり来ればいいから!」
リューリは今、三人の子供達とノルドランデル領のカントリーハウスから、景色のいい山側へとそれぞれが馬に乗って登っている。
九歳の長女ライナはリューリの金髪を受け継いでおり、見た目もさることながら性格も似ていてとても活発だ。
ダニエルとイストは双子の七歳で共に見た目はヴァルトに似て銀髪だが、ダニエルの方がリューリの血を色濃く継いだのか二歳上のライナにいつもついて行っている。その為、どちらが活発なのか甲乙つけがたいほどだ。イストはそんな二人を見ているからか冷静で、石橋を叩いてから歩くような性格であった。
「お母様大丈夫ですか?あんていき、に入ったと言っていましたが体調はいかがですか?」
「ふふ、ありがとう大丈夫よ。ライナもダニエルも困ったものよね。
でも、イストが走りたい早さで走っていいのよ?」
辺境伯の子供達は、リューリの影響で六歳から馬に乗る練習をしている。そして今では一頭ずつ馬に乗り、すでに結構な早さで走る事が出来ている。しかしイストは、一人では結構な早さで走れるのだが、他の人と共に走る時には合わせて走る事にしている。リューリのお腹には、あと半年ほどで生まれる命が宿っている事もあり、ゆっくりと歩くように馬を操っていた。
ーーーリューリがこのノルドランデルへ嫁いで来て十年が経った。
初めの頃は、馬で駆け回る事なんてしていなかったし、やりたいと口にも出していなかった。屋敷には、読んだ事のない書物もたくさんあったからそれに時間を費やすのも苦ではなかったから。
それにヴァルトが言ってくれた、リューリがこの生活に慣れたら一緒に出掛けようという言葉を楽しみにしていたのだ。だが、オオヒグマや他の野生動物との棲み分けの為の壁を作るのに忙しくなってしまった為、そんな日はなかなか来なかった。
自分が言い出した事である。
だから自分も何か手伝いたいとヴァルトに言ったのだが、リューリは屋敷で待っていてくれればいいと言われた為、書物を読む日々が続いた。
だが、やはり言い出したのは自分だからと、ついに警備塔まで行き、ヴァルトではなくローペに直接何かさせて欲しいと訴えのだった。本を読む日々がつまらなかったわけではないが、自分が言い出した事でもあるし外に出たくなったという理由もあった。
「そうですなぁ…しかし私がお願いしますとヴァルト様に殺されてしまいますので何卒ご勘弁を…!」
「そう…そうよね。」
確かに、ヴァルトが屋敷にいればいいと言った事を覆す事にもなるからローペはそう言うしかないかとしょんぼりと肩を落としたリューリに、顔を逸らしローペは続けた。
「…そういえば、食事遠征部隊が人が足りないと言ってましたなぁ。今なら、彼らは食堂の厨房にいるのではなかったかと……」
「ローペ…!ありがとう!」
そして、領内のあちこちで作業している警備隊に食事の準備をする部隊に参加する事が出来た。初めはもちろん恐縮されたが、自分もこの地の為に何かしたいというリューリの気持ちを汲まれ、リューリが出来る範囲で危なくない程度の料理を盛り付けたり、隊員に配るなどの簡単な事を手伝わせようという女性陣達の声に押され、仲間入り出来たのだ。その部隊には、警備隊員の他に、領民の主婦達も含まれていた。わざわざ食事の度に警備塔まで往復する時間短縮の為、作業場の近くで準備出来るよう、急遽領民からも募集をかけたのだ。元々ノルドランデル領は有事の際領民自ら出来る事は皆力を合わせて凌いで来た。その為、要請があれば文句を言う事もなく参加できる者はしていた。今は緊急事態ではない為、普段の農作業などが滞らない範囲内で、ではあるが。
そして三ヶ月もすれば簡易的にではあるが棲み分けの壁を作り終える事が出来た。そこらに生えている大木を切り組み合わせて壁のようにした簡単なものであるが、不具合があれば都度調整や手直ししていけばいいし、初めての試みであるから上手く行くのかは正直不安ではあったが、今のところ壁を壊したり乗り越えてまでこちら側にオオヒグマはやって来ていないので、大方成功であるといえる。もちろんその壁周辺の見回りは欠かさず行う事とし、壊されそうな箇所があれば補強したり、壁の向こう側に食料となる果樹を植える事も同時に行っていった。
そして、その壁が出来た事で、領内はほぼ安全だという事で領民も以前よりも格段と出歩く事が出来るようになり、リューリはヴァルトと念願であった馬で駆け回る事が出来たのだ。初めて出掛けた際は、一頭の馬で景色の良い丘まで駆け、その次からは一頭ずつ乗って併走したり競争したりして遠駆けを楽しむのが日課に加わった。ヴァルトと出掛けられない時には、リューリだけが馬と駆け回る事もあった。
ーーー
「お母様、そういえば結婚式をされなかったのは本当ですか?」
二人ゆっくりと常歩で進んでいるとイストが思い出したように、リューリへと問い掛けた。
「うーん、そうね。一般的な結婚式と言われるものはしなかったけれど、領民達からお祝いはしてもらったわよ?」
イストはリューリと二人になった時には大抵、ヴァルトとの話を聞きたいと強請る。ライナやダニエルがいる時に聞くと、余計な茶々が入る為、二人の時にゆっくりと聞くのである。
今も、結婚式についてを聞かれ、リューリはその頃を思い出し、微笑みながら答えた。
(ヴァルトからも、本当に結婚式挙げなくていいのかと何度も聞かれたわね。でも、あの時は棲み分けの壁を作っていたもの。それに作り終えた時、宴と称して皆で食事をした時にお祝いの言葉を皆から掛けてもらったしそれで充分だわ。)
「どうしてですか?結婚式って、憧れであるのでしょう?ライナも良く言ってます。」
「うーん、そうねぇ…私とお父様とは出会った時にはすでに夫婦になっていたのよね。それに、忙しかったのもあるし…」
「…でも、忙しくてもしたかったのではないですか?」
「あら。私は別に、そんなにしたいとは思わなかったわ。だって、衣装やなんかにお金を掛けるくらいなら、他の事に充てた方が有意義だと思うもの。」
「お母様らしいといえばそうですが…」
「うふふ。イストも、大きくなって結婚するお相手が出来たなら良く話し合いなさい?まぁ、一般的な女性であれば結婚式は夢見るでしょうけれど、そうでない人もいるのよ。だって、お祖母様も一般的な結婚式はしていないそうよ。」
「そうなのですか!?うーん…まぁ結婚式は費用も嵩むといいますからね。」
「あら、イストはもう結婚したいと思う子がいるの?」
「い、いえ!いません!!」
「そう?いいのよ、隠さなくても。でもそうね、もし出来たら教えてくれると嬉しいわ。」
「そうですね、その時には…」
リューリはイストの顔を見ながら、その時とはそう遠くはないのだろうと思う。思い返せばノルドランデルに嫁いで来て、この十年はあっという間だった。
その間に実家であるオークランス領では、領主がヨーナスへと代替わりした。サイラの友人の娘の一人と結婚し、子宝にも恵まれた。
ウルマスも、学院の友人の妹の元へと婿入りして領主となり才能を発揮し、跡継ぎもすぐに生まれた。
エリヤスもいつの間にか仲良くなった王女様と結婚し、国の管轄であった北の領地を公爵という地位を賜り治めている。国王となったクスターの補佐官としてもまだ続いている為忙しくもあるが、愛する妻と子供に癒やされている。
アハティはタウンハウスへと住処を移し、サイラとの時間が増えたと喜んでいる。
(いつかはこの子達も、私達の手を離れて家庭を築くのよね。)
幸せの形は少しずつ変化していくが、今、感じている幸せを大切にしようと思うリューリであった。
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